修学旅行再開、京都に学生の姿戻る/ニューオータニの6泊7日ダイエットプランほか【宿泊業界動向まとめ2021年10月】

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9月末で緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が解除されたことを受け、10月は宿泊業が本格的な再開に向けての動きが少しずつ見られる月になりました。GoTo事業の再開はまだ目処が立っていませんが、各自治体からGoToキャンペーンに準ずる県内旅行の支援策が再開されています。

この記事では10月の宿泊業界の動きについてまとめます。

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宿泊業界主要ニュース

緊急事態宣言が解除され、新型コロナウイルスの感染者が減少するにあたり、これまで苦境を強いられてきた宿泊業界にもさまざまな動きが見られるようになってきました。

ここでは宿泊業界に関わるニュースについて紹介します。

新政権動向 旅行需要喚起へ

岸田新総理は、総裁選中に「GoTo2.0」として旅行需要喚起を行うと発言しています。

この「GoTo2.0」では、前回のGoToキャンペーンが感染拡大につながってしまった可能性があることへの指摘を受けて、内容をバージョンアップした上で行われる見込みです。

具体的にはワクチンの接種証明や検査の陰性証明があれば割引率がアップするなど、感染対策と旅行需要の活性化を両立させる方針のもとに行われることになります。

また前回のキャンペーンでは、利用が大手のホテルや高級旅館などに偏ってしまったという問題点がありました。「GoTo2.0」ではこの点を踏まえて、中小の旅館や旅行会社を利用した場合に割引率がアップするなどの内容も検討されています。

開始時期については未定で、感染者数のリバウンドを防ぐための緩和期間を設けるために旅行業への規制の全面解禁はまだ先になる見込みです。「GoTo2.0」の具体的な内容やルールが固められていくのは、総選挙が終わり新体制が成立してからとなる見込みです。

<参照>
毎日新聞:岸田氏「GoTo2.0を」 野田氏「子ども債」意欲 自民総裁選
ABEMA TIMES:行動制限緩和の実証実験が本格化 「GoTo2.0」は始まる? 制度設計は選挙後?
経済産業省:緊急事態措置・まん延防止等重点措置全面解除後の「月次支援金」の延長について
Yahoo!ニュース:Go Toトラベルの早期再開はあるのか?新ルールの発表もできないなど問題が山積み、準備に1ヶ月は必要(鳥海高太朗) 

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修学旅行が再開、「修学旅行キャンセル保険」も登場

宣言の解除を受け、各地では修学旅行が再開されるようになっています。

修学旅行先として定番の土地である京都府の嵐山や清水寺などの観光地では、徐々に修学旅行生の姿が見られるようになってきています。

京都府は、新しい修学旅行「京都スタイル」として、京都市内の事業者の感染対策の実施状況や修学旅行生が旅行に来るにあたり注意すべき事項などをまとめ、その周知に努めています。

また、栃木県の日光市にある二荒山神社によると、宣言解除後からは修学旅行生の姿が一気に増えたとのことで、一般客の増加と合わせて活気が戻ってきています。

やむをえず修学旅行を中止にした学校の中には、オンラインでの修学旅行を試みている学校もあります。

たとえば静岡県藤枝市の青島中学校では、本来は5月に予定していた修学旅行が中止になったことを受け、京都の寺や伝統工芸の工房とオンラインで接続し、学びを得るという試みが行われました。

そのほか、宮崎県日向市の細島小学校はコロナの影響で修学旅行の行き先が県外から県内に変更となりました。小学生が宮崎大学を訪れ発表を行うなどする中で、大学生も日向市を訪れるようになるなど学生同士の交流が生まれています。

また修学旅行に関しては、このコロナ禍でキャンセルの際のための保険が注目されています。損害保険ジャパン株式会社の子会社であるMysuarance株式会社は、日本国内の修学旅行に参加する生徒の保護者が加入できる「修学旅行キャンセル保険」を提供しています。この保険の適用範囲には出発直前の病気や怪我などの理由のほか、家族や友人などがウイルスに感染してしまいキャンセルが発生した際に補償が受け取れます。

<参照>
修学旅行生、観光客が続々 日光、那須方面の観光地に活気|県内主要,地域の話題,経済,社会|下野新聞「SOON」ニュース|下野新聞 SOON(スーン)
京都に修学旅行生・観光客戻る 秋の紅葉シーズン、業者に期待感|医療・コロナ|地域のニュース|京都新聞
修学旅行 県内変更で日向市の児童と宮崎大生の新たなつながり|NHK 宮崎県のニュース
「修学旅行キャンセル保険」の提供開始|Mysurance株式会社のプレスリリース

コロナ禍でのビジネスチャンス、ホテルの創意工夫あふれるプラン

コロナ禍でも売り上げを獲得するため、各ホテルはさまざまなプランやキャンペーンによって新たな顧客を開拓する試みを行なっています。

ここでは各ホテルのコロナ禍での新プランなどについて解説します。

ダイエットのための6泊7日プラン(ホテルニューオータニ)

