飲食店のお店探しに欠かせない「口コミ」。その影響力は勢いを増しており、店舗経営者にとっても見逃すことのできない存在です。
そこで今回は、「回転寿司4大チェーン(スシロー・くら寿司・はま寿司・かっぱ寿司)に寄せられた口コミ調査」を題材に、口コミの分析結果から見える業界の傾向やマーケティング施策のヒントを解説したセミナーを、ダイジェストでお届けします。
本セミナーは大好評につきアーカイブ配信もございますので、ぜひご覧ください。
→【アーカイブ配信】【スシロー・くら寿司・はま寿司・かっぱ寿司】回転ずし4大チェーンの口コミ10万件超を徹底比較
※本セミナーは「2022年12月」に開催したものです。
セミナー概要
飲食店などのお店選びにおいて、口コミの影響力は年々増加しています。
株式会社movが2022年1,2月に実施した調査では、店舗決定の重視ポイントは
- 「口コミ評価(星の数やコメントの内容)」が74.5%で1位
- 口コミがよくないと来店をやめる人が77.5%
という結果となっています。
口コミは現代の顧客の心理に多大な影響力を及ぼすことから、店舗経営者にとっても見逃すことのできない情報源になっているのです。
そこでmovでは、口コミ分析ツール「口コミコム 」を用いて、各業界の口コミを独自AIを使って分析するレポートを定期的に公開しています。
本セミナーは、その中でも特にご好評いただいた【回転ずし大手4ブランドの口コミ比較レポート】を振り返り、口コミから見える”マーケティングのヒント”や、レポートには掲載しなかった”ウラ話”まで詳細に解説しました。
※本セミナーは「2022年12月」に開催したものです。
近年のMEO市場について
セミナーでは始めに、ユーザーのお店探しと関係の深いMEO(Map Engine Optimization)市場の近況について解説しました。
昨今では、SEO(自社サイトをWeb場で表示される)よりMEO(Googleマップ上の情報整理)のほうがお客様に正確な情報を届けられると言われています。
弊社が支援しているクライアント企業の公式Webサイトは、年間表示回数が3億回である一方、Googleマップ上での年間表示回数は9億回です。
つまり現代では、Webサイトを充実させるSEOよりも、Googleマップ上の表示を充実させるMEOの方がユーザーに情報を届けることができます。
日本では、2017年以降Googleマップが急速に生活に定着しました。これに比例し、Googleマップに寄せられる口コミも5年前の50〜300倍となっています。
お店探しをGoogleマップで検索する人・Googleに口コミを投稿する人は、今後さらに増えると予想されています。
「口コミ内に含まれるキーワード」「口コミ数が多いこと」「顧客からの評価が高いこと」といった要素が、Googleが表示順位を決定する際や、ユーザーが行きたいお店を選ぶ際に影響します。
つまり、良質の口コミを多く獲得することは、MEO(Googleマップ・検索上での最適化)にも繋がるのです。
ここ数年、いわゆるMEO対策としてGoogleビジネスプロフィールの情報整備などに取り組む企業は増えてきました。この施策を「MEO1.0」と定義しています。
この「MEO1.0」が飽和状態にある現在、単純な情報整備・発信・返信だけでは価値創出が難しいと言えます。今後は口コミの大量獲得や他サイトの連動など、より価値の高い情報提供が求められる、と新井は指摘。
この施策を「MEO2.0」と定義し、他の企業と差別化するために、これから力を入れて取り組むよう推奨しています。
【口コミ分析】回転ずし大手4大チェーンの10万件超の口コミ比較
このようなトレンドを受け、店舗集客には欠かせないものとなった「口コミ」。
店舗事業者さまにとって、日々寄せられる口コミを1件ずつ読むためには、相当な労力を要します。
また、評価も内容も多岐に渡る口コミを読んでいると「少数のネガティブな声に合わせ業務改善し、他が悪くなってしまう」ということが起こりがちです。
”お客様の声”を俯瞰して見たときに、どのようにバランスを取るかが課題になります。
そこで本セミナーでは、このような課題を解決する口コミ分析ツール「口コミコム 」と、口コミコム を活用した口コミ分析についてご紹介しました。
今回分析対象としたのは、全国チェーンの寿司ブランドTOP4(スシロー・くら寿司・はま寿司・かっぱ寿司 ※2022年4月現在)です。
