記念日マーケティングとは?ポッキーの日成功事例から学ぶ効果・方法を解説

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「記念日」には、社会全体のものからパーソナルなものまでさまざまなものがありますが、最近注目を集めているのが、業界や企業が設定して提唱する記念日です。

バレンタインデーにチョコレートを贈る風習も1958年にメリーチョコレートが提唱したもので、企業の提唱する記念日は「記念日マーケティングとしてマーケット戦略の一端を担う存在です。

本記事では、「ポッキーの日」成功事例から学ぶ記念日マーケティングの取り組み方について解説します。

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記念日マーケティングの成功事例「ポッキー&プリッツの日」を紐解く

まずは記念日マーケティングの仕組みを理解する事例として、近年大きな成功を収めている江崎グリコ「ポッキー&プリッツの日」の取り組みについて詳しく紹介します。

有名な成功例である「ポッキー&プリッツの日」

企業発の記念日といえども、実は勝手に企業が名乗っていいわけではありません。正式に記念日として認められるためには、「日本記念日協会」に申請し、認定を受ける必要があります。

江崎グリコでは、スティック状のポッキーとプリッツを並べた形が似ていることから、日本記念日協会の認定を受け、2003年より11月11日を「ポッキー&プリッツの日」として、消費者の購買意欲を喚起する参加型のキャンペーンを実施しています。

ポッキー&プリッツのキャンペーン事例

江崎グリコの「ポッキー&プリッツの日」におけるマーケティング取り組みの一例として、2019年に行われた「ポキプリフェス」の事例を紹介します。

このイベントはポッキー派(#ポッキーカーニバル)とプリッツ派(#プリッツサクサク祭り)に分かれ、ユーザーはそれぞれのチームに出されたお題に則した動画を動画投稿サイト「TikTok」に投稿し、どちらのテーマに対する投稿数が多かったかを競うイベントで、投稿数が多かったチームから抽選で111名に対し、賞品としてポッキー&プリッツの詰め合わせがプレゼントされたものです。

2021年の「ポッキー&プリッツの日」には、仲間と「〇〇組」を作り、「Say Pocky!」の掛け声で笑顔の写真を撮影してキャンペーンサイトに投稿するイベントになることがすでに公式サイトで発表されています。 

グリコのポッキー&プリッツの日
▲2021年の「ポッキー&プリッツの日」キャンペーン:グリコ

こうしたSNS連動型のマーケティングをすることで、11月11日はポッキー&プリッツの日として認知する人や該当する商品を購入する人が増える仕掛けとなっています。

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ポッキー&プリッツの日の実際の効果とは

では実際に、ポッキー&プリッツの日がどの程度の効果を上げているのでしょうか。

江崎グリコが2003年11月11日に実施した「ポッキー&プリッツの日」のキャンペーンのケースでは、Twitter上で11月11日、24時間の間に「ポッキー」を含むツイートが371万44回されました。

そして気になる実購買者数は、Twitterユーザーにおいて把握できた11月11日の購買者数は140人と前週の約4倍に増加しました。一方、非Twitterにおいては11月10日が85人、11日が89人と大きな変化はありませんでした。

ポッキー&プリッツの日に合わせた購入意思が高いのも効果として表れています。

デジタルレクリムが2019年に20代の女性100人を対象に、「11/11・ポッキー&プリッツの日にポッキー、またはプリッツを購入する?」かの調査を実施したところ、4割の20代女子が購入するという結果が出ています。

また、消費者インサイト研究所が2017年に実施した調査によると、「11月11日はポッキー&プリッツの日だと知っているか」という設問に対し、回答者の9割が認知しているという結果になっています。記念日マーケティングの成功事例といえるでしょう。

<参照>
​ポッキー&プリッツの日(11/11)に20代女子はポッキーを買う?【アンケート結果】
日経BizGate:「ポッキー&プリッツの日」実際売れたのか
消費者インサイト研究所:記念日を意識して購入したのは○%!「ポッキー&プリッツの日」の実態調査

「ポッキーの日」以外にもある記念日マーケティングの事例

さらに江崎グリコのポッキー&プリッツの日以外の、他の企業の記念日マーケティングの事例についていくつか紹介していきます。

森永製菓は12月12日「ダースの日」

森永製菓では、同社の人気チョコレート「DARS(ダース)」に絡み、1ダース=12ということから、12月12日を「ダースの日」に制定しています。

2020年には、同製品のCMに出演している人気若手俳優・横浜流星さんが登場するTwitterのライブ配信イベント「EAT WITH EVERYONE」を開催しました。

そのイベントの中で横浜流星さんが視聴者と一緒に「ダース」を食べる時間を設けることで、配信イベントがダイレクトにユーザーの購買活動に結びつく工夫もされていました。 

森永のDARSとアイドル
▲ダース(DARS):森永製菓

8月29日「焼肉の日」

記念日マーケティングには、企業単発ではなく、業界全体で取り組んでいる事例もあります。その代表例が焼肉関連企業が定めている「焼肉の日」です。

「焼肉の日」は毎年8月29日で、これは8(やき)と29(にく)の語呂合わせからこの日に定められたものです。

例年「焼肉の日」には多くの焼肉店がイベントを打ち出しています。

2020年の例では、ひとり焼肉の「焼肉ライク」が国内42店舗全店で「黒毛和牛カルビ」を半額で提供し、さらに8月24日から8月29日までの期間中、「ドリンク半額キャンペーン」を実施しています。

