焼肉ライク、2名以下の客限定「まん延防止60分550円飲み放題」7月11日まで提供【飲食業界動向まとめ 2021年6月】

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4月から継続していた3回目の緊急事態宣言が、7都道府県で6月20日で解除されました。休業していた居酒屋などが営業を再開させていますが、客足の戻りはまだまだ先になると現場では考えられているようです。

また、夏に向けて消費意欲が高まる一方、7月に入ってからは4回目の緊急事態宣言が発表されるなど、飲食店にとって厳しい状態は今後も続く見込みとなってしまいました。

本記事では、2021年6月の飲食業界の動向についてまとめます。

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6月の飲食業界動向

2021年6月の飲食業界の大きな動きとしては、4月25日に発令された3回目の緊急事態宣言が6月20日をもって7都道府県で解除され、それに伴って酒類の提供が19時まで可能となったことが挙げられます。

これにより、休業していたワタミや鳥貴族串カツ田中などの居酒屋大手が営業を再開させました。

ここでは、6月の飲食業界の現状について、報道とデータをまとめたものを解説します。

6月20日に緊急事態宣言解除、まん延防止措置への移行

4月25日に発令された3回目の緊急事態宣言は沖縄を除いた9都道府県で6月20日をもって解除されました。

また、解除されたうちの7都道府県(北海道、東京、愛知、大阪、兵庫、京都、福岡)で6月21日以降はまん延防止等重点措置(以下、まん延防止措置)に移行することとなり、この措置は7月11日までを期限としています。

元よりまん延防止措置の対象だった5県のうち、岐阜と三重は6月20日までで対象から外される一方、埼玉、千葉、神奈川は7月11日まで継続することとなりました。

6月21日以降のまん延防止措置の対象となる10都道府県では、飲食店への20時までの時短営業を引き続き要請しつつも、緊急事態宣言下で禁止としていた酒類の提供を感染症対策の徹底を条件として19時まで提供可能となりました。

<緊急事態宣言対象地域>

  • 6月21日から8月22日
  • 沖縄県

<まん延防止措置対象地域>

  • 6月21日から7月11日
  • 北海道、東京都(※)、埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県、京都府、福岡県

※なお6月の動向ではありませんが、7月12日から8月22日のあいだ、東京都に4回目の緊急事態宣言が発令されます。

6月の各社報道からわかる飲食店の現状

6月は2か月近く続いた緊急事態宣言が解除され酒類の提供も19時まで可能となったことで、休業していた居酒屋などで営業を再開している様子が見られました。

大手報道機関では再開した飲食店を応援したい常連客の声や、営業再開してもすぐには客足が戻らないだろうと嘆くオーナーの声などを伝えています。

以下に、一部を抜粋してまとめます。

阪神西宮駅そばの創作割烹(かっぽう)「蘭丸」は、約2カ月ぶりの開店。朝から店内の掃除や酒の仕込みなどに追われた。ただ店は午後5時半から。店主の片岡邦仁さん(65)は「うちの常連さんは3~5時間は座っておしゃべりに来る。酒が午後7時までの提供では短すぎて現実的じゃない」と嘆く。

 一方、JR三ノ宮駅の高架下にある居酒屋「元町豊丸」は、5月から続く休業を、まん延防止等重点措置の解除が予定される7月11日まで延長する。県外から通ってくる従業員の感染リスクを考えたという。
 周囲の店では、客の話し声が漏れる。真っ暗な店の中では、昨年6月に掲げた「コロナに勝つ!!」と書かれた文字。男性店主(30)は「本当はうちも開けたいけど…。命には代えられない」とつぶやいた。

「お酒19時までOK!」。大阪市北区の居酒屋「てつたろう 梅田中崎町店」では21日夕、開店を前にノンアルコールビールを勧める店内のチラシを店員がはがすと、代わりに酒類の提供を知らせるチラシを貼り出した。大阪市の会社経営の男性(46)はビールで喉を潤し、「少しでも苦境にある飲食店を助けたい」と話した。

同店は換気を30分に1回へと頻度を増やし、客のグループ同士が1㍍以上離れるようテーブルの間を離すなどの対策を新たに取ったうえで、酒類の提供を再開した。この日は常連客で席が埋まったが、22日以降の予約はまだ入っていないという。営業時間や酒類の提供時間、客数などが制限されることから、同店の柳川誉之オーナーは「以前のような売り上げには当分戻らないだろう」と漏らす。

酒類の提供が午後8時までの岡山市。北区の居酒屋「酒場ひとすじ」は、先月14日から休業していたが、宣言解除を契機に、22日からの営業再開を決めた。オーナーの田辺孝行さん(44)は「酒の提供が制限されるのはやはり苦しい。多くの人が混雑を避けるために来店を控えると思うので、客足はすぐに戻ってこないだろう」と話した。

TableCheckの飲食店の来店・予約件数推移では

株式会社TableCheckは7月6日、自社の顧客管理システムを導入している飲食店における来店人数データを元に、2021年7月4日までの集計データを公表しています。

