外出中、夏に人気の料理「冷やし中華」「かき氷」などが食べたくなったとき、Google検索やGoogleマップでお店を探すというユーザーも多いでしょう。
では、Google検索・Googleマップでこうした「メニューの名前」が検索された際、上位に表示されるにはどうすればいいのでしょうか。
今回口コミラボ編集部では、「夏に食べたい・飲みたい料理名」をGoogleマップで検索した際、どのような飲食店が表示されるのかについて独自に調査を実施し、キーワードごとの傾向を分析しました。
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※Googleマイビジネスは、2021.11.5よりGoogle ビジネスプロフィールという名称に変更されました。
これに伴い、2022年にスマートフォン向けGoogleマイビジネスのアプリが終了します。
アプリ終了前に、これまでと同じように快適に使えるよう今から準備しておきましょう!
Googleマップで"夏の味覚"を検索してみた
この調査は、渋谷区のある地点から「夏に食べたい・飲みたい料理名」を検索し、どのような飲食店が表示されるのか、またキーワードごとに表示される店舗にどのような特徴があるのかについて調べたものです。
「夏に食べたい・飲みたい料理名」として、「冷やし中華」「かき氷」「アイス」「ビール」の4つを取りあげています。
※Googleマップの検索では、「場所」の情報が検索結果に大きく影響します。また、曜日や時間帯、さらにはユーザーの検索行動などによっても表示結果は変わってきます。
本調査は編集部が検索した際の表示をもとに分析したもので、全ての検索に今回の分析が当てはまるとは限りません。
調査結果
それでは「冷やし中華」「かき氷」「アイス」「ビール」と検索した際の調査結果を発表します。
なお以下で紹介する表は、PC版Googleマップにおいて各4つのキーワードで検索した際に表示された上位20位の飲食店を、上から順に並べたものです(店名は伏せています)。
店名に検索キーワードが含まれるかどうか、Googleマイビジネスのカテゴリ、さらに口コミ評価とその件数、さらにGoogleマップで検索した際に強調表示された情報を調査しています。
※強調表示とは、検索ワードと関連する内容が口コミや投稿、メニュー等に存在した場合、ローカルパック上に表示するものです。今回は口コミ・メニュー・注目のメニュー・投稿・概要文の表示を調査しています。
キーワード1. 冷やし中華
夏バテで食欲がなくなりがちな日にも思わず食べたくなる冷やし中華。夏の期間限定メニューとして冷やし中華を出すことを考えている店も多いのではないでしょうか。
では、Googleマップで検索したときにどんな店が上位に表示されているのか見てみましょう。
キーワード「冷やし中華」で特徴的なのは、店名にキーワードが含まれる店舗が少ないことです。上位に表示された20店舗のうち、店名に「冷やし中華」のキーワードが入っているのはわずか1店舗のみとなっています。
確かに期間限定で冷やし中華を出すことはあっても、それをメインのメニューにしていたり、専門的に扱っているという店はあまり見かけません。
このことから、キーワード「冷やし中華」は店名に料理名が含まれいなくても上位表示されやすいキーワードであることがわかります。
加えて、「注目のメニュー」が強調表示された店舗が比較的多い傾向にあります。注目のメニューとは、Android版Googleマップから掲載できる情報です。ここに冷やし中華を追加することで、冷やし中華との関連性が高まり、上位に表示されやすくなるかもしれません。
キーワード2. アイス
夏の代表的なスイーツといえばアイスクリームです。見た目や味のバラエティーもさまざまで、店ごとに違った魅力が楽しめます。
キーワード「アイスクリーム」で検索したときの結果がこちらです。
キーワード「アイス」では、上位に表示された20店舗のうち、店舗名にキーワードを含むものが多くなっています。
また、すべての店舗でカテゴリに「アイス」が含まれていることがわかります。
また、概要文がローカルパック上に表示されることが多いのも特徴的です。
概要文は、Googleが「知名度が高い」と判断した店舗に自動で掲載している情報で、店舗側が掲載を依頼することはできません。また、Googleが生成している情報であることから概要文によって検索上位に表示されやすくなるわけではないようです。今回は概要文のある店舗が上位に表示されていますが、これは概要文が評価されたのではなく「概要文が表示されるくらい知名度のある店舗が評価されている」という認識の方が正しいと考えられます。
キーワード「アイス」の検索結果は、知名度のあるチェーン店や地元の有名店などが激しく争う状態となっており、アイスクリームを専門に扱っている店舗でないとこの地点で上位表示を狙うことは難しいかもしれません。
キーワード3. かき氷
かき氷も夏に人気のスイーツです。暑い日に「氷」とかかれた涼しげなのれんを見ると、つい立ち寄りたくなってしまう人も多いことでしょう。
キーワード「アイス」と似たような結果かと思いきや、かき氷ならではの特徴も見えてきました。
アイスと同様に、上位表示された20店舗のうち店名に「かき氷」を含むものが多いようです。
一方で強調表示に注目すると、店名にキーワードが含まれていなくても口コミや注目のメニューで「かき氷」というワードを獲得し、上位表示されている店舗もあることがわかります。
知名度のある店舗による競争が激しかったアイスとは異なり、必ずしもかき氷専門店でなくとも口コミ投稿を促したり注目のメニューに加えたりすることで、上位に表示されやすくなるかもしれません。
キーワード4. ビール
年中いつでも飲みたくなるビールですが、特に暑い夏はキンキンに冷やしたビールがおいしい季節です。
では「ビール」で検索したときの結果はどうなっているのでしょうか。
店名に「ビール」のキーワードが含まれる店舗は20店舗中6店舗と、比較的少ないようです。ビールを専門としているというよりは、居酒屋やバーの飲み物メニューとして提供している店が多いのでしょう。
