オウンドメディア(Owned Media)とは「自社で保有するメディア」の総称です。主に自社サイトやブログ、公式SNSを指します。うまく活用することで、自社の商品やサービスを知ってもらえる一方で、効果が出るまでに時間がかかったり、自社で運用を完結させなければならないという点にも注意しなければなりません。
アーンドメディア(FacebookやTwitteなど第三者によって情報発信されるメディア)や、ペイドメディア(費用を支払って情報を掲載しアピールするメディア)と組み合わせて施策を行うことで幅広いユーザー層にアプローチすることができます。
本記事ではオウンドメディアの概要やメリットやデメリット、アーンドメディア、ペイドメディアとの違い、活用事例や、作成のプロセスについて解説します。
オウンドメディアとは?
オウンドメディアとは、簡単に言うと「自社で所有するメディア」です。企業が所有するホームページ、ブログ、SNSアカウントなどのメディアを総称して、オウンドメディアと呼びます。
動画やコラムなど、企業がアピールしたい商品ごとに最適な情報を発信しているのが特徴です。
オウンドメディアの目的
オウンドメディアの目的は、企業が自社の商品やサービスについて有用な点をアピールしたり消費者に伝えることです。
自社の商品やサービスについて情報をアピールすることで、集客や商品の購入につながります。
1. 自社の商品を知ってもらう
1つ目の目的は、自社の商品を消費者に知ってもらうことです。
広告やSNSでの情報拡散だけでは、なかなか自社サイトを訪れてもらうに至りません。そこで消費者との「初回接触用コンテンツ」としてオウンドメディアが活躍します。
オウンドメディア内に有益なコンテンツを作成し、多くの消費者が商品やサービスに触れる機会を増やすことが、オウンドメディアを運営する最大の目的です。
2. 自社の商品を好きになってもらう
2つ目の目的は、自社の商品やサービスを好きになってもらうことです。オウンドメディアは、企業が提供している商品やサービスの「ファン育成コンテンツ」にもなり得ます。
企業が伝えたい商品やサービスの強み、開発への思いやプロセスといった情報を消費者にアピールすることで、新規顧客だけでなくファンやリピーターの獲得に期待できます。
オウンドメディアのメリット
自ら情報を発信するオウンドメディアは、効果的に活用することでさまざまなメリットがあります。
そこで本記事では、費用面、ブランディング面、拡散力の3つの側面からどういったメリットがあるかについて解説します。
1. 広告費の削減
1つ目のメリットは、広告費を削減して集客効果を維持できるという点です。一般的に広告費は売り上げの30%ほどが適切だといわれています。オウンドメディアを活用することで、この広告費を抑えられます。
2. 効果が蓄積型になる
広告は、掲載をやめるとそこで効果がなくなってしまいます。しかしながらオウンドメディアは、SEO対策をしたり継続して優良なコンテンツを作成することでアクセス数を維持でき、継続的に集客や購買意欲の向上に効果が期待できる点もメリットです。
3. ブランドの構築がしやすい
3つ目のメリットは、ブランドの構築がしやすいという点です。前述のとおり、オウンドメディアでは掲載するコンテンツやその内容について自社ですべて決められるため、ページを訪れた消費者に注目してもらいたいポイントを的確にアピールできます。
商品やサービスについての強みや注目してもらいたい点について価値のある情報を発信し続けることは、集客力の向上だけではなく、企業の認知度や信頼性の向上にも期待できるということもメリットといえます。
オウンドメディアのデメリット
オウンドメディアを活用することでメリットがある一方、デメリットもあります。運用を検討する際には、メリットだけでなくデメリットも知っておかなければなりません。
ここでは3つの側面からデメリットについて解説します。
1. 信憑性が得られにくい
1つ目のデメリットは、信憑性が得られにくいという点です。オウンドメディアは自社で運営し情報発信をしているという特性上、アーンドメディアと比較すると客観性がないコンテンツだとみられてしまいます。
そのためユーザーからの信頼性が得るまでが大変になるという特徴があります。
2. 効果が出るまでに時間がかかる
2つ目のデメリットは、効果が出るまでに時間がかかるという点です。オウンドメディアは、広告のように掲載したらすぐにユーザーの目に留まるわけではありません。
SEOを実施して検索エンジン上にコンテンツを表示させ、ユーザーに認知される必要があるため、メディアの効果が出るまでに時間がかかります。即効性がないため、継続的にコンテンツを作成し続けることが重要です。
3. 自社でメディア運営管理をしなければならない
3つ目のデメリットは、自社でコンテンツなどの運営を管理しなければならない点です。
オウンドメディアは、自社で掲載するコンテンツを決められるというメリットがありますが、裏を返せばコンテンツを自社で、あるいは代行業者に報酬を払って作成しなければなりません。
トリプルメディアにおけるオウンドメディアの位置づけ
オウンドメディアについて考えるうえで知っておくべき用語として「トリプルメディア」があります。オウンドメディアは、アーンドメディアやペイドメディアと合わせて「トリプルメディア」と呼ばれており、メディア戦略を考える際にはこの3つを有効活用することが欠かせません。
この3つのメディアについて、役割や発信元、目的といった観点からその違いを解説します。
オウンドメディア・アーンドメディア・ペイドメディアの意味は?
