長引く外出自粛の影響によって、飲食店の経営にも大きな影響がでていました。感染拡大のピークを乗り越えたとされる現在においては、外食需要は昨年並みにまで回復しているという調査も発表されています。
アフターコロナにおいて自店舗の認知度および集客力を高め、売上向上につなげるためには、グルメサイトを最大限に活用し、オンラインで潜在顧客へアプローチすることが非常に重要です。
本記事では、国内における主要なグルメサイト7選として、「食べログ」「ぐるなび」「Retty(レッティ)」「ホットペッパーグルメ」「ヒトサラ」「一休.com」「Yelp(イェルプ)」について、その特徴と活用方法を解説します。
7月の「外食は1回以上」が8割超え|「居酒屋」「焼肉」利用が急上昇、外食は「少人数で利用する」58.0%
外食利用は回復傾向に株式会社ぐるなびの「ぐるなびリサーチ部」は、緊急事態宣言が出された4月から7月中旬頃までの外食利用動向を調査・比較し、8月31日に発表しました。調査は、2020年8月18日から20日の間に行われ、20~60代のぐるなび会員1,000名から回答を得ています。外食の頻度について尋ねたところ、「月に1回以上」と回答した人は、緊急事態宣言中の4~5月では46.1%、6月では70.7%、直近1か月(7月中旬以降)は82.6%でした。▲[4月から7月中旬頃までの外食利用動向]:株式...
飲食店がグルメサイトを選ぶとき気を付けたいこと
グルメサイト選定に際しては、活用を検討しているサイトの主なユーザー層が自店舗のターゲット層と合致しているか、掲載店舗数やユーザー数は十分な数字であるか、費用は適切であるかどうかなど、さまざまな観点から検討する必要があります。
自店舗とサイトのユーザー層を確認する
グルメサイトの選定においては、当該サイトのユーザー層と自店舗のターゲット層が合致している必要があります。
年代や性別など、自店舗のターゲット層及び来店動機について適切に把握することで、集客につながりやすいグルメサイトの選定、および効率的な新規顧客獲得が可能になります。
掲載店舗数とユーザー数の多いサイトを選ぶ
グルメサイトはそれぞれ有する特徴が異なっているため、選定時には自店舗とのターゲット層の照らし合わせが重要となりますが、掲載店舗数とユーザー数も考慮すべき要素に数えられます。
掲載店舗数はユーザーとの信頼関係構築に、ユーザー数は自店舗の認知度向上につながるため、一考を投じる価値は十分にあるといえるでしょう。
料金を比較する
グルメサイトは掲載料が無料の場合も多いものの、有料プランに加入することで検索結果での上位表示ができたり、自店舗が目立つようユーザーへ広告を打つことが可能となるなど、集客機能を強化できる場合があります。
事業の予算と見込める集客、長期的に狙える収益効果を十分に吟味した上で、状況に応じてプラン加入を検討してみることも、持続可能な経営においては重要です。
主要グルメサイト7社を比較
日本にはさまざまなグルメサイトが存在していますが、代表的なものとしては次の7つが挙げられます。
ユーザー層をはじめ、登録店舗数や月間利用者数、月額費用など、サイトごとに特徴は大きく異なるため、自社のビジネスモデルと照らし合わせ、適切なサイトを選定することが重要です。
サイト | 登録店舗数 | 月間利用者数 | ユーザー層 | クーポンの有無 | 費用 |
食べログ |
約90万店 (2020年3月) |
約1億647万人 (2020年3月) |
年齢性別幅広い |
あり | 無料または月額1万円〜 |
ぐるなび |
約50万店 (2016年3月) |
約6,500万人 (2017年12月) |
30代以上の男性が多い |
あり |
無料または月額1万円〜 |
80万店以上 |
4,000万人以上 |
20~40代男女 |
あり | 無料または月額1万6,000円〜 |
|
ホットペッパーグルメ |
約76万店 (2019年2月) |
約4,500万人 (2019年3月) |
20代女性 |
あり |
無料(お試しプラン)または 月額3万2,000円〜 (エリアによって変動) |
ヒトサラ |
1万5,000店 (2018年2月) |
2,000万人以上 (2020年9月) |
30代以上の女性 |
あり | 月額1万円〜(別途初期費用あり) |
約8,000件 (2020年9月) |
一休.com全体では850万人以上 | 富裕層、40代 |
あり |
成果報酬型 | |
データなし |
世界で1億2,000万人 |
データなし |
あり |
無料 |
1. 食べログ
言わずと知れた国内グルメサイトの代表格である「食べログ」は、2005年にサービスを開始しました。
「価格.com」で知られるカカクコムによって運営され、2020年3月時点での月間利用者数は約1億647万人、掲載店舗数は同時点で約90万店となっており、規模・ユーザー数の面で大きな存在感を誇っています。
また、年齢性別をまたぎ幅広いユーザー層に利用されており、中でもスマートフォンからの利用が目立つことは、食べログの特徴の一つであるといえるでしょう。
ネット予約やクーポン発行に加え、5段階評価での口コミ投稿や、Tポイントとの連携も可能となっていることから、掲載にあたっては認知度向上への効果が期待できます。
