レピュテーションリスクとは、企業に対するネガティブな評判によって、経営に悪影響が出てしまうリスクのことです。
近年はSNSや口コミサイトで企業の評判が瞬く間に広がってしまうため、レピュテーションリスクへの備えは必須といえるでしょう。
そこで今回は、「レピュテーションリスクの主な原因」や「レピュテーションリスクを回避するための対策」について、例も交えながら分かりやすく解説します。
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レピュテーションリスクとは?
レピュテーションリスクとは、そもそもどのような意味なのでしょうか。
ここでは、レピュテーションリスクの定義や例、注目されている背景について解説します。
1. レピュテーションリスクの意味
レピュテーションリスクとは、企業やブランドに対するネガティブな評判により、経営に支障が生じてしまうリスクのことです。例えば、「接客態度に対するクレームがSNSで拡散され、不買運動にまで発展した」「口コミサイトで悪意のある低評価が並んでしまい、商品の売上が激減した」などが挙げられます。そもそもレピュテーションとは「評判」を意味し、企業の価値を判断する重要な指標となっています。
消費者が商品を購入したり、お店選びをしたりする際、口コミサイト上での評価を参考にします。
また、投資家が投資先企業を選ぶ際も、ステークホルダーからの評判・評価を判断材料にします。さらに求職者が就職先を探す際も、企業の社会的な信頼度を気にかけることも珍しくありません。
企業は口コミサイトやSNSで自社の悪評を放置することで、ビジネス上のさまざまなチャンスを逃してしまうことになります。
2. レピュテーションリスクの例
レピュテーションリスクの対象は、決して商品やサービスだけにとどまりません。以下の例のように、企業活動の全方位でレピュテーションリスクにさらされる可能性があります。
<例>
- 退職した従業員にSNSで「前職はブラック企業だった」という旨を投稿され、拡散された
- 投資情報サイトで、「将来性を一切見込めない」という根拠のないコメントを投稿された
- TV番組で紹介された際、内部のようすや社員の言動がSNS上で炎上した
3. レピュテーションリスクが重要視されている背景
現代はインターネットが発達し、誰もが気軽にSNSや掲示板サイトで意見を発信できる時代です。つまり、企業に関する評判も、真偽に関係なく瞬時に拡散されるようになりました。
たとえ顧客一人が発したクレームだったとしても、SNSで共感を集め、世間の総意のようになってしまうことさえあります。
しかも、一度低下した企業イメージは回復させるのが難しく、ときには廃業に追いやられる企業もあるほどです。
だからこそ、企業には世間の評判を意識し、レピュテーションリスクを防ぐ姿勢が強く求められています。
レピュテーションリスクの4つの原因・引き金とは
レピュテーションリスクは、どのような出来事が引き金となって起こるのでしょうか。ここでは、レピュテーションリスクの原因について解説します。
1. 商品・サービスの不良、接客態度
商品やサービスが、顧客が求めている水準に達しない場合、レピュテーションリスクが発生します。
例えば、「提供された料理に異物が混じっていた」「スタッフが明らかにいい加減な態度で接客した」などのケースです。
サービスの品質悪化で顧客からのイメージが低下した場合、業績にも影響が出るおそれがあります。
2. 企業のコンプライアンス違反
企業が倫理観に欠ける出来事を起こした場合、悪評は広まりやすくなります。
例えば、「従業員の長時間残業が慢性化している」「経営者が女性蔑視の発言をした」などのケースが挙げられるでしょう。
また、近年たびたび話題に上がるのが「バイトテロ」です。過去には、アルバイトスタッフが冷蔵庫内に身をうずめた写真をSNSで投稿し、雇用企業が事業撤退に追い込まれた例もありました。
また、明らかに法令違反をした場合、レピュテーションリスクの被害は甚大です。具体的には、「原料の産地偽装」「故意による個人情報の漏えい」などは不正競争防止法の違反で罪に問われます。
コンプライアンス違反は企業全体の信頼性が損なわれるため、従業員の離職や株主からの不満にもつながりかねません。
3. 「期待と実態」のギャップ
顧客が企業に対して抱いている「イメージ」と、商品やサービスの「実態」にギャップが生じている場合、レピュテーションリスクが起きやすくなります。例えば、「広告で『高性能』とうたわれている製品にもかかわらず、実際は他社製品より性能が大きく劣る」「『美味しさ』が強調されていた食品だったが、実際は期待したほどの味ではなかった」というケースです。
ブランディングの方向性を誤ったり、誇大広告を掲載したりすることで、結果的に消費者からの期待を裏切ってしまうという危険性もあります。
4. 消費者・メディアによる否定的な情報発信
たとえ企業としてコンプライアンスを遵守し、商品やサービスの品質を維持していたとしても、レピュテーションリスクが生じてしまうことがあります。
例えば、悪意のある消費者が根拠のない情報をSNS・口コミサイトなどで流したり、敵対的なメディアが必要以上に批判的な記事を掲載したりするケースです。
こうした根も葉もない悪評が拡散されることによって、企業の信頼度が下がってしまう事例も少なくありません。
レピュテーションリスクによる影響は?