ホテルニューオータニ東京は、6泊7日の宿泊期間中にホテル内の会員制スポーツクラブが使い放題になり、さらにジムトレーナーによるプログラムに沿ったトレーニングが受けられる「体質改善 ボディメイクステイ」というプランを開始しています。

これはコロナ禍において外出を控えるようになったことによる運動不足を感じている人や、体重が増加した人が多いことに着目したものです。

プランには体組成測定やトレーナーによるカウンセリングなど、さまざまなサービスが受けられます。これにより、通常の宿泊客以外の新規需要を開拓する狙いがあります。

<参照>
株式会社ニュー・オータニ:6泊7日の"ホテルごもり"でコロナ太りを撃退!?会員制ジム通い放題&食事付のパーソナライズ宿泊プラン新登場

四国の名産品を東京で味わう、JR四国と協力(ホテルニューオータニ)

同じくホテルニューオータニはJR四国と協力し、都内で全国の食材が味わえる企画である「STAY TOKYO EAT JAPAN」の一環として、四国の美食を味わうコラボレーションフェアを10月から開始しました。

四国の食材をホテルシェフがアレンジすることで、東京にいながらにして四国の美食が味わえるという内容で、遠方への旅行がまだ難しい部分もある中でユーザーの旅行意欲を満たすための取り組みであるといえます。

<参照>
株式会社ニュー・オータニ:JR四国×ニューオータニが初コラボ!"今すぐ行きたい"旅行意欲をお腹で満たす、四国グルメフェア開催決定

非接触型のチェックインシステムを導入、全39ホテル(東急ホテルズ)

全国に展開する東急ホテルズでは、宿泊客がスマートフォンにQRコードを表示させることでチェックインが済ませられるシステムを運営する39店舗すべてに展開しました。

これはフロントに設置されたタブレット端末に対して事前の料金清算を済ませた際に発行されるQRコードをかざすことで、チェックインとカードキーの発行ができるというものです。

さらに事前に顔写真を登録しておくことで、顔認証によるチェックインも可能になります。これらはスタッフとの接触機会を減らすための取り組みであるといえます。

<参照>
株式会社東急ホテルズ:全国の東急ホテルズ39店舗でQRコードによる非接触のWebチェックインシステムを導入

ワクチンパスポートを活用したキャンペーン(アパホテル)

民間でPCR検査などを提供しているICheckは、ワクチン接種を証明するアプリである「ワクパス」を開発しています。

これは政府によって提供が予定されているワクチンパスポートアプリとは異なり、企業がワクチン接種者の接種証明を簡略化し、さまざまなサービスを利用してもらうように促進するためのものとして作られています。

アパホテルはこれと提携し、このワクパスを利用したクーポンを掲載し、ワクチン接種者の利便性をアップし新たな顧客獲得につなげる予定です。

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民間初ワクチン接種証明アプリ「ワクパス」ホテルチェーンや回転寿司で優待

オンラインツアー事業に注力、2025年に100万ユーザーと売上60億円めざす(HIS)

大手旅行会社のHISは、2020年4月からオンラインツアー事業を立ち上げています。これはZoomを利用して録画済みの映像やバーチャル背景を参加者に見せながらガイドをするというものです。

ニューヨーク支店での無料体験サービスを経て全店舗に一斉に広がり、外出自粛が必要とされるなか一気にツアーが拡大しました。

単に観光地を案内するだけでなく、インドの有名占い師によるオンライン手相占いなどユニークなツアーも含まれており、多くの利用客を獲得しています。

HISは2025年までに100万人の利用者と売上60億円を目指しており、新たな収益の柱としたい考えです。

<参照>
日本経済新聞:新型コロナ: HIS、オンラインツアーに14万人 NY駐在員が発案

自治体独自の宿泊・観光事業支援、観光需要を喚起

緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除されたことを受け、さまざまな自治体で独自にGo To事業の代替事業が再開され始めています。これらは主に県内旅行を対象としており、県民に対するキャンペーンとして展開されています。

ここでは各自治体による宿泊・観光事業支援策を紹介します。

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山陰合銀が飲食・宿泊事業支援

山陰合同銀行は10月に鳥取・島根両県での飲食や宿泊業を支援するためのキャンペーンを実施しています。

これは同社の発行するクレジットカードを使って両県どちらかの宿泊施設で10,000円以上消費すると、先着で1,000人に1,000円がキャッシュバックされるというものです。

