ステマとはどんな意味?違法?なぜ悪い?リスクや過去事例・注意点を解説!

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「ステマ」という言葉をよく耳にすると思いますが、いまいち意味が分からない。あるいは、意味は知っていても具体的な事例までは知らない、という方もいらっしゃると思います。

InstagramやYouTube、TwitterなどのSNSの普及に伴い、インフルエンサー商品サービスのPRを行う「インフルエンサーマーケティング」も注目されている中、時には「ステマではないか?」と疑われ炎上する例も少なくありません。

日本においてステルスマーケティング(英: Stealth Marketing)とは、「やらせ」や「サクラ」と同類の行為であり、消費者をだますことを意図した情報発信とみなされ、批判の対象となっています。

一度ステマだと疑われると、企業だけでなく、その商品や情報を発信した著名人の信頼までも失われることがあります。

本記事ではステルスマーケティングの意味や手法を提示した上で、そのリスクや問題となった事例を挙げ、宣伝する際の注意点を解説します。

ステマ(ステルスマーケティング)とは?

ステルスマーケティングの意味

ステルスマーケティングとは、マーケティングの手法のうち、それが宣伝であると消費者に悟られないように宣伝を行うことです。これにより消費者に対して商品サービス高評価であると錯覚させたり、注目を集める効果を高める場合があります。

ステルスマーケティングはなぜ悪いのか?

インターネットで検索を行うユーザーが多い中、ショッピングサイトのユーザー評価投稿欄や、ブログ上の体験記、口コミ情報サイトなどがステルスマーケティングに利用されやすくなっています。特に、有名人などがブログでお気に入りの商品を紹介する中にも、ステルスマーケティングに該当する例があることも。

実際、ステルスマーケティングの手法を用いて、事実と異なる情報を発信をし、問題を招いた事例もあります。

以下ではステルスマーケティングの手法や違法性があるのかを解説します。

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ステルスマーケティングのよくある手法

ステルスマーケティングの手法には、なりすまし型依頼型があります。

一般消費者になりすまし商品レビューを投稿する

なりすまし型は、事業者と利害関係にある人物が、あたかも一人の消費者であるかのように商品高評価する発信をして、商品サービスの印象を向上させる手法です。

競合他社の商品イメージを悪くしたい事業者と利害関係にある人物が、いち消費者として悪い口コミを発信し、印象を悪くする手法もなりすまし型の一種です。

芸能人や著名人に宣伝を依頼する

依頼型は、事業者が著名人や社会的に影響力のある人物に依頼して、マスメディアやSNSを通じて宣伝であることを隠しながら、PRをしてもらうことで商品サービスの印象を向上させる手法です。

どちらの手法も、宣伝をしたい事業者と情報発信者との関係性が明示されておらず、消費者を騙しているように見えるため、批判を受ける可能性があります。

ステルスマーケティングは違法なの?

日本では明確なステルスマーケティングの定義なく、現状は規制するような法律もありません。

しかし、消費者庁のガイドラインによると、サービス商品を提供する事業者や、依頼された第三者が、他の製品と比べて著しく優良であるように誤解を与える口コミや情報発信を行うと、「景品表示法」で禁止されている不当表示とみなされる場合があります。

このような行為がステルスマーケティングと判断される場合もあり、その際には、その情報を基に商品サービスを購入した人への賠償や、消費者庁からの課徴金が課される可能性もあります。

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ステルスマーケティングのリスク

ステルスマーケティングは、消費者に宣伝や広告であると明確にせず、商品サービスに興味関心を引き立て自社の利益につなげる手法です。

この行為には利益目線が強く、消費者が口コミや情報サイトから公平に商品サービスの良さを判断することを妨げることにつながります。

また、口コミがステルスマーケティングであったことが消費者に知られると、自社だけでなく、その商品や情報を発信した著名人の信頼までも失われることがあります。

SNSの情報は良くも悪くも広まるのが容易なので、悪い評判も一気に広まり、炎上につながりやすいです。

それに加え、商品自体の販売停止や回収となり、企業側に損害が発生することや、競合他社から指摘されることで批判の対象となる場合もあります。

過去に問題になったステルスマーケティングの事例3選

アナ雪2ステマ漫画事件

2019年12月3日、映画「アナと雪の女王2」を宣伝する漫画が、ほぼ同時に複数の漫画家のTwitterアカウントから投稿されました。ネット上では、「報酬を受け取って漫画の掲載を依頼されたステルスマーケティングではないか」と疑問の声が上がりました。配給元のウォルト・ディズニー・ジャパンは当初、「ステマという認識はない」という回答をしていましたが、同月5日にホームページに謝罪文を掲載。「本来クリエーターにPRであることを明記してもらう予定だったが、コミュニケーションが行き届かず、抜け落ちてしまった」と説明しました。


