宣言解除で居酒屋”接種特典”を提供/カフェチェーンの時流とらえた独自取り組み【飲食業界動向まとめ 2021年9月】

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緊急事態宣言・まん延防止等重点措置が9月末に解除されました。10月4日には岸田新総理が就任し、Go To事業の再開時期に注目が集まっています。

酒類の提供や営業時間の規制によりこれまで苦境を強いられてきた飲食店のなかには、かき入れ時の年末年始に向けて始動した店舗もあります。

飲食店ではワクチンパスポートを活用したり、AIロボットによる非対面式で接客をしたりするなど新たな試みが見られます。

本記事では、9月の飲食業界関連ニュースや動向を紹介します。

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9月の飲食業界主要ニュース

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置が解除され、飲食店業界がその対応に追われています。 ここでは、9月の飲食業界に関するニュースやワクチンパスポートを活用した事例について解説します。

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の全面解除が決定

感染者数の減少と、安定的な医療の提供の準備が整ったことを受け、政府は9月末で緊急事態宣言・まん延防止等重点措置をすべて解除しました。全国のどの地域にも宣言や措置が発令されていない状況は今年4月4日以来およそ半年ぶりのことです。

宣言解除後1か月ほどは段階的な措置が取られます。宣言が解除された地域での酒類の提供は、各都道府県の知事が条件を判断することとなりました。

飲食店の営業時間は、都道府県などから感染対策に関する認証を受けた店舗は午後9時まで、非認証店では午後8時まで認められます。

首都圏1都3県では、3週間程度は感染再拡大を警戒し認証店での酒類の提供は午後8時まで、非認証店では引き続き自粛を求める方針です。

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Go To事業の再開に前向きな岸田氏が新総裁に

10月4日に就任した岸田新総理は、総裁選中に「Go To2.0」を提唱して注目を集めました。「Go To2.0」とは、ワクチン接種証明や陰性証明書を活用した観光振興策のことをいいます。

また、斉藤藤国土交通大臣も「Go To トラベル」の再開時期の検討に着手しました。感染拡大防止の徹底と経済回復を両立させる考えです。

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<参照>
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各地で独自「ワクチンパスポート」取り組み

政府が行動制限を段階的に緩和するのに先立ち、一部地域ではワクチンパスポートの取り組みが始まりました。

沖縄県石垣市では、ワクチン接種を2回受けた市民を対象に飲食店などで割引や特典サービスを開始しました。

また、群馬県でもワクチン接種済みの人を対象に県内を旅行する際の代金を割り引いたり、食事券を販売したりする施策を10月13日から始める予定です。

いずれも接種証明のスマートフォン画面や書類、PCR検査の陰性証明書を提示する必要があります。

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ヒトサラ「接種完了」登録

グルメメディア「ヒトサラ」では、店舗スタッフのワクチン接種状況やワクチン接種特典を実施している店舗がひと目でわかるサービスを始めました。

また、予約の際にユーザー自身の接種状況を入力する項目があり、店舗側でも確認できる仕組みです。

ユーザーは、店舗スタッフの接種状況や感染対策の情報を事前に確認できるため、安心して利用できます。また、店舗側もユーザーの接種状況を知り安心して接客できるというメリットもあります。

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テラス席に対する特別措置が延長

国土交通省は2021年9月までの実施を予定していた、道路占用の規制緩和を来年の2022年3月末まで再延長することとしました。

これは、3密を避けるべく飲食店が沿道にテラス席やテイクアウトを提供するためのスペースを設置する際に、占用料を徴収しない特例措置です。

ことし7月の時点で占用許可数は全国で約420件にのぼります。

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ファミレス大手の動向

ファミリーレストラン大手5社の公表資料によると、8月期の既存店売上高は前年同月に比べて軒並み減少しました。

その内訳をみると、すかいらーく16.7%、サイゼリヤ16.6%、デニーズ22.8%、ジョイフル16.2%、ロイヤルホスト14.1%それぞれ減少しました。

客単価をみると、すかいらーく2.7%、サイゼリヤ5.3%、デニーズ3.8%それぞれ減少したのに対し、ジョイフルは3.2%、ロイヤルホスト2.9%増加しました。

こうした厳しい状況は、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置だけでなく、自治体からの営業時間短縮要請のエリアが拡大したことも一因とみられます。