そのほか飲食店においても、5,000以上の消費でキャッシュバックが受けられます。キャンペーンの実施は12月31日までです。

<参照>
日本経済新聞:新型コロナ: 山陰合銀、飲食・宿泊業を支援 クレカ利用で払戻金

栃木県/一人一泊最大5,000円割引「県民ー家族ー旅行」

栃木県では「県民一家族一旅行推進事業」として、栃木県民が県内旅行をする場合に一人一泊あたり最大5,000円の割引が受けられる観光キャンペーンを行なっています。

また、さらに県内の土産店などで利用できる地域限定クーポンも合わせて提供するなどもしています。

利用回数には制限はなく、予算が尽き次第終了となります。県内に店舗を持つ旅行会社や、楽天トラベルやじゃらんなどの宿泊予約サイトを通した予約に適用されます。

<参照>
栃木県:【第2弾】 県民一家族一旅行 公式サイト | とちぎを旅して、とちぎに泊まろう

千葉県/40万人に5,000円キャッシュバック「ディスカバー千葉」

千葉県の実施する「ディスカバー千葉」では千葉県民およびその同居する家族を対象に、応募者の中から抽選を行い当選者及びその家族が対象宿泊施設を利用する際に5,000円がキャッシュバックされるというキャンペーンです。

また、GoToトラベルが再開した場合は併用を可能とする予定です。2021年10月18日から開始しており、利用期限は12月15日のチェックアウト分までとなります。

<参照>
千葉県:ディスカバー千葉

広島県/最大50%補助「やっぱ広島じゃ割」

広島県では「やっぱ広島じゃ割」として、県民の県内旅行を対象に旅行代金から最大50%を割引する支援策が始まっています。

キャンペーンは2種類あり、通常の「やっぱ広島じゃ割」では旅行プランで最大15,000円、宿泊プランでは最大5,000円の割引が受けられます。「やっぱ広島じゃ割 地域観光支援分」では、宿泊・旅行プランともに最大5,000円の割引です。さらに、県内で利用できる最大2,000円のクーポンも付与されます。

<参照>
広島県:やっぱ広島じゃ割「広島県観光連盟」

熊本県/宿泊・日帰り旅行に最大5,000円割引「くまもと再発見の旅」

熊本県では熊本県民を対象とした「熊本再発見の旅」キャンペーンが実施されています。

事業規模は約36億円で、宿泊旅行及び日帰り旅行にかかる代金が最大5,000円割引になるというものです。日帰り旅行の場合は、喉痛や食事、体験などを組み合わせた旅行商品が割引の対象になります。

また、一回あたりの旅行代金が6,000円以上になる場合は地域内で使えるクーポン券が2,000円分付与されます。

<参照>
熊本県:くまもと再発見の旅

10月に発表された宿泊業関連のデータ紹介

ここでは10月に発表された宿泊業関連のデータについて紹介します。

宿泊旅行統計調査/2019年同月比で53.5%減、依然として厳しい状況続く

9月の延べ宿泊者数は、2,269万人泊で、昨年同月比で20.5%減、コロナ禍以前の2019年同月比で53.5%減と依然として厳しい状況が続いています。

また外国人延べ宿泊者数は28万人泊と、2019年比で96.6%減であり、インバウンド需要の回復は見込めません。

日本人延べ宿泊数に限っても、2019年同月比で、7月は28.8%減、8月は43.3%減なのに対し、9月は44.7%減です。

9月末まで、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されていたこともあり、宿泊旅行者数の回復は進んでいません。

しかしこれらの宣言が解除されたことから、観光地には賑わいも戻っており、10月以降は回復傾向になる見込みです。

<参照>
国土交通省観光庁:令和3年8月分(2次速報値)報道発表資料

博報堂生活総研 [来月の消費予報・11月](消費意欲指数)

博報堂のシンクタンクである博報堂生活総合研究所は、20~69歳の男女1,500名を対象に調査した「来月の消費予報・11月」を発表しました。2021年11月の消費意欲指数は48.8ポイントで、前月比で0.8ポイントの横ばいですが、前年比では5.1ポイントと大きく増加しています。11月としては西尾高知をマークしました。


11月は年末年始を控えて消費意欲が高まりにくい月ですが、新型コロナウイルスの完成状況が落ち着いたことなどが好材料となり前月から続けて高い消費意欲が維持される結果となりました。

また前年11月は消費増税の影響もあったたため、前年比では大幅な増加となりました。

とりわけ旅行への消費意欲が大きく前進しており、前月に比べ「旅行の予定がある」と回答した人が大幅に増加しており、外向きの消費意欲が高まっている傾向が見られます。

10月は各自治体で宿泊支援策の再会が始まるなど、旅行業が活発になる萌が強く見られた月になりました。今後GoTo事業が再開されれば、より国内旅行の需要が喚起されることが予想されます。感染対策を両立させながら、売り上げ獲得に向けた施策を打ち出していくことが重要になります。

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<参照>
博報堂生活総研[来月の消費予報・11月](消費意欲指数) |ニュースリリース|博報堂 HAKUHODO Inc.


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