「販促」とは、「販売促進」を省略した言葉で、消費者の購買意欲を刺激し購入を促すためにするさまざまな活動のことです。
企業や店舗において、自社の商品・サービスの売り上げを向上させるためにも、効果的な販促は必要不可欠となっています。
しかし、販売促進のための施策を打ち出したくても、
・販促がなぜ重要なのか
・具体的にどのような方法があるのか
・どの程度の効果があるのか
・自社に合った販促方法は何か
がわからずに困ってしまうこともあるでしょう。
効果的に販促活動を行うためには、自社の商品・サービスの特徴を踏まえて、ターゲットとなるお客様に合った方法を選択することが大切です。
この記事ではマーケティングに重要な販売促進(販促)とは何か、販促の目的や重要性を解説します。さらに、効果的な11の販促方法、そして2つの成功事例について解説します。
販売促進(販促)とは?マーケティング活動の一部
販売促進(販促)の意味・読み方は?
販促(はんそく)とは、消費者の購買意欲を高め、購入につなげるためのさまざまな行動のことを指します。商品そのものに創意工夫を凝らすことや販売スタッフへの働きかけによって、消費者に対して購入を促します。
商品の売れ行きはメーカーの知名度や商品の知名度、消費者ニーズとの合致度などさまざまな要因によって左右しますが、販売促進をすることは集客や売上の向上を目指す上で非常に重要です。
販売促進とマーケティングの違いとは?
似た言葉にマーケティングがありますが、販売促進はマーケティングの一部で、中核を担うものです。
マーケティングは「WEBやマスメディアなど、あらゆるチャネルを使って、企業から消費者に対する働きかけによって購入を促すこと」を意味します。

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販促(販売促進)が重要な理由
モノがあふれている現代において、ユーザーは数多くの中から購入したい商品を選択しなければなりません。
同様の商品やサービスがあり、他社も販売促進に取り組んでいる中で、何もしないままでは自社の商品は認知してもらえません。
どんなにいい商品やサービスであっても、お客様に商品の情報が届かなければ、購入する候補の対象とはなりません。そのため、競合商品との差別化を図りながら、自社商品の魅力を伝える手段として、販促活動は不可でます。
販促(販売促進)の3つの目的
販売促進にはさまざまな施策がありますが、それらは大きく次の3つに分けられます。
認知度向上のための施策
認知度向上の施策には、新商品として目立つ場所に陳列するなどの現場店舗での施策のほか、テレビや街頭モニター、雑誌などの媒体を通して広告を活用することなどがあります。これらは新規顧客の獲得に有効です。実際に購入・消費してもらうための施策
実際に購入・消費してもらうための施策には、商品におまけをつけるなどのキャンペーンの実施などがあります。こちらは新規顧客の獲得、リピーター獲得のどちらに対しても有効です。リピートしてもらうための施策
リピートしてもらうための施策には、購入者に対し次回以降利用できるクーポンを配布することや、ポイントカードを導入することなどがあります。一般的に新規顧客を獲得するよりも、すでに購入経験のある顧客の囲い込みのほうが容易であると考えられています。そのためリピーターやリピート数を増やすための施策は非常に重要です。販売促進に効果的な11の方法を紹介
販売促進には以下のような方法が挙げられます。
- テレビCM
- インターネット広告
- 街頭でのビラ・クーポン配布
- 看板
- SNS運用
- 販売スタッフの教育
- 実演販売
- 口コミ投稿を促す
- ポイントカード
- メールマガジン(メルマガ)
- 優良顧客のみ参加できるイベントの実施
それぞれの方法でメリット、デメリット、ターゲット層が異なるため、販売する商品やサービスに応じて最適な方法を選択する必要があります。
認知度向上に効果的な販促方法
1. テレビCM
テレビCMは商品やサービスの認知度を向上させるために非常に有効な施策の1つです。しかし、導入するためのコストが高い点が難点です。
2. インターネット広告
インターネット広告は、インプレッションを集められればさまざまな人に認知してもらえるという利点があります。しかしながら、飲食店や美容室などのローカルビジネスにおいては、地域要因が大きく、ターゲティングをしっかりと選定・設定する必要があります。
3. 街頭でのビラ・クーポン配布
地域要因が大きい飲食店や美容室における販売促進では、地域を限定した街頭でのビラ・クーポン配布が効果的といえます。
4. 看板
看板も地域要因の大きな商品やサービスの認知度向上に役立ちます。看板は街中にあふれているため、目を引くような工夫をすることが重要です。
5. SNS運用
SNSの運用は拡散されれば、瞬時ににして爆発的な認知度を集める可能性もあり、最もポテンシャルの大きなツールといえます。特にFacebookやInstagramなどの世界的にユーザーを抱えるSNSの運用は、訪日外国人の集客にも効果的です。一方でネガティブな評判も拡散しやすい傾向にあるので注意が必要です。
購入を促す販促施策|割引などのキャンペーン・陳列方法の工夫
6. 販売スタッフの教育
販売スタッフの教育は、消費者に購入を促す上で非常に重要なパートの1つです。販売スタッフが、商品の特徴や強みについて正しい知識や、より顧客の目にとまりやすい陳列方法についての知識を持っていることは、現場レベルで直接的に売上につながります。
7. 実演販売
実演販売では、消費者の目の前で実際に商品やサービスの良さをアピールできます。「百聞は一見にしかず」という言葉もある通りで、パッケージの記載や口コミよりも確実な情報として消費者の記憶に残ります。
8. 口コミ投稿を促す
消費者が、数多の商品やサービスの中から自分が購入する商品を選ぶ際に参考にするのが、実際に購入した人の口コミです。必ずしもいい口コミばかりとはなりませんが、商品やサービスの情報が事前に得られるというのは、それだけで消費者に安心感を与えます。Webサイトへの口コミ投稿で特典や割引を設けるなどすると口コミ投稿を促せるでしょう。
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9. ポイントカード
ポイントカードはリピーター獲得の有効な施策です。入会金無料や、ポイントカードを初めて作成する顧客向けの割引など、ポイントカード会員を増やすために工夫をすると、より効果的です。
10. メールマガジン(メルマガ)
情報を流すだけのメールマガジンでは配信を希望しない顧客が多く、メールを開封する顧客も減ってしまいます。定期的なタイミングでメールマガジン配信を受けている顧客限定の特典を用意するとよいでしょう。
11. 優良顧客のみ参加できるイベントの実施
優良顧客限定で参加できるイベントを実施すると、ヘビーユーザーの獲得が見込めます。ポイントカードと絡めて累計ポイントごとにランク分けなどして、高ランクのユーザーのみが参加可能なキャンペーンやイベントを実施することも効果的です。
販売促進の成功事例・アイディアを2つ紹介
さまざまな施策の中から自社や自店に合った販売促進の施策を編み出すには過去の成功事例を参考にすることも必要です。
以下では無印良品とある飲食店で実施された販売促進の成功事例について紹介します。
1. 自社製品で部屋をコーディネート:MUJI HOTEL

