トリップアドバイザーは、約800万件の宿泊施設が掲載されている世界最大の旅行プラットフォームです。
世界49の国と地域、28言語でサービスを展開しており、宿泊施設などの旅前需要から現地のトラベルツアーといった旅ナカ需要までをカバーし、88億8,400 万件を超えるユーザーのクチコミ情報や評価を参照できます。
今回は旅館がトリップアドバイザーに登録することのメリットを中心に、予約数アップのためのマーケティング戦略を探ります。
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トリップアドバイザーに施設を登録するには?無料掲載・オーナー登録・メリット
旅館の情報をトリップアドバイザーに掲載する3つのメリット
旅行者が宿泊施設を探す際、ポータルサイトから施設の情報を検索し、詳細や価格を確認して予約まで完結させる方法は一般的です。
旅行ポータルサイトは複数の主流サービスが展開されており、どのサイトに登録するかで集客効果に違いが出てきます。
ここでは多くの旅行ポータルサイトの中で、旅館がトリップアドバイザーを利用するメリットについて解説します。
メリット1. 無料登録で海外のユーザーにも魅力を発信
旅行ポータルサイトへ登録すると、施設の知名度や集客率のアップなど、さまざまな効果があります。しかし、サイトによっては登録する際に初期費用がかかる場合もあり、費用対効果の検討も必要です。
もちろん、登録は無料で行えるポータルサイトも多く、トリップアドバイザーもそのうちのひとつです。
そして、登録料不要ながら冒頭で触れたように、トリップアドバイザーは日本国内だけではなく、世界の49か国と地域と28の言語に対応しているため、世界で広く利用されており、訪日外国人の誘致にも効果を発揮します。
メリット2. 豊富な口コミ件数で潜在顧客へのアピール
トリップアドバイザーの特徴のひとつに、圧倒的なクチコミ投稿の数の多さがあります。現在、すでに世界中から8億8,400万件を超えるクチコミが投稿されており、日々その数を増やしています。
特に現地の事情に疎い訪日観光客にとって、実際に施設の利用経験のあるユーザーのクチコミは貴重な情報源だと言えます。さまざまクチコミを比較、検討できるポータルサイトであれば、ユーザーも安心してそのクチコミを頼りにそのサイトから予約をすることがでしょう。
そして、トリップアドバイザーのクチコミは各ユーザーが母国語でt投稿できます。さまざまな国のユーザーが、多くのクチコミの中から自分の理解できる言語を探してリーチできるため、海外の観光客の誘致には非常に効果的です。
メリット3. 写真や施設の設備など、詳細な旅館情報を掲載できる
トリップアドバイザーのサイトに実際にアクセスしてみると、ユーザーが予約をする前に知っておきたい施設に関する情報が細かく掲載されていることに気づきます。
例えば、駐車場、プールやサウナといった娯楽設備、最寄り駅からシャトルバスによる送迎サービスなどの有無が確認できます。
こうした情報はユーザーにとってもちろん有益ですが、実は施設の立場からも、宿泊検討中のユーザーから設備やサービスに関する電話やメールでの問い合わせが減ることで、業務の効率化にもつながります。
そして、トリップアドバイザーの施設掲載ページは写真も豊富に掲載できるため、旅館内や客室の雰囲気を視覚に対して訴求することができ、わかりやすく強いインパクトを与えることができるため特に新規のユーザーの開拓に有益です。
トリップアドバイザーを活用している旅館の事例2選
トリップアドバイザーのサイトの特徴や利便性、さらには実際に登録した際にどのように掲載されるのかを理解するためには、やはり実際に登録されている施設の事例を分析するのが一番です。
そこでここでは、実際にトリップアドバイザーにすでに掲載されている2つ施設の事例から、その特徴を探っていきます。
事例1. 口コミへの返信で、顧客との信頼関係を構築
京都で営業するある旅館はトリップアドバイザーに施設を掲載しています。こちらの旅館の施設ページで注目したいのは「口コミ」欄です。
トリップアドバイザーでは、ユーザーから投稿された口コミに対して、施設側が返信をすることができます。評価する内容の投稿に対してだけではなく、時には厳しい指摘を含む内容の投稿であっても、まずは利用してもらったことへの謝辞を伝えます。
その上で貴重な指摘に対する今後の対処法などを回答すれば、利用者のリピート率の向上につながると共に、そのやりとりを見ているユーザーへ信頼感を与えることができ、新規顧客の開拓にも繋がります。<参照>トリップアドバイザー:湯の宿 松栄
事例2. 豊富な写真で、旅館の魅力を視覚で訴求
同じく京都のある旅館もトリップアドバイザーに施設情報を掲載しています。注目点は全1,170枚という施設写真の多さです。
トリップアドバイザーでは、さまざまな投稿者が写真を投稿できるため、投稿写真が増えやすい仕組みになっています。たとえば、こちらの施設では、プロの手による写真だけではなく、実際に宿を利用した旅行者、そして旅館オーナーが撮影した写真などが掲載されています。
客室や旅館内の温泉施設の様子、提供している食事、そしてトイレには洗浄式便座がついているのかまで写真でチェックすることができます。さまざまなユーザーのニーズに合致するポイントを見つけ出してもらえるでしょう。
<参照>トリップアドバイザー:嵐山温泉 嵐山辨慶の写真
近年はスマートフォンなどの普及に伴い、旅館の利用者層においてもインターネットで情報収集をし、そのまま予約するユーザーが増えています。 しかし、マーケティングはWeb戦略だけではなく、アナログな方法が効果を発揮するケースも少なくありません。
