GoogleマップやGoogleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の口コミは、ユーザーが商品を購入したり、利用する店舗を決めたりする際に参考にしているため、口コミの内容は集客に大きな影響を与えます。
中には嫌がらせや、営業妨害ともとれるような口コミが書き込まれ、どのように対処すれば良いか頭を悩ませる店舗関係者も多いでしょう。
この記事では、
- 削除の対象となる口コミの条件について
- どんな行為が営業妨害に該当するか
- 口コミを削除したい時に最初に取るべき手段:「Googleへの報告(削除依頼)」
- 削除できない場合の3つの対処法
について解説します。
※Googleマイビジネスは、2021.11.5よりGoogle ビジネスプロフィールという名称に変更されました。
これに伴い、2022年にスマートフォン向けGoogleマイビジネスのアプリが終了します。
アプリ終了前に、これまでと同じように快適に使えるよう今から準備しておきましょう!
Googleで削除対象となる口コミの条件
実は悪い口コミが書かれても、申請すれば全て削除してもらえるわけではありません。
削除対象となる口コミは、Googleが定めている「マップユーザーの投稿に関するポリシー」に準拠します。
このポリシーでは「禁止および制限されているコンテンツ」のカテゴリが複数定められており、投稿に含まれる写真や動画も対象となっています。
以下に整理して紹介します。
1. スパムと虚偽のコンテンツ・関連のないコンテンツ
店舗や施設と関係のない投稿は「スパムと虚偽のコンテンツ」あるいは「関連のないコンテンツ」です。同じ内容の連続投稿や、明らかな広告目的を含むものがこれにあたります。
評価を不当に上げる、または下げるための虚偽の情報を書き込むことも禁止されています。
たとえば政治的主張を書き込んだり、店舗を貶めることを狙った嫌がらせのようなコメントはこれに該当すると考えられます。口コミの報告では「この場所と無関係です」を選択するとよいでしょう。
2. 危険なコンテンツ
他人に危害を加えることを示している口コミや、差別を助長するような口コミもポリシー違反となります。
攻撃的な内容が投稿されていた場合、その口コミは報告すべきと判断できます。
3. 不適切なコンテンツ・露骨な性的表現を含むコンテンツ
侮辱的な表現、わいせつな表現を含む口コミは禁止されています。
「侮辱的または露骨な性的コンテンツ」であるとして報告できます。
4. なりすまし
ある特定の個人やを語ったり、ある組織を代表する権限がないのにそれを思わせる投稿をする「なりすまし」も禁止されています。
たとえば自分を芸能人と偽ったり、所属していない組織の代表者であるかのような書き込み、または店舗関係者を偽ることも禁止されています。
口コミの報告では「法的問題」を選びます。
5. 利害に関する問題
利害関係に影響するような口コミも規制の対象となります。自分の店舗や事業に対する口コミ投稿は認められていません。
また、評価を操作する目的で、競合他社に口コミを投稿することも禁止されています。
競合他社であることを名乗って、ネガティブな口コミを投稿するケースは多くはないかと考えられますが、もしもこうした投稿があった場合には「利害に関する問題」として報告します。
6. 制限されているコンテンツ
Googleマップでは「アルコール、ギャンブル、タバコ、銃、健康器具や医療機器、規制されている医薬品、成人向けのサービス、金融サービス」を規制の対象とし、商品やサービスの販売を促すフレーズや特典を含めることを禁止しています。
アルコールをメインの被写体とした投稿は削除される可能性もあります。ただし、メニューの画像、アルコール飲料がメインではないコンテンツはポリシー違反となりません。
このように「マップユーザーの投稿に関するポリシー」が定められていますが、ポリシー違反があるかどうかを判断するのはあくまでGoogle社です。
そのため、ポリシー違反を理由に削除申請を行っても、明らかな違反がないと削除を簡単には認めてもらうことはできません。
しかし、明らかにポリシー違反の口コミは、削除申請で対応してもらえる可能性が高いです。
Googleに口コミの削除依頼をする方法
攻撃的であったり、自社に不都合な口コミが投稿されている場合、Googleにポリシー違反の報告をすることができます。
Googleへの口コミの削除依頼は厳密には、ある口コミがGoogleが禁止・制限している内容であるとしてGoogle報告する形をとります。
まず、Googleへ口コミの削除依頼をする3つの方法について解説します。
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1. Googleマイビジネスから報告する
Google検索やGoogleマップの検索結果に表示される店舗情報を編集、管理するための公式ツール、Google マイビジネスから口コミの削除申請を行うことができます。
まずGoogle マイビジネスホーム画面の「クチコミ」から口コミの一覧を表示させます。
削除依頼をしたい口コミの右上にある三点リーダーをクリックすると、「不適切なクチコミとして報告」が表示されます。
Googleのポリシーにどのように違反しているのかを、選択肢から選びます。
いずれかをクリックすると、確認画面が出ます。「送信」のボタンを押します。これで報告が完了し、ポリシー違反が確認されれば口コミは削除されます。
処理については3営業日ほどかかると示されていますが、場合によってはもっと長い時間を要するケースもあると考えられます。
2. Google検索から依頼する
Googleマイビジネスで店舗情報を管理していない場合でも、一般ユーザーとして口コミを報告できます。まずはGoogle検索からの
店舗や施設を検索し、右側に表示されるナレッジパネルからのビジネスプロフィールの「Googleのクチコミ」をクリックします。
口コミの一覧が表示されるので、削除したい口コミの右上にある三点リーダーをクリックし「レビューを報告」を選択します。
続く画面で、先程同様に、口コミがどの点に違反しているのかを選択します。
3. Google マップから依頼する
Googleマイビジネスで店舗情報を管理していない場合のもう一つの申請方法に、Googleマップ上の店舗情報で口コミを表示させ、報告する方法があります。
