宿泊施設のGoogleビジネスプロフィールに起きた「大革命」。最新機能「投稿」の活用方法は?【エキスパート特別対談後編】

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今回、特別ゲストとして、女性として日本で初めてGoogleビジネスプロフィールGoogleマイビジネス)ゴールドプロダクトエキスパートになった今井ひろこ氏を迎え、Googleビジネスプロフィールの動向の振り返りや、宿泊施設Googleビジネスプロフィール活用について、GoogleビジネスプロフィールGoogleマイビジネス)ダイアモンドプロダクトエキスパート永山氏と対談いただきました。

前編では「Googleマイビジネス激動の一年を振り返る」と題し、「Googleビジネスプロフィール(Googleマイビジネス)に関する2021年の振り返りと、2022年以降の予想」について語っていただきました。

今回は対談の後編として、宿泊施設Googleビジネスプロフィール活用」についての対談のようすをお届けします!

宿泊施設のGoogleビジネスプロフィールに起きた「大革命」。最新機能「投稿」の活用方法は?
▲宿泊施設のGoogleビジネスプロフィール 最新機能「投稿」の活用方法は?エキスパート特別対談

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宿泊施設のGoogleビジネスプロフィール活用

石橋(口コミラボ編集部):
今井さんは、コムサポートオフィス(https://www.com-support-co.jp/)代表として宿の集客のコンサルティングを行う傍ら、Googleビジネスプロフィール(Googleマイビジネス)ゴールドプロダクトエキスパートとして、ヘルプコミュニティ(https://support.google.com/business/community)に寄せられるユーザーの質問に回答するといった活動も続けていらっしゃいます。また、ご自身も宿の経営に携わっていらっしゃるとか。

そこで対談の後半では、今井さんの専門領域でもある「宿泊施設Googleビジネスプロフィール活用」について永山さんと語っていただきます!

今井:
今回もよろしくお願いします〜!

永山:
よろしくお願いします!

ついに宿泊施設でも投稿機能が使えるように!

石橋:
ついに、宿泊施設でも投稿機能が使えるようになりましたね!かなりタイムリーな話題ですし、ぜひこれについてお二人のご意見を伺いたいです。

→関連記事:ホテルでも投稿機能が使えるように!Googleマイビジネス(ビジネスプロフィール)機能変更

今井:
今年に入ってから投稿が表示されることは何度かあったんですが、バグって言われていましたよね。

ついに認められたということで、宿に関わる人間としては「待ってました!」という感じです(笑)

Googleマイビジネス 宿 ホテル 旅館
▲対談のようす

永山:
これはもともとバグだったのが、正式に実装された形ですね。

今井さんは、投稿機能をどうやって使おうと考えていますか?

今井:
冬のコース料理の説明や、今だったら「県民割」の説明などを投稿したいですね。うちの宿はカニ鍋を提供しているのですが、たとえばズワイガニの価格が高騰しているので値上げする、といった宿泊プランの内容変更についてのお知らせとかもいいですね。

あとは雪が降る地域なので、道路情報も出せたら、車で来てくださるお客さんの役にも立ちますよね。

こうした話を、Googleビジネスプロフィールで無料でPRできるようになるというのは非常に大きいです。

ホテル 民宿 Googleマイビジネス 投稿
▲宿泊施設の投稿事例:民宿かどや ビジネスプロフィールより

宿泊施設のGoogleビジネスプロフィール活用に「大革命」が起きた

永山:
今回の機能正式化で、宿泊施設Googleビジネスプロフィールで行える施策が広がったのは素直に喜ばしいですよね。

これまで宿泊関係のビジネスにおいては、Googleビジネスプロフィールだけでできることは他の業種と比べて制限されている点多く、情報伝達の面でも苦慮することが非常に多くありました。

絡め手として「WebサイトやOTAとの連携」という形で「Googleビジネスプロフィールの情報と紐づけるためにホームページを充実させてください!」とか「OTAの契約やプランのありかた」という形で、かなり通常の店舗とは違うものばかりで、Googleマイビジネスだけでは情報の伝え方が限られていたんですよね。

