新型コロナ感染防止のための飲食店ガイドライン/地域別から店舗対策事例まで

新型コロナ感染防止のための飲食店ガイドライン/地域別から店舗対策事例まで

新型コロナウイルスの感染拡大により、今年(2020年)4月や5月には、全国45都道府県で休業要請や短縮営業の要請が出されました。

感染症の存在と飲食店の事業を両立させるため、業界に向けたガイドラインが、業界団体や自治体により準備されました。

飲食店向け予約管理システム「ebica」を運営するエビソルが公表した飲食店の予約状況データによると、4月最終週における全国の飲食店予約件数は前年比95%減と、非常に厳しい状況であったことがわかります。

それから約半年が経った現在では、外食需要に回復の兆しが見られ、政府も「Go To Eatキャンペーン」などで後押しを図っています。

飲食店は引き続き、新型コロナウイルスの感染対策を徹底し、安全に食事ができる環境を作り上げています。

この記事では、飲食業界や各地域で公表されている新型コロナウイルス感染対策のガイドラインや感染対策の事例について紹介します。

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飲食店の新型コロナウイルス対策ガイドライン

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、5月14日、日本フードサービス協会と全国生活衛生同業組合中央会は「外食業の事業継続のためのガイドライン」を作成しました。

ガイドラインでは、外食事業の再開にあたり、「密閉、密集、密接」の3密を避けることなどを通じて、消費者や飲食店従業員の安全・安心を確保するための取り組みを示しています。

利用客の安全衛生管理

飲食店では、入店時から退店時まで、利用客が安全に飲食を楽しめるよう気を配る必要があります。

1. 入店時

店舗の入口には、発熱や咳などといった新型コロナウイルスのおそれがある症状がある場合店内飲食をお断りする旨を示した張り紙を掲示します。また、店舗入口や手洗い場所には、手指消毒用に消毒用アルコールなどを用意します。

2. 客席

利用客が入れ替わるたびに、テーブルやカウンターをアルコール消毒します。

3. 会計処理

会計処理では、現金の受け渡しによるウイルス感染のリスクを減らすため、電子マネーなどの非接触型決済を導入します。

現金やクレジットカードなどの受け渡しが発生する場合には、手渡しではなくコイントレイなどを利用します。さらに、コイントレイや手指をこまめに消毒するよう心がけます。

4. テイクアウトサービス

テイクアウトの実施店舗では、利用客の店舗滞在時間を短くするために、事前予約を受け付けるなどの工夫をします。

5. デリバリーサービス

店内でデリバリーの配達員と利用客が接触しないように、可能であればデリバリー専用カウンターを設けます。

従業員の安全衛生管理

食品を扱う従業員は、健康管理と衛生管理を徹底します。各自が店舗にウイルスを持ち込まないよう、従業員は必ず出勤前に体温を計る習慣をつけることが必要です。もし発熱や風邪に似た症状がみられる場合は、店舗責任者に報告し、判断を求めます。

店舗ではマスクやフェイスガードを着用し、こまめかつ丁寧な手洗いを徹底します。店舗はもちろん、従業員のロッカールームや控え室も換気し、空調設備は定期的に清掃します。

万が一従業員が新型コロナウイルスに感染したり、感染者の濃厚接触者であると判断されたりした場合、就業は禁止します。該当従業員やその家族が過度に心配せず済むよう、店舗責任者は現状を正確に従業員に伝え、従業員へのリスク・コミュニケーションを図ることが求められます。

店舗の安全衛生管理

店舗内では、換気設備の設置や点検を行い、空気を循環させることで密閉空間を作り出さないことが重要です。

テーブル上には、不特定多数が使用する調味料や冷水ポットなどを置かないようにします。撤去が難しい場合は、利用客が入れ替わるたびにアルコール消毒薬や次亜塩素酸ナトリウム、界面活性剤などで消毒を行います。

トイレにも注意を配ることが必要です。ハンドドライヤーは使用を中止し、ペーパータオルを置きます。また、ウイルスの飛散を防ぐため、排泄物は蓋をして流すよう、使用者に貼り紙などで注意を促します。

地域別の飲食店感染予防対策

地域によっては、飲食店向けに独自のガイドラインを作成しているところもあります。自治体はガイドラインを通じて、具体的な感染対策方法や飲食店を営業するにあたり気を付けることをわかりやすく提示しています。

