新型コロナウイルスの影響により、多くの飲食店が集客に頭を抱えています。特に、実際に足を運んでもらうことが難しい風潮や営業条件のあるなか、オンラインで視聴される動画は店舗集客の可能性を秘めています。
ネットユーザーがSNSに動画投稿をしたくなるような料理や作業工程を準備したり、シェフのこだわりやユーモアを伝えたりすることでオンラインでの店舗宣伝になります。
本記事では、飲食店が集客アップにつなげるための動画投稿のコツやポイントについて事例を用いて紹介します。
飲食店が動画投稿をする重要性
アメリカのフォレスター・リサーチ社の調査によると、動画1分間はWebサイト3,600ページ分の価値があるとのことです。
動画が伝える情報量の多さが示されたデータといえるでしょう。画像や文章よりも、動画でアピールしたほうがより多くの魅力や価値を伝えられると考えられます。
とくに飲食店の場合、画像では伝わりにくい要素も多く含まれます。料理の音、メニューの色や、切り分けた際の変化といった情報を伝えるためには、動画がより適したコンテンツの形式といえるでしょう。
<参照>18 Marketing Statistics And What It Means For Video Marketing - Video Brewery
1. SNSを活用した飲食店探しが増えている
調査メディア「TesTee Lab」によると、ユーザーは飲食店をWeb検索して探すことが1番多く、次にSNSを通じて探す場合が多いことがわかりました。
そして、SNSのうちInstagramで探す割合がどの年代でも1番高いという結果が出ています。
SNSで写真だけでなく動画も活用すると、これまで以上に店舗の雰囲気や魅力、メニューの説明も伝わりやすくなります。
<参照>【全年代】SNS利用と、年代別飲食店の探し方|それちょう|note
2. 話題性で拡散される可能性も
これまでユーザーに知られていなかった店舗やメニューであっても、投稿された動画をきっかけにユーザーに興味を持ってもらえます。そして、ユーザーに気に入ってもらえれば、SNSを通じて拡散してもらえるという結果につながるのです。
ただし、SNSの性質上、投稿する際にはその内容に注意を払い、炎上に気を付ける必要があります。
飲食店の動画投稿例
飲食店が、店舗の料理や雰囲気、シェフの人柄やシェフならではのコツなどを動画で投稿することでユーザーに店舗をアピールし知ってもらい、実際に足を運んでもらうことが重要です。
InstagramやYouTubeへの動画投稿を活用した飲食店の事例をいくつか紹介します。
1. Instagramの事例/メニューの色や形が変化する動画
テレビでも話題になった秋葉原のミナトグリルでは、Instagramでメニューの写真や動画を公開しています。なかでもカマンベールチーズをベーコンで包み焼きしたハンバーグの動画は、チーズがあふれて出てくる瞬間を捉えており、ユーザーの食欲をそそります。
また、料理をカットする動きや、鉄板の上で焼かれる肉の音、タレを上からかける瞬間などをユーザーに見せることによって、ユーザーに自分も同じような行動をしたいと思わさせるよう促すことが必要です。
2. Instagramの事例/作業工程が分かる動画
大阪名物りくろーおじさんの店では、看板商品の写真だけでなくその作業行程の動画もInstagram上に公開しています。
たとえば、スポンジケーキにピンク色のチョコレートをかける場面を見せることで、ユーザーはケーキ製作の過程を楽しめます。
もう1件の事例は名古屋で人気のカフェTHE CUPSです。
このカフェのInstagramアカウントでは、スタッフがラテアートを施す様子をInstagramで公開しています。Instagramのリール機能という短尺動画を活用し、短い時間でスタッフの技術力や芸術力をアピールできます。
そして、ユーザーが直接足を運んで自分の目で確かめたくなるように促します。
the_cups_officialのInstagramプロフィール
3. YouTubeの事例/レシピ紹介、シェフの姿が分かる動画
YouTube「鳥羽周作のシズるチャンネル」には、代々木上原にある人気フレンチレストランを経営するシェフが登場します。シェフがユーモアを交えながら手軽な料理や本格料理を紹介する動画は、反響を呼びました。
このように、人気シェフのちょっとしたコツを知りたい、おうち時間を活用して料理にチャレンジしてみたいというユーザーに向けて発信することもできます。