最初はそれぞれのメディアが持つ意味について解説します。まずオウンドメディアとは、「Owned(所有する)」という意味を持ち、企業や店舗が自身で所有し情報を発信しているメディアです。
一方でアーンドメディアとは、「Earned(獲得する)」という意味を持っており、消費者やマスメディアなど第三者からの信頼や評判を獲得することで、第三者によって情報発信されるメディアを指します。またペイドメディアは、「Paid(支払う)」という意味を持ち、費用を支払って情報を掲載しアピールするメディアです。
オウンドメディア・アーンドメディア・ペイドメディアの発信元
それぞれのメディアは、意味だけでなく情報発信元も違います。
まずオウンドメディアでは、それぞれメディアを所有している企業が情報発信元となり、発信しています。ペイドメディアの情報発信元は、基本的に企業から依頼を受けた広告会社などで、企業主体の発信であることに変わりありません。
一方でアーンドメディアでは、SNSで情報発信をするインフルエンサーやマスメディア、消費者といった第三者が情報を発信することが特徴です。
オウンドメディア・アーンドメディア・ペイドメディアの目的
各メディアは持っている目的も違います。
まずオウンドメディアでは、企業が自社の商品やサービスについて有用な点をアピールしたり消費者に伝えることが目的です。
一方でアーンドメディアでは、商品やサービスについての情報をより多くの人に拡散することを目的としています。
またペイドメディアは、テレビや新聞、SNSといった多くの人の目に触れる場所に広告費を払って掲載し、購買・来店へと誘導することが目的です。
オウンドメディアを作るには?
オウンドメディアは、コンテンツだけではなく目標やコンセプト、サイトをすべて自社で作成しなければなりません。さらにここまで解説してきたように、作成したコンテンツを多くの人に認知してもらって初めて効果を発揮します。
最後にオウンドメディアを作成するプロセスについて解説します。
1. ペルソナの設定
まず最初にペルソナを設定します。商品やサービスのターゲットが誰なのかということを念頭に置いて、誰がどのような課題を抱えているのかについて考えなければなりません。それをもとにコンテンツを届けるユーザーのペルソナを考えることで、適切なユーザーに届くコンテンツを発信できます。
2. サイトのコンセプト設定
続いて設定することが、サイトのコンセプトです。設定したペルソナをもとに、どういったコンテンツを提供するのか、またどういった内容の情報を発信するのかについて考える必要があります。これらを考える際に、自社で提供している商品やサービスについてどのように紹介するのかについても併せて検討しなければなりません。
3. サイト作成とコンテンツの作成
ペルソナやコンセプトが決まったら、サイトやブログの作成、SNSの開設やコンテンツ作成に進みます。作成するにあたって、自社での作成が難しければ、作成を請け負っている会社に依頼するのもひとつの方法です。
オウンドメディアで自社の強みを活かした集客を
オウンドメディアは企業が所有し、情報を発信するメディアです。自社でコンテンツ作成をするからこそ、商品やサービスのアピールだけでなく、その企業らしさや強みを活かしたアプローチができることが特徴です。
一方で運用を検討する際には質の高いコンテンツを継続して作成することや、サイト・コンテンツが認知されるまでに時間がかかることを考慮しなければなりません。
実際に運用を開始する際には、「カテゴリ名+オウンドメディア」で検索して競合他社の例を確認して参考にするのもひとつの方法です。
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