データマイニングとは、英語で「情報を発掘する(mining)」を意味します。人工知能や統計学の分析手法を用いて膨大なデータから有益な情報を抽出する技術です。
IT技術の発展によって各企業が扱うデータの量は大幅に増加しており、ビジネスでのデータマイニングの活用が注目されています。データマイニングを行うことで、膨大なデータから不要なノイズを取り除き、必要な情報を発見できます。
そこで本記事では、データマイニングの意味やできること、主な分析手法、小売をはじめとした業界別の活用事例について詳しく解説します。
データマイニングとは?
データマイニングとは、人工知能や統計学の分析手法を用いて膨大なデータから有益な情報を探し出す技術です。役立つ可能性があるにもかかわらず今まで知られていなかった情報を、無秩序なデータから見つけ出すために利用します。データマイニングは数あるデータ分析の中でも、コンピュータを用いる手法です。そのため、データマイニングはコンピュータの計算性能の向上やインターネットの発展とともに発達してきました。
2000年頃からはインターネットの普及が一気に進み、一般家庭や企業で扱うデータ量が加速度的に増加しました。それに伴い業務で扱うデータ量が増えたため、効率的にデータ分析を行う手法としてIT企業を中心にデータマイニングが導入し始めています。
データマイニングによって得られる知識
データマイニングによって得られる知識は次の4つに分類できます。- データ(Data):整理される前の数値や文章、音声など
- 情報(Information):データを整理、分類して解釈できる状態にしたもの
- 知識(Knowledge):情報から得られるノウハウや傾向、知見
- 知恵(Wisdom):知識を利用して得られる問題解決能力や発想力
これら4つの頭文字をとって「DIKWモデル」と呼ばれています。
データ、情報、知識、知恵の順に有益度は増しますが、データマイニングで行えるのは知識を見出すことまでです。データマイニングによって得られた知識を知恵として活かすには、人の力が必要です。
データマイニングでできること
データマイニングでは次の3つのことを行えます。- 結果の予測
- 情報の分類
- 関連するデータの発見
それぞれ詳しく解説します。
1. 結果の予測
データマイニングでは、収集した膨大なデータを分析して、特定の事象が起こる確率や可能性を予測できます。例えば、マーケティングでデータマイニングを行う場合、収集するデータは商品データや顧客データ、購入データなどです。
収集したデータを分析して、商品が売れる時期や効果的な購買層などの予測を導き出す、これがデータマイニングの一例です。
2. 情報の分類
情報の分類もデータマイニングによってできることの一つです。膨大なデータに条件を設定することで、情報のグループ分けができます。
例えば、売り上げや利益、販売数などを設定することで商品を分類します。
データを分類し整理することで情報が扱いやすくなり、その後の施策を簡単にするのがメリットです。
3. 関連するデータの発見
データの関係性を発見するのも、データマイニングでできることの一つです。例えば、気温や天気などの気象データと、商品販売数の増減の関連性を見つけだします。気温が上がることで、特定の商品の販売数が増加するという内容です。
また、それまでは関連がないと考えられていた商品に共通点を見つけ出す場合もあります。このように、人では気づきにくい、データ同士の関連性を発見することもデータマイニングの特徴です。
データマイニングの主な分析手法
データマイニングの主な分析手法は、次の3つです。- マーケット・バスケット分析
- ロジスティック回帰分析
- クラスタリング
それぞれ詳しく解説します。
1. マーケット・バスケット分析
マーケット・バスケット分析は、購入データを分析することで商品同士の関連性を見つけ出す分析手法です。マーケティングにおけるデータマイニング利用の代表的な手法として広く認知されています。マーケット・バスケット分析の具体例として、おむつとビールのエピソードが特に有名です。一見関係のなさそうな商品ですが、データマイニングの分析によっておむつとビールが同時に購入される場合が多いことが判明しました。
このようにマーケット・バスケット分析を行うことで、商品同士の新たな関連性を発見できます。
2. ロジスティック回帰分析
ロジスティック回帰分析とは、いくつかの要因を解析して結果が起こる確率を予測する分析手法です。試験の合格・不合格や商品を買う・買わない、のようにAかBかの2つしかない答えを予測するのに適しています。例えば、アイスクリームメーカーであれば、雨の日にチョコレートアイスが売れるのか抹茶アイスが売れるのか明確になれば、売れ残りや機会損失を防止できます。
また、試験の合否結果を予測したい場合は、複数の学生の勉強時間や睡眠時間、スマートフォンの利用時間などのデータと、合否結果との相関関係を分析し、合格率を予測できます。
このようにロジスティック回帰分析を行うことで、数値や割合といった根拠を伴って結果を予測できます。
3. クラスタリング
クラスタリングとは、関連性のあるデータや類似性のあるデータをグループ分け(クラスタリング)し、グループ単位で最適な施策を打つことを目的とした分析手法です。クラスタリングを用いて、同じような行動をしている顧客をグルーピングし、効果的なキャンペーンを打てるようになります。グループにどのような特徴があるかを解釈するのは人間の役割です。
クラスタリングは、これまで発見できなかった新たな特徴を見つけ出すのに役立ちます。
業界別のデータマイニング活用事例
それでは、具体的にデータマイニング活用事例を紹介します。紹介するのは次の3つの業界です。- 小売・店舗:購買データの分析
- 教育:成績データ
- 医療:診療データの分析
それぞれ詳しく紹介していきます。
小売・店舗:購買データの分析
小売業や店舗では、購入データの分析にデータマイニングが役立ちます。データマイニングに必要な商品の購入データや顧客データが豊富にあるためです。例えばマーケット・バスケット分析によって商品同士の新たな関連性を見つけ出せれば、売り場を隣り合わせることで売り上げアップが見込めます。
このように小売業や店舗では購買データの分析にデータマイニングを活用し、売上向上につなげられます。
教育:成績データ
教育業界においてもデータマイニングは効果的な分析手法として活用されています。教育の現場では、どれだけ生徒ごとに適した教育を提供できるかが、重要であり難しい課題です。なぜなら生徒によって得意な科目や苦手な分野は異なるためです。しかし、限られた人員で生徒一人ひとりの特徴を分析し、異なるカリキュラムを組むのは至難の業だと言えます。
そこで教育業界では、データマイニングを用いて膨大な成績データを解析し、一人ひとりの特徴を割り出すのに活用されています。
医療:診療データの分析
医療業界においてもデータマイニングが活用されています。経験が浅い医師でも過去の膨大データを分析することで、より正確に患者の病状を把握できるためです。例えば、「このデータの時はあの病気である可能性が高い」「ある病気にかかっていれば、ある病気を併発する可能性が高い」などの難しい判断をデータマイニングによって導き出せます。
また、これまで誰も考えつかなかったような病状との関連性を見出す場合もあります。
データマイニングで膨大な情報の有効活用を
ここまでデータマイニングによってできることや、主な分析手法、業界別の活用事例を解説してきました。データマイニングでは、無秩序な膨大なデータから、結果を予測し、情報の分類や関連するデータの発見ができます。なかでも飲食業界や小売業界においては、店舗やECサイトの顧客の購買データを分析することで、特定の顧客に商品やサービスの紹介を効果的に行い売上アップの予測に役立つと言えます。
情報量が膨大となった「ビッグデータ」時代において、データマイニングの導入を検討するのも一つの手といえるでしょう。
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