株式会社TableCheckとポスタス株式会社は7月8日、両社が提供する予約システムとPOSレジシステムに蓄積された予約・来店データを共同で分析し、コロナ禍の外食市場動向の変化についてまとめたレポートを発表しました。
- PRTIMES:TableCheck×POS+共同データ調査リリース2021
本記事ではそのレポートの内容をご紹介します。
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感染者数の増減と売上は反比例、外食の我慢は1か月が限界か
新型コロナウイルスの感染者が確認され始めた2020年2月以降の飲食店の売上を見てみると、新規感染者数の増加に反比例して飲食店の売上が減少していることがわかります。
緊急事態宣言が発令されると、直後には売上が落ち込むものの、1か月ほどで感染者数が減少すると飲食店の売上が回復する傾向が見受けられます。
消費者による外食したいという欲求の"我慢の限界"は、1か月程度だということです。
コロナ禍で変化する外食のニーズ
コロナ禍で、消費者の外食に対するニーズにも変化が見られています。
テイクアウト・デリバリー売上はコロナ前の2倍に
飲食店の1店舗あたりのテイクアウト・デリバリー売上は、2020年2月から現在で約2倍に増加しています。
業態別ではテイクアウト・デリバリーの売上構成比は軽食系、食事系、専門料理、居酒屋の順に多くなっていますが、すべての業態で構成比が伸びています。
好調な価格帯は「1,000円前後」と「6,000円以上」の二極化
客単価別の売上推移では、食事系・軽食が属する「1,000円未満・1,000円台」の低価格帯と「6,000円以上」の高価格帯の二極化がみられます。
食事系・軽食は少人数での利用が多く回転率が高いことから、感染リスクが低いというイメージが定着し堅調となっています。
その真逆の形態といえる居酒屋業態が属する2,000円、3,000円台の価格帯は、厳しい状況が続いています。
一方で、接待や会食の機会が減少するなか、せっかくの貴重な外食機会には美味しいものや良いものが食べたいという消費者心理を反映して、高単価な価格帯のお店が全体平均を上回りました。
高単価なお店は常連客の比率も高いことから、不特定多数の客が出入りする低単価のお店に比べると安心感があることも奏功したと考えられます。
「プライベート」「ハレの日」利用傾向高まる
テーブルチェックを通じて予約されたうち、利用目的の回答があったものを集計した結果、2019年から2021年にかけて「デート」「家族行事」「記念日」が増加しました。
家族や恋人など親しい人と外食を楽しむプライベートでの利用が、コロナ禍で増えたことがわかります。
より関係性の浅い「知人会食」や「グループデート」などは、ビジネスや宴会利用と同様に減少傾向にあり、テレワークの普及も背景に、ビジネス関連の外食需要の回復は時間がかかると予想されます。
ディナーの来店人数が3/4消失・ランチ市場拡大で逆転
2021年1月以降、ディナーとランチの来店人数が逆転しています。
度重なる時短営業要請により長期にわたってディナー営業や酒類提供が困難となった結果、客足がランチ帯へと向かい、初めてランチ客数がディナー客数を上回りました。
ランチメニューやテイクアウトなどの持ち帰り商品を強化するなど、飲食店による取り組みもこれに影響したようです。
ディナーは2021年以降いっそう厳しい状況が続いており、2021年1月~6月来店人数平均は8.0人/月にとどまり、2019年同期31.8人/月と比較すると74.8%減と、1/4にまで落ち込んでいます。
ネット予約市場拡大、Google・Instagram急伸
予約経路、Google/Instagram経由予約、予約リードタイムの3種のデータを切り出して、飲食店の予約動向の変化を分析した結果、ネット予約の利用が拡大したことがわかりました。
GoToEatキャンペーンでネット予約市場が拡大
ネット予約は、2020年10月~11月に政府主導で行われた外食需要喚起施策「Go To Eatキャンペーン」をきっかけにさらなる普及をみせました。
同キャンペーン以前は2018年から30%前後で推移し伸び悩んでいたものの、キャンペーン開始後は10月が41.5%、11月が44.1%(期間中最高値)、12月が42.1%と一気に40%台まで跳ね上がっています。
3回目の緊急事態宣言下だった2021年6月も、2018年1月から7.6ポイント増となりました。
キャンペーンをきっかけとして消費者と飲食店双方がネット予約の利便性に気づいたことが要因と考えられます。
簡単に検索・予約できるGoogleとInstagramが人気に
コロナ禍におけるネット予約市場の拡大で顕著にみられるのが、Google、Instagramが提供しているネット予約機能の急速な普及です。
両社はともに飲食店検索・予約機能の強化に注力しており、飲食店予約システムとの連携を進めてきました。
GoogleマップやInstagramから、より簡単に検索・予約することができるようになり、コロナ禍でそれが急速に広まったのです。
また度重なる休業要請や時短営業要請により先が見通せない状況下で「予約の直前化」という特徴もみられています。
変化する外食動向を捉え、ニーズに合わせた工夫で集客を
飲食店が長期化するコロナ禍において集客を成功させるためには、変化する外食動向を理解したうえで、消費者のニーズに応じて対策を講じる必要があります。
テイクアウト・デリバリー需要に対応できる商品開発のほか、営業時間の変化に左右されない通販チャネルの活用や、飲食のついでに購入できる物販商品の開発で客単価をアップさせることも有効となるでしょう。
また予約の直前化という傾向に対応すべく、ウォークイン(予約なしの来店)や直前予約を受け入れる体制を整えておくことも重要です。
さらに自粛期間中はリピーター比率が高まることも分かっており、2019年は20%~25%前後で推移していたリピーター比率が、2021年には25~30%前後で推移しており、10%前後リピーターが増加しています。
自粛期間中ほどその傾向は強く見られ、1度目の緊急事態宣言が発出された2020年4月では、38.2%と4割近くにまで達しました。一度行ったことのあるお店の方が「安心」だという印象を与えるためだと考えられます。
店舗のリピーター比率を高めることは、テイクアウトやデリバリー、ECなど新商品や新規事業の告知も既存客へ行うことができるなどのメリットがあります。
コロナ禍においては、新規客に再来店を促すなどリピーター・常連客への訴求をしっかりと行うことで、アフターコロナの時代も強いお店づくりにつながるでしょう。
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