Googleビジネスプロフィール上で設定できる業種カテゴリ(ジャンル設定)は店舗の事業内容や特徴を表す、いわばラベルのような役割を果たしています。適切なカテゴリを設定することで、そのサービスを検索している見込み顧客にビジネスを結びつけ、集客につなげることが可能です。
しかし、カテゴリをいくつまで設定するべきなのか、「メインカテゴリ」「追加カテゴリ(サブカテゴリ)」はどのように使い分けるかなど、よくわからないままにビジネスプロフィールを運営している方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、Googleビジネスプロフィール ダイアモンドプロダクトエキスパートの永山卓也氏監修のもと、カテゴリを設定するうえで押さえておきたいポイントや意外な注意点などを詳しく解説します。
<プロフィール>
永山卓也 - Googleビジネスプロフィール ダイアモンドプロダクトエキスパート/「口コミコム
」テクニカルアドバイザー&「訪日ラボ」アドバイザー
ローカルビジネスコンサルティング、店舗マネジメント業を行い、 デジタル、アナログ両面で小売・飲食・宿泊業、観光業に豊富な経験。各都道府県の地方自治体、地域団体などを中心にセミナー、講演実績多数。観光庁 インバウンドの地方誘客促進のための専門家。Googleビジネスプロフィール ダイアモンドプロダクトエキスパート。Google Maps, Google広告プロダクトエキスパート。東京観光財団 観光おもてなしアドバイザー。株式会社movが運営するお客様の声のDXサービス「口コミコム 」テクニカルアドバイザー&インバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」アドバイザー。
Googleビジネスプロフィール(Googleマイビジネス)の業種カテゴリ設定を見直そう
Googleビジネスプロフィールの業種カテゴリ設定は、すぐに施策を実施できる項目で、なおかつGoogleローカル検索で不足しがちな「どういう店舗か」の情報をGoogleに伝えられる項目です。
Googleビジネスプロフィールのカテゴリを見直すことで、もしかすると今現在検索に引っかからない状態の商品・サービスが引っかかるようになったり、すでに検索に引っかかっている場合でも関連性が高まり、より上位に表示されるようになる可能性があります。
たとえば、居酒屋のメインカテゴリ設定になっているビジネスで、業種的に「和食店」「天ぷら店」の要素がある店舗であれば、追加カテゴリとしてそれらを設定することで「和食」「天ぷら」などの検索語句において関連性を高めることができます。現状で全く紐付いていなければ、それをキッカケに検索に絡んでくる可能性がありますし、既に検索結果に表示されている場合でも順位上昇に繋がる要素になります。
設定できるカテゴリの数・種類は?
まず、軸となる「メインカテゴリ」は、Googleの施設情報として登録、生成される際に設定されているはずです。メインカテゴリは、Googleビジネスプロフィールの投稿機能や商品機能など、使用できるかどうかを決める要素であったり、属性設定の項目にも大きく影響します。
そして実はこの他にGoogleビジネスプロフィールでは「追加カテゴリ(サブカテゴリ)」を最大9つまで追加設定可能です(ただし、こちらにもGoogleによるガイドラインがあるため注意。詳しくは後述します)。追加カテゴリも一部、設定や機能などに影響を及ぼす業種設定があります。
業種カテゴリは、Googleにとっても利用者にとっても「どういうお店なのか」を把握する意味で非常に重要な設定になりますが、選択できるカテゴリは業界・業種ごとにジャンルの幅に差があります。
例を挙げると、飲食業では「飲食店」といったざっくりとした事業内容を示すものから、「カリブ海料理店」「焼きそば店」などより具体的なものまで多岐に渡っています。しかしアパレル業界では日本語設定においては非常に幅が狭く、ほとんど「衣料品店」カテゴリを使用せざるを得ないくらい、種類が少なく具体的に選べるカテゴリが限られています。
またカテゴリは設定する際、文字を入力すると出てくるGoogleが定義している候補の中からしか選べず、オリジナルで業種設定することはできません。
追加カテゴリの役割は伝えきれていない店舗の特徴をGoogleへ伝えること