それによると、3回目の緊急事態宣言中の1店舗当たりの来店人数の週平均は約18.7人だったのに対し、緊急事態宣言解除後1週目の来店人数の平均は25.7人、2週目は23.8人と増加の傾向がみられました。

また、2021年に発令された緊急事態宣言とまん延防止措置による自粛要請が飲食店へ与えた影響を、月ごとの飲食店への来店人数から分析すると、緊急事態宣言が発令されていた月では2019年の同月比で7割減少、まん延防止措置が発令されていた月では5割強減少していることがわかりました。

消費者への自粛要請は長期にわたって続いており、まん延防止措置も延長される見込みとなっているため「自粛疲れ」や慣れから、今後も飲食店への客足増加は続いていくことが予想されています。

6月にみられた時短要請を乗り切る飲食店の工夫

4月25日に発令された3回目の緊急事態宣言が沖縄以外で解除され、6月21日から7月11日までの期限でまん延防止措置が適用されました。

禁止されていた酒類の提供が19時まで可能となったことやワクチンの接種が各地で進められていることから、コロナ禍だからこそのサービス飲食店で見られます。

ここでは、厳しいコロナ禍を乗り切るために飲食店で行われている工夫などを紹介します。

ワクチン接種を終えた人に割引サービスや特典など

新型コロナウイルスの感染拡大を抑える切り札として期待され進められているワクチン接種について、ワクチン接種を終えた人に対する割引や特典などのサービスを行う飲食店が話題となっています。

名古屋市にある会員制個室焼き肉店の「三代目 脇彦商店」では、1回目の新型コロナウイルスのワクチンの接種を終えた人に対してはコース料金を1,000円割引、2回目の接種を終えた人には3,000円を割引するキャンペーンを6月7日から開始しています。医療従事者や高齢者など、約20組が利用したとのことです。

また、居酒屋大手でもワクチンを2回摂取し終えた人を対象に、ワタミではドリンク1杯の無料提供、モンテローザでは最初のドリンクを1杯1円で提供するなどのサービスも開始されます。

焼肉ライク、2名以下の客限定「まん延防止60分550円飲み放題」7月11日まで提供

焼肉ライク、2名以下の客限定「まん延防止60分550円飲み放題」7月11日まで提供
▲焼肉ライク、2名以下の客限定「まん延防止60分550円飲み放題」7月11日まで提供:プレスリリースより

焼肉ライクでは、東京都がまん延防止措置適用となった6月21日から、都内の5店舗にておひとりさまでの来店または2名での来店客限定で「まん延防止60分550円飲み放題」メニューを開始しました。

7月11日までの期間限定で、11時から19時までレモンサワーとハイボールの60分間飲み放題が税込550円で提供されます。

この飲み放題メニューに対して反響が多くあったことから、千葉県、埼玉県、大阪府と範囲を拡大して、6月30日時点で合計26店舗で実施されています。

6月に始まった飲食業向け支援

まだ厳しい状況に変わりない飲食業界に対して、自治体や団体などが実施している支援をいくつか紹介します。

岡山大学、学生と地域の飲食店を「お弁当」配布で支援

岡山大学では岡山大学の学生有志によるプロジェクト「学生×地域『食』で応援プロジェクト」を6月7日より平日の10日間実施しました。

「学生×地域『食』で応援プロジェクト」は、コロナ禍で経済的な影響を受けている岡山大学の学生と、地域の飲食店の両方を支援する目的で企画され、大学の学都基金からの援助により地域の飲食店6店舗から購入したお弁当を学生に配布するものです。

プロジェクトの初日には400食用意したお弁当が配布開始から15分で終了し、お弁当を受け取ることができなかった学生には翌日分の優先チケットが渡されました。

長野県、昨年に続く飲食店支援「推し店プラチナチケット」事業を展開

長野市はコロナ禍で影響を受けている地域の飲食店を支援する「推し店プラチナチケット」事業の展開を発表しました。

この事業は飲食店への客足回復や売上につなげることを目的に2020年度にも行われ、参加店舗が顧客に対して1冊5,000円分利用できるチケットを3,000円で販売し、利用額の40%分(1冊分のチケットなら2,000円分)を市が参加店舗に交付する形式です。

6月9日から「推し店プラチナチケット」事業に参加する店舗の募集を開始し、9月上旬から約30万冊分の販売を予定しています。

6月に発表された飲食業関連のデータ紹介

ここでは、6月に発表された飲食業関連のデータを紹介します。

日本フードサービス協会、外食産業市場動向調査 5月度結果発表

一般社団法人日本フードサービス協会は6月25日、加盟会社を対象にした2021年5月度の外食産業市場の動向調査結果を発表しました。

それによると、4月に発令された3回目の緊急事態宣言が対象地域を拡大して延長され、それに伴って時短要請と酒類提供の禁止も継続となったことから、酒類を提供する飲食店の苦しい状況は引き続いていることがわかりました。

外食産業全体での売上高は前年同月比では119.8%となっているものの前年5月は1回目の緊急事態宣言の影響下にあり、コロナ禍の影響がなかった前々年同月比では80.2%となり、先月の80.5%よりも減少しています。

