Googleマップは、いまや実店舗への集客において欠かせない存在になっています。
また自治体やDMO(観光地域づくり法人)においてもエリア全体の観光を盛り上げるため、地域の事業者を巻き込んだGoogleマップによる集客に取り組んでいるところが現れはじめています。
今回、株式会社mov(口コミラボ運営企業)の今野、川西が観光庁「世界に誇る観光地を形成するためのDMO体制整備事業」における外部専門人材として支援を担当した一般社団法人花巻観光協会様に取材し、Googleマップに注目した経緯や取り組んでみた感想、今後の意気込みを聞きました。
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花巻観光協会とは
岩手県の中西部に位置する花巻市は宮沢賢治の出身地として知られるほか、「花巻12湯」が楽しめる花巻温泉郷や「わんこそば」発祥の地でもあるなど、豊かな観光資源に恵まれたエリアです。
そうした花巻市の観光振興に取り組む地域DMOが花巻観光協会様です。
今回、観光庁「世界に誇る観光地を形成するためのDMO体制整備事業」における外部専門人材として、株式会社mov(口コミラボ運営企業)の訪日ラボから今野と川西が花巻観光協会様の支援を担当しました。
花巻観光協会様がデジタルマーケティングに着目した背景や、取り組みによって見えてきたものを探ります。
集客への課題感からデジタルマーケティングに注目
花巻観光協会様は当時デジタルマーケティングについて専門的なスタッフがおらず、独学で進めていました。
そうした中、進めている施策が実際の集客につながるのか、このまま進めてよいのかという点に不安を覚えていたということです。
デジタルマーケティングの基礎からやりたい
ーーどのような経緯でデジタルマーケティングに取り組もうとお考えになりましたか?
基本的にはスタッフの力でそれなりにアクセス数の増加までは達成できたのですが、そうした数値がコロナ禍が収まった後に「実際に来てくれるお客様」なのかといった不安がありました。
数値を分析するスキルがないことや、個人で学習していたデジタルマーケティングにおけるスキルが本当に正しいのか自信が持てなかったこともあり、改めて基礎から頑張りたいという思いで臨みました。
Googleマップの重要性を理解
ーー今回Webサイトだけではなく、「Googleマップ」上の情報整備・改善にも取り組まれた経緯を教えてください。
正直に言って、最初はGoogleマップについてはあまり重視していませんでした。何年か前から各所でそういったセミナーを開催していることも把握はしていたのですが、あまり観光協会に直接関係あるとは感じていませんでした。
今回Googleマップの運用についてご提案いただき、簡単に運用できるものであることや「自分たちで運用することで顧客をつかむ」ということをわかりやすくご説明いただいたことで、やってみようということになりました。
GoogleマップやWebサイトの整備を開始
今回、花巻観光協会様ではGoogleマップ、ECサイト・Webサイトの運用に取り組みました。本記事ではGoogleマップに対する施策を紹介します。
能動的な情報発信
Googleマップ上の改善策の一部を紹介します。
Googleマップについては、施設の正しい写真への差し替えや正しい営業時間の記載といった基本的な情報整備からはじまりました。
そのうえで花巻市内観光のモデルコースを設定したり、ECサイトへ誘導する導線を設置してサイトの認知拡大を図ったりなど、ユーザーに対して能動的な情報発信を行いました。
_Googleマップの運用改善を振り返ってみて、いかがでしょうか。
当初はGoogleビジネスプロフィールというものを知らないところからのスタートでした。
そこから今野さんにアドバイスをいただきながらGoogleマップ上の情報を整備したことで、実際に合計反応数※が大きく増加しています。
良い口コミは投稿する人だけでなく、それを見た第三者の方にも訴求するコンテンツだということを実感しています。
※検索結果に表示された店舗情報からの来店につながるアクション
Googleビジネスプロフィール活用推進への課題
今回、花巻観光協会様では、地元事業者に向けたGoogleビジネスプロフィール活用推進セミナーを実施し、講師として訪日ラボから今野、川西が登壇しました。
セミナーを実施していくなかで、新たな課題が見つかったと話しています。
ーー今回の取り組みの一つとして、地元事業者に向けたGoogleビジネスプロフィール活用推進セミナーを弊社今野が開催しました。こちらはいかがでしたか?実際に参加していただいた事業者様には、「なるほど」と思っていただける内容になったと思います。
ただ、まだまだデジタル施策について慣れていない方が多くいることも実感しました。募集の際、会員さんにセミナーの概要を伝えきれていない部分があり、怪しいものと思われてしまうこともありました。
正しく運用することで効果的な集客施策になるということを、今後も継続して伝えていくことが今後の課題です。
ーーWeb初心者の方に向けて、どのように訴求方法を変えていきたいとお考えですか?
