ソーシャルリスニングとは、SNSやブログをはじめソーシャルメディアの投稿内容を分析し、マーケティングに生かす手法のことをいいます。
近年はスマートフォンが普及し、誰もが情報を気軽に発信できる時代になったからこそ、企業に関するさまざまな口コミが溢れている状況です。
そのため、「インターネット上の評判をうまく広報や販促手法の最適化につなげたい」という担当者の方もいるかもしれません。
そこで今回は、ソーシャルリスニングの具体的な方法、活用のポイントを分かりやすく解説します。
そもそもソーシャルリスニングとは?
そもそもソーシャルリスニングとは、どのような取り組みのことをいうのでしょうか。
ここでは、ソーシャルリスニングの意味や、重要視されている背景について解説します。
ソーシャルリスニングの意味
ソーシャルリスニングとは、SNSやブログをはじめソーシャルメディア上の意見を収集し、企業活動に生かす取り組みのことです。例えば、SNSの投稿で消費者の需要を知り、新商品を企画するケースが挙げられます。また、自社に関するネガティブな投稿を調べ、炎上を未然に回避する企業も珍しくありません。このようにソーシャルリスニングは、マーケティングから経営リスク対策まで幅広く活用されています。
ソーシャルメディアとは?
ソーシャルメディアの種類としては、TwitterやFacebookなどのSNS、インターネット掲示板、口コミサイト、YouTube、レビューサイトなどが代表的です。
こうしたSNSの投稿は即時にインターネット上に反映されるため、自社の商品やブランドに関する消費者の意見をリアルタイムに収集しやすいのも特徴といえるでしょう。
ソーシャルリスニングが重要視されている背景とは?
従来であれば、企業が消費者の意見を集める手法は「アンケート」が主流でした。ただしアンケートは企業主導で実施されるため、消費者が回答に気を遣ってしまうという問題もあります。その点、ソーシャルメディアはスマホやPCで誰もが気軽に投稿できるため、「本音」に近い情報が溢れています。こうした消費者の率直な声を無理なく把握できることから、ソーシャルリスニングに注目が集まっているのです。
ソーシャルリスニングで実現できることとは?
ソーシャルリスニングを実施することで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、ソーシャルリスニングによって実現できることを大きく5つ紹介します。
1.ブランドイメージを把握できる
自社や自社のブランドに対する消費者のイメージを把握できるのも、ソーシャルリスニングのメリットです。例えば、「A社と言えば高級なイメージ」「A社の商品はよく日用品と一緒に買う」といった意見を収集することで、ブランディングの方向性を軌道修正したり、商品の販路や置き場を改善したりできます。
2.広告や販促施策の成否が分かる
広告や販促キャンペーンを展開した際は、反響をリアルタイムに知ることも可能です。例えば、特定の年齢や性別に絞ってSNSの投稿を調べることで、ターゲットに正しく広告が届いているかを確認できます。また、広告に対してネガティブな意見が多い場合は、迅速に訴求内容や表現の変更もできるでしょう。
3.消費者の「隠れたニーズ」が分かる
ソーシャルリスニングを通じて、消費者の「潜在的なニーズ」も把握できます。例えば、商品の映っているSNSの画像から、商品の意外な使用シーンを知ることが可能です。また、「ここを改善してほしい」「こんな機能があればいい」などの声から、サービスの改善や新商品の開発につなげることもできます。
4.競合の動向が分かる
自社に関する情報だけでなく、競合や市場全体の動向を把握できるのも大きなメリットです。例えば、競合他社の社名やブランド名で検索することで、他社の狙っているターゲット層やブランディングの方向性を理解できます。こうした競合の動向を踏まえ、市場での戦い方を柔軟に変えることもできるでしょう。
5.レピュテーションリスクを検知できる
自社に対するネガティブな声を察知し、レピュテーションリスク(評判が落ちてしまうリスクのこと)を抑えることも可能です。例えば、口コミサイトで商品へのクレームが投稿されていた場合は、炎上してしまう前に事実確認や謝罪の対応ができます。炎上や風評被害は経営に大きな影響が及ぶため、被害を最小限にとどめることが重要です。
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ソーシャルリスニングの方法を“3ステップ”で解説!
