小売店に対する1つ星の口コミは、何が理由で投稿されているのでしょうか。分析してみると「接客」だけではないことがわかりました。
口コミラボでは「高評価、低評価の口コミにはそれぞれ共通する要素がある」という仮説をもとに、各業種における高評価、低評価の口コミを分析しました。
今回は小売店の高評価、低評価の口コミを分析したうちの低評価編です。高評価編はこちらからご覧ください。
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低評価な口コミがついたらどうする?
口コミが低評価になる理由は「接客」「品揃え」「価格」
今回の調査は、以下の方式で行っています。
- Google マップの口コミにおいて総合評価が3.5から4.5の首都圏の小売店が対象
- コンビニ、スーパー、衣服店、食料品店・酒店、電気屋、薬局・化粧品店、書店、スポーツ用品店・玩具店・楽器店、カメラ店・時計店・眼鏡店そして中古販売店の10業種ごとに事業者をそれぞれ3施設ずつ無作為に抽出
- それぞれの小売店から3〜4件ずつ1つ星評価の口コミを無作為に選出
- 合計100件の口コミに含まれている評価要素を以下11項目に分類
- 価格
- 接客
- 品揃え
- 店内の設備
- 立地
- 店舗の外観
- 衛生
- 感染対策
- 営業時間
- トラブル時の対応
- 会計
言いかえれば「口コミ平均点で『普通』と評価されている小売店の口コミの中で、★1がつけられた口コミを抽出して書かれている内容を分析してみた」という調査です。
調査の結果、1つ星の口コミに最も多く含まれた評価要素は「接客」で全体の約46.5%、2番目に多く含まれた評価要素は「品揃え」で全体の約25.6%、3番目に多く含まれた評価要素は「価格」で全体の約8.6%となりました。
1. 接客:基本的な接客態度を改めて確認、私語にも注意が必要
今回調査した口コミの中では、接客の悪さが最も多く言及されていました。
接客に関する低評価の口コミでは、従業員の態度が高圧的であることや「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」「すみません」などの基本的な挨拶ができていないことに言及しているものが多く見られました。
従業員の態度や基本的な挨拶については、必要以上に顧客に対してへりくだる必要はありません。
しかし、従業員と客という関係性の前に人間対人間のコミュニケーションであるということを意識し、基本的な接客態度や挨拶、会話などについてマニュアルで定めるとよいでしょう。
また、中には「客の前で店員同士が話している」という口コミも見られました。
従業員同士の会話はなるべくバックヤードで済ませるように心がけ、私語などの会話が顧客に見られることのないよう気をつける必要があるでしょう。
2. 品揃え:顧客が欲しい商品は何かを見極めることが重要
今回調査した口コミの中では、品揃えの悪さが2番目に多く言及されていました。
品揃えに関する低評価の口コミは、主に顧客が期待していた商品が取り扱われていないことが原因で発生しています。
自店の主要客層が自店に求める品揃えは何なのかを調査し、定期的に取扱商品を見直すことで満足度の高い店舗を実現できるでしょう。
同時に近隣の他店舗の品揃えにも目を配り、他店舗と比較して足りていない商品、他店舗が取り扱っていない商品を優先的に揃えることで競争力が高められます。
3. 価格:価格競争への参加が難しければ接客の向上を
今回調査した口コミの中では、価格の高さが3番目に多く言及されていました。
飲食業や宿泊業における価格に関する低評価の口コミでは、価格の高さそのものに対する評価より価格に対する体験の見合わなさに対する評価が多く見られました。
しかし、小売店における価格に関する低評価の口コミでは、他店舗や市場価格と比較した価格の高さそのものに対する言及が多くを占めています。
特に電気屋、スポーツ用品・玩具・楽器店、カメラ・時計・メガネ店は販売している商品の価格が他店と比較されることが多いため、価格競争に参加するかどうかの判断が重要となります。
価格競争への参加を選ばない場合、これらの業種では高評価の口コミにおいて接客が重視されているため、接客を強化することで価格の弱みを補える場合があります。
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ここにも注意!改善すべき3つの要素
小売店における低評価の口コミでは「接客」「品揃え」「価格」の3要素が最も多く言及されていました。
低評価の口コミで言及されている評価要素を更に調査したところ、特筆すべき評価要素が3つ見つかりました。以下で詳しく解説します。
1. トラブルが発生した際には真摯に対応することが大切
上位3要素には含まれていないものの、小売店の低評価口コミではトラブル発生時の対応について言及したものがいくつか見られました。
特に商品を返品する際に誠実な対応を受けられなかったことが原因で、低評価の口コミが発生しているようです。
商品の返品については、事前に返品可能な場合とそうでない場合を明確に規定し、店舗全体で規定に則った返品作業を実施することが大切です。
その上で、顧客が申し出た商品が返品の対象となる場合は誠実に対応し、顧客にかけた不便について謝罪することで誠意を示せます。
一方、顧客が申し出た商品が返品の対象とならない場合は理由をわかりやすく説明し、無理な要求を続ける顧客に対しては毅然とした態度で臨む必要もあるでしょう。
2. 会計時に不愉快な体験をさせないための工夫を
特にコンビニやスーパーなどにおいて、会計時の不愉快な体験に起因する低評価の口コミが見られました。
釣り銭の間違いや合計金額の間違いなどのほか、レジ担当が札束を数えないこと、ポイントカードがあるかどうか、袋が必要かどうかを聞かないことなどが主な要因となっています。
このような事態を回避するには、レジでの業務にもマニュアルを定め、一定水準の対応品質を担保することが必要でしょう。
また、金銭のやりとりに関する間違いは、店舗の信用にも関わる重大な事件にもなり得ます。
万が一金銭のやりとりに関する間違いがあった場合、まずは顧客に対して不手際を謝罪し、責任者自らが事態を解決するなどの対応が求められます。
3. 薬局では「接客」の低評価口コミが100%
今回調査した低評価口コミのうち、薬局では接客が要因となっているものが100%を占めていました。
実際の口コミでは「薬を受け取る際の説明が不十分だった」というものが目立つほか「薬を受け取るまでの待ち時間が長い」というものも見られました。
薬局はほとんどの場合で必要に迫られて行く場所であるほか、病気を治すために薬を買う人が多いため、多くの顧客は不安感を抱えていることが予想されます。
そのような場面で不十分な説明を受けたり、長時間待たされることは、顧客の不安感を増幅することにつながってしまいます。
薬局では分かりやすい説明を心がけ、待ち時間が発生する場合はどの程度の時間になるかをあらかじめ伝えることが大切だといえます。
低評価の口コミを知ることは、高評価の口コミを呼び込む第一歩
今回の分析では、低評価の口コミに含まれる評価要素として「接客」「品揃え」「価格」が特に多く見られると判明しました。
また、トラブル時の対応、会計時の清算ミス、薬局や化粧品店における接客についても、低評価の口コミを生む温床となっていることがわかりました。
低評価の口コミは、改善すべき要素をわかりやすく教えてくれる指針とも捉えられます。
自らの小売店に低評価の口コミが寄せられた場合も、まずは内容が正しいものであるか事実確認を実施し、正しければ真摯に謝罪した上で改善点を提示、実施することで、よりよい宿泊施設へと成長を遂げられるでしょう。
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