農林水産省は8月25日、新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けた飲食業の需要喚起を図る「Go To Eatキャンペーン」の委託事業者48件を発表しました。
事業者は飲食予約でポイントを付与するオンライン飲食予約サイトと、食事券を発行する事業者の2種類に分かれます。オンライン飲食予約事業者は18件のうち13件を採択し、食事券発行事業者は56件のうち35件を採択しました。
このうちオンライン飲食予約事業者で選ばれたのは、ぐるなび、カカクコム、ヤフー、一休、EPARKグルメ、リクルート、フードテックパートナー、スターツ出版、Retty、auコマース&ライフ、USEN Media、Fesbase、表示灯でした。JTB、ベネフィットワンなど5事業者は採択されない結果となりました。
食事券発行事業者については、各府県の共同体代表者として、JTBや日本旅行、東武トップツアーズなどの大手旅行会社が多く選ばれました。
Go To Eatキャンペーンとは
「Go To Eatキャンペーン」は、飲食業界や観光業界、イベント業界などを支援する「Go Toキャンペーン」の1つです。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛により、売上が低迷している飲食業界の需要喚起を図る目的があります。
需要喚起策は、オンライン飲食予約サイト経由でポイントを付与する施策と、地域の登録飲食店で使用できるプレミアム付食事券を発行する施策の2つに分かれます。
キャンペーンは農林水産省を筆頭に、官民一体となって期間限定で実施されます。
Go To Eat キャンペーンとは?期間や施策内容、参加条件について紹介
江藤農林水産大臣が7月21日の会見で事務局の公募開始を発表した「Go To Eat(イート)」キャンペーンは、新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けた飲食業界の需要喚起策です。開始に向け政府が着々と準備を進めるGo To Eatキャンペーンには、飲食店が参加するための条件が設けられています。1日でも早く落ち込んだ売り上げを元に戻したい飲食店にとっては、Go To Eatキャンペーンの期間や詳細は早めに押さえておきたい内容です。そこで、本記事ではGo To Eatキャンペーンの実施期...
オンライン飲食予約サイト経由でのポイント付与
オンライン予約サイトで飲食店を予約し来店すると、次回以降の来店で使用できるポイントが付与されます。2回目以降の来店も対象となります。
2021年1月末まで1人あたり昼食時間帯は500円分、15時以降の夕食時間帯は1,000円分のポイントが付与されます。
付与されるポイントの上限は予約1回あたり10人分の最大10,000円分となっており、ポイントが利用できる期間は2021年3月末までです。
また、テイクアウトやデリバリーサービスは対象外となるため、飲食店側は注意が必要です。
プレミアム付食事券の発行
Go To Eatキャンペーンでは、地域の登録飲食店で使用できるプレミアム付食事券が発行されます。1セット1万円の食事券に25%分が上乗せされ、1万2,500円分利用可能となります。
食事券の購入には、1回あたり20,000円分、つまり1人2セットまでと制限が設けられています。また、食事券を利用する際、釣銭は出ません。
販売期間は2021年1月末まで、有効期限は同年3月末までです。
飲食店に求められる条件は:ガイドラインに基づいた感染対策
キャンペーンに参加する飲食店には、日本フードサービス協会と全国生活衛生同業組合中央会により発表された「外食業の事業継続のためのガイドライン」に基づいた感染対策に取り組み、その内容を提示することが求められます。
ガイドラインは、「3密(密閉、密集、密接)を避け、手洗いなどの一般衛生管理の実施、人と人との間隔の確保等を通じて、お客様と外食業に働く従業員の安全・安心を確保するための参考となる具体的取組等を示したもの」とされています。
来店者の安全を守る策として入店、客席への案内、注文や料理提供、会計のそれぞれに細かく感染対策の示唆を出しています。
また、従業員の健康管理や、店舗の衛生管理についても示唆がなされています。
キャンペーンの開始時期は:9月以降の見通し
7月31日に行われた会見で江藤農林水産相は、開始時期を9月以降に遅らせる旨を示唆していました。
8月27日現在、参加飲食店の登録はまだ開始していません。感染症対策について専門家の意見を聴き、その後に飲食店の登録開始時期を決めることとしています。
開始の際は、食事券は準備が整った地域から順次実施、オンライン飲食予約サイト経由のポイント付与は状況を踏まえて開始時期を検討するとされており、地域によって開始時期は異なるものと考えられるため、自治体の発表に注意する必要があるでしょう。
登録方法は:未定、農林水産省HPで告知
飲食店の登録先や登録の方法などについても、8月27日現在では発表されていません。登録開始時期が決定し次第、農林水産省HPで告知するとのことです。
Go To Eatキャンペーンで飲食業界の需要喚起へ
8月26日、政府は新型コロナウイルスを指定感染症「2類相当」を見直す方針で合意しており、新型コロナウイルスの感染拡大は徐々に収束の兆しを見せているといえます。
外出自粛により大きな打撃を受けた飲食業界にとって、Go To Eatキャンペーンは外食需要を回復させるチャンスです。
開始時期や申し込み方法などの続報を待つ間、キャンペーンの参加条件である感染対策のガイドラインを守れているかどうか確認すると良いでしょう。
<参照>
農林水産省:「Go To Eatキャンペーン事業」について
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