基本的に検索結果に表示される業種カテゴリは1つで、ほとんどの場合はメインカテゴリが表示されます。
追加カテゴリは、店舗の業態的に幅がかなりあり、そういった幅のある追加カテゴリを設定していた場合で、なおかつ検索語句が追加カテゴリにぴったりくるようなケースにのみ便宜上、追加カテゴリが表示されます。
ただ、そういう場合を除けば、追加カテゴリはほとんど表示されないため、検索者に向けて店舗の魅力を伝えるというよりは、Googleに対して店舗の特徴を伝えるという側面が大きいものになっています。
しかし先述した通り、設定できるカテゴリは業種によっても限られているため、対応できそうにない業種や別のアプローチも含めてしっかり関連付けを行いたい場合は投稿機能や公式サイトの発信などでキーワードとの関連性を高めることができます。
業種別のキーワード対策については、連載企画「業種別Googleビジネスプロフィール活用講座」で詳しく解説しています。
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- テイクアウトを実施している飲食店などのGoogleビジネスプロフィール活用
- 美容室のGoogleビジネスプロフィール活用
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お土産屋のGoogleビジネスプロフィール活用
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その他 業種別Googleビジネスプロフィール活用一覧
設定するカテゴリ数は多ければ多いほどいい は間違い
追加カテゴリですが、Googleにはガイドラインが存在します。
例えば、その数についてはガイドラインで「可能な限り数少なく設定」と書かれています。反面、9つまで設定出来る仕様のため、追加カテゴリをどこまで増やしていいか悩んでしまいます。
公式ヘルプには例も掲載されているのですが、結論から言うと、カテゴリを何でもかんでも追加する事は、良い結果に結びつくとは限りません。
たとえば、メインの事業内容が「イタリア料理店」なのに、まったく関係のない「劇場」「スーパーマーケット」などの追加カテゴリを設定した例を考えてみましょう。「劇場」や「スーパーマーケット」と検索している人に「イタリア料理店」のビジネスが表示されても、集客に結びつけることはできません。また、仮に来店につながったとしても、カテゴリに該当するサービスを提供していない場合、クレームや低評価の口コミにつながるおそれもあるでしょう。
なりふり構わず9つすべて設定してしまうと、目的が達成できないような業種に検索で引っかかってしまい、適切ではなくなるため注意が必要です。
メインカテゴリだけでは情報が不足している際に、それを補完する形で「三方よし」の状態になるような設定にしたほうがよいでしょう。
一部のカテゴリには要注意!それまで使えていた機能が使えなくなることも
事業内容にあったカテゴリを設定することが重要であるいっぽう、なかには設定するとGoogleビジネスプロフィールの機能に一部制限がかかるカテゴリがあり、注意が必要です。
たとえば酒を取り扱う小売店などで設定しそうなカテゴリ「酒屋」。これをカテゴリとして設定すると、投稿機能が制限される特徴があります。
また、Googleビジネスプロフィールに関する質問が集まる「ヘルプコミュティ」では、飲食店が「宴会場」カテゴリを設定した結果、メニュー機能が使えなくなったという事例も報告されています。
- Googleビジネスプロフィールヘルプコミュティ:メインカテゴリ「居酒屋」の場合、「メニュー」機能は使えないのか
カテゴリを変更したり追加した際、もしなにかGoogleビジネスプロフィールの制限がかかる場合や検索結果の表示が意図しないものになる可能性があるので注意してください(その場合には、再度メインカテゴリを差し替えたり、追加したカテゴリを削ったりしてみてください)。
以上、カテゴリ設定について解説しました。追加カテゴリについては通常設定されておらず見逃されがちな部分ですので、これを機会に見直してみるとよいでしょう。
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