なお、食べログの有料プラン会員では、24時間予約受付による来店強化や、サイト訪問や予約が集中するゴールデンタイムにおける広告枠の強化、電話対応窓口によるサポートが利用可能となっています。
2. ぐるなび
食べログ同様に大手グルメサイトである「ぐるなび」は、1989年に創業され、業界内では老舗にあたります。
掲載店舗数は約50万店(2016年3月)、月間アクティブユーザー数は6,500万人(2017年12月)と食べログには及ばないものの、30代から50代の男性ユーザーが多く、中年層に強いサイトであるといえます。
また、接待や宴会などに適したプランが豊富であり、貯めたぐるなびポイントをドコモや楽天ポイントなどに交換が可能である点から、大人数の集客を見込みたい場合に活用が有効です。
さらに、店舗に合わせてオーダーメイドの集客サポートを受けられる点や、英語・韓国語・中国語での多言語表示に対応している点は、事業者にとって大きな強みといえるでしょう。
有料プランとしては「ビギナー会員プラン」と「販促正会員プラン」の2種類があります。「販促正会員プラン」の場合はユーザーとのマッチング率およびリピート率向上が期待できるメール配信サービスや、ぐるなび特集ページへの掲載が利用可能となります。
3. Retty(レッティ)
2011年からサービスを開始した比較的新しいサイトでありながら近年着々と存在感を強めている、Facebookと連動型の実名登録制口コミグルメサイトです。
掲載店舗数は80万店以上、月間利用者数は4,000万人以上(2018年11月)と大手の食べログ・ぐるなびに続いて大きなシェアを誇っています。また、Rettyの調査によるとRettyユーザーの23%は週に4〜7回外食をしており、関東や関西、中部地方の都市部を中心に消費意欲の高い20〜40代から利用されている傾向にあります。
口コミは点数評価ではない上に実名で投稿されるため、誹謗中傷などのマイナスな口コミは集まりにくく、良質な口コミをいかに多く獲得できるかどうかが、Rettyを通じて集客を図る鍵といえるでしょう。
また、SNS感覚でユーザー間での相互フォローが可能であるため、嗜好性の高いフォロワーによる新規来店を獲得しやすいというメリットも挙げられます。
なお、有料プランとしては、日付指定検索での一覧表示による予約促進や、ランチ・ディナー共に予約手数料の無料化、トップページの「人気店」への優先表示や広告配信などが利用できるようになります。
4. ホットペッパーグルメ
リクルートの無料クーポンマガジン「ホットペッパー」のWeb版である「ホットペッパーグルメ」は、充実したネット予約や割引サービスを特徴とするグルメサイトです。
総掲載店舗数は約76万店 (2019年2月)、月間利用者数は約4,500万人 (2019年3月時点)とRettyと同程度の規模を誇ります。
貯まったポイントの食事券への適用、豊富なクーポンなどが利用可能である点などから、流行に敏感な20代女性を中心に高い支持を集めています。
47都道府県へのフリーペーパーと連動して集客が見込める点や、24時間ネット予約が受付可能である点に加えて、予約台帳アプリやPOSレジアプリとの連動により予約・会計情報の一元管理が可能である点は、最大限に活用することで効率的な業務運営が実現できるでしょう。
基本の無料お試しプランへ有料オプション「業務サポートパック」を追加することによって、集客機能を強化できる仕組みです。
130種類以上のテンプレートからのホームページ作成や、リピート率向上に役立つメールマガジンの配信、毎月送付される顧客レポートが利用可能である点は、大きな強みとなります。
5. ヒトサラ
「料理人の顔が見えるグルメメディア」を称する「ヒトサラ」は、掲載数ナンバーワンを誇る1万2,864人の料理人に主眼を置いたグルメサイトです。
IoTプラットフォーム事業や音楽配信事業を手掛けるUSENグループによって運営されています。サービス開始は2012年と比較的新しいながらも、業界でも著名なフォトグラファーやライター・編集者の起用によってメディアとして高い質を担保しており、月間利用者数は2020年9月時点で2,000万人以上に上ります。
利用ユーザーは女性が多く、中でも30代以上が90%を占め、約半数のユーザーは年収700万円以上の高所得層で構成されている点から、美食傾向の強い落ち着いたアッパーミドル層であることがうかがえます。
飲食店の登録には1万円以上の月額料金が発生しますが、プロのフォトグラファーやライターによるインタビューによって作成される作り手・店舗の紹介ページは非常にクオリティが高く、ユーザーへの訴求効果も期待されます。
食にこだわるアッパーミドル層をターゲットとしている飲食店の場合、登録する価値は十分にあるといえるでしょう。
6. 一休.com
「一休.com」は、高級旅館・ホテルのみを扱うオンライントラベルエージェント(OTA)として知られていますが、その「一休.com」が手掛けるグルメサイト が「一休.comレストラン」です。
「国内最大級の厳選レストラン即時予約サービス」をうたう同サービスは、OTA同じく高級路線に特化しています。