カテゴリに関しては、「ビール専門店」やバー、居酒屋、パブ、ビアガーデンといったカテゴリまで多岐に渡り、カテゴリを複数設定している店舗が目立ちます。
強調表示では口コミが多数を占めているほか、Googleマイビジネスの投稿機能で「ビール」という投稿をしたところも強調表示されています。ビールを注文したお客様に対し、口コミ投稿を積極的に促すことが効果的でしょう。
※なお酒類をメインとした投稿は、Googleのガイドラインで制限されているため注意が必要です。Googleからガイドライン違反と判断された場合、投稿が削除されることがあります。
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調査結果まとめ:キーワードによって狙いやすさは異なる
比較的上位を狙いやすいキーワードと、店名にキーワードが入っているなど「関連性」が高くないと狙うのが難しいキーワードが存在することがわかりました。
このほかにも検索した地点がどこなのか、そして周辺の競合店の有無によっても狙いやすさは異なると考えられます。
店舗の近くや駅前など複数地点で検索して、自分の店舗がどのくらいの位置に表示されているのか確かめ、施策を決めるとよいでしょう。
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料理名など、特定のキーワードでGoogleマップの上位を狙う施策4選
先述のとおり、Googleマップの検索では、検索地点やそのほかの条件によって検索結果が大きく異なります。また、Googleマップを使うとき、ユーザーはいくつかの店舗を比較検討します。
そのため、いわゆる「MEO」対策において、表示順位のわずかな差で一喜一憂するのはあまり意味がないことです。
しかし、何度か検索したときにたいてい上位に表示される飲食店と、20位以内に表示されず、まったくユーザーの目に留まらないような飲食店があるのも事実です。
では、Googleマップにおいて、特定のキーワードで上位に表示されやすくなるような施策としてはどのようなものがあるのでしょうか。
1. カテゴリを見直す
設定されているカテゴリの種類や数が適切かどうか、見直してみましょう。
たとえば上に挙げた「ビール」の事例では、複数のカテゴリを設定している店舗が多く見られました。ビールを飲みたいと思ったユーザーは「ビアホール」「パブ」「居酒屋」などあらゆるキーワードで検索することが想定されます。この場合は当てはまる複数のカテゴリを設定してもよいでしょう。
ただし多くのキーワードで上位に表示されたいからと店舗と関係のないカテゴリまで設定してしまうと、重要なカテゴリとの関連性が薄まってしまう危険もあります。店舗に合った適切なカテゴリのみを設定しましょう。
また「飲食店」といった大きなカテゴリは検索回数が多そうですが、実は競合も多いというデメリットがあります。専門的なカテゴリを設定したことで、順位が改善した事例も存在するほどです。周辺の競合店やよく検索されるキーワードなども加味して設定するとよいでしょう。
2. 口コミを投稿してもらう
「冷やし中華」や「ビール」の事例では、店名にキーワードが含まれていなくても、口コミにキーワードが含まれていたことで上位表示された店舗が多くありました。
こういったキーワードに関しては、顧客に「今回お召し上がりいただいた冷やし中華について口コミ投稿をお願いします」など、口コミ投稿をお願いする際にキーワードをさりげなく伝えるとよいでしょう。
ただし、投稿する内容を指定したり、高評価をお願いしたりするといった行為はGoogleのガイドラインに違反するため注意しましょう。
3. メニューを登録する
「冷やし中華」では、「メニュー」や「注目のメニュー」がキーワードと関連性が高いとされ、上位表示されている事例が見られます。
冷やし中華といった期間限定で提供されることが多いようなメニューは、「注目のメニュー」に登録することで上位表示を狙いやすくなるかもしれません。
なお、「注目のメニュー」とはGoogleマップから登録できるもので、Googleマイビジネスから登録する「メニュー」とは別のものです。
Googleマイビジネスで設定する「メニュー」はメニューの一覧表の役割で、一部のメニューのみを表示することは禁止されています。一方、Googleマップで設定する「注目のメニュー」はおすすめメニューのような役割で、一部のメニューのみを表示することができます。
どちらがGoogleから評価され上位表示の決め手となるかはわからないため、どちらも設定しておくとよいでしょう。
4. 投稿機能を活用する
Googleマイビジネスの投稿機能を活用し、店舗の最新情報やおすすめのメニューを発信するのも施策として有効です。
Google公式も、ローカル検索の掲載順位を改善するための方法として、ビジネス情報を更新したり内容を充実させたりすることを挙げています。
ただし今回の調査では、投稿の強調表示は1件と非常に少なくなっていました。UGC(User Generated Contents, ユーザー生成コンテンツ)を重視するGoogleマップだからこそ、店舗側の投稿よりも口コミを優先的に評価しているのかもしれません。
評価されることは少ないものの、店舗側で投稿内容・含めるキーワードを決められるというのが口コミと違うメリットです。口コミを積極的に集める施策を進めつつ、店舗側でキャンペーン情報や特筆すべき情報を紹介したい時に投稿機能を活用していきましょう。
まとめ
今回は特定のキーワードで上位に表示されやすくするための施策として、以下4つを紹介しました。
- カテゴリを見直す
- 口コミを投稿してもらう
- メニューを登録する
- 投稿機能を活用する
Googleマップの検索では、さまざまな条件によって検索結果が変化しますが、店舗情報を整備したり口コミ投稿を促したりすることで、店舗が上位表示されやすくなるような施策を講じることは可能です。
飲食店は狙いたいキーワードごとの傾向を押さえ、検索地点や競合店の状況などを総合的に加味して、施策を検討するとよいでしょう。
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