今井:
そうそう。今まで宿の方がセミナーに来てくださっても、「宿はGoogleビジネスプロフィールでできることがあまりないよね」という反応が多い感じでした。

でも今回投稿が使えることになって、さまざまなアクションがとれるようになりましたし、宿にとってもGoogleビジネスプロフィールへのモチベーションが高まるきっかけになるんじゃないかと思います。

永山:
そうだと思います。これをきっかけに他の機能も使ってみよう、という形で始める人も出てきそうです。

今井:
例えば、Googleで調べたときに、宿の「概要」文が書いてある施設と書いていない施設がありますよね。

宿泊施設 Googleマップ 概要 ホテルの詳細
▲宿泊施設の概要文(ホテルの詳細):民宿かどや ビジネスプロフィールより

今井:
ホームページを持っていない宿泊施設などは概要が掲載されていなかったりしますけど、そういった宿泊施設でも、投稿機能でフォローできるということです。

本当にすごいことですよ、これは(笑)

永山:
そうですね。OTAとの契約をしている宿泊施設もですが、投稿機能はOTAと契約していない宿泊施設にとっても大きな武器になります。

例えば、あるOTA宿泊施設を探すとき、「〇〇駅周辺から1km以内」とかがデフォルト設定で検索されるので、アクセスがよくない施設だとOTAでも検索結果から弾かれてしまうことがよくあるんです。

でも、そういった施設って、シャトルバスとか別の交通手段を用意してくれていたりするので、結局利便性は変わらなかったりするんですよね。

これまではそういった情報が埋もれてしまっていたのですが、ルート検索などでGoogle Mapsを使う方はたくさんいて、そこからOTAで予約 みたいな流れも多いんですよね。そういう意味では、Googleビジネスプロフィールでそのことなどが書けるようになったのは「大革命」と言ってもいいですね(笑)

他にもこんなメリットが

永山:
あとは、宿泊とは性質が異なるのに、宿泊と同じ扱いを受けていた業種にとってもメリットがありますよね。

今井:
というのは…?

永山:
例えば、「キャンプ場」はこれまで宿泊関係のカテゴリとして扱われていて、投稿機能が使えなかったんですよね。なおかつこういった施設はOTAにも出稿していなかったりするので、PRできる場所が限られてしまっていました。

今回の変更で、投稿機能を活用してPRすることが可能になったわけです。

今井:
確かに!それはいいですね。

永山:
他にも、アクティビティと宿泊をセットにしたプランを提供する宿泊施設があったとして、OTAにはプランすべてを掲載しきれない場合があります。そういったOTAには載せきれないプランも、投稿機能を使って独自に宣伝できるようになるということです。

あとは宿泊施設に温泉施設が併設されていて、温泉施設のみ日帰りでも利用可能な場合とかですね。Googleで温泉を検索した際に「ホテル」という名前で出てきてしまうと、顧客側としては日帰りで行けるとは思わないじゃないですか。そこに、投稿機能で日帰り利用を呼びかけることもできるようになります。

今井:
なるほど。宿泊施設内にあるけれど日帰り客も利用できる食事処などにも同じことがいえますね。今まで飲食店としての情報をあまり出せずにいたけれど、PRできるようになるんですね。

いろいろな使い方ができそうです!

どこまで宣伝できるのかなど、ルールはまだ明確化されていない

永山:
投稿に関するコンテンツ ポリシーは発表されていましたっけ?

今井:
日本語版https://support.google.com/business/answer/7213077?hl=ja)はまだですね…(※12月23日時点)。

英語版(https://support.google.com/business/answer/7213077?hl=en)を見る限り、自社公式サイトで販売している宿泊プランのリンクを貼るとかは難しそうですね…。割引の宣伝やクーポンのリンクを載せるのは禁止と書いてあるので。

Business Profile posts content policy
▲Hotel posts(宿泊施設の投稿について):Business Profile posts content policyより

ただこれ、まだ日本語化されていないので、どこまでが禁止で、どこまでが許容されるのか、あいまいな部分が大きいですよね。

永山:
たしかに。公式サイトのトップページのリンクを貼るのはどう思います?

