10月以降「PayPay有料化」どう乗り越える?店舗が検討すべき3つの対処法

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コード決済最大手のPayPayは、これまで設置店舗側の決済手数料を無料としてきましたが、2021年10月1日以降は決済手数料を有料とすることを公表しています。

コロナ禍で生まれた「非接触」需要に対応すべくキャッシュレス決済の導入を進めてきた設置店舗にとって、これは大きな痛手となるでしょう。

そこで本記事では、PayPayの有料化に対し、設置店舗側で考えられる対応などについて解説します。

※2021年8月19日追記:PayPayは決済手数料を1.6%。1.98%とすることを発表しました。

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現在コード決済市場でシェア率が高い大手4つのサービスPayPay」「楽天ペイ」「d払い」「LINE Pay」の初期費用と決済手数料、入金手数料をまとめます。

(2021年5月28日時点)

1. PayPay

<初期費用>

  • 無料

<決済手数料>

  • 無料(2021年9月30日まで)

<入金手数料>

  • PayPay銀行の場合:無料
  • 入金サイクルが当月末締めで月1回の場合:無料
  • 1万円以上の金額で都度入金とする場合:105円(税込)

(参照 PayPay:実店舗への導入

2. 楽天ペイ

<初期費用>

  • 無料

<決済手数料>

  • 3.24%、利用客の支払元が楽天カード以外のJCBカードの場合:3.74%

<入金手数料>

  • 楽天銀行の場合:無料(翌日自動入金)
  • 楽天銀行以外の場合:所定の振込手数料(入金依頼が必要)

(参照 楽天ペイ:店舗様向けトップ

3. d払い

<初期費用>

  • 無料

<決済手数料>

  • 2.6%(ただし、2021年9月30日まではd払いの決済手数料実質無料キャンペーン適用)

<入金手数料>

  • 無料

なおd払いは、業務提携しているメルペイと、1つのQRコードで双方の決済が可能となっています。

(参照 d払い:スマホ決済をご検討の店舗オーナーさまへ

4. LINE Pay

<初期費用>

  • 無料

<決済手数料>

  • 無料(2021年9月30日まで、10月1日以降は2.45%+税)

<入金手数料>

  • 月末締めの自動清算の場合:無料
  • 入金申請による振込の場合:1回ごとに250円(税込)

なおLINE Payは、2022年にPayPayと国内コード決済事業を統合予定です。

(参照 LINE Pay:導入をご検討の店舗様へ

PayPayの10月以降の決済手数料は不明

PayPayの10月以降の決済手数料について具体的な金額や数字はまだ発表されておらず、2021年8月31日に発表される予定です。

ただし2022年にPayPayとの国内コード決済事業統合が控えているLINE Payの手数料が10月以降「2.45%+税」となることが発表されているため、「加盟店に迷惑がかからない水準にする」とのPayPay関係者の言葉はあるものの、両社の手数料を揃えてくる可能性も考えられます。

PayPayの料率が2.45%+税と仮定すると、PayPayでの売上が100万円(税込110万円)だった場合の手数料は、2万4,500円(税込2万6,950円)にもなります。

PayPay有料化をどう乗り越える?3つの対処法

これまで手数料無料の恩恵を受けてPayPayをはじめとしたコード決済を利用してきた店舗にとって、2021年10月以降の決済手数料有料化は大きな痛手になるはずです。

そこで、手数料有料化を乗り越えるため、店舗側としてどのような対応が考えられるのか紹介します。

1. PayPayの入金手数料を抑えるなど、他のコストを抑える

まず、決済手数料の他にかかるコストを抑え、負担を少しでも軽減させるという手法が考えられます。

たとえばPayPay設置店舗では、利用客がPayPayで支払いをした場合にかかる「決済手数料」以外に、PayPayから店舗へ売上金を入金する際にかかる「入金手数料」があります。

入金額1万円以上でその都度店舗へ入金する場合は1回につき税込105円の入金手数料がかかりますが、この入金先をPayPay銀行に指定することで、入金手数料が無料にできます。