<参照>
月次業績 | IRライブラリー | 株主・投資家の皆様 | すかいらーくグループ
IRニュース|投資家の皆様へ|サイゼリヤ
月次営業情報 | 株主・投資家(IR) | セブン&アイ・ホールディングス
月次データ | IR情報 | ファミリーレストラン ジョイフル [Joyfull]
月次売上|財務・業績|IR情報|ロイヤルホールディングス株式会社

ロイヤルホスト・てんや/衛生管理や業務アプリなどでデジタル化推進

ロイヤルホールディングス傘下の「ロイヤルホスト」と天丼チェーン店「てんや」では、帳票のデジタル化を進めています。

これまで、食材や衛生の管理を紙媒体で記録していたところ、タブレット端末を活用し年間10万枚以上の紙を削減できる見込みです。

ペーパーレス化を図りながら、業務の効率化や衛生水準の向上にもつながるという一石二鳥の効果で、現場からは好評を得ています。

<参照>
年間10万枚以上の紙削減へ ロイヤルホスト・てんや直営店でアプリ導入、ペーパーレス化
ロイヤルグループ、飲食店舗のDXを目的に現場改善プラットフォーム『カミナシ』をロイヤルホストやてんや等350店舗へ導入

サイゼリヤ/配膳にAIロボットを活用2022年9月までに100台

サイゼリヤの台場フロンティアビル店では、配膳AIロボットを導入し実証実験を始めました。サイゼリヤに導入されたロボットは、テーブル位置を記憶し最適なルートで料理を届ける完全自律歩行型です。

また、抗菌処理されたBOXに料理を入れて運ぶため衛生的です。配膳だけでなく、下げ膳の動作もでき回転率の向上にも寄与しており、人手不足の解消が期待されています。

コロナ禍により、できるだけ非接触での接客を増やしたい飲食店がこの配膳AIロボットの導入の検討を進めています。

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<参照>
サイゼリヤで自動配膳を実証。納入したロボットの実力|ニュースイッチ

回転寿司

コロナ禍でテイクアウト需要を見方に付けた回転寿司業界で、新たな客層を確保しようと破格のキャンペーンを実施した事例を紹介します。

かっぱ寿司「半額」に全国で行列、20時間待ち

かっぱ寿司では、9月26日に全国の店舗で1日限定の寿司全皿半額キャンペーンを実施し、大盛況となりました。しかし、オープンと同時に大行列で20時間待ちの店舗まで発生し、SNSで話題になりました。

入店できなかった来店客にはかっぱ寿司店舗でも使える半額券が配られる措置が取られました。一方、早くも半額券が転売されるといった事例まで明らかになっています。

<参照>
かっぱ寿司で「入店20時間待ち」表示 全皿半額キャンペーンで全国に大混雑、入店困難な状態に

居酒屋

緊急事態宣言や自治体の要請により、酒類の提供ができなかったり、営業時間の短縮を求められたりと居酒屋店にとってこれまで厳しい状況が続いていました。宣言が解除され、巻き返しを図ろうとワクチン接種者向けの特典を積極的に進呈しています。

10月から営業再開の店も多く、準備に追われる

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置が10月から解除され、酒類を提供する飲食店が本格的に営業を再開したり、営業時間を延長したり準備の対応に追われています。

一部の飲食店では、人材の確保やメニューなどの準備が間に合わず1日にあわせて営業を再開できないところも出てきています。

飲食に特化した人材サービス会社「クックビズ」の調査によると、9月の飲食店との求人商談件数が8月より全国で約3割増えたことがわかりました。大阪府だけをみると、約7割も増えており、年末年始の繁忙期に備えて人材を確保しようとする店舗が増えていることがうかがえます。

ワクチン接種で割引キャンペーン

「ミライザカ」、「鳥メロ」などを傘下に置くワタミグループでは、ワクチンを2回接種した全店舗の来店客を対象に生ビールやソフトドリンクなどを1杯無料で提供するキャンペーンを実施しています。

また、居酒屋チェーンを運営するテンアライドが展開する「和食れすとらん天狗」などの和食店ではワクチンを2回接種した来店客にドリンクバーを無料にするキャンペーンを10月末まで実施する予定です。「テング酒場」などの居酒屋では、今後特典を付ける方向で検討中とのことです。

