新型コロナウイルスの影響で、宿泊業を始めとした観光業、飲食業、イベントなどのエンターテイメント業界、地域の商店街など、多くの業界は苦戦を強いられています。
そんな中、政府は冷え込んだ需要を活性化するため、これらの業界に対し「Go To キャンペーン」で支援を行うと発表しました。
現在、観光業を支援する「Go To Travelキャンペーン」が他に先立って開始されています。
この記事では、Go To キャンペーン事業の概要や、Go To Travel事業の対象商品や期間、導入にあたっての申請方法や注意点などを解説します。
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Go Toキャンペーン事業とは
新型コロナウイルスの影響により、全国の旅行業や宿泊業、飲食業者などが苦境に立たされています。
特に日本人観光客の間で自粛ムードが広がるほか、外国人観光客による消費も激減しています。
日本政府観光局(JNTO)が7月15日に公表した2020年6月の訪日外客数は、前年同月比 99.9%減の2,600人となりインバウンド消費の縮小がうかがえます。
政府は、こうした苦境を乗り越えるため、旅行・宿泊商品の割引などで幅広く利用できる地域共通クーポンなどの「Go To キャンペーン事業」を行うと発表しました。以下では、Go To キャンペーン事業の概要について解説します。
Go Toキャンペーン事業の概要
観光庁により、Go Toキャンペーン事業において以下4つの取り組みが計画されています。
1.Go To Travelキャンペーン
旅行代理店や予約サイトなどを経由して、期間中の旅行商品を購入した消費者に対し、代金の1/2相当分のクーポンを付与するキャンペーンです。
旅行スタイルとしては宿泊・日帰りのどちらも対象となり、最大1人あたり2万円分/泊と定められています。
給付額のうち、70%は旅行代金の割引に、30%は旅行先で使える地域共通クーポン券として付与されます。
キャンペーンは7月22日からすでに実施されており、観光庁は7月末時点で、事業期間を2021年3月15日までと予定しています。
ただし、新型コロナウイルスの感染が拡大している東京都への旅行や、東京都からの旅行者は、キャンペーンの対象外と定められています。
2.Go To Eatキャンペーン
オンライン飲食予約サイト経由で、期間中に飲食店を予約・来店した消費者に対し、最大1人あたり1,000円分の飲食店で使えるポイント等を付与するキャンペーンです。
また、登録飲食店で使えるプレミアム付食事券(20%相当分の割引等)も発行が予定されています。
農林水産省は、7月21日よりオンライン飲食予約サイト事業者などの公募を行っていますが、実施開始日は現時点で未定です。
3.Go To Eventキャンペーン
チケット会社経由で、期間中のイベント・エンターテイメントのチケットを購入した消費者に対し、20%引相当分の割引券・クーポン等を付与するキャンペーンです。
こちらも現時点で実施開始日は未定です。
4.Go To 商店街キャンペーン
商店街などによるキャンペーン期間中のイベント開催、プロモーション、観光商品開発の実施を行うキャンペーンです。
地域経済の活性化が見込めますが、こちらも現時点での実施開始日は未定です。
Go To Eat キャンペーンとは?期間や施策内容、参加条件について紹介
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Go To Travelキャンペーン4つのポイント
Go Toキャンペーン4種類のキャンペーンから成り立っており、このうちGo To Travelキャンペーンは他の3つに先駆けて、7月22日から開始されています。
Go To Travelキャンペーンの適用には、以下のポイントを押さえておく必要があります。
- 国内旅行を対象に、宿泊・日帰り旅行代金の1/2相当額を国が支援すること
- 給付額のうち7割は旅行代金の割引に、30%は旅行先で使える地域共通クーポン券として付与すること
- 宿泊を伴う旅行では、1人1泊あたり2万円が給付上限であり、日帰り旅行については1万円が上限であること
- 連泊や利用回数の制限はないこと
キャンペーンはどこの宿泊施設でも利用できるわけではなく、事業者が申請を行って認可が下りた施設でのみ割引が適用されます。消費者は、事前にキャンペーンが適用されているかを調べておくことも必要となります。
Go To Travelキャンペーンの期間
Go To Travelキャンペーンの実施期間は、第1弾・第2弾の2つに分かれています。
