SDGsは2015年の国連サミットで採択された、国際社会における問題を包括的に解決するための目標です。
近年は特に注目度が高まっており、企業単位でもSDGsに取り組んでいるかどうかがブランディングや消費者の行動決定指針として大きな意味を持つようになってきています。これらは飲食業街にとっても例外ではありません。
この記事ではSDGsについての概要と、飲食店がSDGsを取り入れるにあたってすべきことなどを解説します。
SDGs(持続可能な開発目標)とは
SDGsは「持続可能な開発目標」として、国際社会の包括的な問題解決を示す指標として打ち出されたものです。
ここではSDGsの概要について解説します。
2015年国連サミットで採択、企業や自治体の指標に
SDGsとはSustainable Development Goalsの略、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。
2015年の国連サミットで採択されて以来、国際社会全体の開発目標として示されてきました。
SDGsは17の目標があり、さらにその下には細分化された169のターゲット項目が設定されています。
近年はSDGsへの注目が高まり、企業や自治体が具体的な項目を取り上げながらSDGsの目標に沿った取り組みを掲げる例が増えてきています。
17の目標/国際社会の課題に対して包括的に取り組む
SDGsにおける大きな目標は、上記画像の17項目に分けられています。 これらの目標は「誰一人取り残さない」というスローガンに基づき、現在の国際社会が抱える課題を包括的に解決するための目標です。これらの目標の達成期限は2030年に設定されています。 目標の達成のためには、先進国、途上国、民間企業、NGOなどの関係する機関や主体などがそれぞれの役割を果たすことが重要であるとされています。
MDGs(ミレミアム開発目標)とは
SDGsの前身となったものとして、2000年9月の国連サミットで採択されたMDGsという目標があります。MDGsはMillennium Development Goalsの略で、日本語ではミレニアム開発目標と訳されます。
MDGsでは2000年から2015年までの間に達成すべき8つの目標が掲げられ、貧困の撲滅やジェンダー平等の推進などの分野で一定の成果を挙げました。
SDGsはこのMDGsの内容を受け継ぎ、発展させる形で成立しました。
SDGsの背景と現状
SDGsは2105年の採択以来、すでに格好で取り組みが行われています。
ここでは日本を含む世界のSDGsの背景と、その現状について解説します。
MDGsの後継と気候変動への対応
先述の通りSDGsは2015年が起源とされたMDGsの理念を受け継ぎ、発展させる形で成立しました。
MDGsとの大きな違いは、2000年時点では表面していなかった気候変動に対する対応策が大きく盛り込まれたことです。日本国内では特にこの気候変動への対策が注目されており、この観点からSDGsが語られることが多いのが特徴です。
世界のSDGs達成状況、日本は17位(2020年)
毎年、持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN:Sustainable Development Solutions Network)とベルステルマン財団(Bertelsmann Stiftung)から、SDGsの達成状況を評価するレポートが発表されています。
2020年の発表のレポートによると、上位の多くは北欧をはじめとしたヨーロッパ諸国が占めています。
日本は17位、アメリカは31位、中国が48位でした。下位にはアフリカの発展途上国が多く、先進国と発展途上国の間に達成度に大きな差があるのが現状です。
目標項目別では、「貧困を無くそう」「住み続けられるまちづくりを」などの目標が急速に達成に向けて動いている一方、「飢餓をゼロに」「陸の豊かさを守ろう」などに関してはむしろ状況が悪化しているとされています。
Sustainable Development Report 2020 - Sustainable Development Report
日本におけるSDGs
前述の通り、日本は2020年時点でSDGs達成状況は世界で17位です。ヨーロッパ諸国が上位を占める中健闘していますが、先進国の中における達成度はまだまだであるという見方もできます。
日本において目標達成が遠いとされている項目は「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさを守ろう」などの環境に関わるものです。そのため、日本では近年環境問題に関わる施策が取られるようになっています。
飲食業界におけるSDGs
飲食業界においても、SDGsはさまざまな取り組みのための重要な指標となっています。
ここでは飲食業界におけるSDGsへの取り組みについて紹介します。
SDGsを実践することが企業ブランドのひとつに/投資の基準にも
ヨーロッパなどSDGsが進んでいる先進国では、その店舗や運営する企業がSDGsに取り組んでいるかが消費者にとっての店選びのポイントとなりつつあります。
このような流れを受け、たとえば日本のハンバーガチェーンであるモスバーガーは、動物性の食材を使わない商品を販売するなどの取り組みを始めています。
これは牛肉の生産のための飼育や加工の過程で環境に大きな負荷がかかるという点を踏まえたもので、SDGs時代への対応の一つといえます。
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ビニール袋の有料化
国の主導するSDGsへの取り組みとして、2020年7月からビニール袋の有料化が始まりました。これはプラスチックの利用削減を目指したもので、小売業の全てが対象とされました。
同じビニール袋でも繰り返し使える厚手のものや、地球に優しい素材のものは対象外とされました。
他にもプラスチックストローの紙ストローへの置き換えや使い捨てプラスチックマドラーの廃止など、様々な形で飲食店におけるプラスチック使用料の削減が試みられています。
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フードロスの削減、フードシェアリングは解決策の一つ
SDGsの目標のうち12番目である「つくる責任・つかう責任」に関わる問題として、食品ロスの削減も大きな課題となっています。
飲食店でのフードロスの削減は、SDGsへの取り組みとしてだけではなく、店舗の利益を向上させることにもつながります。
飲食店においては持ち帰りサービスを充実させることや、余った食材や料理を必要な人のところへ無償、または格安で届けるフードシェアリングの仕組みなどを活用する方法などが考えられます。
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国際社会の課題を包括的に解決するためのSDGs
SDGsは、現在の国際社会が抱える課題を包括的に取り上げ、解決していこうとするものとして、世界中で取り組みが進められています。
単に問題を解決するためのものとしてだけでなく、SDGsにどのような姿勢で取り組んでいるかが企業やそのブランドの評価に影響を及ぼすようになってきています。
飲食店にとっても、SDGsへの取り組みはブランド価値を高め、同時に効率化やロス削減を通して利益を向上させるという良い効果ももたらします。それぞれにできることを通して、SDGsにおける課題に取り組んでいくことが重要です。
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