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記念日マーケティングは効果的?取り組むメリット

江崎グリコの「ポッキー&プリッツの日」のように、記念日マーケティングの効果は数字の上でも立証されてきています。そこでここでは、記念日マーケティングに取り組むメリットについて、具体的に検証します。

メリット1. 費用対効果

記念日として正式に認知されるためには、「日本記念日協会」に対して記念日の登録をすることが必要だと前述しました。その認定登録料は年1回の場合で15万円かかります。

申請をして同協会に記念日として認定されると、公式Webサイトに協会認定記念日として名称、日付、由来、制定者のURLが掲載されるほか、画像や動画などを掲載することも可能です。

登録にかかる費用はこの認定登録料のみなので、記念日マーケティングが成功した場合の費用対効果を考えれば、非常に安価な投資だといえます。

メリット2. 話題性

記念日マーケティングの大きな特徴として、1年に1度は記念日が巡ってくる点があります。江崎グリコの「ポッキー&プリッツの日」の場合も、毎年11月11日の記念日に合わせてイベントを打つことで広く世間に浸透し、社会的な認知度を高めています。

さらにクリスマスやハロウィンをみてもわかるように、記念日は1年に1度だからこそ誰にとっても特別感があり、参加意欲がかき立てられます。

さらにマスメディアもその特別感からニュースなどで取り上げることが多くなるため、話題性を呼ぶことが可能です。

メリット3. 購入促進

記念日マーケティングの効果が顕著に表れている代表的な存在に、バレンタインデーや母の日があります。

バレンタインデーにはチョコレートが、母の日にはカーネーションを贈る習慣が定着しています。

日本よりはるかに「記念日好き」として知られる韓国ですが、実はポッキーとよく似た「ペペロ」と呼ばれる商品があり、11月11日は「ポッキー&プリッツの日」同様に「ペペロデー」として知られています。

恋人にペペロを贈る習慣があり、ペペロデーが近づくとコンビニエンスストアなどに一斉に特設コーナーが設けられます。

このように記念日を設けることで知名度のアップだけではなく、消費者の購買意欲を向上させる効果があります。

記念日マーケティングを実践する際のポイント5つ

現在は365日何かの記念日であるといわれるほど、多くの記念日が存在しています。記念日には「ポッキー&プリッツの日」のように知名度が高い記念日から、世間にはほとんど知られていない記念日もあります。

そこでここでは、記念日マーケティングを成功させるために実践すべき5つのポイントについて解説します。

1. 目的設定

記念日を設定すれば、それだけで購買に結びつくわけではありません。たとえばバレンタインデーにはチョコレートを贈るといったように、記念日として登録することで何を目指したいのか、目的を明確にすることが大切です。

目的が明確になれば、自然とその目的達成を目指したイベント戦略などが立てやすくなるほか、消費者にとってもわかりやすく、認知もされやすいというメリットもあり、記念日マーケティングの成功確率が上がります。

2. 商品を想起させる日付

記念日の場合、どの日付でもいいから記念日にするということはほとんどないはずです。事例として最も多いのが、先に紹介した8月29日の「焼肉の日」や11月22日の「いい夫婦の日」などのような語呂合わせのパターンです。

「ポッキー&プリッツの日」の場合には、ポッキーなどを並べた形から11月11日となっています。これも消費者に記念日がその日設定された理由として非常にわかりやすいパターンで、このわかりやすさが、記念日として定着した理由の一端にもなっていることが想像できます。

3. 継続的な訴求

記念日を設定してよくあるパターンが、設定した初年度は熱心にキャンペーンに取り組むものの、その後はこれといったキャンペーンも打たずに認知が広がらず、いつの間にか形骸化した記念日となってしまうパターンです。

1年に1度だけという特別感は消費者の購買意欲を刺激する上で大きなアドバンテージになるため、毎年継続してキャンペーンやイベントを行い、記念日としての認知を広げ、定着させていく努力が求められます。

4. 既存の記念日に乗る

商品の特性などから独自の記念日の設定が難しい場合には、すでに社会的に認知度が高い既存のイベントに乗ってしまうという戦略もあります。

たとえばバレンタインデーの定番の贈り物はチョコレートですが、甘いものが苦手な彼のためにと、せんべい業者がハート型のせんべいを売り出したり、2人で記念日を祝うという理由で、記念のシャンパンなどが販売される事例があります。これらは典型的な乗っかり型のマーケティングです。

5. 消費者参加型のキャンペーン等で話題を呼ぶ

従来は企業が一方的に情報を発信し、イベントなどを仕掛けるのがマーケティングの常套手段でしたが、特にSNSの登場以来、消費者参加型のイベントを仕掛けることで、参加した消費者自身がSNSの拡散力を使って広報の役割を果たし、より広報効果を上げるやり方へと記念日マーケティングの手法も移行しています。

その代表的な例が、SNSなどでインフルエンサーを利用したマーケティングや、「ポッキー&プリッツの日」のような、Twitterハッシュタグ機能を使った投稿参加型のイベントです。SNS内で情報が拡散されるだけではなく、その話題性からテレビや雑誌といった媒体に取り上げられる機会も増えるといえます。

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記念日マーケティングで特別感を演出し話題を生む

マーケティングの中でも、話題性を作り出すことは非常に難しい作業の1つです。しかし記念日を活用すれば話題を作りやすく、上手に仕掛けを作れば商品の認知度の向上だけではなく、実売にも直接結びつけることができます。

特にSNSの時代を迎え、消費者参加型のイベントを仕掛けやすくなった現在、記念日を活用したマーケティング戦略は、これからの時代ますます重要性を高めていくはずです。

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