事業者は、各自治体の方針やアドバイスを受け入れながら営業することが求められます。

1. 東京都足立区:「イラスト」で感染対策を促すガイドライン

東京都足立区では、新型コロナウイルスの予防対策について示した飲食店向けのガイドラインを作成しています。

ガイドラインはイラスト仕立てになっており、わかりやすく、また親しみやすいデザインになっています。

そのほか足立区では、新型コロナウイルス感染対策の取り組みを実施した小規模事業者に対し、上限を20万円として経費の80%を補助しています。店舗で用いられるフェイスガードやパーテーションの購入費、デリバリーサービスを導入した際のバイク購入費なども対象となります。

2. 奈良県奈良市:ガイドライン遵守啓発チラシ

奈良県奈良市では、飲食店向けに、日本フードサービス協会に準拠した「感染拡大予防ガイドライン」の遵守を呼びかける啓発チラシを作成しています。

さらに、ダウンロードして利用できる自主点検用のチェックシートも作成・公表しています。こうした取り組みにより、ガイドラインで定められた新型コロナウイルス感染対策の浸透を促しています。

社交飲食業向けガイドライン

自治体ごとのガイドライン以外には飲食業の業態に合わせたものも独自に用意されており、その中の一つが社交飲食業向けのガイドラインです。

社交飲食業には、カフェやバー、キャバレー、スナックなどが含まれます。社交飲食業の事業者が本格的に事業を再開・運営するため、全国社交飲食業生活衛生同業組合連合会は「社交飲食業における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」を定めました。

このガイドラインでは、現場の業務に配慮しつつ「密閉、密集、密接」の3密を避け、安全・安心を確保するための具体的な対策方法が示されています。

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以下では、飲食店で実施可能な感染対策や施策、大阪の飲食店における対策事例を紹介します。

1. 消毒の実施

業務用調理用品の通販サイト「飲食店用品.jp」が6月から7月にかけて実施した「飲食店新型コロナ感染対策アンケート」によると、手指消毒用アルコールの設置、テーブルや座席の消毒、店内清掃を実施・強化している店舗は7割以上に上りました。

飲食店の新型コロナウイルス感染対策において、消毒の実施や清掃の強化はすでに新たなスタンダードとなっているといえそうです。

2. 使い捨ておしぼりへの変更

一方、同アンケートによると、提供するおしぼりを使い捨てのものに変更した店舗は34%、抗菌・抗ウイルスタイプのおしぼりを導入した店舗は17%と、おしぼりについては対策している飲食店が少ないことがわかりました。

おしぼりの変更は必須ではないものの、使い捨てのものにすれば利用客と従業員の両方にとって衛生的であり、利用客に安心感を与えることにもつながります。

3. 感染対策のアピール

さらに、ガイドラインを遵守していることをアピールすることも効果的です。感染対策のアピールにより、店舗を訪れようか迷っている人や店舗近隣の住民などにも安心感を与えられます。

店頭では、感染対策をしていることを記したのぼりやボード、また東京都が独自に配布している虹のデザインの「感染防止徹底宣言ステッカー」などが有効です。SNSを運用している場合は、店舗の感染対策について発信するのも良いでしょう。

新型コロナウイルスの感染拡大により、衛生面や感染対策も利用者が飲食店を選ぶ際の基準となりつつあります。感染対策を徹底することはもちろん、それをアピールすることもウィズコロナの集客においては重要になってくるでしょう。

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大阪市にある「元祖ぶっちぎり寿司魚心 梅田店」では、従業員に対し出勤時の検温、店舗でのマスク着用や手指消毒を義務付け、調理人も必ず手袋を着用しています。生ものを扱う飲食店であるため、感染対策には特に気を配っています。

また、関西を中心に展開する焼肉店「ワンカルビ」では、テイクアウトや店舗の事前予約、混雑状況の確認への協力を利用客へ依頼しており、店舗での密集や密接を避ける工夫をしています。

モバイルオーダーは事前の注文を通じて店舗滞在時間を縮小させることができるサービスです。大手カフェチェーンの「スターバックス コーヒー」でも行われています。

同社では、アプリでの事前注文や事前決済によりレジに並ぶことなく商品が受け取れるサービス「Mobile Order & Pay」を約1,100店舗で展開しています(2020年10月9日時点)。

このように飲食店でもさまざまな取り組みが行われています。事業者は店舗の形態に合わせた感染対策を選び取っています。

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ガイドラインを参考に新型コロナウイルス感染対策を

現在、新型コロナウイルスの感染拡大により、飲食店をはじめとした各事業者は未曾有の事態にさらされています。

このような状況下では、「外食業の事業継続のためのガイドライン」のほか、店舗が所在地を置く地域のガイドラインや感染予防対策をチェックし、店舗の安全対策を見直すことが求められます。

ガイドラインに沿った対応は利用客に安心感を与えることができるため、店舗の客足回復にもつながるでしょう。

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