新型コロナウイルスが猛威をふるっており、飲食店などの施設や人の集まる劇場などは休業要請の対象となりました。都道府県によっては、民泊施設も休業要請の対象と決められました。
休業要請が取り下げられても、以前と同じように営業するのでは、顧客に不安感を与えてしまいます。民泊施設は同じ部屋を不特定多数の人たちが利用するため、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される場所であるからです。そのため民泊の事業者は、十分にウイルス対策をする必要があります。
この記事では、休業要請の期間中にできる取り組みや、営業再開後に行うべき対応について解説します。
民泊への休業要請と給付金の対応
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、多くの都道府県では、民泊事業者に対し休業要請を発令しました。以下では、各都道府県が発令した休業要請や、支給している給付金について解説します。
休業要請
各都道府県において、民泊を休業要請の対象とするか否かは異なっています。
例えば東京都の場合は住宅、宿泊施設(ホテル又は旅館、共同住宅、寄宿舎又は下宿等)は、社会生活を維持する上で必要な施設であるとしており、感染防止対策に協力した上で営業するよう要請しています。北海道の場合も同様に、民泊は休止要請の対象外であるとして、感染防止対策への協力を要請しています。
一方で栃木県の場合は、床面積の合計が1,000㎡以下の施設又は行楽を主目的とする宿泊に係る事業に対し、施設の使用停止を依頼しています。そのため、民泊も休業要請の対象となります。
このように休業要請の対象は都道府県により異なるため、地方自治体のウェブサイトで確認が必要です。
給付金
各都道府県では、休業要請に応じた民泊事業者に対して給付金を支給しています。
例えば東京都の場合は、宿泊事業者(床面積1,000㎡以上、宴会場のみ)に対し「感染拡大防止協力金」と称して50万円、2事業所以上で休業等に取り組む事業者には100万円を支給しています。
北海道、千葉県、京都府、大阪府など多くの都道府県において、東京都と同様に「床面積1,000㎡以上、宴会場のみ」を対象とする条件を設けています。
一方で、施設の床面積を問わずに給付金を支給する自治体も存在します。長野県では「拡大防止支援金」と称し、休業した観光目的の宿泊施設等に対し、1事業者あたり30万円を給付します。
また、三重県でも「宿泊予約延期協力金」と称し、4月25日から5月6日までの期間中、宿泊予約の延期やキャンセルをした宿泊事業者に対し、1施設あたり最大12万円を支給します。
民泊の休業期間中の取り組み事例
多くの都道府県において、民泊施設は休業要請の対象となっています。しかし、民泊施設を新型コロナウイルスの感染拡大防止のために貸し出し、社会的意義のある活動をしている事業者も存在します。
以下では、休業要請期間中にできる取り組みについて解説します。
札幌市で民泊を一時避難先として提案
札幌市では、民泊を新型コロナウイルス対策に活用しています。現地の民泊事業者が加盟する住宅宿泊管理事業者連絡協議会は3月、新型コロナウイルス感染の疑いがある人の家族に対し、民泊施設を必要経費のみで提供すると発表しました。
これは、感染の疑いがある人が自宅待機を求められた場合に、民泊施設が家族の一時避難先として受け入れるという取り組みです。
事業者は正規の宿泊料金ではなく、部屋の消毒などに必要な最低限の金額を受け取ります。北海道新聞の報道によると、通常5,000円ほどの宿泊料が、1人1泊2,500円程度になるということです。
テレワーク向けに活用
民泊の新型コロナウイルス支援は、感染者だけでなく、サラリーマンも対象としています。
楽天とLIFULLが共同で運営する宿泊・民泊予約サイト「Vacation STAY」は、テレワークで働く人を対象に、無人チェックインができ、Wi-Fiや家具が付いた宿泊・民泊施設を特集しています。紹介しているのは、全国およそ30の都道府県の民泊のうち、机やWi-Fiの設備が整っている550余りの部屋です。
人どうしの接触を減らすため、カギの受け渡しは直接せず、事前に知らされた番号の入力で入り口があくシステムも導入されています。
出勤による感染リスク低減を求めるサラリーマンを対象とした取り組みで、感染拡大の防止に役立つと予想できます。
営業再開後の対応
民泊施設は、不特定多数の人たちが同じ施設を利用するといった性質上、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される場所です。そのため事業者は、消毒や清掃などの対策を十分にとった上での営業再開が求められます。
以下では、営業再開を決めた民泊事業者の取るべき対応について解説します。
新型コロナ感染に関する対応
2月5日、厚生労働省より「旅館等の宿泊施設における新型コロナウイルス感染症への対応について」の通知が都道府県等に通知されました。
この通知には、宿泊業者が新型コロナウイルスに関して留意すべき事項や、患者が発生した場合の対処法などが記載されています。5月19日には、追加で変更連絡の通知もなされました。
この通知に基づき、各自治体がHPなどで呼びかけています。
ただし、民泊のような住宅宿泊事業法の届出住宅については、旅館業法第5条のような宿泊をさせる義務は規定されていません。明確な義務ではないものの、民泊も厚生労働省の通知に従い、同様の対応を取るのが望ましいと考えられます。
コロナ対策の情報発信
宿泊事業者は営業再開をする際、ホームページやSNSなどを通じ、宿泊者に告知する必要があります。
旅行者は新型コロナウイルス禍において、衛生環境や安全性、ソーシャルディスタンスの確保を求めます。そのため民泊施設においても3密の回避をし、ソーシャルディスタンスが確保できる宿泊形態になるよう準備することで、需要の回復が望めます。
情報発信の際にも、民泊施設内で積極的な感染予防対策を行なっていることをアピールし、宿泊者を安心させることが必要です。
アフターコロナに向け対応を
5月20日の時事通信の報道によると、5月11日時点での全国における民泊向け住宅は2万1,176戸で、2018年6月の民泊法施行以来、初の減少だったと判明しています。現在、民泊業社にとって厳しい状況が続いており、廃業を選ぶ事業主も多いことがわかります。
しかし、民泊事業者向けに各都道府県では現金支給の支援を行なっています。また、新型コロナ対策に民泊施設を活用することで収益を得ることもできます。このような支援を活用し、事業の経済活動持続につなげていくべきです。
5月25日には全国で緊急事態宣言が解除されましたが、新型コロナウイルスの収束までにはまだ時間がかかると予想されます。現在できる対策を考え、実行していくことが重要です。
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