ある店舗・施設などに何らかの問題が発覚した際、Google マップに批判の口コミが殺到、いわゆる「炎上」状態になることがあります。
この時、批判した口コミが削除されたり、口コミ一覧そのものが見られなくなったりするような「炎上した施設でしか見られないような特殊な状況」が確認されることがあります。
「炎上した企業が、口コミを削除している。そんなことができるのか。ずるい。」
というような声をSNS上で見かけることがありますが、本当にそうなのでしょうか。今回はこのような現象を紐解いていきます。
関連記事
「炎上するくらいなら口コミを集めたくない」そう思っていませんか?それでも口コミを無視できないワケ
似た名前の企業が炎上した時、自社ブランドを守るには?
1万6,000件の炎上口コミが消滅、台湾のGoogleマップで起きた現象
11月6日未明、台湾台中市の路上で交通事故に起因する暴力事件が発生し、被害者は一時意識不明の重体に陥りました。
加害者はのちに殺人未遂の容疑で逮捕されましたが、このときに現地メディア各社により加害者の名前とともに、加害者の実家が経営する食品加工工場の名前が大々的に報道されました。
その結果、元々20件程度の口コミしかなかった食品加工工場のビジネスプロフィール(施設情報)に、1万6,000件以上の批判口コミが殺到しました。
数日後、この施設のビジネスプロフィールを編集部が確認したところ、スマートフォン版Google マップでは本来表示されるはずの「クチコミ」タブが表示されなくなっていたほか、デスクトップ版Google マップでは口コミ欄を開こうとすると「サーバーエラーです。しばらくしてからもう一度お試しください。」という文章が表示されていました。
なお、その後同ビジネスプロフィールに投稿された口コミは21件に戻っており、ガイドライン違反となる口コミは全て削除され口コミ欄は元の状態に戻っているようです。
国内でも炎上した店舗の口コミが見られなくなる事例が
こうした現象は国内でも起こっています。
先日、ある飲食店にて炎上事件が発生し、同店のビジネスプロフィールに多くの低評価口コミが投稿されました。
数日後に編集部が確認した際、☆1の割合が約半分を占めていました。全体が293件であることから、通常であれば約150件の☆1口コミが表示されるはずです。
しかし、実際に表示されている☆1口コミは2件のみとなっていました。
多くの☆1口コミが閲覧できない状態となっていることがわかります。
炎上した企業が口コミを削除しているわけではない
こういった炎上の際に口コミが消えるという現象は、実はよく起こっています。しかし、炎上した企業側が口コミを削除しているわけではありません。
第三者のユーザーや企業は、Googleに不適切な口コミを「報告」することはできますが、口コミを削除できるのは投稿したユーザー自身とGoogleのみです。また、口コミ一覧を企業が閉鎖することもできません。
1万人のユーザーが一度に口コミを削除したとは考えられないことから、批判した口コミが削除されたり、口コミ一覧そのものが見られなくなったりするのは、Googleによる炎上への対処であることがわかります。
このようなGoogleの対処は、口コミの炎上から店舗・施設を守るということでもあり、ニュースで知ったことで怒りをぶつける店舗・施設を訪れていないユーザーによる口コミを削除することで、ある程度正常な状態にし、口コミの有用性を保とうとする動きの現れでもあります。
炎上リスクは他人事ではない。普段から口コミの監視を
このように炎上に対してGoogleが対処することはあるものの、マップ上のビジネス数は膨大にあり、すべての問題に迅速に対応してもらえるわけではないというのが現状です。
Google マップの口コミは第三者が自由に投稿できるシステムになっている以上、放置していると炎上したり、悪質な口コミが投稿されたりといった被害を知らず知らずのうちに受けてしまう可能性があります。
普段から口コミを監視し、炎上や誹謗中傷などの悪質な口コミにもすばやく対応できるよう、管理体制を整えておくと良いでしょう。
口コミラボ 最新版MEOまとめ【24年9月・10月版 Googleマップ・MEOまとめ】
そこで口コミラボでは、MEO・口コミマーケティングに役立つ最新ニュースをまとめた「Googleマップ・MEO最新情報まとめ」を毎月発行しています。
本記事では、主に2024年9月・10月の情報をまとめたレポートのダイジェストをお届けします。
※ここでの「MEO」とは、Google上の店舗・施設情報の露出回数を増やしたり、来店行動につなげたりすることで、Google経由の集客を最大化させる施策を指します。
※『口コミアカデミー 』にご登録いただくと、レポートの全容を無料でご確認いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「ポリシー違反によるビジネスプロフィールの制限」が明文化 ほか【2024年9月・10月版 Googleマップ・MEOまとめ】
<参照>
蘋果日報:台中男大生擦撞被「瑪莎」惡徒狂毆 非現行犯函送!律師說話了