その中でも特に「居酒屋」業態では売上高が激減した前年をさらに下回って95.9%で、「パブ/居酒屋」業態を合わせても前々年同月比では12.0%と、回復が大幅に遅れていることがわかります。

緊急事態宣言に伴う時短営業と酒類提供禁止の影響が色濃く現れています。

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飲食店リサーチ、飲食店の営業状況/コロナ対策に関するアンケート実施

飲食店特化のリサーチサービス飲食店リサーチ」を運営する株式会社シンクロ・フードが2021年6月に発表した2つの飲食店に対するアンケート調査の結果について紹介します。

  • 感染防止対策の徹底を目的とした飲食店への「見回り調査」についてのアンケート

シンクロ・フードは6月14日、飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)を対象として実施した飲食店の感染防止対策の徹底を目的とした「見回り調査(戸別の訪問調査)」(回答数:468人)についてのアンケート調査の結果を発表しました。

見回り調査の有無についての回答では「事前に通知はなかったが、調査を受けた(38.0%)」が一番多く、次いで「調査を依頼されたことはない(37.4%)」「事前に通知はなく、調査を受けなかった(12.2%)」と続き、全体では実際に調査に協力した割合は47.6%という結果でした。

また、調査を受けて感染防止対策に対する指摘があった店舗の6.9%が「物理的または経済的な理由等により改善は難しい」と回答し、コロナ対策として必要な物品や設備の購入に際しての「補助金または助成金の活用」については、74.4%が補助金や助成金を「活用せずに」対応していることがこの調査でわかりました。

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  • 飲食店の営業状況と協力金についてのアンケート

シンクロ・フードは6月15日、飲食店.COM会員を対象として実施した「第3次緊急事態宣言再延長における営業状況と協力金の申請や振り込み状況に関するアンケート調査」(回答数:495人)の結果を発表しました。

6月1日以降の営業状態についての回答では「時短要請に応じている(66.7%)」が一番多く、次いで「休業要請に応じている(29.7%)」「(時短/休業)要請に応じていない(3.6%)」と続きました。

また、協力金の支給状況については「100%が振り込まれている(37.6%)」が一番多く、「約70%が振り込まれている(11.6%)」「約90%が振り込まれている(9.7%)」との結果になりました。

しかし、支給状況には地域差があるようで、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県エリアでは「申請金額が全額振り込まれている」割合は39.8%なのに対し京阪神エリアでは17.6%に留まっています。

なお、京阪神エリアで一番多かったのは「約50%が振り込まれている」という回答で24.7%でした。

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博報堂が「来月の消費予報・7月」を発表

広告代理店博報堂のシンクタンク・博報堂生活総合研究所は6月25日、20から69歳の男女1,500名へのアンケート調査による「来月の消費意欲」を点数化した、「来月の消費予報」の7月度調査結果を発表しました。

来月の消費予報・7月:博報堂生活総合研究所
▲来月の消費予報・7月:博報堂生活総合研究所

それによると、全体の消費意欲は48.9点で前月より+3.7点、前年同月比では-2.9点となりました。

ボーナスシーズンである7月は、例年消費意欲指数が上昇する傾向があり、2021年も前月比+3.7点と大きく上昇しています。

前年同月比では-2.9点ではあるものの、2020年7月には外出自粛などの緩和や特別定額給付金の影響によって高い点数となったため、今回の48.9点は7月としては例年並みの水準に回復し、2021年では現時点で最高値となります。

また、カテゴリ別の消費意向で「特に買いたいモノ・利用したいサービス」として回答した人数では、1位「ファッション:251人(前月より29人増)」、2位に「食品:207人(1人増)」、ついで3位に「外食:188人(18人増)」という結果でした。

季節が夏に変わりファッションや化粧品などの季節的な買い替え需要とボーナス支給などから、女性を中心に「外出」を意識した消費意欲の高まりが見られています。

しかし、3回目の緊急事態宣言解除後に新型コロナウイルスの感染者数が増加したことによって、4回目の緊急事態宣言発令が出される見込みとなったため、高まった消費意欲に水を差す形となったことは否めません。今後も新型コロナウイルスの感染状況に注意が必要です。


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<参照>
JIJI.COM:外食大手、営業や酒類提供再開 一部は休止継続―緊急事態宣言解除
TableCheck公式ブログ:【週次更新】コロナ禍における飲食店の来店・予約件数推移 ※2021年7月6日更新
朝日新聞:ワクチン接種で相次ぐ割引・特典…焼き肉3千円引きも
PR TIMES:実施店舗拡大!ひとり焼肉の【焼肉ライク】「まん延防止60分550円飲み放題」東京、千葉、埼玉、大阪の26店舗にて実施
岡山大学公式サイト:学生と地域の飲食店支援のための「お弁当配付」プロジェクトを実施
日本経済新聞:長野市、飲食店支援のプレミアム付チケット
日本フードサービス協会:外食産業市場動向調査2021(令和3)年5月度結果報告
博報堂:博報堂生活総研[来月の消費予報・2021年7月](消費意欲指数)

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    口コミラボ編集部

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