NTTドコモが提供する「dポイント」は、ドコモのサービス利用や加盟店での消費によってポイントが貯まっていきます。キャリアの利用者でなくとも利用できるポイントサービスです。
dポイントは2020年9月末時点で会員数が約7,815万人となっており、ほかの主要な共通ポイントサービスと遜色ないものとなっています。加えて、加盟店はファストフードやカフェといった飲食店をはじめとして幅広く、リアル店舗でのポイントの利用率が高いというデータも出ています。
本記事ではdポイントの基本から他ポイントの比較、導入までの流れ、費用などを紹介します。
dポイントとは
dポイントは、NTTドコモが提供するサービスや加盟店で使える共通ポイントです。2020年9月末時点で会員数は約7,815万人に到達したほか、飲食業界を代表する大手チェーン店が加盟店になっているなど、注目の共通ポイントサービスといえます。
加盟店となっている街のお店でつかえる共通ポイント
ドコモで携帯電話を購入した際や通信料金、ファストフードやコンビニなどの加盟店で貯められ、使えるdポイントは、ドコモユーザーでなくても利用できます。2015年にdポイントサービスを開始し、5年間で会員数は約7,815万人に達しました。そのうち、ドコモ回線を持たないユーザーが約3,000万人であり、幅広い消費者に利用されています。
dポイント加盟店で買い物し、会計時にポイントカードを提示するだけで簡単にポイントが貯まっていき、さらにお得に買い物ができます。
dポイントの加盟店となっている飲食店
ファーストフードではマクドナルドやミスタードーナツ、カフェではドトールコーヒーや上島珈琲などがdポイントの加盟店になっています。これらの店舗を日常的に利用する人はdポイントが貯まりやすいといえます。ほかにもレストラン・居酒屋では、ファミリー層に人気のかっぱ寿司、ガストやバーミヤンなどのすかいらーくグループ、大学生から大人に人気の赤からなどが加盟しています。
さらに、新型コロナウイルスで利用者が増えたデリバリー対応店でもdポイントが貯まります。モスバーガーやドミノピザ、銀のさらなどが対応しています。幅広く選べます。詳しくは「dデリバリー」を検索することで、dポイントの加盟店確認できます。
「NTTドコモ」公認! 【dポイントの教科書】を見てみる→こちらから
飲食店がdポイントの加盟店になるメリット
dポイントが堅実な人気を誇っていること以外にも、導入するに値するメリットは存在します。ここからはdポイントの加盟店になるメリットについて3点紹介します。ポイントの魅力を上手く取り入れれば、新規顧客の獲得チャンスにつながっていくでしょう。
1. ユーザー数が国内最大規模
dポイントの市場がどの程度盛り上がりを見せているのか、他のポイントサービスと比較しながら解説します。
「dポイント」の会員数は約7,700万人、ポイント発行数は年間で約2,000億ポイントと増加傾向にあります。2020年6月から「メルカリ」との提携がスタートし、最大1.5%のdポイントが付与されるほか、商品購入時のdポイント利用も可能となりました。2020年後半にはじゃらん、ホットペッパーグルメ・ビューティー、などがdポイントに加入予定であり、さらなる利用者の増加が期待できます。
カルチュア・コンビニエンス・クラブが提供する「Tポイント」の会員数は2020年3月末時点で約7,050万人とdポイントよりも少なめです。Yahoo!関連のサービスと提携が多く、TSUTAYAやファミリーマート、ウエルシア薬局、ENEOSなど幅広い業種が加盟しています。
ロイヤリティ マーケティングが運営する「Pontaポイント」はローソンを中心に加盟店を増やしていき、2020年時点で会員数約9,344万人、約128社と提携するに至っています。この急速な成長にはネットサービスやインフラへの迅速な参入や、au PAYとの連動などの戦略が成功したと考えられます。
「楽天ポイント」においては2020年6月に楽天カード会員数が約2,000万人を突破し、年間で約3,200億円相当が発行されています。楽天ポイントは、楽天グループのサービスを使うほどにポイントが貯まっていく仕組みが特徴です。買い物から旅行、デリバリー、決済など幅広くサービスを展開しています。
これらのポイントサービスの多くは会員数が7,000万人から8,000万人程度といえ、dポイントは約7,700万人とほかのポイントサービスに勝るとも劣らない規模で展開しています。
2. 店舗で使用されるdポイント
2019年度の決算説明会の資料によると、dポイントの利用ポイントは1,627億ポイントから1,998億ポイントに増加し、提携先は418社から752社と1.8倍に増加しています。ポイントの利用や提携先は順調に拡大しており、NTTドコモは今後もdポイントの魅力向上を目指しています。
