口コミ分析(ソーシャルリスニング)とは、SNSや口コミサイト、公式サイトなどに集まる口コミを集めて分析し、集客やサービス改善などのマーケティングに活用する施策です。
ネット上の口コミに関する調査では、「商品購入や店舗利用時にネット上の口コミ情報を参考にする」と回答した人が55.7%にのぼりました(マイボイスコム調べ)。
このように口コミはユーザーがその店舗の良し悪しを判断するのに参考にしますが、店舗側にとってもサービスの改善点を発見すること、新規顧客を獲得することなどにつなげるためのツールとして活用できます。
「口コミ分析」というと難しいもとと考える人もいるかもしれませんが、必ずしも専門的な知識や技術は必要ではありません。
本記事では、口コミ分析の重要性や活用する方法、無料で使える分析ツールなどについて解説します。
※Googleマイビジネスは、2021.11.5よりGoogle ビジネスプロフィールという名称に変更されました。
これに伴い、2022年にスマートフォン向けGoogleマイビジネスのアプリが終了します。
アプリ終了前に、これまでと同じように快適に使えるよう今から準備しておきましょう!
口コミ分析(ソーシャルリスニング)とは?なぜ重要?
口コミ分析とは?
口コミ分析とは、ソーシャルリスニングとも呼ばれ、口コミサイトやSNSなどのソーシャルメディア上でユーザーの声を収集して分析し、マーケティング施策に活用する方法を指します。
口コミ分析というと難しく考える人もいるかもしれませんが、必ずしもデータサイエンティストなどの専門家がやることではありません。
まずはクレームがないか 、店舗の問題点がないかなど 、口コミを「見ておく」「把握する」だけでもOKです。良い口コミはさらに活かし、悪い口コミがあったら対応を考えよう!というところから始めましょう。
口コミ分析の活用方法
口コミ分析が重要な理由として
・ユーザーの生の声を知る
・集客や売り上げの改善に活かす
・問題があるときにアラートを立てる
・炎上などのリスクへの予防ができる
などがあげられます。
そもそも口コミを書いてくれるユーザーが少ない中で、わざわざ書いてくれたユーザーの声はとても貴重です。特にネガティブな口コミに対して、事実を確認し、適切に対応することで、集客アップや売り上げの増加などの効果が期待できます。
ユーザーニーズを正確に把握する
売上を向上させるためには、消費者の正確なニーズを把握し、商品開発やサービスに活かすことが重要です。SNSなどで投稿される口コミには、大多数の意見ではないノイジーマイノリティーの意見も含まれますが、口コミを収集し、集計し、分析することで、ノイジーマイノリティーの意見を排除すし、ユーザーニーズを正確に把握することも可能です。
商品やサービスの改善につなげる
ユーザーの生の声、ネガティブな口コミには店舗や商品の改善のヒントが隠れています。
・オペレーション的な問題を発見する
・商品の欠点を見つける
・課題に対する改善策を他店舗に転用する
オーナーが気付いていない従業員の接客マナーの悪さや、サービスの改善点を把握することで、改善に向けた策をとることができます。
分析すべき口コミの種類
口コミ分析の対象は、大きく分けて
1. 口コミ・レビューサイトなどへのコメント
2. SNSの投稿
3. ホームページやブログのコメント
があります。
これらの口コミを通して、自社のサービスの良し悪しや集客に対する効果やを分析できます。
1. 口コミ・レビューサイトのコメント
口コミ・レビューサイトは、Amazon、楽天などの商品の口コミや、Googleマイビジネスなど、口コミを集めているサイトです。これらのサイトは、商品に対する使用感などを星や点数で評価することが多く、点数や、投稿数をチェックすることで口コミを分析することができます。
2. SNSの投稿
近年は、お店などを利用したときに、お店のホームページや口コミサイトに口コミをするより、SNSへの発信を通して口コミをする人が増えています。写真付きの投稿ができるので、実際の見た目もわかりやすいという利点もあります。
お店の名前のハッシュタグ入りの投稿がされていると、検索機能に引っ掛かり、お店の口コミが気になるユーザーに参考にされます。
投稿数やフォロワー数を調べるツールなどでもあり、競合他社の分析をすることも可能です。
3. 公式サイトやブログのコメント
ホームページやブログをお店が持っている場合は、口コミ掲載欄に投稿された口コミを分析することができます。口コミに対してスタッフが返信することでコミュニケーションも生まれ、リピートに繋がる可能性もあります。
口コミを無料でカンタンに分析するツール
ここでは、インターネット上に寄せられる口コミを無料でカンタンに分析する方法を紹介します。
1. SNSの口コミ分析ツール
多くの人が利用しているTwitterやInstagram、FacebookなどのSNSには、ユーザーの生の声がリアルタイムに反映され、店舗や商品に対してのダイレクトな感想や反応を見ることができます。
また、投稿に対してのリプライ(返信)やいいね、RTなどの他者からエンゲージメント(反応)もマーケティングの重要な要素となります。特に、拡散力の強いTwitterでの口コミ分析は必須です。
Twitterで特定のワードに対しての反応を調べられる機能として「Yahoo!リアルタイム検索」があります。
Yahoo!リアルタイム検索では特定のワードを検索すると、そのワードをツイートした数とその推移、さらにポジティブ・ネガティブな感情の割合を簡単に調べられます。
また、「◯◯のツイート数のグラフ」の下に表示されている「6時間」「24時間」「7日間」「30日間」のタブをクリックすることで表示が切り替えられ、その期間ごとのツイート数の推移と感情の割合も調べられます。
たとえばキャンペーン施策の反応数を見るなど、簡単に分析したい時に利用できます。
2. 口コミサイトの口コミ分析ツール
ユーザーが口コミを投稿する口コミサイトやレビューサイトには、食べログやAmazon、トリップアドバイザーなどがあり、業種や形態によっても多種多様で、数多く存在しています。
その中でも特に近年利用されており、重要度が高いのは「Google マップ」の口コミです。
Googleマップは世界中で利用されるためユーザー数が多く、目的地や現在地周辺の店舗検索など日常的にも利用され、Googleマップの口コミ評価を参考にして来店するユーザーも多くいます。
Googleマップには多くの口コミや評価が集まるため、なかには批判的な口コミや間違った内容、悪意のある口コミなどが投稿される場合もあり、店舗側で投稿された口コミを監視、管理することが必要となります。
Googleマップの口コミを一度に見るには?