東京を中心とする首都圏や大阪、京都などの関西圏で約8,000件(2020年9月)の高級レストランを掲載しています。ユーザーは富裕層や40代以上のアッパーミドル層が中心です。
掲載にあたっては審査を通過する必要があるものの、固定費ゼロかつ成果報酬型モデルで掲載が可能な点や、専任担当による販促サポートが受けられる点、そして会員数850万人以上を誇る国内大手OTAである「一休.com」からの送客が見込める点は、同グルメサイトを活用する大きなメリットです。
掲載申し込みから掲載開始までは、最短で1ヶ月必要とされています。
7. Yelp(イェルプ)
2004年にアメリカ・サンフランシスコでサービスを開始したYelp(イェルプ)は、2020年8月時点で世界32カ国に展開する、世界最大級の実名口コミ投稿サイトです。
日本でサイトが開設した2014年時点での月間利用者数は世界で1億2,000万人に上っており、その規模の大きさがうかがえる数字となっています。
掲載されている情報はレストランだけでなく美容室や病院など多岐に渡っている点や、独自のアルゴリズムによって投稿される実名レビューの信憑性を「オススメできるレビュー」と「そうでないレビュー」に振り分けて掲載している点は、同サイトの特徴の一つです。
信頼性の高いレビューによる店舗の認知度向上や、新規顧客の来訪ハードルを下げる効果が期待されるほか、インバウンド集客も見込めるため、今後に向けて顧客層の拡大を狙う事業者は、導入を検討する余地は十分にあるといえるでしょう。
Yelp(イェルプ)とは?実名レビューで集客・登録方法や活用ポイントを解説
Yelpとは、世界32カ国で展開されている、ローカルビジネス向けの口コミサイトです(2020年8月時点)。世界中で多くのユーザーに利用されていることから、インバウンド集客への活用も期待できるでしょう。また、yelp独自のアルゴリズムによってユーザーは信頼できる口コミ・レビューであるかを判断でき、来店や訪問を決めるにあたって重要な情報の一つとして活用されます。本記事では、Yelpの特徴やメリット、登録の方法、効果的な活用のポイントについて解説します。関連記事ローカルビジネスとは目次Yelpと...
自店舗のターゲット層に合ったグルメサイトの選定を
新型コロナウイルスの感染拡大により厳しい立場に立たされていた飲食事業者ですが、東京都では飲食店などを対象に要請していた営業時間短縮を9月16日付で解除しています。
Go To Eatキャンペーンも10月1日から開始しました。
Go To Travelキャンペーンで除外とされてきた東京発着の旅行についても、10月1日の旅行から対象となるなど、経済活動の完全回復を目指した動きが活発になってきています。
これを受け、消費者の外食に対するニーズも呼応する形で高まってきていることは、ローカル検索をはじめとした検索量の増加にも顕著に表れています。
飲食事業者は自店舗のターゲット層を今一度見極めた上で適切なグルメサイトを選定し、自店舗の認知度向上へ早期に努めることが、需要の高まりに乗り遅れないためにも重要であるといえるでしょう。
食べログ、ぐるなび、ホットペッパー、一休.com 4大グルメサイトを徹底比較
リサーチ会社・マイボイスコムは、8月1日から5日にかけて「飲食店情報の検索に関するアンケート調査」を実施しました。計4,575件のデータを用いて「テキストマイニング」を活用した分析を実施しており、4大グルメサイトそれぞれの性質が明らかとなっています。<注目ポイント>「食べログ」はユーザー数が多く、口コミにより認知度が向上する可能性が高い「ぐるなび」は40代男性の利用率が最も高く、昔からインターネットを使っている世代へのアプローチに活用できる女性の利用者が多い「ホットペッパーグルメ」は、クー...
Go To旅行の経済効果 市場1.37兆円拡大に需要創出効果も:8月開始に向け
2020年6月24日、第一生命経済研究所により「Go To キャンペーン」による需要創出効果が推計されました。「Go To キャンペーン」とは、政府が実施を発表した需要喚起キャンペーンです。新型コロナ感染拡大で深刻な被害を受けた国内の観光、外食、イベント、エンターテイメント産業を官民一体で支援することを目的とし、「Travel」「Eat」「Event」「商店街」の4カテゴリーに分け、それぞれでクーポン配布などのキャンペーンを行います。そのなかでもっとも需要喚起を期待されているのが「Go T...
口コミラボ 最新版MEOまとめ
【24年3月版 Googleマップ・MEO最新情報まとめ】
MEOに関わるサービス「Googleマップ」「Googleビジネスプロフィール」や、各種地図アプリ・口コミサイトは日々更新を続けており、その全容を把握するのは難しくなっています。
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本記事では、2024年2月〜3月の情報をまとめたレポートのダイジェストをお届けします。
※ここでの「MEO」とは、Google上の店舗・施設情報の露出回数を増やしたり、来店行動につなげたりすることで、Google経由の集客を最大化させる施策を指します。
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