マクドナルドやローソンなど大手チェーン店が加盟店に加わったことで、リアル店舗でのdポイント利用者が拡大しました。リアル店舗の加盟店は約6万7,400件まで増加し、dポイントの半数以上がリアル店舗で使われています。
消費者はリアル店舗でもdポイントを利用することを求めているといえ、中小企業や個人経営店でもdポイントの導入による集客効果が期待できるでしょう。
3. ポイントが飲食店利用を後押し
ポイントやマイルをコツコツ貯める消費者は購買意欲が高く、店舗選びにポイントやマイルが貯まることを優先します。そのため、飲食店は共通ポイントを増やすほどに新規顧客の獲得やリピーターの増加が見込めます。
また、店舗側はポイント利用を促すことで店舗の単価向上を期待できます。dポイント公式サイトでは店舗で付与されるポイントよりも、ユーザーが利用するポイントの方が約10倍も利用率が高いというデータが示されています。貯まったポイントを使うことで購買単価が30%向上することも明らかになっており、dポイントのユーザーがさらに飲食店のサービスを利用することが期待できます。
飲食店がdポイントを導入するには
ここまでdポイントの魅力や導入のメリットについて整理しました。そのうえで実際にdポイントを導入する場合は、申し込みの方法と費用について把握する必要があります。手続きの流れや費用について把握し、加盟店になるかどうかの検討材料にするとよいでしょう。
各パートナー企業を通じた導入の流れ
dポイントの導入方法はパートナー企業によって異なるので、詳しくは問い合わせることが求められます。今回は主要なパートナー企業を紹介します。
JCBが提供する「POICHI」「PULSE」はdポイントを含めた最大7種類の共通ポイントやマイルを導入できるサービスです。電話または訪問でサービス内容を確認し、所定の申込書の記載とシステム登録が必要です。
NECはスマホ決済サービスd払いを支えるシステムを構築し、dポイントに対応したPOSや決済サービスの導入を扱っています。申し込みにはNECのお問い合わせからコンタクトを取る必要があります。
リクルートライフスタイルが提供するサービス「Airペイ」は、dポイントだけでなく複数のポイントサービスをまとめて導入できます。公式サイトから申し込みをし、加盟店審査を受けます。審査通過後はiPadまたはiPhoneを用意し、審査完了後に届く専用カードリーダーを受け取って初期設定に着手します。
和多利の「和多利dポイント端末」はdポイントだけでも、各種決済一体型など希望に合わせた導入が可能です。導入するまでには、公式サイトからの問い合わせ内容の確認、加盟契約締結や端末設置、販促物作成、スタッフへの説明会実施といったサポートが受けられます。
dポイントを導入する際の費用
dポイントの導入にあたっては加盟金、専用カードリーダー代、月額利用料、システム利用料などが必要になります。これらはパートナー企業によって異なるので、内容を確認して検討する必要があります。
以下では一例として、JCBの「POICHI」「PULSE」の導入費用について取り上げます。
導入費用以外にも顧客に対して付与するポイントの料金の「ポイント原資」を購入する必要があります。dポイント加盟店がポイントの利用と付与を担う場合、指定したポイント率分のポイントをドコモから購入し付与します。
付与率を1%と考えると、1,000円で10ポイントを顧客に付与します。この場合、加盟店は10ポイントをドコモから10円以上の手数料を考慮した金額で購入します。
「NTTドコモ」公認! 【dポイントの教科書】を見てみる→こちらから
飲食店の集客力向上が見込めるdポイント
2020年9月末時点で会員数が7,815万人を誇る「dポイント」は、幅広い業種で加盟店を増やしており、導入によって集客効果を期待できます。ポイント重視のユーザーを引き込み、リアル店舗でのポイント利用率が高いことから中小企業や個人事業者の店舗でも同様の効果を狙えます。
dポイントのパートナー企業は複数のポイントを一括に管理できるサービスや、dポイントとの親和性が高いサービスなどを提供しています。企業ごとに特徴や申込方法が異なるので、公式サイトで確認する必要があります。導入の予算は加盟金、カードリーダー、月額利用料、システム利用料といった初期費用だけでなく、ポイント原資の購入まで考慮することが重要です。
ポイント重視のユーザーが積極的に飲食店を利用し、dポイント発行数の半分以上が店舗で使用されていることから、dポイントの導入によって集客力の向上が見込めるでしょう。
<参照>
JCB加盟店サイト:共通ポイント・マイル導入サービス「POICHI」「PULSE」