モバイルオーダーはスマートフォンなどのモバイル端末を通じて、飲食店に事前に注文を入れ、商品の準備ができるタイミングで受け取りができるサービスです。
コロナ禍によって「外食するハードルが上がった」「店内での飲食に抵抗感がある」と感じている人は増加傾向にあります。
また飲食店側も営業時間の短縮や人件費削減の必要に迫られています。
こうした中、顧客とサービス提供側の双方にとって、安心して外食できるシステムの重要性が高まりました。
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モバイルオーダーとは
モバイルオーダーは、来店する前に顧客がモバイル端末から商品を注文、支払いをすることです。店舗利用の際の注文と、テイクアウト注文、その両方に対応したケースがあります。
飲食店での注文はこれまで、店舗で注文し、支払いをするものでしたが、モバイルオーダーではこれらの過程をインターネット上で完結します。
日本ではまず2019年6月にスターバックスコーヒーが、2020年1月にマクドナルドがサービスの提供を始めています。
牛丼チェーンのすきやや吉野屋、ファストフードチェーンのケンタッキーやモスバーガーもアプリ経由の事前注文を受け付けています(吉野屋は持ち帰りのみ)。
モバイルオーダーシステムのメリット
モバイルオーダーは、顧客と店舗のどちらにもメリットのあるシステムです。1つ目のメリットは注文のための待ち時間がなく、商品の受け取り・飲食ができるという点です。待ち時間を短縮することには、店舗にとっては顧客からの高評価につながる点もメリットといえるでしょう。
2つ目のメリットは、隙間時間の有効活用ができることです。場所や時間を問わず注文を入れられます。混んだ店頭でメニューを検討する必要もなく、店頭の状況にかかわらず落ち着いて注文を決められます。こうした特徴から、店舗にとっては客単価の向上も見込めます。
同じく店舗にとってのメリットは、注文の確認や支払いに対応する接客オペレーションの業務量が軽減されることです。モバイルオーダーはこれらの業務をアプリ上で完結します。その分の人員を削減したり、サービス向上のために割くことができます。
売上やリピート率の向上も期待できます。モバイルオーダーシステムを導入していることが分かると、使い勝手の良いお店として認識されやすくなります。
モバイルオーダーは、顧客関係管理にも有効です。アプリを通じたお得情報やクーポンの送付は、SNS上での発信やポスティングよりも閲覧される可能性が高く、またどの時刻の配布が有効かなどのデータを集積することもできます。
モバイルオーダーシステムのデメリット
飲食店にとって、モバイルオーダーを通じた注文は顧客が来店するタイミングに合わせて調理する必要があります。
提供までの時間が短いファストフード店には向いているシステムですが、調理に時間がかかってしまう飲食店ではオペレーションの構築が課題となります。
モバイルオーダーの導入に伴う新たなオペレーションについての研修などにコストが生じる可能性があります。
また飲食店での会話やおもてなしを期待している顧客にとっては、モバイルオーダーの利用を歓迎しない可能性があります。
モバイルオーダーシステム導入のポイントと注意点
モバイルオーダーシステムは、どの飲食店でもスムーズに導入できるとは限りません。
導入の際に着目すべき点を整理します。
自社の顧客はモバイルオーダーを利用したいか?
モバイルオーダーはモバイル端末やアプリの操作を必要とするため、こうした機材の取り扱いに慣れていない顧客が離れてしまう可能性もあります。
自店舗のターゲット層の消費行動や好みに合致しているかどうかについて判断するべきでしょう。
店頭注文との並立、オペレーションの研修
現状、モバイルオーダーはあくまでも注文・決済方法の1つの手段に過ぎません。モバイルオーダーを導入したあとも、店頭での注文にも対応する必要があります。店頭の顧客とモバイルオーダーの顧客が同時に来店した場合の対応方法について検討し、実際に問題ないか検証したり、従業員に研修する時間が必要となります。
モバイルオーダーの主要サービス
モバイルオーダーシステムは、導入している会社や店舗によって活用方法や決済方法が異なります。
1. マクドナルドモバイルオーダー
専用のモバイルアプリから事前に注文〜決済を済ませておくと、レジの行列に並ぶことなく商品を受け取りができる仕組みを採用しています。
従来も注文から受け取りまでが数十秒から数分と短かったマクドナルドですが、モバイルオーダーシステムの導入により、注文のための待ち時間をゼロにすることを目指しています。
マクドナルドのモバイルオーダーでは、選択した店舗に「到着」の操作をしてから、「受け取り方法」を選択、「決済」の処理をし、それから商品が提供されます。
2. スターバックス Mobile Order & Pay
スターバックスコーヒーは専用のモバイルアプリから注文と決済を完了し、アプリで示される受け取り目安時間に来店して受け取るモバイルオーダーサービス「スターバックス Mobile Order & Pay」を提供しています。
利用可能な支払い方法はプリペイド式の「スターバックスカード」一択となっており、事前のウェブ登録とチャージが必要です。
店頭での注文と同様にカスタマイズもできますが、選べるカスタマイズは制限されます。
日本では2019年12月4日に、東京に続き愛知・大阪で対応を開始し、計295店舗で導入されました。2020年内に全国の店舗で利用可能になるとしています。
米国と韓国ではモバイルオーダーシステムの導入で売上向上の効果が確認されています。
3. menu
デリバリー、テイクアウトアプリのmenuは、アプリを通じて注文した商品を店頭で受け取りることのできるサービスです。
テイクアウトは全国を対象に展開しています。2022年3月まで、飲食店は初期設定費、サービス利用料、カード手数料、タブレットレンタル代がすべて無料でスタートできます。
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4. O:der(オーダー)
モバイルオーダーシステムの導入を検討している飲食店向けのアプリです。事前にアレルギーや好き嫌いをプリセットしておくことで、メニューの非表示も設定でき、店舗ごとに自動でスタンプが貯まる機能も使用できます。
利用初心者でもわかりやすいユーザーインターフェース(UI)が好評で、「全サービスIT導入補助金」の対象なので初期費用を抑えての導入が実現できます。
Instargamと連動できます。
5. ユビレジ QRオーダー
対人非接触型のセルフオーダーシステムのユビレジ QRオーダーは、お客様のスマートフォンでQRコードを読み取り注文できるシステムです。
注文内容は直接厨房のプリンタに伝票出力されるので、注文の伝達業務がカットされます。シンプルで使い勝手の良いシステムとして人気を博しています。
専用機器の準備が必要なく、初期費用をコンパクトにおさえることができます。
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6. Okage
Okageは、POSレジ、ハンディレジ、セルフオーダー、モバイルオーダーをすべて連動できるサービスです。
店内・店外のオーダーをタブレットで一括管理できる他、リアルタイム同期や在庫管理システムなど飲食店を経営する上で便利な機能が利用できます。
シンプルですが豊富な機能が備わっており、開業間もないオーナーにとって使いやすいシステムです。
Instargamと連動できます。
モバイルオーダーシステム導入で円滑な業務を
顧客の選択肢を増やし、店舗側の負担を軽減するモバイルオーダーシステムは、新型コロナウイルスの流行を受け注目が集まっています。申込みが増えているサービスの場合、システムの導入までに時間がかかってしまうケースも出ています。
導入後の効率化により売り上げアップや顧客満足度の向上に効果が期待できる一方で、実例が少ないため試行錯誤が必要となることも考えられます。
新しい技術ではあるものの、導入に際して顧客のニーズをくみ取ることが大切であることは、従来の店舗経営と変わりません。
キャンペーンと組み合わせ利用のハードルを下げるなど、メリットを最大化するような取り組みが求められるでしょう。
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