第1弾:2020年7月22日出発~
旅行代金の1/2相当額の支援は9月出発以降の旅行が対象です。
そのため、地域共通クーポン券は付かず、旅行代金総額の35%割引のみが対象となります(※旅行代金は税込で計算)。また、2020年7月27日以降に旅行・宿泊事業者から販売される商品は、給付額を割り引きしての販売が可能となります。
第2弾:2020年9月以降出発(予定)~
第1弾と同様に旅行代金総額が35%割引されることに加え、旅行代金総額の15%分の地域共通クーポン券が旅行者に配布されます(※旅行代金は税込で計算)。
給付額は旅行代金の半額相当ですが、消費者が実際に宿泊施設へ支払う金額は65%分であり、残りの35%分はあくまで旅行先の対象店舗で使用できる地域共通クーポンとして付与されるため、混乱しないように注意が必要です。
Go To Travelキャンペーンの対象商品の販売期間は、当面2020年7月22日から2021年1月31日(宿泊の場合は2月1日チェックアウト分)までとなっています。
ただし、観光庁は「新型コロナウイルス拡大の状況等を踏まえ、給付金の給付を一時的に停止することがある」と発表しています。
感染状況の拡大や、キャンペーン予算の占有率によっては、期間途中での中止や終了も考えられるため、最新情報を確認することが必要です。
キャンペーンの対象・申請方法
Go To Travelキャンペーンは観光庁が推進している事業で、消費者がお得に旅行を楽しむことができます。ただし、対象外となる予約の方法もあるため、Go To Travelキャンペーンを利用する際には注意が必要です。
キャンペーン自体は7月22日から開始していますが、事業者は現在も申請を行えます。
以下では、キャンペーンの対象や申請方法を解説します。
キャンペーンの対象商品
Go To Travelキャンペーンの対象となる商品は、日帰りか、宿泊を伴うか、個人旅行か団体旅行か、といった観光スタイルによってそれぞれ異なります。
予約の際に代理店を介さない場合は、キャンペーンの対象外となるケースもあり、個人で手配する旅行に慣れている消費者にとっては、制約が多いとストレスを感じる人もいると予想できます。
しかし、Go To Travelキャンペーンは、宿泊施設や観光地のみならず、代理店を含めた旅行業界全体の活性化を目指しています。
このキャンペーンの利用により、消費者は格安で旅行を楽しめるだけでなく、観光業界の活性化に寄与することもできるのです。
【日帰りの場合】
対象商品は、往復の交通手段と、旅行先での観光体験や食事がセットになったパックツアーです。
旅行代理店や予約サイトなどの仲介業者を通じて予約した場合にのみキャンペーンが適用となり、個人で手配した旅行や、交通機関による移動のみ(新幹線での日帰り帰省など)は適用外となります。
【宿泊を伴う場合】
宿泊を伴う旅行のうち、個人での旅行では、宿泊+交通機関等のセットプラン、宿泊のみ、移動中に宿泊を伴う交通手段(夜行フェリーやクルーズ船、寝台列車など)が対象となります。
宿泊施設に直接宿泊の予約を入れた場合や、旅行代理店や予約サイトなどの仲介業者を通じて予約した場合にキャンペーンが適用となります。個人で手配した交通機関は、キャンペーンの割引対象外となるため注意が必要です。
また、団体での旅行は、修学旅行や職場旅行が割引対象となります。
旅行会社やOTA等の旅行業者の申請方法
旅行会社やOTA(じゃらんや楽天トラベルなど、インターネット上で完結する旅行予約サイト)といった旅行代理業者は、Go To Travelキャンペーンに参加する際に申請が必要です。
本申請期間は、2020年7月31日から8月21日までとなっています。
申請方法としては、インターネットと郵送の2つの手段があります。
インターネットでは、Go To Travel公式サイト(事業者向け)から手続きが可能で、以下の必要事項を記入する必要があります。
郵送では、以下の必要事項を記入し、Go To トラベル事務局宛に送付することで手続きが可能です。
【必要事項・書類】
1.給付枠申請書(必須)
2.取扱実績報告書兼販売計画書(必須)
4.Go To トラベル事業参加同意書 (必須)
5.口座確認書 (必須)
6.口座情報が確認できる書類 (必須)
7.法人番号 (一部必須)
OTA(Online Travel Agency)とは
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宿泊事業者の申請方法
宿泊事業者側も、Go To Travelキャンペーンに参加する際には申請が必要です。
本申請期間は、旅行代理業者と同様に2020年7月31日から8月21日までとなっています。