今井:
おそらく、今の書き方だとトップページならいいのかなと思います。

ただ、宿泊プランの予約一覧ページに飛ばすのは禁止なのか、あるいはGoogleホテル広告に出稿しているOTAであればリンクを貼っても良いのか、などまだわからないところが多いですね。

永山:
そうですね。今後日本語版が更新されることに期待したいところです。

メッセージ機能の活用も有効

石橋:
投稿機能のお話、非常に興味深かったです!他に、宿泊施設Googleビジネスプロフィールでやっておくべきことはありますか?

永山:
ぜひ、メッセージ機能をオンにしていただきたいですね。現状あまり使われていない機能ですが、問い合わせが拾えるようになりますよ。

メッセージ Googleマイビジネス
▲メッセージ機能をONに:Google ビジネス プロフィール マネージャより

永山:
宿泊施設はチェックインの時間など忙しい時間帯にはなかなか電話を取れないと思うんですが、そうするとどうしても顧客側の不満がたまっていってしまいますよね。メッセージ機能なら宿泊施設側でも対応しやすい時間に対応できますし、顧客側もGoogle検索から直で問い合わせできるので便利だと思います。

今井:
そうですね。今までアプリでしか実装されていなかったのが、アップデートによってブラウザで使えるようになったので、メッセージ機能を使う敷居が下がりましたよね。アプリの使い方がわからずPCを使っている方も多いので、そういう方々にとっては使い勝手がよくなったんじゃないでしょうか。

ただ、チェーン店ではメッセージに気づきにくいということもあって対応が難しいので、個人店舗に向いているかもしれませんね。

あとは、LINE公式アカウントを使う手もあるんじゃないかと思います。宿では結構使っているところもありますよ。

永山:
なるほど。ただ、LINEはフォローさせなきゃいけないというハードルがありますから、この辺りはお客様や検索されている方とのコミュニケーション手段の拡大 という感じで使い分けて頂くのがいいですね。

今井:
確かにそうですね…。そういった問い合わせがしやすいプラットフォームに複数登録しておいて、メッセージが入ってくるのは1つの端末、といったふうに統一すれば、管理がしやすくていいかもしれないですね。

Go To トラベルが始まったら、どう発信する?

永山:
ここで話題は変わるんですが、今後「Go To トラベル」が再開された時、しっかり宣伝できるかどうかが宿泊施設としては結構重要ですよね。特に今回、Googleビジネスプロフィールでもそういった発信ができるようになったわけですし。

たとえば今から始まるとして、宿の専門家である今井さんは、宿としてどういう情報を発信したらお客さんにとって刺さると思いますか?

今井:
Go Toや県民割は条件などがわかりづらいので、それは載せるべきだと思います。それと「うちもGo Toの対象ですよ」と積極的に発信することが必要ですね。

前回のGo Toのときには、キャンペーンをやっていることがわかるように写真はきちんと載せましたね。

あとはSNSでも発信しました。「LINEでお問い合わせください」と書いたりして。

ブログも必須ですね。Go Toや県民割の情報を詳しく載せるには、ブログ形式の方が書きやすいですから。

今回Googleビジネスプロフィール投稿が使えるようになったので、投稿で軽く説明して、適用条件や申請方法などの詳細は、宿のブログやキャンペーン公式サイトのリンクを貼って見てもらうとかはいいかもしれないですね。

永山:
なるほど!その方が見やすくなりそうですね。

コロナ禍で上手くいった情報発信は

永山:
今のGo Toの話もそうなんですけど、コロナ禍で上手くいった情報発信の事例って色々あると思うんですけど、本当に工夫が大事になってきてますよね。

例えばデリバリーの事例なんですけど、Googleビジネスプロフィールに宅配の写真付き商品リストのチラシを出したんですよね。「コロナで宴会ができない法人様向けに20個以上で注文可能、ご宴会替わりにお昼にちょっと社内で豪華なお弁当をどうですか」と書いて。

これはデジタル方向ですが、それに加えて、アナログとしてもチラシに「Googleマップでxxと検索してください」といった言葉を入れたチラシをオフィス街で配りました。このキャンペーンを期間限定でやってみたんですけど、これがかなり当たったんです。(※情報提供許可いただいてます)

こういったコロナ禍で成功した事例って色々あると思うんですが、今井さんも何かあればぜひ教えてください!