スマートフォンやタブレットのGoogleマップアプリからも、同様に口コミの報告の操作ができます。
Googleマップで店舗を検索し、店舗のビジネスプロフィールから削除依頼をしたい口コミを表示します。三点リーダーから、「レビューを報告」を選択します。
次に表示される画面で、口コミの問題点を一つ選び、報告します。
削除依頼(レビューの報告)で削除されない口コミへの対処法
Google上の口コミのうち、削除対象となるのはあくまでガイドラインに違反した口コミです。
ある口コミが、店舗に対し悪い評価をつけているからといった理由や、都合の悪い口コミを書いているというだけでは、削除はされない可能性のほうが高いでしょう。
しかし同時に、口コミは顧客の店舗に対する印象に大きな影響を与えるものであり、ネガティブな口コミはどうにか削除したいと考えるビジネスオーナーも多いはずです。
こうした場合、店舗に対する批判的な口コミに対しては、2つの方法が考えられます。
1. 口コミに返信する
悪い口コミを放置しておくと、それを目にしたユーザーの店舗に対する印象は下がってしまいます。ただし、口コミをチェックしたときに、必ずといっていいほど目に入るのが「口コミへの返信」です。
口コミへの返信欄を利用して、ユーザーへの印象を変えることは不可能ではありません。
たとえば、口コミの指摘内容が正しければ受け止め、今後改善をすることを示します。
自身にとって不都合な内容の口コミにも丁寧に返信することで、ユーザーの抱く印象は好転するかもしれません。
口コミへの返信は、Googleマイビジネスでオーナー申請をし、その後届く認証コードで認証することで可能になります。
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2. 良い口コミを集める
悪い口コミが目立ってしまうケースのなかには、そもそも口コミの総数が少ないというケースがあります。
良い口コミがたくさん集まることで、悪い口コミの比率が下がり、目立たなくなる場合もあります。
ただし、口コミの並び順はいくつかあり、ユーザーが目にするものが時系列とは限らないため、ファーストビューに残ってしまう可能性もないわけではありません。
3. 法的な措置をとる
日本の法律に基づき、口コミの投稿者を特定することもできます。手続は、この分野に精通した弁護士に依頼してすすめることが一般的です。
この手続がとれるのは口コミが申し立てを行う人に対する誹謗中傷であることが認められる場合で、URLや投稿のスクリーンショットの提出も必要となります。
発信者情報開示仮処分命令申立によりIPアドレスを手に入れ、プロバイダを特定し、契約者情報の開示を求め、裁判を起こすという流れになります。
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法律に基づく対策が必要な場合の対処法
法律に基づく対策が必要なケースは以下の通りです。
▼法律に基づく対策が必要なケース ・悪い口コミをどうしても削除したい場合 ・投稿者個人を特定する必要がある場合 |
法律に基づく対策を行う場合は(本人以外が行う場合)は、弁護士に依頼する必要があります。
まれに業者が「Googleへの削除申請を代行する」などと広告していることがありますが、この行為は明らかな法律違反(弁護士法違反)となるため、業者には依頼しないようにしましょう。
【削除対象の口コミ】日本の法律上、権利侵害がある場合
Google社は、ポリシー違反がある場合だけでなく、口コミが権利侵害にあたる場合にも削除を認めています。
▼権利侵害があるといえる代表的なケース ・名誉毀損 ・プライバシー権侵害 ・名誉感情侵害 ・著作権侵害 ・肖像権侵害 ・不正競争防止法違反 |
Googleマップの口コミ投稿の場合は、名誉毀損に当たるとして刑事告訴、損害賠償請求をすることが考えられます。
刑法230条では「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。」と規定されています。
また民事でも、名誉毀損は不法行為として損害賠償することが可能です。
嫌がらせ目的で投稿された口コミであれば、プライバシー権侵害や肖像権侵害に該当するものもあります。このようなケースはGoogle社のポリシー違反に該当する場合がほとんどなので、申請することですぐに削除されるケースが多いです。
権利侵害にあたると考えられる口コミは、まずはGoogle社へ削除申請をしましょう。
それでも対応してもらえない場合は、弁護士に依頼し、日本の裁判所に削除請求の裁判を申立てましょう。
投稿者を特定し、投稿者本人に削除してもらう
Googleマップには、投稿者本人が自分のクチコミを削除できる機能があります。
そのため、投稿者を特定し、本人に対して口コミの削除を要請すれば、本人が削除に応じることが多くあります。
しかし、投稿者の特定には「発信者情報開示請求」という裁判手続が必須です。
▼投稿者を特定し削除依頼をすべきケース ・投稿者に対して、削除だけでなく損害賠償も請求したいと考える ・裁判所を説得できるだけの証拠が揃っている など |
発信者情報開示の仮処分または訴訟によって、口コミを投稿したアカウントにログインが行われた時のIPアドレスの開示をGoogleに請求します。IPアドレスが開示されたら、プロバイダに対して投稿者の住所などの個人情報の開示を請求します。
投稿者特定までは1年程度かかると言われており、弁護士費用もかかることを考慮して、法的措置をとるべきか検討しましょう。
嫌がらせの口コミが入ってしまったら、冷静に対処
口コミは集客やプロモーションにおいて重要な意味を持っています。売上に影響する可能性もあるでしょう。口コミを適切に管理することは、店舗のイメージを損なうことを防ぎ、それに伴うリスクを低減させます。
明らかに嫌がらせをする意図で投稿された口コミは、Googleへの報告、口コミへの返信による反論、法的手段により応対することができます。
ネガティブな口コミがつかないようにすることも大切ですが、悪い口コミがついてしまった場合にどうするか知っておくことで、悩む時間や従業員の負担も少なくできるでしょう。
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