今後、「Googleビジネスプロフィールの運用」という言葉だけではなく、もっと事業者に寄り添ったわかりやすい言葉で誘導していけるようにしたいと思っています。
アナログかもしれないのですが、対面でスマホを見せながら説明することが結局のところ一番効果があるのではないかと思いますし、地元に密着している観光協会だからこそそれができるのではないかなと思っています。
「まずは気軽に試してみる」ことの大切さ
サイトやGoogleマップの運用に力を入れてから、効果が実感できるようになったと話します。
花巻観光協会様はこれまでデジタルマーケティング施策に着手してきたことで気づいた、「まずは気軽に試してみる」ことの大切さについて語ってくれました。
デジタル施策は「やり直し」がききやすいからこそ
ーーほかの自治体の方に向けて、これをまずはやってみるべき、というアドバイスはありますか?
まずはいろいろな機能を自分で試してみることかなと思います。
Googleビジネスプロフィールについては当初、写真やテキストを投稿することについておよび腰になってしまっていた部分がありました。
しかし実際にはやり直しが簡単にきくことが多く、今ではなにもしないことの方がデメリットが大きいと感じています。
また、一連の施策の効果が数字で現れることもデジタル施策の利点だと思います。
Googleマップ上の施設に寄せられる口コミ、星の評価などユーザーの行動が数字の結果となって確認できるため、試行錯誤を繰り返していくことが大切です。
デジタルマーケティングの土台が完成、ここからが本番
ーー最後に、今後の展望について教えてください。
デジタルマーケティングに着手してから1年、今野さんたちとイチから土台を築き上げてきました。
アクセス数の増加は達成できつつありますが、花巻にお客様が泊まってもらうこと、また、自身で販売している体験プログラムの購入の増加、飲食店への誘客といったところの数を増やしていくというところも注力していきたいと考えています。
そして観光協会として地元の事業者の方々を巻き込み、地域一体となって稼げる観光地を目指していきたいと思っております。
株式会社mov コンサルティング担当者プロフィール
株式会社mov カスタマーサクセス部 今野 礎
- 観光庁DMO外部専門人材、Googleマップ活用での誘客、周遊促進サポート。
- 株式会社mov入社以前は自身で起業、ITベンチャーの立ち上げ支援。
- 過去15年間に渡り、IT業界でマーケターとして、マーケティング、SEO対策、メルマガ、各種コンテンツ制作、ローカルSEO対策など様々な職務を経験。
- 永住権取得~アメリカ在住経験あり
株式会社mov コンサルティング事業部 部⻑ 川西 哲平
新卒から通信・モバイルコンテンツ関連の業務に関わり、2014年より株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレスにて訪日外国人向けのWI-FIアプリケーションの立ち上げから宣伝、販促を担当。当時未成熟市場であった訪日外国人へのプロモーションを各国で積極的に実践し、累計200万ダウンロード突破させ、日本で最大規模の利用者へと成長させる。
現在、株式会社movではこれまでのノウハウを生かし、コンサルティング事業部長として、観光庁、民間企業のインバウンドのコンサルティング及びプロモーション・デジタルマーケティングのサポートを行っている。
口コミラボ 最新版MEOまとめ【24年9月・10月版 Googleマップ・MEOまとめ】
そこで口コミラボでは、MEO・口コミマーケティングに役立つ最新ニュースをまとめた「Googleマップ・MEO最新情報まとめ」を毎月発行しています。
本記事では、主に2024年9月・10月の情報をまとめたレポートのダイジェストをお届けします。
※ここでの「MEO」とは、Google上の店舗・施設情報の露出回数を増やしたり、来店行動につなげたりすることで、Google経由の集客を最大化させる施策を指します。
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