DXはデジタルトランスフォーメーションを表す略語です。業務やサービスのデジタル化を意味します。
インターネットを使ってさまざまなサービスを利用できる昨今、DXをはじめとしたデジタルテクノロジーに関するワードを多く耳にするようになりました。
経済産業省からガイドラインが発表されるなど、国としても大きな取り組みとなっているDXですが、実際どのような内容かを把握していない人も多いようです。
自店舗で効果をしっかりと出すためにも、DXの定義や導入の意義について明確に把握し、最終的な目的を意識して取り組むことが求められます。
本記事では、DXの定義や必要とされる理由のほか、取組事例についても紹介します。
※2021年5月27日追記:PayPayはこれまで決済システム利用料について、無料で店舗にサービスを提供していましたが、2021年10月1日より有料になります。利用料率は8月31日に発表される予定です。
DXとは?
ビジネスの世界で耳にすることが増えたDXについて、正しく理解する必要があります。
DXとは何か、またなぜ近年注目を集めているのかを解説します。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは|デジタル化による業務・サービスの変革
DXとは、「デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation)」の略で、デジタル技術を活用して業務やサービスをより良い方向に変革することをいいます。
経済産業省は2018年12月に「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」を発表し、DXを推進するための経営のあり方や仕組み、ITシステム構築のためのプロセスなどを解説しています。
それに先駆け、2018年7月に発表した「DX推進指標」とそのガイダンス」内で、DXについて「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義しました。
DX推進が活発になったのは、「2025年の崖」と呼ばれる経済喪失の想定を回避するためです。
「2025年の崖」とは、現行のビジネス運営を継続すると2025年以降には経済喪失が年間最大12兆円になるというものです。
経済産業省が2018年9月に発表した「DXレポート」で報告されたもので、システムのブラックボックス化やコストの肥大化、IT業務に卓越した人材の不足の3つが主な要因となり、大きな経済喪失を生むと結論づけました。この事態を回避するDXの推進が急がれています。
<参照>
経済産業省による「デジタルトランスフォーメーションを推進するための ガイドライン (DX 推進ガイドライン)」
「DX 推進指標」とそのガイダンス
DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~
店舗型ビジネスでDXが注目されている理由
大きな理由と言えるのが、消費者の購買行動の変化です。
テクノロジーが発達し商品やサービスを購入する場所は画一的ではなくなりました。購買方法とあわせて消費者の購入意欲も変化しており、そのニーズを捉えて柔軟に対応するのにDXが不可欠といえます。
衣類や食料品など生活に関わるものから、動画配信や音楽配信など娯楽商品までサブスクリプション方式のネットサービスが大きく波及し、実店舗では商品が売れにくくなっています。
加えて、新型コロナウイルスの広まりにより接触の多いサービスが敬遠され、健康に配慮した非接触型のサービス需要が高まっている点からも、一刻も早いDX推進が求められているといえるでしょう。
店舗型ビジネスでDXに取り組むメリット
DXの導入は、単に業務を効率化する以外にも複数のメリットがあります。
特に店舗型ビジネスで、DXを導入すべきメリットについて解説します。
1. 顧客の満足度の向上へつながる
デジタルツールを多く用いてサービス内容を充実化させることにより、顧客満足度の向上が見込めます。
オンラインで商品購入が可能になったり、SNSなどの配信を目にして来店意欲につながったり、顧客の購買行動を活発化させるでしょう。
たとえば店頭販売のみだった飲食店でデリバリーサービスを開始すれば、顧客の利便性が高まり、店舗への好感や満足感が高まります。