そこでこれからは、旅館の集客に効果的な4つの施策について、具体的に紹介していきます。
施策1. ウェブサイトを作成し、旅館の魅力を知ってもらう
旅館の集客において、自施設のウェブサイトの作成は効果的な方法の1つです。その背景のひとつとして、ポータルサイトで宿泊候補を絞り込んだ後に、実際にその施設の公式ウェブサイトでさらに詳しい情報を確認するユーザーの行動が挙げられます。
しかし実際にウェブサイトの構築を構想した場合、どのようにサイトを組み立ていくのか迷うところです。 もし、サイトの構築に迷った場合には、いわゆる5W1Hを軸に組み立てると整理しやすくなります。
WHY:「なぜ現在のような雰囲気の施設を構え、サービスを提供しているのか?」など、ユーザーが知りたいオーナーの施設に対する思いを掲載
WHO:オーナーやスタッフなど、どんな人が施設の運営にあたっているのかを紹介
WHAT:実際のサイトの核となる部分で、施設の外観・内観、料金・プランなどを具体的に紹介
WHERE:施設ロケーションやアクセス方法を、できるだけわかりやすく紹介
HOW :競合施設と差別化できる自施設のアピールポイント、そして利用者から届いた声などを紹介
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施策2. SNS運用でユーザー認知を獲得
もはやWeb関連のマーケティングの中心ともいえるのが、InstagramやTwitter、Facebookに代表されるSNSです。
Instagramは写真の投稿、Facebookは文章+動画や写真、そしてTwitterは即効性と、各SNSにはそれぞれの特性や強みがあります。
SNSでマーケティングを展開する際には、自施設のターゲットとなる客層に合わせたSNSを選択することが大切です。
訪日観光客をターゲットにSNSでマーケティングを展開する場合には、言葉が理解できなくてもビジュアルで理解できる点や、写真で強いインパクトを与えることができる点などから、Instagramはぜひ上手に活用したいSNSです。
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施策3. パンフレットやリーフレットの配布で、新規・見込顧客へアピール
Webマーケティングが全盛の時代とはいえ、旅館の利用者層への波及効果を考えた場合には、アナログなアプローチも有効なマーケティング手段です。
特に取り組みたいのが、パンフレットやリーフレットの作成です。旅館の受付や客室へ設置することでリピーターを増やす効果が期待できます。
さらに周辺の観光スポットや土産店、観光案内所などに設置してもらうことで旅館の存在を知ってもらい、その時は別の施設を利用した客が、その地を再訪した時に新規に利用してもらえるなど、新規顧客の開拓にも効果が期待できます。
施策4. キャッシュレス対応を行う
日本国内においても、消費税率の変更を契機にキャッシュレス化がかなり進行しましたが、中国、韓国といった訪日観光客が多い国を中心に、諸外国ではよりキャッシュレス化が進んでいます。
ニールセンの「2018 TRENDS FOR MOBILE PAYMENT IN CHINESE OUTBOUND TOURISM」 の調査結果によると、94%の中国人海外旅行者が「海外旅行中にスマホ決済が利用できるなら利用したい」と回答しています。
また93%が「モバイル決済が利用できれば出費を増やすことにつながるだろう」と回答しています。 つまり、訪日観光客の呼び込み対策としては、キャッシュレス決済の導入は大きなポイントとなります。
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旅館の情報をトリップアドバイザーに掲載し、予約数アップ
訪日観光客の誘致を目指す場合には、まずは海外のユーザーに自身の旅館の存在を知ってもらう必要があります。
そこで、トリップアドバイザーのように世界中から数多くのユーザーがアクセスするポータルサイトに登録すれば、それだけで認知度の向上が期待できます。
しかし、こうしたポータルサイトを活用する場合、やはり不安になるのが初期費用でしょう。ところが、トリップアドバイザーは登録料といった初期費用は無料なので、登録へのハードルも低くなっています。
トリップアドバイザーは特に海外市場に向けた情報発信にもなります。国内市場を考えた際には、楽天やじゃらん、Yahoo!やGoogleの提供するプラットフォームへの施設情報掲載も当然ながら進めていかなければなりません。
複数のサービス上で情報を管理することには手間もかかり、経営の負担にもなりますが、こうした情報掲載なしに集客をすることはもはや難しくなっています。
第三者の提供する管理ツールなどを活用しながら更新していくことが大切です。
口コミラボ 最新版MEOまとめ【24年9月・10月版 Googleマップ・MEOまとめ】
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本記事では、主に2024年9月・10月の情報をまとめたレポートのダイジェストをお届けします。
※ここでの「MEO」とは、Google上の店舗・施設情報の露出回数を増やしたり、来店行動につなげたりすることで、Google経由の集客を最大化させる施策を指します。
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