レピュテーションリスクによって、企業は具体的にどのような打撃を受けるのでしょうか。
ここでは、レピュテーションリスクで引き起こされる負の影響について解説します。
1. 企業イメージが悪化する
悪評によって企業イメージが悪化すると、さまざまな負の影響が生じます。例えば、消費者が購入したくないという感情を抱くようになり、商品の売上が激減する可能性があるでしょう。
また、株価が下落することで、資金調達が難しくなる危険もあります。
さらに求職者からの人気も下がるため、人材の確保が難航する場合も考えられます。
このようにネガティブな連鎖が生じることで、最悪の場合は経営難に陥ることもあるのです。
2. 事態の収束にコストがかかる
一度レピュテーションリスクが起こると、事態の収束に膨大な費用がかかってしまう可能性が高いと言えます。例えば、行政指導で業務停止を命じられた場合、多額の損失が生じます。
また、世間のイメージを回復させるために、謝罪広告を出稿する企業もあるかもしれません。法令違反をした際は、裁判や損害賠償の費用もかかるでしょう。
このように本来であれば必要のないコストに、経営が圧迫される危険もあります。
レピュテーションリスクを回避する5つの対策
企業にとってステークホルダーからの評価は避けて通れず、レピュテーションリスクも常につきまといます。
ですが、たとえリスクをゼロにはできなくとも、原因となる事象を未然に防いだり、被害を最小限に抑えたりすることは可能です。そこで本章では、レピュテーションリスクの回避策について解説します。
1. 普段から評判を監視する
レピュテーションリスクを回避するには、自社の評判を常に監視し続ける姿勢が求められます。例えば、SNSや口コミサイトで日常的にエゴサーチすることも一つの方法です。その際、自社に関して悪意ある書き込みを見つけたら、迅速に削除を要請したり、デマに対する注意を自社ホームページで呼びかけたりします。
普段から自社の評価に敏感になっておくことで、万が一の際も早急に対処しやすくなるでしょう。
2. 従業員への教育を徹底する
コンプライアンス違反によって企業イメージを悪化させないよう、従業員への教育を徹底することも重要な対策です。例えば、コンプライアンスに関する研修を開催し、「どのような行動が法令違反に該当するか」「コンプライアンス違反によってどのような損害が生じるか」などを従業員に教示します。
また、SNSの活用方法についてのガイドラインを用意したり、バイトテロについて就業規則に厳格な規定を設けたりする施策も効果的です。不祥事が生じない仕組みをつくることで、悪評の原因を断ちやすくなります。
3. 社内の労働環境を整える
自社に不満を抱える従業員が、SNSで自社の悪口を投稿したり、情報漏えいのような重大な事件を起こしたりする場合もあります。
そのため従業員に普段から気持ちよく働いてもらえるよう、職場環境を良好に保つことも重要です。残業時間や有給休暇の消化率等をチェックし、改善を図るのも一つの方法でしょう。
まずは「社内」から、レピュテーションリスクの芽を摘んでおくという方法です。
4. 正しい情報を発信する
世間のイメージと企業の実態が乖離することで、レピュテーションリスクが生じることもあります。そのため、企業として普段から積極的に正しい情報を発信することも大切です。「ホームページの情報は定期的に更新する」「ブランドイメージを意識して広告を展開する」などの取り組みが挙げられます。
5. ポジティブな評判を増やす
悪評を防ぐだけでなく、ポジティブな評判を増やすことも有効なレピュテーションリスク対策です。
ポジティブな意見が多くなることで、ネガティブな意見が目立たなくなります。
まとめ
レピュテーションリスクを防止するためには、評判を監視しブランドイメージを守る体制づくりが重要です。
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