7月23日より東京オリンピックが開幕しました。今回のオリンピックは無観客開催ではあるものの、選手や関係者、報道陣などの外国人が多数日本に滞在しています。
そんな中、海外記者が日本人の「ちょっとした工夫」に気づきTwitter上に投稿したものが、海外から注目を浴びています。
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オリンピックで日本の「おもてなし」に反響
東京オリンピックの取材に訪れた記者の一部からは、日本のちょっとした演出が面白いという声や、「おもてなし」が素晴らしいという声が上がっています。
1. クスリと笑えるWi-Fi名がTwitterで話題に
カナダCBCニュースのオリンピック特派員であるデビン・ハーロウ(Devin Heroux)氏は、オリンピック会場のバス内で利用できるWi-FiのSSID(名称)が「Sushi2020」であったことをTwitterに投稿しました。
この投稿は7月29日時点で2,600件以上のリツイートと6,200件以上の「いいね」を記録しています。
投稿には、海外のTwitterユーザーから「かわいい」「クール」「これが日本のやり方だ」といった返信が寄せられており、さらには「Tempura2020」「Onigiri2020」など、「他にあったら面白いSSID」の大喜利も展開されていました。
2. コーヒーカップに日本語で名前を書かれて感動
米WFLA-TVのレポーターであるメリッサ・マリノ(Melissa Marino)氏は、スターバックスコーヒーで注文したコーヒーのカップに日本語で「メリッサ」と書かれていたことをTwitterに投稿しました。
ほかにも、米WAVY-TVのレポーターであるマリアラーナ・バロリス(Marielena Balouris)氏もコーヒーカップに「ありがとうマリアラーナ」と日本語で名前を書かれたことについてTwitterに投稿しています。
さらには、米NBCのレポーターであるマット・バーンズ(Matt Barnes)氏もコーヒーカップに「マットありがとう!」と日本語で名前を書かれたことについて「僕の名前が日本語で書いてあった!これは最高だ。」とTwitterに投稿するなど、日本語で名前を書かれたことに対する感動の声がTwitterで多くみられました。
3. インド人記者も「日本のボランティアのおもてなしは素晴らしい」
Yahoo!が運営する東京オリンピック・パラリンピックガイドのコラムによれば、インド人記者に取材したところ「日本でしか大会を開催できなかった」「日本のボランティアの『おもてなし』は本当に素晴らしい」と褒め称えていたといいます。
少し困ったことがあれば誰かがすぐに話しかけてくれる、英語がわからない人に対してもボディーランゲージを交えて教えてくれるといった日本人だからこそできる細やかな「おもてなし」が、外国人から高く評価されているようです。
4. オーストラリア選手団が「おもてなし」に感謝する巨大な垂れ幕を掲げ話題に
オーストラリア選手団が、日本側のおもてなしに対して感謝の気持ちを伝えるため、選手村に巨大な垂れ幕を掲げたことも話題となりました。
垂れ幕には、「THANK YOU」「心より感謝いたします」と書かれていたということです。
インバウンド回復までに準備しておきたい、実店舗でできる「おもてなし」
フリーWi-Fiがクスリと笑える名前であることや、コーヒーカップに日本語で名前を書いてもらえたことなど、ちょっとした体験が外国人観光客の心に印象深く残ることもあります。
ここでは、飲食業・宿泊業・小売業などの店舗・施設でできる、インバウンド回復までに準備しておきたい「おもてなし」について解説します。
1. 写真付きでの多言語メニュー設置
観光庁による2019年の調査(訪日外国人が旅行中に困ったこと、受入環境整備の課題)では、「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」という問題が20.6%で1位でした。観光案内などの多言語化が喫緊の課題となっています。
しかし、案内を多言語化するだけでは十分でないこともあります。
たとえば海外料理の専門店を訪れた際、日本語で書かれているにもかかわらず何の料理なのかわからなかったという経験をしたことが、誰しもあるのではないでしょうか。
そこで、メニューを多言語化するだけでなく写真付きのメニューにすると、見た目で料理を選ぶことができます。外国人観光客だけでなく、日本人にとっても嬉しい対応だといえるでしょう。
