新型コロナウイルス感染拡大に伴い、新しい生活様式が求められるようになりました。
飲食店では安心・安全を考慮した営業が求められるようになり、店内飲食での感染を予防や減少した売上の回復を目指しテイクアウトやデリバリーを導入する店舗が増加しました。
テイクアウト需要が高まるなか、利用できるサービスや支援が多く登場しているため、さまざまな情報を把握することが必要です。
テイクアウト事業を成功させるためには、SNSなどを活用した地域に根付いたプロモーション策を立てることがカギとなります。
この記事では、参考事例を挙げつつ、具体的なテイクアウトプロモーションを解説します。
テイクアウト戦略の重要性
新型コロナウイルス感染拡大の影響で外出自粛状態が続き、緊急事態宣言が解除されてもなお、回復には時間がかかることが予想されます。
飲食店では新しい生活様式に対応した営業や、テイクアウトサービスに力を入れる店舗が増えています。
テイクアウト営業を実践していく際には、メリットや店舗へどのような影響を与えるのかを把握し、うまく活用していく必要があります。
1. コロナ禍における新しい収入源
コロナ禍において、飲食店の営業スタイルは以前に比べて変わりつつあります。
特に店舗運営に関しては、顧客が触れる部分の清掃・消毒や、ソーシャルディスタンスを保つための店内整備など、細かい衛生管理が必要になります。
またソーシャルディスタンスの確保に、席数の間引きなどが行われ店舗内の収容人数が減少し店内飲食だけでは売上を立てることが難しい状況となっています。
政府は休業・短縮営業などで自粛要請に協力したために売上が減少した事業者へ向けて、家賃を補助する家賃支援給付金を支援することを発表しましたが、家賃支援給付金は6月下旬より受付が開始されるため、実際に給付されるのは時間がかかることが予想されます。
テイクアウト営業であれば、3密の回避に加え、店内での営業以外でも利益を上げることができるため、新型コロナウイルスによる収入の減少を少しでも緩和させることができるでしょう。
2. テイクアウト開始には補助金や限定サービスがつく
これまで店内飲食のみを行っていた飲食店では、テイクアウトに抵抗があったり、新たにテイクアウトの準備をすることが困難であるという店舗が少なくありません。
各自治体では、新型コロナウイルスの影響を受けた飲食店がテイクアウトサービスの導入をする際の支援を実施しています。
都内の飲食店では、東京都中小企業振興公社が設置した業態転換支援(新型コロナウイルス感染症緊急対策)事業を活用できます。
この事業では、東京都内でテイクアウトやデリバリーなどのサービスを新たに始める飲食店への支援を行っています。
支援対象であることを確認し、申請すると最大100万円の助成金を受け取ることができます。
これらの申請方法や対象期間は、各自治体によって違うため公式サイトで確認するとよいでしょう。
テイクアウト向けプロモーションの方法3選
テイクアウトの体制を整えたら、集客のためのプロモーションが必要です。
日常的にインターネットを利用するようになった昨今では、SNSなどを利用したプロモーションも効果的です。
インターネットによる具体的なプロモーションの方法を3選紹介します。
1. SNS投稿
テイクアウトを開始する際には、まずは手軽に利用できるSNSで消費者に向けて宣伝するとよいでしょう。
ほとんどのSNSは無料で利用できるうえに、紙のチラシより拡散力が高い点がメリットとして挙げられます。
テイクアウトの需要が高まる現在では、SNSと連携したテイクアウトを支援するサービスが実施されています。
画像をメインに投稿するSNS「Instagram」では、モバイルオーダーアプリ「Picks」と連動し、公式アカウントから直接テイクアウトの注文ができるサービスを開始しました。
写真を投稿することによってよりメニューや店舗情報を伝えられることや、そのアカウント画面からすぐに注文を受け付けることができるため、Instagramを利用しているユーザーに向けた効果的なプロモーションとなるでしょう。
「Facebook」では「コロナ支援・訳あり商品情報グループ」という支援コミュニティが登場しました。
事業者たちが賞味期限切れや過剰在庫などによって廃棄してしまう食品について投稿し、消費者と事業者側が直接コミュ二ケーションを取って購買できるシステムになります。
食品ロスを抑えられるのはもちろん、多くの人に味を知ってもらう機会となるため、リピーター獲得にも期待できます。
「O:der(オーダー)」がアフターコロナに向けモバイルオーダー利用の促進へ
Googleマイビジネスからも注文が可能に株式会社Showcase Gig(以下、Showcase Gig)が、「O:der(オーダー)」をInstagramと連携すると6月24日に発表しました。「O:der(オーダー)」はモバイルオーダープラットフォームであり、今回の連携によってInstagram経由でテイクアウトの事前注文・決済ができるようになるほか、SNSやGoogleマイビジネスなどからも注文が可能になります。非接触で注文・決済を完結できることから、顧客の店舗滞在時間を短縮、現金授...