申請方法としては、インターネットと郵送の2つの手段があります。
インターネットでは、Go To トラベル公式サイト(事業者向け)から手続きが可能です。
郵送では以下で紹介する様式に必要事項を記入し、Go To トラベル事務局宛に送付することで手続きが可能です。
【必要事項・書類】
宿泊事業者の申請方法は3パターン用意されており、それによって申請に必要な内容や書類が異なります。自社がどのパターンに該当するのかを確認すると良いでしょう。
第三者機関の申請方法
観光協会、温泉組合などの第三者機関もGo To Travelキャンペーンに参加する際には申請が必要です。
本申請期間は、旅行代理業者や宿泊事業者と同様に2020年7月31日から8月21日までとなっています。
申請方法としては、インターネットと郵送の2つの手段があります。インターネットでは、Go To トラベル公式サイト(事業者向け)から手続きが可能です。
郵送では、以下で紹介する様に必要事項を記入し、Go To トラベル事務局宛に送付することで手続きが可能です。
【必要事項・書類】
1.給付枠申請書(必須)
2.取扱実績報告書兼販売計画書(必須)
4.Go To トラベル事業参加同意書 (必須)
5.法人番号 (一部必須)
キャンペーンの活用法
Go To Travelキャンペーンは、新型コロナウイルスにより苦戦している旅行業界へ需要をもたらす一方で、感染拡大地域からの旅行者により地方へウイルスが持ち込まれることも懸念されています。
以下では、Go To Travelキャンペーンの活用法や実施に伴う注意点について解説します。
安全・安心な旅行の普及
そもそもGo To Travelキャンペーンは、withコロナ時代における「新しい生活様式」に基づく旅のあり方を普及・定着させるものとして始まりました。
そのため、旅行事業者や宿泊事業者は旅の安全を確保することが必須です。
ガイドラインに従い、感染拡大に配慮した安全な環境を整えていることを旅行者にアピールできれば、旅行者へ安心感や好印象を与えられます。
施設内の除菌や換気、スタッフのフェイスガードやマスクの着用、宿泊者への手指消毒の徹底など、新型コロナウイルスの感染拡大前とは異なるおもてなしが必要です。
活用する際の注意点
Go To Travelキャンペーンは、東京都が目的地となっている旅行や東京都内の旅行、東京都に居住する方の旅行が対象外となっています(2020年8月1日時点)。
さらに事業者は旅行者に、上記で紹介した「Go To トラベルのご利用に当たっての遵守事項」の周知・配布・掲出の実施が必要となっています。
遵守事項に対応していないと判明した場合、給付金の返還を求められることもあります。安全な環境を整えた上で、旅行者の受け入れを開始することが大切です。
【速報】Go To キャンペーン見直しへ 東京対象外に:コロナ感染拡大不安で
7月16日、政府は「Go To トラベル事業」の運用方法について、見直す方針を固めました。22日から全国一斉に開始する予定でしたが、新型コロナウイルス感染への不安が広がっていることを踏まえ、今回の見直しに踏み切ったということです。赤羽国土交通大臣は、新型コロナウイルスの陽性患者数が急増している東京都での旅行を対象外とする一方で、事業開始日の延期はしないとしています。<参照>共同通信:GoToトラベル見直しへABEMA TIMES:GoToトラベルの運用見直し 東京を対象外とする方針 政府
Go To 事業をきっかけに安全・安心の旅を提供
Go Toキャンペーン事業は、Go To Travel、Go To Eat、Go To Event、Go To 商店街といった4つに分かれており、現時点ではGo To Travelキャンペーンのみが実施されています。
現在、東京都を目的とした観光や、東京都民による観光はGo To Travelキャンペーンの対象外となっています。
今後のコロナウイルスの感染状況によっては、対象地域や対象者、期間などの要素が変更となる可能性があるため、常に最新情報を確認することが大切です。
なにより安全対策と同時並行で旅行の活発化を図るのが目的であるため、事業者は感染対策を第一に考えながらキャンペーンを活用する必要があります。
新型コロナウイルスにより、人々の生活様式も変わってしまい、宿泊事業者にとっても未曾有の状況になりました。
このような状況下でも、消費者に安心して旅行を楽しんでもらうためには、感染対策などの事前準備が必要不可欠です。
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