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<参照>
居酒屋や旅行、接種で特典 飲み物1杯無料/限定ツアープラン 集客と接種促進狙い、宣言解除前から|朝日新聞デジタル

カフェ

コロナ禍でも特定のリピーター客を増やすために、そしてサステナブルな社会を実現するためにさまざまな工夫を凝らしている、カフェの事例を紹介します。

時間課金型セルフカフェ「ベックスステーションラウンジ」

株式会社JR東日本クロスステーションが運営する「ベックスステーションラウンジ東中野店」では、フリードリンク付きの1時間税込250円でカフェスペースを利用できます。商品の注文から決済までを店舗内の端末機でおこなうセルフ式カフェです。

リモートワークやノマドワーカーの需要に応えるべく9月27日にリニューアルオープンしました。

<参照>
ノマドワーカー向け時間課金型セルフカフェ ベックスステーションラウンジ東中野店OPEN

エクセルシオール、食品ロス削減に注力

株式会社ドトールコーヒーが運営するエクセルシオールカフェでは、2021年8月下旬からフードシェアリングサービス「TABETE」を50店舗に導入しました。

「TABETE」とは、食品ロスを削減するためにアプリに事前に登録された飲食店がその日に売れ残ってしまうものをお得な価格で出品し、ユーザーがそれを見て購入する仕組みです。

エクセルシオールカフェでは、すでに6店舗で実証運用をした結果、約半年で104Kgの食品ロスの削減に成功しています。

<参照>
食品ロス削減でサステナブルな社会を実現 エクセルシオール カフェ50店舗にて「TABETE(タベテ)」本格導入

カフェ・ド・クリエ、アプリでサブスク

株式会社ポッカクリエイトが展開するカフェ・ド・クリエでは、10月4日から月額6,000円で対象ドリンクにつき1日2杯まで飲める定額制サービスを始めました。

「クリエのサブスク」を購入すると、公式アプリ内にチケットが届きます。会計時に提示すればよく、自動継続課金はされないため毎月登録する必要があります。

<参照>
カフェ・ド・クリエのサブスク、月6千円で1日2杯

9月に発表された飲食業関連のデータ紹介

営業時間の短縮や酒類の提供が制限されたことにより、パブ・居酒屋の打撃は大きく全体の売上は前年比68.8%減、前々比88.8%減という結果でした。

9月に発表された、8月の飲食業界の動向ポイントを解説します。

日本フードサービス業界データ、8月

8月の外食産業市場動向調査によると、全体の売上高は前年比8.6%減で、コロナ前の前々年と比べても24.4%減少していることがわかりました。

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置が出されたことと大雨の影響により外食の営業規模も縮小したのが要因です。

一方、ファストフードはデリバリーテイクアウト、特に回転ずしの持ち帰り需要が牽引し全体の売上は前年比に比べて+1.0%とかろうじて増加しました。

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外食産業市場動向調査 2021年8月

外食市場調査2021年度7月度(リクルート)

リクルートによる7月の外食市場調査(首都圏・関西圏・東海圏)によると、外食市場規模は合計1,672億円で、前年同月比294億円減と2か月連続でマイナスとなりました。

一方、マイナス幅が前月よりは縮まっており(6月期の前年同月比528億円減)、主要業態のうちレストラン食堂・ダイニング・洋食店やファストフード、スナック・ナイトクラブ・キャバレーなど4業態の市場規模は前年比プラスを記録しています。

しかしながら、依然として厳しい状況であることには変わりありません。

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7月外食市場 前年比85.1%、3か月連続で前月より回復

博報堂生活総研 [来月の消費予報・10月](消費意欲指数)

10月の消費意欲指数46.2点
▲来月の消費予報・10月:博報堂生活総研
博報堂生活総合研究所が10月の消費意欲を調査したところ、スコアは46.2点と前月から横ばい(プラス0.6ポイント)、前年比ではマイナス1.9ポイントでした。

食品に対する女性の消費意欲の増加が見られます。

<参照>博報堂生活総研 [来月の消費予報・10月](消費意欲指数):時事ドットコム



口コミラボ 最新版MEOまとめ【24年9月・10月版 Googleマップ・MEOまとめ】


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