Google マップに投稿された口コミを管理する場合、「Google マイビジネス」を使って寄せられた口コミの確認や返信が行えます。※自身がオーナー権限を持つ店舗のみ
Google マイビジネスの管理画面を開き、「クチコミ」をクリックして口コミ一覧を確認してみましょう。普段は見えなかったお店の問題点が見えてくるかもしれません。
しかし、Google マイビジネスでは「キーワードで絞り込む」といった口コミの詳細な分析は行えません。
よりしっかりと分析をしたい場合は、有料の口コミ分析ツールの導入を検討すると良いでしょう。
3. 公式サイト・ブログ内の口コミ分析方法
店舗が運営する公式サイトや公式ブログに対して、ユーザーからのコメントが投稿される場合もあります。
こういった投稿は、これまでの口コミとは違い、ユーザーから店舗に対して「感想」や「要望」はたまた「クレーム」など直接伝えたい内容である場合が多くみられます。
わざわざ店舗の公式サイトやブログを訪れて書き込みをしてくれているので、店舗側は投稿された内容に対して返信などのやり取りをすることで熱心なファンを獲得できたり、ユーザーと信頼関係を築けたりする機会となります。SNS・Google マップの口コミと同様、定期的にチェックするとよいでしょう。
口コミ分析の注意点
ここでは、口コミ分析をする際の注意点についてお伝えします。
口コミ分析の目的を明確にする
SNSやGoogle マップに投稿された口コミを収集し、その評価を知っただけでは「次のアクション」につながりません。
ネット上で寄せられた口コミの収集や分析を行うことで、店舗経営にはどのように生かせるのでしょうか。ここでは大きく4つの目的について解説します。しっかりと目的を定めた上で分析しましょう。
1. 悪い口コミを監視し、炎上リスクに備えたい
口コミは望むと望まずと関係なくネット上に寄せられるもので、その中には悪い評価の口コミも当然あります。場合によってはSNSやGoogle マップ上で炎上してしまうこともあります。
そういった悪い評価や口コミを監視し、炎上リスクに備えることも、口コミ分析を行う目的の1つとなるでしょう。
2. 口コミをもとにサービスを改善したい
悪い評価や口コミの中には「接客の態度が悪かった」「陳列が見にくい」といった店舗の問題点を指摘してくれるような内容のものもあるはずです。
口コミ分析で悪い口コミを収集したとしても、そういった口コミも真摯に受け止めることで店舗のサービス改善につなげることもできます。
3. 施策の効果を定性的に検証したい
口コミ分析を行うことで、売上や来店人数などの数字ではない部分でのユーザーからの評価を確認することもできます。
企業事例として、たとえば宅配ピザ大手ピザハットでは商品の味を改善する施策の効果を、口コミで検証したといいます。
味を改善するといった取り組みの効果は、売上にすぐに反映されるものではありません。しかし「前よりも美味しくなった?」といった口コミが投稿されていれば、内容を分析することで施策の効果を定性的に検証することができるのです。
複数の店舗を経営しているチェーン店などの場合、スタッフや店舗を売上などの数字以外で評価するのは難しいといえます。
口コミを分析することにより、口コミに基づいたスタッフや店舗の評価、特性の把握につなげることも可能となります。
ノイジーマイノリティに惑わされない口コミ分析を
ネット上に投稿された口コミが大多数の意見とは限りません。口コミ分析の際には、「ノイジーマイノリティ(声高な少数派)」の存在を意識することが必要となります。
反対の言葉として「サイレントマジョリティ(静かな多数派)」という概念もあり、本来マーケティングで重要となるのは、多数派であり商品の売上に大きな影響を及ぼしているものの、積極的な発言はしないサイレントマジョリティの人々です。
しかし、ノイジーマイノリティは少数派でありながらも声高く騒ぎ立てるため、世間一般の人々の意見であるかのように受け止められてしまうケースが多々あります。
たとえば、飲食店の新メニュー開発や既存メニューの廃止などの重要な事柄について、ノイジーマイノリティの意見のみを参考に判断してしまうと、多数派のサイレントマジョリティが離れていってしまうかもしれません。
そういった失策を取らないためには、口コミをさまざまな角度から分析し、静かな多数派の意見を見逃さないよう冷静に判断することが必要となります。
口コミの監視・分析をカンタンに!口コミ分析ツール「口コミコム」とは
このように口コミの監視・分析の重要性が高まっていますが、膨大な作業時間が足かせとなり、口コミの管理が進んでいない店舗も多いのではないでしょうか。
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