アバター接客による「非接触接客」のメリットとは?事例を用いて紹介

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新型コロナウイルスの流行で、従業員と来店者の接触を減らすことができるとして、ロボットやアバターによる接客への関心が高まっています

今回は、遠隔操作で接客する分身ロボットの「アバター」を活用している3つの事例を紹介し、新たな接客のあり方がもたらすメリットや集客促進の可能性について解説します。

「アバター」を活用した接客事例3選:ANA、オリィ研究所、NTTデータ

アバターを活用して接客している事例を3つ紹介します。

1. ANAのコミュニケーションアバター「newme」

ANAホールディングスは2019年10月、コミュニケーション型アバターロボット「newme(ニューミー)」を発表しました。「avatar-in」というプラットフォームを介し、商業施設や観光施設といったさまざまな場所に設置されたアバターの「newme」を通じて、それぞれの場所へ実際に訪れ観光している気分が味わえる遠隔体験サービスを提供します。

アバターを自分の分身として活用することで、遠隔地であらゆる体験ができます。「newme」は15kg前後と軽量で折りたたみ可能なため、設置のしやすさと持ち運びやすさが特徴です。

同社は実証実験を進めており、2020年2月には、体験型アート展「FLOWERS BY NAKED 2020 ー桜ー」の一部エリアに「newme」を設置しました。自宅からアバターを操作することで、遠隔でアート展の見学ができるといった取り組みを実施しています。

また石川県加賀市とも提携し、「newme」を活用した窓口相談の実証実験も行っています。市の窓口を訪れた市民は、アバターを通じ職員とやりとりをする仕組みです。本実証実験において、職員にはアバターの活用に慣れてもらい、市民にはアバターを知ってもらうことを目指しています。

2. オリィ研究所による分身ロボット「OriHime」(オリヒメ)

遠隔操作でロボットがスタッフとして接客する実験
▲[モスバーガーで接客するロボット「OriHime」]:PR TIMES

ロボット開発を行うオリィ研究所は、2010年に分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を開発しました。「OriHime」にはカメラとマイク、スピーカーが搭載されており、操作者がモーターを遠隔操作することで、人間の代わりにさまざまなことを行います。

大手ファストフードチェーンのモスバーガーは、2020年7月27日から8月下旬まで、「OriHime」を活用して接客する「ゆっくりレジ」の実証実験を東京都品川区の大崎店で行っています。本実験は、難病により外出が困難な人が、「OriHime」を自宅から遠隔操作し接客するという内容です。平日に時間を限定して実施し、操作者は大阪と兵庫からそれぞれ「OriHime」を遠隔操作して接客します。

メニューをゆっくり選びたいシニアや家族連れを対象に、自分の分身となる「OriHime」を通して、来店客と会話しながら希望に応じたメニューを案内するといった対応を想定しています。

オリィ研究所はこのように、簡単に操作ができる「OriHime」の導入により、難病や重度障害がある人の就労を支援するといった目的も掲げています。

3. 東急ハンズ渋谷スクランブルスクエア店:NTTデータが実証実験

東急ハンズのUV特集コーナーに設置されたアバター特設ブース
▲[UV特集コーナーのアバター特設ブース]:PR TIMES

AI顔識別技術を提供するサイバーリンク株式会社は、AI顔認証エンジン「FaceMe」を開発しました。遠隔地にいるオペレーターの動きと連動するアバターを通じ、遠隔から商品を提案することができます。本アバターは立体的な本体はなく、画面上に映し出される点が特徴です。

2020年6月には、東急ハンズ渋谷スクランブルスクエア店にて「FaceMe」を試験的に導入し、非対面接客に関する実証実験を行いました。同点のUV特集コーナーにアバター特設ブースを設置し、新宿の本社にいるUV対策商品に詳しいスタッフが来店客の要望をヒアリングし、適切な商品を案内するといった内容です。

「FaceMe」の体験をした来店客からは「店員よりもアバターの方が気軽に話しかけやすい」「商品画像と説明がセットで表示されわかりやすい」といった意見が挙がりました。実店舗の強みであるスタッフの豊富な知識と、アバターの強みである気軽に話しかけられるというメリットが組み合わさり、接客の価値が高まったといえます。

アバターを活用する3つのメリット

以上の3事例をもとに考えると、ロボットやアバターを接客に活用するメリットは以下の3つに分けられます。

  1. 非接触・遠隔で接客
  2. 心理的な負担解消
  3. 長期的な人件費削減

1つずつ解説していきます。

1.非接触・遠隔で接客できる

新型コロナウイルスの流行から非接触のサービスを導入したい企業が増加し、ロボットやアバターに関する問い合わせが増えているといいます。

今後新型コロナウイルスが収束したとしても、非接触に対するニーズは続くと考えられます。アバターを導入することで、顧客満足度の向上が期待できるでしょう。

また遠隔操作できることから、今は訪れることが叶わない観光地の景色や体験を提供したり、外出が困難な人も接客業に携われたりといったメリットもあります。

2.心理的な負担解消

接客にロボットやアバターを活用すると、これまで店員と会話することに対する心理的障壁から入店をためらっていた層の集客につながる可能性があります。アバターによる接客なら話しかけることに抵抗がなくなるといった、顧客の心理面の負担を解消できます。

さらに、ロボットやアバターは企業側のトラブル回避にも一役買うなど、ユーザーだけでなく接客する側にとってもメリットがあります。これまでは、スタッフが直接接客することによるトラブルのリスクもありましたが、ロボットやアバターを活用することで、ある程度トラブルを回避できます。アバターを介すことで、トラブル発生時も自身の顔が映らず、スタッフはストレスを感じにくいといった意見もあります。

3.長期的な人件費削減:初期費用はかかるがランニングコストは低くなる

アバターを活用することで、人件費の削減に役立つと宣伝しているサービスもあります。

例えば、遠隔接客サービス「RURA」は接客業務の一部を遠隔で回すことにより、最安で時給350円での接客を可能にしているといいます。

ただしこうしたサービスは別途初期費用がかかります。長い目でみれば人件費の大幅カットにつながるかもしれませんが、現時点での営業利益との兼ね合いを踏まえ、慎重に検討すると良いでしょう。

<参照>

日経クロストレンド:日本流「ロボット接客」最前線 完全コンタクトレス居酒屋誕生へ

avatarin:ANA アバターロボット

ロボスタ: 【速報】全日空HD ANAアバターロボット「newme」(ニューミー)を発表「瞬間移動」できる社会を提案 綾瀬はるかさんが体験

moguraVR News:ANAHDの「アバターロボット」活用進む アート鑑賞や窓口相談に

ロボスタ: モスバーガーの「ゆっくりレジ」店員は分身ロボット「OriHime」(オリヒメ) 外出困難な2名がパイロットを担当して遠隔から接客

PR TIMES:遠隔操作でモスバーガーの店員に!外出困難者が分身ロボット「OriHime」を操作しモスバーガー大崎店のスタッフとして接客を行う実験を開始

PR TIMES:サイバーリンク、NTTデータと「東急ハンズ渋谷スクランブルスクエア店」にて行ったアバター遠隔接客の実証実験にAI顔認証エンジン「FaceMe®」を提供

ダイヤモンドチェーンストア:東急ハンズ、アバター遠隔接客を活用して新たな店舗体験を提供

ニュースイッチ:女性が主要顧客の店舗、アバター接客で男性の利用が増えた理由

Beyond Health:心理相談に「アバター」、見えてきた幾つものメリット

RURA:時給350円から 店舗スタッフを採用可能 遠隔接客サービス「RURA」

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