これは宿泊施設や小売店、観光施設などでも応用できます。各種案内を多言語で表記するだけでなくピクトグラムなどイラストを添えることで、理解しやすい案内を実現できます。先に挙げたWi-Fiやコーヒーカップのように遊び心のあるイラストにしておくと、さらにその店舗・施設の思い出を印象づけることができるかもしれません。
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2. 無料Wi-Fiの設置
先述した観光庁の調査では、2位が「無料公衆無線LAN環境」となっています。2017年、2018年の調査と比較すると「困った」と回答した外国人は減っているようですが、それでも整備が遅れているところもあるようです。
外国人観光客はポータブルWi-Fi等を契約している人が大半ですが、これらのデータ通信容量には上限があることも多いのです。
データ通信容量を使い切ってしまった人や、そもそもそうした準備をしていない人にとって、無料Wi-Fiを提供している場所は貴重な存在となります。
特に宿泊施設は滞在する時間が長いため、施設内に無料のインターネット環境が整備されているかどうかは宿泊先を選ぶ際の判断材料になる可能性が高いでしょう。
また今回の五輪で反響があった通り、Wi-FiのSSIDやPASSにひと工夫することで、外国人観光客の心をつかむことができ、SNS上などで話題となることができるかもしれません。
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3. キャッシュレス決済への対応
先述した観光庁の調査で、2018年の調査と2019年の調査を比較して唯一「困った」と回答した外国人が増加しているのが、QRコード決済などクレジットカード以外のキャッシュレス決済への対応です。
キャッシュレス決済は国ごとによく利用されるものが異なり、中国人向けであればAlipay・WeChatPay、韓国人向けであればNaver Pay・KakaoPayなどが存在します。
店舗・施設の客層に応じて最適な決済手段を導入するとよいでしょう。
4. Googleマイビジネスの多言語対応
WebサイトやSNSなど、顧客との接点となる情報発信を多言語化すると、外国人観光客の集客に役立ちます。その中でも今回は「Google マイビジネス」の多言語対応について解説します。
Google マイビジネスは、Google マップ上の施設情報を管理するための無料ツールです。Google 検索やGoogle マップは世界的に利用されており、日本を訪れた際にも用いられる可能性が高いといえます。
そんなGoogle マイビジネスには「投稿」機能といって、テキストと画像を使って情報を発信できる機能があります。
この投稿機能を活用する際に、メインは日本語で記載し、下部に英語など多言語を併記しましょう。
多言語をメインとしてしまうと日本人客に伝わりづらくなるというデメリットがありますが、併記する形であればその心配はありません。
Google マップ上に多言語で投稿すると、その投稿に含まれているキーワードで検索された際に上位に表示されやすくなります。口コミも同様に検索の対象となるため、外国人観光客から積極的に口コミを集めましょう。
ただし、インバウンドが回復してからこの取り組みを始めても、Googleから評価されるには時間がかかるためすぐには上位に表示されないかもしれません。いち早くGoogle マイビジネス投稿の多言語化を実施し、競合店との差をつけましょう。
外国人観光客に「おもてなし」の心を伝える準備を
Rakuten Insightがアジアの消費者を対象に行った調査(2021年7月16日発表)では、「旅行制限が解除された時に行きたい国」として日本が1位を獲得しました。
新型コロナウイルスの影響で渡航制限が敷かれる中、外国人の訪日意欲が高まっていることが推測できます。
未だ新型コロナウイルスの感染拡大が収束しない中ではありますが、いつかはワクチンが普及して国家間の移動における制限が解除され、インバウンドが回復する時が来ます。
この期間を準備期間と捉え、来たるインバウンドの回復に備えた環境整備を進めることで、渡航制限解除後の売上に大きな差がつくでしょう。
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→「ポリシー違反によるビジネスプロフィールの制限」が明文化 ほか【2024年9月・10月版 Googleマップ・MEOまとめ】
<参照>
Twitter:Devin Heroux氏の投稿
Twitter:Melissa Marino氏の投稿
Twitter:Marielena Balouris氏の投稿
Twitter:Matt Barnes氏の投稿
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