2. 少人数での経営が可能、人手不足の解消へ
DX推進で得られる初期のメリットが、業務の効率化です。これまで手作業だった部分をAIやロボットなどのデジタルテクノロジーが補うことで、店舗スタッフの削減や無人化が可能になります。
特に実店舗では、従業員を確保した後も人材育成にかかる時間、費用が必要で、辞めてしまうとまた一から同じ作業が必要でした。
例えばスーパーのセルフレジ導入などは少人数経営を可能にし、慢性的な人材不足解消への足がかりにできるでしょう。
3. 顧客のデータ管理で集客へ活用
DXの例としてよくあがるPOSシステム(販売時点情報管理)は、レジを通すことにより顧客のデータ収集および分析が可能です。
顧客登録により年齢や性別などの情報をストックし、買い物をすることで、どの世代のどのような商品が人気か、収益の上がる時間帯はいつかなど、さまざまな分析ができます。
それらの分析データは、商品開発やディスプレイの変更など販売戦略に活用でき、商品やサービスがより良く変化していくでしょう。
DXを活用した顧客データの分析と活用は、今後の店舗経営に欠かせないといえます。
4. システムの利用で、勤怠管理やコミュニケーションの効率化
商品やサービス提供の面だけでなく、事務的な面での効率化も可能です。
インターネットでの発注受け付けおよび発送や顧客対応など、DX導入により人件費や必要な時間と経費が抑えられ、業務の生産性が上がります。
さらに、在庫管理や勤怠管理にもデジタルツールを用いることで業務を効率化できます。
そのほかにも、スタッフ用のデジタル掲示板を設けて情報共有を図るなどすると、コミュニケーションの活発化や迅速化が進むでしょう。
5. キャッシュレス化
店舗のレジにDXを導入し、クレジットカードやICカードに対応することでキャッシュレス化が推進され、レジ業務の負担軽減が見込めます。
PayPayなどキャッシュレスサービスの種類が増加するのに伴いユーザーも増加しており、そうした顧客のニーズに対応できます。
店舗型ビジネスのDX取り組み事例
店舗型ビジネスにおいて実際に導入している事例を2つ紹介します。
1. 三越伊勢丹/リモートショッピング
百貨店の三越伊勢丹は、2020年6月からオンライン会議ツールのZoomやチャットツールのLINEを利用したオンライン接客サービスを開始しました。
顧客とチャットで迅速にやり取りできるほか、顧客の体型に似たモデルを通して着用イメージをチェックできるようにしました。
現在は「三越伊勢丹リモートショッピングアプリ」をリリースし、アプリから商品購入などができるほか、店頭にいるかのようなビデオ接客を可能にします。
アプリ1つで場所にとらわれずに接客から決済までを終えられ、コストをカットしながら顧客ニーズに対応できているといえます。
2. すし酒場フジヤマ/非接触型オーダーサービス
寿司の高級ネタ食べ放題が話題となっているすし酒場フジヤマ上野店では、非接触型のオーダーサービスである「SelfU(セルフ)」を採用しています。
「SelfU」は、株式会社Showcase Gigが提供する店内向けモバイル・テーブルオーダーサービスで、来店顧客が自身のスマートフォンからメニューの閲覧、注文、支払いを実施できます。
これにより、従業員の負担軽減と効率化が達成できるほか、新型コロナウイルス禍における顧客の安心感につながると期待できます。
<参照>
次世代スマート寿司居酒屋『すし酒場 フジヤマ』にモバイルオーダーシステム「SelfU(セルフ)」提供開始
店舗型ビジネスでもDXを導入し、業務の効率化・サービス改善へ
デジタルの技術を活用し、業務やサービスの価値を高めるDXの取り組みは、店舗の生産性や顧客満足度を向上させます。
システムを導入し効率化するだけでなく、新たな業務戦略や商品開発に活用し、店舗全体への変革へとつなげることが求められます。
新型コロナウイルスがいまだ猛威を振るう今だからこそ、特に対面式の接客をメインにする店舗においてはDXの推進が重要です。
DXで得られるメリットを把握し、自店舗の現状や不足点と照らし合わせて効果的に取り入れていくことで、自店舗の利益率を上げる大きな変革につながるでしょう。
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