今井:
宿にもよりますが、確かにもともと仕出しをやっていたところはすごく注力してました。

客足が落ち込んだとはいえ、コロナ禍でも必ず冠婚葬祭はありますし。お祝いごとも家でやるようになって、仕出しやデリバリー需要が増える中で、宿でもそういった需要をつかもうとやっているところはたくさんありましたよ。

永山:
なるほど。そういった場合、宿泊施設Googleビジネスプロフィール一つで仕出しの情報も発信したんですか?

宅配を頼みたくて検索する人って、宿泊の情報を見ようとは思ってないんじゃないかと思うんですが。

今井:
そう、だから「仕出し」と「宿泊」で分けて、2つビジネスプロフィールを作りました。

仕出しを頼みたくて検索する人は観光客じゃないので、仕出しと宿泊施設ではターゲットが全然違いますよね。

お客様がどのチャネルをみているか理解して、発信することが大事だと思います。

永山:
そうですね。

仮にビジネスを分けられない場合でも、投稿機能が使えるようになったので発信がやりやすくなりましたし、これを機会に発信してみてほしいですね。

今井:
はい。あとはコロナ禍なので、営業しているのかなど不安に思う方も多いですよね。投稿機能も使いつつ周知することも必要です。

宿泊施設だと、チェックイン・チェックアウトの時間を設定できるので、属性の設定をすべてしておくことで、問い合わせを減らす効果があるかもしれません。

そして前回の対談でも出ていましたが、年末の大掃除と同時にGoogleビジネスプロフィールの情報も整理して、年始以降の営業に備えられるといいですね。

エキスパート特別対談 前編を読む



石橋:
対談は以上となります!

GoogleビジネスプロフィールGoogleマイビジネス)の振り返り・予想から、まさに先日発表された宿泊施設投稿機能のお話、さらに来年1月に始まると言われているGo To関連のお話まで、色々と聞けて非常に勉強になりました。

お二人ともありがとうございました!!

永山・今井:
ありがとうございました!!



以上、今井ひろこ氏を特別ゲストとして迎えた対談企画をお送りしました。

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プロフィール

特別ゲスト:今井ひろこ - GoogleビジネスプロフィールGoogleマイビジネス)ゴールドプロダクトエキスパート


大阪生まれ。結婚を機に兵庫県の日本海側・香美町へ移住。自治体職員を経て2014年独立。現在は経営コンサルタント(コムサポートオフィス代表)。主に地方の宿泊業や観光事業者などに対して、安売り思考からの脱却と集客方法を見直しを行い、経営力向上をサポートしている。観光協会、商工団体のセミナーや研修に多数登壇。Google ビジネスプロフィール ゴールドプロダクトエキスパート。

永山卓也 - Googleビジネスプロフィール ダイアモンドプロダクトエキスパート/「口コミコム 」テクニカルアドバイザー&「訪日ラボ」アドバイザー

ローカルビジネスコンサルティング、店舗マネジメント業を行い、 デジタル、アナログ両面で小売・飲食・宿泊業観光業に豊富な経験。各都道府県の地方自治体、地域団体などを中心にセミナー、講演実績多数。観光庁 インバウンドの地方誘客促進のための専門家。Googleビジネスプロフィール ダイアモンドプロダクトエキスパート。Google Maps, Google広告プロダクトエキスパート。東京観光財団 観光おもてなしアドバイザー。株式会社movが運営するお客様の声のDXサービス口コミコム 」テクニカルアドバイザー&インバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」アドバイザー。

石橋美奈子 -株式会社mov マーケティング部 口コミラボ編集

株式会社mov マーケティング部。オウンドメディア「口コミラボ」創業期からインターン(当時)として参加。
現在は「口コミラボ」記事の企画、取材、執筆、編集を担当。

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この記事の筆者

口コミラボ編集部

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