クロスセルとは、顧客が商品を購入する際に、別の商品についても紹介し、あわせて購入を検討してもらう手法です。
クロスセルの具体例、メリット、注意点、成功の秘訣について、予算確保と消費者育成の観点を取り入れ具体的に解説いたします。
クロスセルとは
まずは、クロスセルの意味、具体例、関連用語について解説します。
1. 顧客の購入検討中商品と関連付け営業する手法
クロスセルとは、顧客が購入しようとしている商品やサービス、または既に提案している商品やサービスに関連させて別の商品を提案し、購入を検討してもらう販売手法です。
この手法の目的は、顧客当たりの売上単価を上げることです。
2. クロスセルの例
クロスセルの具体例について、ECサイトと訪問型店舗に分類して挙げてみます。
ECサイトでは、旅行の予定を立て宿の予約する時、航空券の購入を合わせてすすめられるのはクロスセルの例です。
また、日常生活で利用する人も多いAmazonなどのECモールでも、クロスセルの手法が採用されています。目的の商品を選択すると、おすすめの商品が下記写真のように提案されます。
訪問型店舗の例は、車購入の時にオプションとしてカーナビの購入を勧められる例が挙げられます。
3. アップセルとの違い
クロスセルとよく混同される関連用語に「アップルセル」という営業手法があります。
一つの製品に対して販売単価を上げる手法で、商品の購入を検討している消費者に行うものです。それに対して、クロスセルはすでに購入の意思を固めた顧客に関連商品の購入を勧めることです。
例えば、車購入を検討している消費者にメリットを伝えてさらにハイスペックな高額の車種を購入するように勧める場合がアップルセル手法にあたります。
あるいは、クレジットカードの顧客にランクアップを勧める場合もそれにあたります。
クロスセルのメリット3つ
クロスセルを効果的に行った場合に見込めるメリットと売上増加について解説します。
1. 顧客数を増やさずに売上額を増やせる
新規顧客の獲得にはそれまでに費やすプロモーション活動などコストが高くなりがちです。さらに、市場内の競争激化で顧客獲得は難しく、効率が悪くなってしまいます。
それを理由に、顧客当たりの売上単価(客単価)を上げる手法で、経費削減をねらい総売上げの増加につなげます。
効果は、インターネット上で特に発揮されます。例えば、ある商品を同時購入した人が同じものを購入した人誰に対しても、関連商品をレコメンド機能で提示できます。
その機能を使うことで、購買意欲を刺激し即座に売上単価の増加を目指せます。
2. リピート客が見込める
クロスセル戦略が成功すれば、顧客は商品に対する評価をさらに高くします。
その結果、商品や商品を扱う自社への信頼を寄せ、顧客が自らの意思で再購入を決めてリピーターになる可能性が見込めます。
3. 他社との差別化や差異化をはかれる
自社が扱う商品の競合があっても、どのような関連商品を勧めるかで競合との差別化や差異化を図れます。
関連商品を購入する場合の特典を設定すれば、よりクロスセルの内容に独自性を持たせることができます。
特典の存在は、既存客だけでなく新規顧客獲得にもつながります。特典のための費用は、新規顧客獲得のためのコストととらえることもできます。こうした観点に立って、購入につながるような思い切った戦略をとることも検討に値します。
クロスセルの注意点/押し売りをせず、あくまで顧客目線の営業をする
クロスセル戦略を成功させるのに大切なことは、顧客視点に立つことです。どのような効用を求めて自社の製品にたどり着いたのかを、接客やアンケート、データをもとに理解していきます。
こうした理解があれば、購入に到達させるために協調すべきポイントが見えてきます。顧客が気づいていない価値やメリットを伝えることも有効です。
顧客の役に立つ提案は、顧客満足向上へとつながりリピーター獲得のきっかけにもなります。
もし、強引な押し売りだと感じさせてしまえば、信頼を損ねる結果にもつながりかねません。企業が、顧客の悩みの解決やニーズを満たす商品を提供していることを主軸においてアピールすることでこうした可能性を回避することにもつながります。
クロスセルを成功させるために知っておきたい3つのポイント
クロスセルを効果的に行うポイントを3つの視点から解説します。
1. 顧客の情報収集
クロスセルを行いたい顧客には、個人情報や購買行動などの情報を蓄積しましょう。
そこから「顧客が興味のある分野」「自社製品を選ぶ前に使用していた商品は何か」「なぜ自社製品を選んだのか」などからリピーターになりそうな顧客層を抽出します。
その後、潜在顧客がどんなメリットを求めているのか、どんな問題を抱えているのかについて、クロスセル戦略に求められている商品を決めます。
2. ナーチャリング
満足度が低い顧客や、商品の即時購入が見込めない潜在顧客には、中長期的にはたらきかけることで購買意欲や信頼度を高めてもらうという手法があります。
ナーチャリングと呼ばれ、メルマガやSNSなどで売りたい商品の特徴などを伝えるといったやり方を取ります。
ナーチャリングは知ってもらうこと、理解を深めてもらうことが目的です。ナーチャリングにより、顧客自身が商品の良さや必要性に気付き、購入や利用、その後のリピートが期待できます。
3. タイミングを考える
クロスセルが成功しやすいタイミングは、toC(消費者向け)とtoB(企業向け)で異なります。
まず、消費者向けとして良いタイミングは、商品の購入を決断した時になります。その理由は、何か商品を購入したということは予算に余裕があることを表しているからです。そのため、商品の購入を決断した時がクロスセル戦略を打ち出すのに良いタイミングと判断できます。
一方、ビジネス向けでは、予算が確保されたタイミングがクロスセルを提案できるチャンスです。契約更新のタイミングや課題がみつかったシチュエーションでも成功の可能性は高いといえるでしょう。この機を逃さないためにも、頻繁にコミュニケーションをとっておくことは欠かせません。
顧客のニーズを理解することがクロスセル成功の秘訣
クロスセルは、顧客が購入する商品とあわせて別の商品を購入してもらう営業手法です。根拠のある提案をすることで、顧客は納得感と満足感を持って受け入ることになります。企業にとっては、消費単価の向上が実現します。
クロスセルは、商材にかかわらず応用できる考え方です。飲食店や、サービス業においても実践することが可能です。
クロスセルを成功させるには、日ごろからの顧客とのコミュニケーションをもつことが重要です。まずはSNSなどで気軽にフォローしてもらえるようなプロモーション活動を行い、接点を確保することから始めるのもよいでしょう。
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