新型コロナウイルス流行に伴う外出自粛や営業時間短縮要請の影響で、特に飲食店が打撃を受けていることが報じられています。
しかし、苦境を強いられているのは飲食店だけではありません。小売業や宿泊施設など、実店舗を展開する多くの業界が売上減少などに苦しんでいます。
本記事では、その中でもアパレルをはじめとした小売業の状況についてお伝えします。
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小売店の閉店相次ぐ…渋谷・表参道エリア
今回編集部では、渋谷・表参道エリアのアパレル店などの状況を調査しました。
渋谷駅新南口徒歩1分の場所にあったシューズ専門店「Dr.Martens(ドクターマーチン)渋谷明治通り店」は、2020年8月をもって閉店しています。
Twitter:Dr.Martens 渋谷明治通り @dmj_meijiSt の投稿
現在は、下の画像のように「テナント募集中」の張り紙が掲示されています。
また、表参道駅近く、比較的小規模なアパレル店が集まるエリアでは、「売物件」「テナント募集中」といった張り紙のほか、閉店し内装を変えている最中のようすがみられました。
自主的な時短も相次いでいる
小売業に対しては営業時間の短縮は要請されていませんが、自主的に短縮する店舗が多いようです。
渋谷スクランブル交差点近くのZARAでは、以下のように営業時間を変更する掲示を行っています。
また、リユースショップ・セカンドストリートも同様の掲示を行っていました。
さらにアパレルや飲食店が入るミヤシタパークも、営業時間を変更しているようです。
倒産件数は?
飲食店だけでなく小売店でも閉店が相次いでいるほか、自主的な時短営業が行われていることがわかりました。
では、倒産はどの程度発生したのでしょうか。帝国データバンクの調査をみてみましょう。
実は、小売業全体の倒産は「減少」している:政府支援策の効果で
帝国データバンクの調査によれば、2020年の倒産件数は7809件と、2000年以降で2番目の低水準であることがわかりました。
また負債総額は1兆1810億5600万円で、2000年以降最小となりました。
倒産件数を業種別にみても、全業種で前年を下回ったことがわかりました。
アパレルメーカーのレナウン、衣料品販売のシティーヒルなどの大型倒産もありましたが、新型コロナウイルス対策として政府など公的機関による資金繰り支援策が実施されたことが奏功し、倒産件数が減少したものとみられています。
ただし今後倒産が増加する可能性も
しかし帝国データバンクは同調査の中で、融資の返済開始までに収益の向上見込みが立たない企業は少なくないとみられ、年度末(2021年3月)にむけて企業倒産が増加する可能性は否定できない、としています。
実際に1月にはアパレル大手のワールドが、2020年8月に実施した358店の閉店に加え、2022年3月までに450店を閉店すると発表しました。
また2月末には、時計やアクセサリーなどを手がけるフォリフォリジャパンが破産したことがわかりました。今後もこうした小売業への支援策を継続していくことが求められるでしょう。
一方、小売でも好調を続ける企業もあります。
たとえば作業服などを取り扱うワークマンは、作業服としてだけでなく、レジャー・アウトドアの時やカジュアルウェアとしても着られることをアピールし、ブランディングに成功しました。コロナ禍でも好調な売上を記録しており、2020年4~9月の既存店の売上高は、前年同期比18.6%増、客数18.5%増となっています。
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外出が減る中で目的地として選んでもらうためには、ブランディングなど企業・店舗の価値を高める取り組みが必要となってくるのかもしれません。
<参考>
帝国データバンク:全国企業倒産集計 2020 年報
朝日新聞:ワールド、450店閉鎖へ 客足減止まらず追加リストラ
共同通信:フォリフォリジャパンが破産
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