また、YouTubeにアップした動画のURLをInstagramやTwitterに貼リ付けると、それを見たユーザーが店舗のメニューやシェフに興味を持ちYou Tubuの動画を見にきてもらえます。
飲食店が動画を投稿する際のコツ
動画の制作は、外部に委託すればコストがかかってしまいます。最近は、スマートフォンでも撮影できるため、自主制作が可能です。
動画を撮影、投稿する際のコツや注意点を紹介します。
動画の撮影や編集
動画の撮影や編集は、スマートフォンでも可能です。さらに、マイクやスポットライトも準備するとユーザーに店舗の魅力がより伝わりやすくなります。
まず、良質な音声や店舗内のリアルな音をユーザーに届けるためにマイクを用意します。つぎに、スポットライトを準備します。これは、光の角度により影ができることを防ぐためです。できるだけ、天気の良い日中に撮影することをおすすめします。
そして、編集段階では強調したいセリフやアピールポイントを挿入します。動画が完成すれば、SNSに直接投稿して作業終了です。
ターゲット層を意識し、SNSを使い分ける
総務省が調査した「主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率」(令和元年度に調査)によると、全年代での利用率1位の「LINE」(86.9%)についで、「YouTube」(76.4%)の利用率が2番目に高いという結果が出ています。
その他の主要SNSの男女別利用率を見てみると、男性ではTwitterの利用率(41.8%)が高く、女性ではInstagramの利用率(43.8%)が最も高いという結果が出ています。
年代別では10~20代はTwitterやInstagramの利用率が約63%~70%と圧倒的に高くなっています。どのターゲット層にアピールしたいかによって、SNSを使い分け、アップするコンテンツの見せ方も可能ならば変更するとよいでしょう。
SNSの分析機能も活用できます。YouTubeでは視聴者の年齢や性別、地域別分布など視聴者の概要がわかります。視聴者の傾向を、オンライン・オフラインの集客施策に反映していきます。
<参照>「令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」:総務省店舗利用者が動画を撮りたくなるような仕掛けも大切
店舗がSNS上に投稿する情報はもちろんのこと、店舗利用者が投稿した内容もそこで拡散されます。
そのため、投稿内容を見たユーザーが店舗利用者として動画を撮りたくなるような仕掛けが求められます。たとえば、仕込み作業の姿や工程、メニューの形や色が変化する料理などが効果的です。
料理や店舗の魅力をよりアピールできる動画投稿
動画投稿では、写真だけでは伝えきれない料理の細かな変化や音も発信できます。また、料理だけでなく店舗の雰囲気も伝えられるため、ユーザーの店舗選びにも影響を与えます。
新型コロナウイルスの感染拡大により、特に飲食店はこれまで以上に集客に取り組む必要があります。集客アップの方法として、動画投稿を取り入れてみることもひとつの方法です。
動画であれば言葉がわからなくても商品や空間をイメージやすいため、外国人客層にも効果を発揮するでしょう。
また、動画投稿を見て訪れた店舗利用者に、SNSを通じて情報を拡散してもらうことも不可能ではありません。ユーザーが実際に撮りたくなるような仕掛けを準備することも意味があるでしょう。
口コミラボ 最新版MEOまとめ【24年9月・10月版 Googleマップ・MEOまとめ】
そこで口コミラボでは、MEO・口コミマーケティングに役立つ最新ニュースをまとめた「Googleマップ・MEO最新情報まとめ」を毎月発行しています。
本記事では、主に2024年9月・10月の情報をまとめたレポートのダイジェストをお届けします。
※ここでの「MEO」とは、Google上の店舗・施設情報の露出回数を増やしたり、来店行動につなげたりすることで、Google経由の集客を最大化させる施策を指します。
※『口コミアカデミー 』にご登録いただくと、レポートの全容を無料でご確認いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「ポリシー違反によるビジネスプロフィールの制限」が明文化 ほか【2024年9月・10月版 Googleマップ・MEOまとめ】