MUJI HOTELは、無印良品を経営する良品計画とUDS株式会社によってプロデュースされたホテルです。客室が無印良品の商品でコーディネートされているのが大きな特徴です。
これまでは中国の深圳、北京で展開されていましたが、2019年4月には中国外で初のMUJI HOTELが銀座に開業しました。
シンプルながらも高品質な無印良品のアイテムによって施された内装は、落ち着いた大人の街である銀座のイメージと調和するとともに無印良品のコンセプトを体現しており、人気を集めています。
無印良品の商品に興味を持っているユーザーに生活における実際の使い勝手を体験してもらえることに加え、それまで無印良品の商品を使ったことのないユーザーには、無印良品の商品でコーディネートされた生活環境の快適さ、商品の質の良さについてホテルへの宿泊を通して知ってもらえます。新規顧客獲得、リピーター獲得の要因となっています。
2. 口コミ投稿を促して集客:ヤキニクバル 韓の台所

渋谷の道玄坂にある焼肉店ヤキニクバル 韓の台所では、口コミ投稿を促すことによって集客につなげています。
集客手段としてSNSを利用する店舗は多いですが、その場合、自ら情報を発信することによって集客効果を狙う店舗がほとんどです。一方ヤキニクバルでは、来店客が口コミを載せたくなるように促す施策に取り組んでいます。
具体的には、店内のいたるところに口コミ投稿を促すキャンペーンを表示しています。
その結果、店舗で投稿をするSNSはFacebookのみですが、来店客がInstagramやトリップアドバイザーなどのさまざまなSNSで口コミを投稿することによって、焼肉屋にもかかわらず行列ができるほどの人気を誇っています。
その人気ぶりを評価され、2018年6月にトリップアドバイザーが発表した「外国人に人気の日本のレストランランキング」で1位に輝いています。
店舗の目的に適した販売促進を
販売促進にはさまざまな施策がありますが、どんな施策がより集客力を持つかは業種や業態、提供する商品やサービス、ターゲット層によって異なります。そのため、影響力の大きなメディアを利用した販売促進や過去の成功事例を真似た販売促進が必ず結果につながるということはありません。自社や自店に適した販売促進をすることで集客を目指すことが重要です。
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