2. アプリサービスへの登録
デリバリー・テイクアウトの需要が高まる現在では、多くのテイクアウトサービスが利用できます。
例えば、アメリカ発のデリバリー大手である「Uber Eats」では、デリバリーだけでなく「ピックアップ」というテイクアウトサービスも実施しています。
ユーザーはアプリで注文から決済までを行い、その後時間内に注文した商品を受け取ります。
店舗側では、注文が入った商品を準備するだけでよいというシステムです。
また、グルメサイト大手の「食べログ」では、「食べログテイクアウト」というテイクアウトアプリの提供を開始しました。
食べログテイクアウトでは、7月までのスタートアップキャンペーンを利用すれば、サービス利用料等を無料で利用できます。
2018年10月より運営がスタートしたテイクアウトアプリ「menu」でも、2022年3月までサービス利用料に加え初期設定費・カード手数料も無料としています。導入時のコストの低さが話題のサービスです。
それぞれのサービスの特徴やユーザー層を比較し、より自店舗に合ったサービスを活用することが重要です。
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3. 地方自治体公式マップ登録
飲食店を探す際に、Google MAPを利用して探す人もいるため、MAPを活用したプロモーションも効果的です。
4月からGoogle MAPに飲食店のテイクアウト・デリバリー情報を掲載できるようになりました。
Google マイビジネスに登録すれば、Google検索やGoogle MAPを通してユーザーへ情報提供できます。
栃木県では、Google MAPを経由したテイクアウト対応店舗の表示サービスを行っています。
また、地域情報共有アプリ「ためまっぷ」でも、テイクアウト版の提供を開始しました。
地域ぐるみでテイクアウトに対応している店舗を可視化するのが目的です。
ためまっぷは自治体が運営するサービスとなるため、飲食店はGoogle マイビジネスに登録することなく各地域にアピールが可能です。
テイクアウトプロモーション参考事例3選
テイクアウトを始める飲食店は、消費者へ向けてSNSをはじめとするネット上のサービスを活用したアプローチが効果的です。
実際にテイクアウトプロモーションに取り組んだ3店舗の事例を紹介します。
1. 「大名へて」
福岡県福岡市の居酒屋「大名へて」は、Instagramのアカウント上でテイクアウトサービス開始の告知を行いました。「#コロナに負けるな」「#福岡デリバリー」などのハッシュタグをつけて拡散したことで、120以上のいいね!を獲得しています。
さらに「大名へて」は、公式LINEアカウントからメニュー確認・注文をできるサービスを取り入れたことも告知しました。
この投稿により、店舗では注文時の人と人との「密」を回避し、より安心で便利に利用できるテイクアウトサービスも提供していることを消費者へアピールしました。
2. からやま
関東圏を中心に展開している唐揚げ専門店「からやま」は、オーダーが入ってから作る揚げたての唐揚げを売りにしています。
その「からやま」は、地図ポータルサイト「NAVITIME」に登録し、フリーワード検索・周辺検索・ジャンル検索を通じで分かりやすく店舗情報を表示しています。
それに加え、テイクアウト・デリバリー・キャッシュレス決済などと、新型コロナウイルスの感染拡大防止への対応も積極的に取り入れています。
特に「からやま」は、テイクアウトであっても揚げたての唐揚げを提供するという強みを生かして販売しています。
3. うみねこ食堂
福島県郡山市のダイニングバー「うみねこ食堂」では、人気の定食メニューをテイクアウトでも提供しています。
「大名へて」と同様にInstagramで持ち帰り用弁当についての告知内容を投稿しました。
「#お持ち帰り弁当」「#テイクアウト」などのハッシュタグに加え、郡山市公式アカウントが行うキャンペーンの参加に伴い「#郡山テイクアウト」を付けて拡散しました。
さらに、「うみねこ食堂」はInstagramストーリーズ機能を通じて限定クーポンを配信するなど、SNSの機能を駆使してプロモーションに取り組んでいます。
地域とWebを通じた販促連携が重要
テイクアウトに関するプロモーションはさまざまなものがありますが、特に地域とインターネットを通した方法が効果的です。
消費者の多くの情報源はインターネットであることから、情報を常に発信していくことが重要となります。
Google マイビジネスに登録し、Google MAP上にテイクアウト情報を掲載したり、InstagramなどのSNSを使用したプロモーションなどが例として挙げられます。
遠方に外出できなくなっている現状として、郡山市の例のように各地域で行われているキャンペーンを駆使し、地域に根付いたアピールをするとよいでしょう。
また、店舗やメニューに合わせて「Uber Eats」「食べログテイクアウト」など各種テイクアウトサービスに登録し、上手に活用していくことも重要です。
飲食業界にとっては厳しいときが続くことが予想されますが、今後も政府からの情報を確認し、状況に合わせた運営が求められるでしょう。
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