下剋上も狙える?口コミ数・評価をブランド間で比較
2022年1月〜12月の口コミ数をブランド別にみると、口コミ数はスシロー>くら寿司>はま寿司>かっぱ寿司の順となりました。
これは業界のサイズ感にほぼ比例しており、売上が高い会社ほど1店舗口コミ当たりの口コミ数が多い傾向となりました。
※本分析は2011年1月〜2022年4月の口コミデータをもとに行っています。
一方、2022年4月の品質(★の数)は はま寿司>かっぱ寿司>スシロー>くら寿司 の順となり、こちらは業界売上とは異なる傾向が見られました。
この中で注目したいのが、かっぱ寿司の★評価の推移です。かっぱ寿司は、2021年8月以降に評価を高めています。
新井はこの結果を「2021年5月以降に行った同社の業務改革の結果が表れている」と分析しています(詳細は後述)。
口コミの”質”を深掘り:自社の顧客満足度や強み / 弱みを分析
口コミコム では、独自AIで口コミ内のキーワードを抽出し、文脈からポジティブ / ネガティブを判定。さらに顧客満足度(QSCAスコア)も算出します。
これらにより定性的に見える口コミを定量化し、口コミをデータとして可視化します。
競合との差別化ポイントは:キーワード分析による競合比較
口コミコム を利用すると、自店舗や競合店舗に寄せられた口コミを「キーワード」で横断的に分析できます。
口コミから自店舗の強み / 弱みを知ることで、競合との差別化ポイントや店舗運営の改善点のヒントが見えてきます。
寿司・ネタ・サイドメニューなど、各ブランドを同一キーワードで比較した際に、顕著な差が見られたのはかっぱ寿司の「シャリ」です。
かっぱ寿司は2021年5月にシャリの全面リニューアルを行っており、新井は「業務改善が顧客の声に反映・評価された」と分析しています。
口コミの事業活用はアイデア次第!
口コミコム
では、定性的に見える口コミをAIで定量化することで、口コミをデータとして可視化します。
本レポートのような競合分析に限らず、下記の目的でもご活用いただけます。
- 同一ブランド内研究(スターバックスコーヒーの国内全店舗調査:エリアごとの傾向)
- 競合比較→強み発見(自社ブランドの強み)
- 競合比較→改善提案(自社のネガティブ要素の抽出
- 業界比較→未来予測(国内サウナの口コミを傾向)
- エリア調査→トレンド(池袋駅周辺のラーメン110店舗を調査:エリア内の傾向)
弊社では、
- チェーン店向け口コミ調査
- 業界口コミ傾向調査
- 業界紙面向け調査
を行っております。
過去に作成したレポートのご案内、業界レポート作成のご相談等は、下記メールアドレスよりお問い合わせください。
お問い合わせはこちら:kcom_report_request@mov.am
セミナーアーカイブ配信中!
本セミナーでは他にも、業界ごとの口コミの特徴や口コミの最新トレンドについても解説しています。飲食店をはじめ、店舗事業者の皆様にとって役立つ内容となっておりますので、ぜひアーカイブ配信よりご覧ください。
→ 【アーカイブ配信】【スシロー・くら寿司・はま寿司・かっぱ寿司】回転ずし4大チェーンの口コミ10万件超を徹底比較
登壇者
新井 勇作(株式会社mov 事業戦略部 部長)
大学卒業後、外資系コンサル会社に就職。主に金融機関を対象に全社戦略・マーケティング・人材育成・DX等のプロジェクトに従事し、2015年に独立。以降フリーランスとしてGoogleマップ上の360°パノラマ写真を利用した集客支援事業を開始するなど、Google関連サービスへの造詣が深い。2021年「口コミコム 」を運営する株式会社movに参画。2022年4月より現職。
口コミラボ 最新版MEOまとめ【24年12月版 Googleマップ・MEOまとめ】
そこで口コミラボでは、MEO・口コミマーケティングに役立つ最新ニュースをまとめた「Googleマップ・MEO最新情報まとめ」を毎月発行しています。
本記事では、主に2024年12月の情報をまとめたレポートのダイジェストをお届けします。
※ここでの「MEO」とは、Google上の店舗・施設情報の露出回数を増やしたり、来店行動につなげたりすることで、Google経由の集客を最大化させる施策を指します。
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→不正な口コミを集める店の通報フォームが公開 ほか:【2024年12月版 Googleマップ・MEOまとめ】