マーケティングでの宣伝(プロモーション)は、製品、価格、流通と共に重要な4要素のひとつとされ、商品やサービスの情報を顧客に届け、購買につなげるために重要な要素です。
「効果的な宣伝方法」や「面白い宣伝事例」などを知って取り入れることで、顧客の関心を集め、サービスの認知度拡大や集客にも繋げることができます。
今回は宣伝方法の中でもユニークな事例を取り上げ、効果的に集客する方法について、事例を交えつつ実施のポイントを解説します。
宣伝の前に知っておくべき3つのポイント
最初に、宣伝を実施する前に意識すべき大切なことを3点紹介します。
宣伝を実施するにあたっては、集客の心構え、商品やサービスが売れる条件などを確認し、宣伝に必要なPCDAサイクルについて考えることが大切です。
1. 上手くいく集客の心構え
集客や宣伝を成功させるには、どこまでも顧客目線に立ち返って戦略を立てることが重要です。
そもそもマーケティングにおける最終目標は、顧客の困りごとを解決し、顧客の願いごとを叶えるということです。この過程を通じて顧客に喜んでもらうことで、お互いが利益を得られる関係が築けます。
そのため、集客や宣伝を行う際は企業目線で顧客に販売したい商品やサービスをアピールするより、顧客目線でどのような解決策が必要かを考え、それに沿った形で商品やサービスの情報を提供する必要があります。
2. 商品やサービスが売れる条件
商品やサービスが売れるには、知名度と優位性という2つの条件を乗り越える必要があります。
まず、商品やサービスを購入してもらうには、商品やサービスの存在を消費者に知ってもらわなければなりません。これは宣伝においてももっとも基本的なことです。商品やサービスをより多くの消費者に買ってもらうにために、知名度の向上が必須です。
次に、同種の商品やサービスより自社の商品やサービスが優れている点を消費者に知ってもらうことも必要です。消費者は商品やサービスを購入する過程で必ず同種の商品同士を比較するため、商品やサービスそのものに優位性が備わっていることはもちろん、その優位性が正しく消費者に伝わるような宣伝を実施することが大切です。
3. PDCAサイクルを回して改善
Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4段階を繰り返すことで物事を改善するPDCAサイクルは、宣伝にも適用できます。
宣伝では、実際に宣伝を実施するというDo(実行)の部分に焦点が当てられがちです。しかし、宣伝を実施する対象を選定したり、宣伝の内容を練るなどのPlan(計画)、宣伝の効果を数値などの分かりやすい形で計測するCheck(評価)も重要です。
また得られたデータをもとに次回の宣伝を改善するAction(改善)など、PDCAサイクルの各段階を着実にこなすことでより効果の高い宣伝が実施できます。
成功するプロモーション・宣伝方法
ここまでは、宣伝を実施する際に心がけておきたい3つの大切なことについて紹介しました。
ここからは、実際に宣伝を実施する段階で活用できる戦略について紹介します。
メディア戦略とSNS戦略を商品やサービスの特徴に合わせて活用し、合わせてインナーブランディングを実施し社員にも商品やサービスの価値を知ってもらうことで、顧客の商品やサービスに対する信頼感をより高くできます。
メディア戦略
メディア戦略とは、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、Webページなど、各種メディアを用いて宣伝を実施する際に活用できる戦略です。これらのメディアを用いる際には、ニュース性、季節性、地域性の3点を考慮した宣伝を実施すると良いでしょう。
テレビコマーシャルや、ネット上に表示する広告や、検索結果画面の上位に表示させることでユーザーが自社サイトに流入するように対策するSEOなどが具体的な手段です。
まず、メディアでもっとも注目されるのは、業界初である、日本唯一または世界唯一であるなどの特長です。特長のない商品やサービスはニュースになりづらいため、メディアを活用する際にはこれらのニュース的特長を表に出すことが効果的です。
また、飲食店やイベント、流行系のサービスにおいては、季節性のある宣伝を実施することでその季節に応じた需要を捉えていくことも考慮すべきです。他にも月ごと、年ごとなど、特別な時期に合わせた商品やサービスである場合には時期を活かした宣伝を実施すると良いでしょう。
他にも、地域を限定した商品やサービスを提供している場合、これらを宣伝するにはローカルメディアの活用が効果的です。ローカルメディアは地域特化型であるため、対象とする地域の消費者に宣伝できます。
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SNS戦略
SNS戦略とは、Facebook、Instagram、TwitterなどのSNSを活用して宣伝を実施する際に活用できる戦略です。SNSにおいては、ユーザー参加、報酬、誘導の簡易化の3点を心がけると良いでしょう。