ソーシャルリスニングは、具体的にどのような流れで実施すればよいのでしょうか。
ここでは、ソーシャルリスニングの方法を3つのステップに分けて解説します。
1.目的を明らかにする
ソーシャルリスニングを実施する際は、まず目的を明らかにすることが大切です。例えば、「広告の効果を把握する」「レピュテーションリスクを防ぐ」などが挙げられます。それに応じて、最適なソーシャルメディアやキーワードを選びましょう。
「何が知りたいか」を先に鮮明にしておけば、情報も分析しやすくなります。
2.投稿の「数」や「傾向」を調べる
SNSの検索欄やソーシャルリスニングの専用ツールを使い、該当キーワードについて検索します。
その際、「キーワードの含まれた投稿数」や「投稿者のフォロワー数」を調べれば、キーワードがどれくらいの人数に広がったのかを把握することが可能です。
また、キーワードが「ポジティブ・ネガティブ」どちらのニュアンスでより多く使われたのかを調査すれば、商品や広告などに対する好感度も分析できます。
3.目的に応じてさらに細かく分析する
ツールによっては、さらに細かくキーワードの傾向を分析できます。例えば、「投稿者が商品についてどのくらい購入意向を持っているのか」「商品名と一緒に検索されているキーワードは何なのか」なども調査することが可能です。こうした分析を活用することで、サービスや経営戦略の改善につなげられます。
ソーシャルリスニングを活用する際のポイントとは?
ソーシャルリスニングの効果を高めるためには、どのような点に気をつければよいのでしょうか。
ここでは、ソーシャルリスニングを活用する際のポイントを紹介します。
1.目的に合わせてソーシャルメディアを使い分ける
各ソーシャルメディアには特徴があるため、目的に応じて使い分けることが大切です。例えば、Twitterは匿名性が高いSNSのため、より本音に近い意見を調べたい際に適しています。
また、Facebookは本名で登録されており、ビジネスでも活用されるSNSだからこそ、職業や会社の規模による意見の違いも調査しやすいでしょう。メディアのユーザー層や投稿の傾向を知っておくことで、より効果的に分析できます。
2.少数派の意見に惑わされない
ソーシャルリスニングを実施すると、どうしても批判的な投稿が目についてしまうこともあるでしょう。
ただ、それがごく一部の限定的な意見であり、決して消費者の総意ではない場合もあります。そのため、批判的な声に惑わされないよう、その他の意見を広く調査したうえで慎重に判断する姿勢が大切です。
参考記事
ノイジーマイノリティとは?少数意見に惑わされないためにどうすべきか
サイレントマジョリティとは|調査方法は?マーケティングのための注意点
3.地図アプリや口コミサイトも分析する
ソーシャルリスニングでは、自社の「業態」に応じたメディアを活用することも大切です。
例えば、小売店や飲食店などの店舗型ビジネスでは、店舗への口コミも大きな判断材料になります。そのため、地図アプリや口コミサイトなどへの投稿も分析対象にすることで、サービス改善につなげやすくなるでしょう。
まとめ
ソーシャルリスニングには、消費者の「隠れた需要」を拾い上げる力があり、プロモーションや新商品を成功に導く可能性を秘めています。だからこそ、積極的にソーシャルメディアや口コミサイトの投稿を分析し、さまざまな施策に生かすことが重要でしょう。口コミ集客のDXサービス「口コミコム 」は、Googleマップや口コミサイト上の口コミを一括監視・管理できるシステムです。口コミ内のキーワードをAIが分析し、ポジティブかネガティブかを判定することで、ブランディング施策の改善を図ることもできます。
ぜひ口コミの分析・活用をご検討の際には、口コミコム
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