出典:ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社

食べログ「高評価はカネ次第」事件

食べログから、年会費を払えば店の評価を上げるという営業電話がかかってきた」。そんな投稿が2019年10月ごろからTwitterで注目を集めました。

これまでも、やらせレビューや検索結果の操作など度重なる疑惑を引き起こしてきたため、ユーザーや飲食店が不安の声を上げました。

食べログを運営するカカクコムは「『食べログ』に関する一部報道について」という声明文を発表。「食べログとの何らかのお取引によって、お店の点数やランキングが変動するということは一切ない」と、疑惑を否定しました。

フジ女子アナに「ステマ疑惑」

2021年4月にフジテレビの複数のアナウンサーが美容室から無償でサービスを受け、その代わりに自身の写真を使わせていたとして「週刊文春」でステマ疑惑が大きく報じられた。お金を直接もらわなくても、サービスを無料で受けるということは、その分の代金をもらった、と同じ意味になり、法律的には、利益供与を受けたことになります。
フジテレビ内での調査の結果、今回の疑惑はステマに該当しない、と発表されましたが、テレビ局内の就業規則等、コンプライアンス面でも問題となった事例です。

広告・宣伝・PRをする際の注意点

ステルスマーケティングを避けるには、公平かつ適正な手段で、広告や宣伝をうったり、PR活動を展開する必要があります。

広告を出す際にステルスマーケティングにならないようにするよう、WOM(The Word of Mouth Japan Marketing Association)マーケティング協議会という消費者間コミュニケーションのマーケティング活用を研究している団体が発表している資料を参考に、いくつかの注意点を紹介します。

ステルスマーケティングのチェック項目

WOMマーケティングにおいて偽装行為とみなされることは6つあります。

  • 評価を不当に操作し、高評価やフォロワーを獲得するために対価を払うこと
  • botなどのIT技術を用い、視聴回数や閲覧数を不正に増加させること
  • 事実と異なる高評価や低評価のコメントを口コミサイトなどに投稿すること
  • 消費者の情報を自分の都合の良いように書き換えること
  • 競合他社の評判を故意におとしめること
  • WOMJガイドライン委員会が明らかに情報発信者の意図をねじまげる行為だと判断するもの

ステルスマーケティングにならないためには、自身の広告や宣伝が以上の行為に当てはまっていないか一度確認しておくとよいでしょう。

口コミで話題になるには

商品サービスの信用を失うリスクがあると知りながら、事業者がステルスマーケティングを行う理由としては、広告と明示して宣伝するよりも、消費者にとって信頼できる著名人に紹介してもらう方が、商品に対するファンを獲得しやすい可能性が高いためです。

口コミを投稿すること自体は無料の場合が多いため、低コストであることもあげられます。

また、メディアに広告出稿するよりも、口コミの内容を操作して発信するほうが費用対効果が高いと考えられることも理由の一つでしょう。

しかし、SNSで情報を発信すること自体が悪いというわけではありません。SNSの口コミで話題になると、拡散されやすく多くの人に商品サービスを知ってもらうことに効果的です。

たとえば、広告であることを明示してインフルエンサーの人に協力してもらうことやキャンペーンと合わせて広告を出し話題性を高めること、キャッチーなフレーズやキーワードで注目を集めることなどの方法があります。

商品サービスの本来の魅力をどう伝えるのがもっとも消費者に響くのかということに注目して情報発信をすると良いでしょう。

正しい知識で、ステルスマーケティングにならない適切な宣伝活動を

ステルスマーケティングとは、広告主が明記されないまま、第三者に依頼して商品サービスに対する好意的な口コミを書いてもらい、商品のイメージ向上や自社の利益を目的とする行為です。

ステルスマーケティングでは、消費者の商品サービスに対する公正な判断を妨げ、発覚した際には依頼した第三者や自社の信用を著しく低下させてしまう可能性があります。

ステルスマーケティングに当てはまる内容になっていないか確認するためにも、事前に何が違法に当たってしまうのかなどの知識を持っておくことが必要です。

広告や宣伝を打つ際には、誤解を招くような取り組みになっていないかという視点を持ち、必要に応じて専門家に確認してもらうなどして、商品が公正かつ効果的に宣伝・PRできるように努めるとよいでしょう。

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