また、入金先が他の銀行の場合でも、入金サイクルを当月末締めで月1回の入金とすれば入金手数料は無料となります。

2. 手数料分値上げする/現金を推奨する

PayPayを含めたコード決済の手数料負担を避けるため、来店客のコード決済利用に対し手数料分の値上げをする、というのはかなり現実的な手法でしょう。

加えて「現金決済なら割引」として、現金での支払いを推奨するという対応も考えられます。

ただし、この対応ではコロナ禍で増えた非接触のニーズを満たすことができないという問題も発生します。

JCBが2020年8月5日に発表したキャッシュレス決済に関する調査では、飲食店などでキャッシュレス決済が利用できないとわかってその店舗の利用をやめたことがあるかという質問に対し、キャッシュレス決済を利用している1,000人のうち48.4%の人が「やめたことがある」と回答しています。

来店客のニーズをよく分析したうえでの判断が必要です。

3. 独自Payを導入する

独自Pay(ブランド独自のコード決済)を導入している企業もあります。

2020年12月には無印良品で「MUJI passport Pay」、2021年1月にはUNIQLOで「UNIQLO Pay」が導入されています(ただしこれら2社は大手コード決済サービスへの対抗というよりも、それぞれの店舗会員に対して「会員カード」と「キャッシュレス決済機能」を一体化させることによる顧客の利便性向上を目的としての側面が強いようです)。

「独自Payを導入しているのは資金が潤沢な超大手企業だけでは?」と考える方もいるかもしれませんが、そうではありません。

たとえば広島県を中心にチェーン展開しているローカルスーパー「フレスタ」では、2020年9月より独自のスマホ決済アプリ「フレスタアプリ」を提供しています。

もともとフレスタでは電子マネー付きポイントカード「Smile Card」によって独自の電子マネー「スマイルマネー」が導入されており、全会計に占めるスマイルマネーの利用は50%と高い比率でした。

しかし、近年外部のコード決済事業者に対する決済手数料の負担が増えてきたことから、「フレスタアプリ」の開発と導入が進められました。

独自の決済システムとアプリの開発には多大なコストが発生しますが、将来的に必要となるコード決済手数料の削減と、アプリ活用によるチラシなどの宣伝費の大幅削減などによって、初期コストの回収が短期で可能だとしています。

まとめ:PayPay有料化までに対処法の検討が必要

今回のPayPay有料化は、新型コロナウイルスの収束の目処がつかないことなどから一時的に有料化を延期する可能性もあるかもしれませんが、今回もし延期となったとしても、近い将来有料化となるのは必至です。

それまでに店舗でどう資金を確保するのか、顧客の需要や客層なども踏まえて事前に検討しておくことが重要となるでしょう。

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<参考>
PayPay:キャッシュレス決済の簡単導入PayPayは置くだけで完了!?
楽天ペイ:クレジットカード、電子マネー決済端末導入無料キャンペーン!
d払い:スマホ決済をご検討の店舗オーナーさまへ
メルペイ:メルペイとd払いが一緒に使える!
Impress Watch:共通QRコード開始。メルペイ加盟店でd払いが利用可能に
LINE Pay:導入決済サービス
日本経済新聞:PayPay・LINEペイ、統合が迫る2つの課題とは
Impress Watch:PayPay・LINE Pay統合は「国内コード決済」のみ。LINE Payはなくならない
PR TIMES:JCB、「キャッシュレス決済に関する調査~コロナ禍におけるキャッシュレス決済事情~」を発表
Impress Watch:ユニクロ・無印など店舗独自Payの意味。「○○Pay乱立」ではない
文春オンライン:ついに訪れた「PayPay手数料有料化」の激震!ローカルスーパー&コンビニの2つのサバイバル戦略
コムサポートオフィスブログ:改めて実感し、戦々恐々!?PayPayの店舗手数料無料は2021年9月30日まで。その後どうなる?どうする?
フレスタ公式サイト:フレスタ電子マネースマホ決済付き新フレスタアプリ登場!

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