SNSは宣伝を発信する企業と宣伝を受け取るユーザーとが相互につながれる媒体です。そのため、ただ単に商品やサービスの情報を発信するのではなく、
- 利用シーンをユーザーに投稿してもらう
- 商品やサービスに関するキャンペーンを開催
- ユーザーと一緒に商品やサービスを作る
など、ユーザーの参加を意識した宣伝戦略が効果的です。
また、多くのユーザーを集めるには、報酬の設定が重要です。何らかのキャンペーンを開催する際、上位に選ばれたユーザーや抽選の当選者などに商品をプレゼントするなど、何らかの報酬を設定することでより多くのユーザーを呼び込めます。報酬は低くても良いですが、高い当選確率を設定することで「自分にも当たるかもしれない」という期待を持ってもらうことが重要です。
しかし懸賞の応募を目的としたアカウントが多く存在し、本当に届けたいユーザーまで届かないケースが多々あります。そのためキャンペーンを開催する際は、届けたいユーザーに届けるにはどうするかを十分に考慮した上で設計すると良いでしょう。
このようなキャンペーンを実施する際には、応募方法の簡易化も重要な要素の一つです。キャンペーンに関するSNSの投稿から応募ページまでの誘導を簡易化したり、応募ページの入力内容そのものも簡易化することで、ユーザーの期待が冷めないうちに応募を完了してもらえます。SNSはあくまでも余暇として楽しんでいるユーザーが多いため、キャンペーンに関しても気楽に参加できるような内容とし、分かりやすい導線を設けることが大切です。
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インナーブランディング
インナーブランディングは、社員に企業の理念、商品やサービスの価値などを知ってもらうことで、企業全体で同じ価値観を共有するための活動です。
インナーブランディングを実施するには、まず社内環境が社員にとって働きやすいものであるかを見直す必要があります。経営陣が社員を第一の顧客として捉え大切に扱い、上下間で相互に意思疎通のはかれる柔軟な職場環境を実現することで、社員に企業そのもの、商品やサービスを好きになってもらうということが、インナーブランディングの出発点です。
また、社員の業務効率についても逐一見直すと良いでしょう。各社員の仕事に対する考え方や要望などを聞き、それぞれの長所や能力が活かせるような配置で働いてもらうことが、業務効率の改善にもつながり、社員一人ひとりが楽しく働ける職場を創り上げられます。
ユニークな宣伝方法の3つの成功事例
最後に、独自の宣伝戦略を実施し、ユニークな宣伝で顧客を獲得している例を3つ紹介します。
これらの企業は各商品の特長をしっかりと把握しており、特長が分かりやすく伝わるような宣伝を実施しています。
1. サントリーホールディングス株式会社:季節を意識し、馴染みあるフレーズ
サントリーホールディングス株式会社では、自社製品「角ハイボール」の電車内中吊り広告において「春はあげもの。」というキャッチコピーを使用しています。
これは枕草子の一節「春はあけぼの」に掛けたもので、春という季節感を演出しており、合わせてハイボールと揚げ物という組み合わせをアピールしています。
2. パーシル(Persil):錯覚を使った広告
ドイツの洗剤メーカーパーシル(Persil)では、10秒間広告を見つめると背景の「WINE」という文字が消える、という目の錯覚を活用した広告を掲載しています。
目の錯覚で消費者に楽しんでもらうと同時に、ワインの染みを落とせる洗剤だということをアピールするという宣伝手法は、他ではなかなか見られないものです。
3. 株式会社栗山米菓:SNSの拡散戦略
株式会社栗山米菓(Befco)では、自社商品の煎餅「星たべよ」の広告にSNSを活用しています。
「星たべよ」の中には「幸せの金星」というレアアイテムがごく稀に含まれており、これを見つけた消費者にInstagramかTwitterでハッシュタグを用いて投稿してもらうというキャンペーンを開催していました。
このキャンペーンは抽選で10人の参加者にプレゼントが当たるというもので、SNS上では星たべよの感想と共に多くの投稿が寄せられていました。
顧客の心を捉えるユニークな広告への関心による集客力
多くの広告やCMが流れるのが当たり前の中、商品の認知度をあげ、購入へつなげるためには人の目を引く、または記憶に残るようなユニークな宣伝方法が注目されています。
宣伝をより効果的なものにするためには、以下の宣伝の前に知っておくべき3つのポイントが重要です。
- 顧客の困りごとを解決し、顧客の願いごとを叶える
- 知名度と優位性を高める
- PDCAサイクルを回してよりよくしていく
さらにメディアを活用しニュース性や季節性、地域性の高い商品やサービスの宣伝を対象とする消費者に届けたり、SNSを活用し消費者参加型の宣伝を実施すれば、より商品やサービスを身近に感じてもらえます。
ここまで紹介した宣伝戦略を上手く活用し、消費者に伝わりやすく興味を引くような宣伝を心がけることで、より高い集客が期待できるでしょう。
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