近所に住む人とのコミュニケーションを実現するネットワークサービス「マチマチ」は、集客のためのツールとしても活用されています。
もともと地域住民のコミュニティ形成や情報交換をサポートするためのサービスとして始まったマチマチは、自治体のイベント告知や店舗のマーケティングにも役立ちます。
この記事では、マチマチの概要、集客面での活用方法を紹介します。
日本最大のご近所SNS「マチマチ」とは
「マチマチ」は、地元住民同士で情報交換ができる特徴からご近所SNSとも呼ばれています。海外でもこのようなサービスは人気となっており、多くのユーザーを獲得しています。
都市部を中心に近所付き合いの希薄化が進む現代、周辺に住む人どうしがコミュニケーションをとるためのネットワークサービス「マチマチ」が注目されています。
アメリカでは“Nextdoor”、イギリスの“Streetlife”、オーストリアの“FragNebenan”など、欧米諸国でも近隣住民とつながるSNSは人気を博しており、マチマチはこれらのサービスの流れを追って生まれました。
マチマチでは、生活の中での疑問や回答、防犯や防災、地域の祭事やイベントの告知、不用品の譲渡や販売など、さまざまな情報があふれています。
特に、ご近所付き合いや人間関係などの気疲れなく、必要なタイミングで気軽に情報交換できる点が、現代のライフスタイルに合致しており、好まれています。
渋谷区から全国へ
2016年の6月に渋谷区で試験的に運用が開始されると、多くのユーザーを獲得し、2020年現在では日本全国で利用されています。
マチマチは地方自治体との連携に力を入れており、市区町村の公式アカウントからサイトを通じて住民に情報を届けるなど、従来の掲示板や回覧板のような役割も果たしています。
マチマチへの登録方法
マチマチに登録するには、公式サイトの画面右上にある「会員登録」をクリックします。
会員登録はLINEアカウントまたはFacebookアカウント、メールアドレスの3つから選べます。
「メールアドレスで登録する」を選択した場合、ボックスが開くのでメールアドレスとパスワードを入力します。
電話番号認証で本人確認をします。
その後、携帯の電話番号宛に送信されるSMSで認証コードを確認します。認証コードで本人確認ができたら、名前とプロフィール画像を設定して会員登録を完了します。
マチマチでは本名で登録しますが、他のユーザーには本名を隠してニックネームで表示するように設定することもできます。
多くのコミュニティが「マチマチ」を利用:マチマチfor自治体
マチマチは、地域に住む人々のコミュニケーションツールとなるだけでなく、自治体のオフィシャルな情報発信の場としても役目を果たしています。マチマチが自治体に対して提供しているのは「マチマチfor自治体」と呼ばれるサービスです。
紙媒体に比べてコストが低く、他SNSに比べて地域のユーザーにアプローチしやすいなど、独自のメリットを持っています。以下では、「マチマチfor自治体」のサービス内容を紹介します。
自治体と連携して、地域課題を解決
マチマチでは、サービスを拡大するために「マチマチfor自治体」を導入しています。これはマチマチが自治体と連携して、市区町村の情報発信を手助けするものです。2020年1月時点で22の自治体が「マチマチfor自治体」を取り入れています。
自治体はマチマチの提供するシステムを利用でき、マチマチは自治体の広報によりさらに多くのユーザーを獲得できるため、双方にとってメリットのある連携となります。
多くの自治体は、オンラインでの情報発信ツールの拡充、地域のイベントに参加する住民層の拡大を目的として「マチマチfor自治体」を活用しています。インターネットでの情報収集が普及した現代では、紙媒体の情報は興味を持ってもらいにくく、ウェブサイトやSNSの運用を始める自治体もあるものの、認知度を高めるのは簡単ではありません。そこでマチマチを活用することでこの課題を解消しています。
また、地域のイベントに参加する住民が少なくなると、住民同士のつながりが希薄になってしまいます。従来のオフラインでの情報発信に加えて、マチマチでもイベントへの参加を促すことで、より広い層に対してアプローチできます。マチマチは、地域の活発なコミュニケーションを実現するうえでも大きな役割を果たしています。
