行動経済学とは人間の経済活動を対象に、その行動にいたる判断を解き明かす学問です。消費者の行動変容の要因を理解できるとして、マーケティングにおいても活用されています。
塾の経営においても応用可能であり、うまく活用することで講座を勧めるときや、継続して塾を利用してもらうときに効果が見込めます。
本記事ではまず行動経済学とは何かを説明し、実際に活用できる効果や法則について解説します。
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行動経済学とは
行動経済学とは、すべての人が合理的に行動することを前提とした経済学とは異なり、人間の無意識にしてしまう行動や矛盾を前提とし、その行動を分析し解き明かそうとする学問のことです。
行動経済学はさまざまな業界のマーケティングに取り入れることのできる考え方として、近年注目を集めています。
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塾で行動経済学を取り入れるべき2つの理由
行動経済学をうまく活用することで、試験対策や分野別の受講だけでなく受験が終わるまでの長期間にわたって塾を利用してくれる可能性が高まります。
既存の講座内容を変えることなく、新規の生徒へ進める際に工夫することでより多くの授業を受講してもらえます。
行動経済学を活用すると生徒や保護者への理解を深めることができ、意識するだけで効果が見込めます。
1. 生徒に対する態度を意識するだけで受講率アップが見込める
新しく講座を勧める際に、生徒や保護者への対策を工夫するだけで、受講率を高くすることができます。
もちろん質の高い講座を用意することも重要ですが、前提として生徒に興味を持ってもらわなければ意味がありません。
そのためには行動経済学をもとに、生徒のペースに合わせたセールスを実施することで、受講率のアップが期待できます。
2. 長期的な塾の利用が期待できる
行動経済学を理解すればそれぞれの生徒にあった対策が取れるため、行動経済学は入塾時だけでなく、追加の講座を勧めるときにも役立ちます。
学生が塾に通う目的は、受験合格や授業の補習などさまざまです。生徒の目的にあわせて受験までの長期間利用してもらうよう促すことで、塾の売上アップが期待できます。
塾で活かせる行動経済学の5つの理論
それでは塾で活用できる行動経済学の5つの理論を具体的に解説していきます。
1. ブーメラン効果/入塾やコース選択の提案に注意
ブーメラン効果とは、相手の行動変容を求め熱心にはたらきかけた結果、受け手はかえって冷静になり同意したくなくなってしまう現象をさします。
入塾やコース選択の提案の際には、相手の共感を得られているかを確認しながら勧誘をするとよいでしょう。
2. ウィンザー効果/第三者からの評価が重要
ウィンザー効果とは、利害関係にある当事者よりも、口コミなどの直接関係のない第三者からの情報のほうが信用しやすいという心理現象のことを指します。塾を利用した生徒やその保護者による口コミは、塾選びをするうえでの重要な判断材料です。
合格体験記といった塾側から発信した生徒の声も塾選びにおいて大きな参考情報の一つですが、売り手から発信される情報はメリットばかりにフォーカスされていたり、誇張されていたりすると思われてしまう可能性があります。そのため、第三者の発信する情報は非常に重要で、口コミや評判を書き込めるサイトのことを軽視することはできません。
一方で、口コミはSNSなどで誰でも簡単に発信できるようになっています。事実に基づかない指摘があれば、返信の形で訂正したり、サービスの運営元に相談したりといった対処が必要になります。
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3. ヒューリスティック/業界や問題解決策として想起してもらう
ヒューリスティックとは、人が何らかの判断や意思決定をする時に無意識に採用している法則や手がかりのことであり、先入観から判断することを意味しています。
判断の際に、自分の経験や記憶から合致する思い出しやすい情報を引き出し、それをもとに判断や意思決定をしてしまうことを利用可能性ヒューリスティックといいます。
「大学受験予備校と言えば○○」といったキャッチ―な広告を使用して塾のイメージを定着させることで、保護者や生徒が塾選びをする際に「そういえば」と思い出してもらいやすくなり、新規生徒の獲得につながります。
人は一度も聞いたことのないものを選ぶよりも、無意識のうちに聞いたことのあるものや見慣れているものを選ぶ傾向があります。そのためイメージはとても重要です。
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4. バンドワゴン効果/多くの人に選ばれているという印象が大切
バンドワゴン効果とは、多くの人々が選択したものが魅力的に見え、よりたくさんの人に選ばれる相乗効果のことを指します。
塾の講座は同じ科目や単元でも、レベルや担当講師が違うものもあり、生徒や保護者は何を基準に選べばよいのかわからなくなってしまう恐れがあります。そこでバンドワゴン効果を意識して講座を勧めることで、受講率の向上につながります。
たとえば、「ほかの生徒さんの場合にはこの講座をとるのが一般的」といった説明により、塾の利用者の多くが受講したのだと伝えることができ、バンドワゴン効果が見込めます。
実際に、自習室や教室など生徒が集まり、多くの生徒が塾を利用しているという認識を持ってもらうことも、同様の効果が発揮されます。
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5. 選択回避の法則/わかりやすいコースの提示を
選択回避の法則とは、人は選択肢が多すぎると、選択すること自体を辞めてしまう心理現象のことを指します。
たとえば一つの科目について、基礎の範囲から難関校対策向けまでレベル別に用意する場合を考えます。もし明確な選択基準なく生徒や保護者は受講を辞めてしまうかもしれません。
開講している講座を分野別に整理したり、定期試験の対策といったコースを用意したりすることで、選択肢を減らしてわかりやすくなり、決定回避の法則による不利益を避けることができます。
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塾の集客にも活用できる行動経済学
塾は生徒のための施設ですが、実際にお金を払っているのが保護者であることを忘れず、両者への効果的なアプローチが必要になります。行動経済学では紹介した5つの理論のほかにもいくつもの心理現象と行動の関係が明らかにされています。
これらを活用すれば、短期利用だった生徒に長期間利用してもらったり、新規に生徒を獲得したりといった目的を達成することもできるでしょう。
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