東京都多摩地域の事例:「マチマチ」を利用する小金井市
小金井市では、町会や自治会への加入率低下、20代から30代の若い世代の転出増加が課題となっています。これらの課題を解決するため、2019年11月にマチマチとの提携を開始しました。
これまでにも渋谷区や豊島区をはじめとする7区がマチマチfor自治体を利用していましたが、多摩地域での提携は同市が初めてです。
同市では、マチマチでの情報発信を通して地域コミュニティの活性化、子育て世代の定住促進を目指しています。マチマチでは、地域で催される活動、子育てに関連するサポート、市政に関する情報を発信するだけでなく、災害時の情報交換ツールなど、さまざまな活用が見込まれます。
住民同士の密接なコミュニケーションを実現できるうえ、市民サービスの拡充にもつながるため、住みやすい街づくりの一環としても有効です。
「マチマチ」で地域イベント、飲食店へ集客
マチマチは、地域のイベントや店舗の集客にも活用できます。大手SNSに比べてユーザー数は多くないものの、近隣地域のユーザー全員に向けた情報発信ができるサービスならではのメリットがあります。
また、マチマチに登録しているページは上位表示されやすく、SEOの一環としての効果も期待されています。
以下では、マチマチを活用した集客方法を解説します。
近所へのイベント告知
マチマチは、住民同士のコミュニケーションを促進するだけでなく地域の広報にも活用できます。
地域活動を知ってもらうにはリーフレットや回覧板、FacebookをはじめとするSNSなどの方法がありますが、それぞれ製作コストや、フォロワー以外にアプローチできないなどのデメリットがあります。
ところがマチマチでは、コストをかけずに地域のユーザー全員に向けて情報を発信できます。こうした点は、ご近所SNSであるマチマチならではのメリットです。
「マチマチ」お店会員サービスで商圏内に効率的にアプローチ
マチマチは店舗や施設の集客にも効果的です。お店会員として登録すると、マチマチに登録している近隣住民に情報を発信できます。
店舗の近くに住むユーザーは見込み客となる可能性が高いため、効率のよい販促ができます。商圏内のユーザーに確実にアプローチできるSNSマーケティングができるのは、マチマチの大きなメリットです。
また、SEOに強く検索結果画面で上位表示されやすい点もマチマチの利点です。特に、市区町村や駅名とサービスの名称を入力した検索結果では、マチマチのページが上位に出ることも多く、インターネット上の露出を増やすことができます。
地域密着型の店舗ビジネスなどでは、大きな集客効果を発揮するでしょう。
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新サービスで飲食店への集客を後押し
マチマチは、2020年4月に、ユーザー同士で近所のテイクアウト・デリバリー対応の飲食店について、情報交換ができる新しい機能の提供を開始しました。
検索カテゴリに「テイクアウト・持ち帰り」「デリバリー・出前・宅配」が追加され、ユーザーは口コミ投稿を通じて飲食店の情報拡散に貢献できます。
店舗は口コミ投稿を促すことにより、情報の拡散とそれによる集客効果を期待できるでしょう。
「マチマチ」を活用し、地域に根ざした集客を
地域に住む人々同士がオンラインでコミュニケーションを図れるSNS「マチマチ」は、集客ツールとしても注目されています。
また、市区町村向けに開発された「マチマチfor自治体」を利用すれば地域のイベントの広報や防災情報など、住民に役立つ情報を発信できます。
店舗でマチマチを活用して、商圏内の見込み客にプロモーションをする事例もあります。オンライン配信のため、印刷や配布のコストがかからず、地域の人々に確実にアプローチできる点は大きなメリットです。
また、マチマチ上の店舗ページは検索結果画面で表示されやすいため、店舗を探しているユーザーの目にとまる機会も増えるでしょう。
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