ホテルの開業に向け準びを始める際、何から手をつければいいか分からない、資金はどれくらいあれば足りるのだろうかと悩む事業者も多いでしょう。
この記事では、ホテルの開業を考えている方に向けて、ホテルを開業するまでの流れや費用について解説します。
また、ホテル開業後に重要になってくる、口コミの重要性についてもご紹介します。
法律で定められたホテルの営業種別とは?
宿泊所を提供するためには、法律で定められた営業許可を取る必要があります。
その際は、提供する宿泊スタイルによって、営業許可をとる種別が異なります。
そのため、法律で定められている各営業種別を理解する必要があります。
旅館業法に記された3つの区分を知ろう
まず前提として、旅館業とは「不特定多数の人々に対し、宿泊料を受け取って継続的に宿泊サービスを提供すること」を指します。
そして旅館業法に基づいて宿泊事業を展開する際は、「旅館・ホテル営業」「簡易宿所営業」「下宿営業」の3つどれかの許可をとる必要があります。
以下、それぞれの定義となります。
- 旅館・ホテル営業:和式または洋式の構造及び設備を主とする施設で人を宿泊させる営業
- 簡易宿所営業:宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設で人を宿泊させる営業(ゲストハウスやホステルなどが該当)
- 下宿営業:施設を設け、1ヶ月以上の期間を単位として人を宿泊させる営業
ホテルを開業するなら「旅館・ホテル営業」
ホテルを開業したい場合は、「旅館・ホテル営業」の許可をとる必要があります。
2018年の改正旅館業法までは、旅館とホテルは構造や設備に対してそれぞれ定義がありました。
しかし改正旅館業法では、営業種別が統合され、構造や設備に関する文言がなくなり明確な区別はなくなりました。
ゲストハウスを開業するなら「簡易宿所営業」
ゲストハウスを開業したい場合は、「簡易宿所営業」の許可をとる必要があります。
「簡易宿所」とは宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設のことを指します。
簡易宿泊所には、フロントを設ける必要がない、小規模でも運営できるなどの特徴が挙げられます。
ホテル開業に必要な資格と資金・準備を解説
旅館業法の違いを理解し、その上でホテルを開業するとなった場合、開業に必要な資格や、開業にかかる費用などを事前に理解する必要があります。
ホテル開業に必要な資格・許可は?
ホテル開業にあたり、オーナー個人に必要な資格はありませんが、営業許可が必要です。ホテル開業には、「旅館・ホテル営業許可」が必要です。
「旅館・ホテル営業許可」を取得するには、開業するエリアの都道府県に申請が必要です。例外として市や特別区が保健所を設置している場合は、市・特別区への申請が必要です。
申請する都道府県によって若干の違いがありますが、申請をする際は概ね下記の書類を用意する必要があります。
申請前に担当窓口へ必要書類を確認すると良いでしょう。
- 営業許可の申請書
- 構造設備の概要
- 付近の見取り図平面図、設備図、照明器具図、配置図等の図面
- 消防法令の適合通知書
また施設内に食堂やレストランを併設する場合、飲食業の営業に関する許可も必要です。
その際は、追加で以下の用件を満たしている必要があります。
- 「食品衛生管理者」の資格を持っている
- 「防火管理者」の資格を有している(*収容人数による)
ホテル開業に必要な費用と設備について
ホテルの開業に必要な費用は大きく4つになります。
- 物件取得費
- 人件費
- 広告宣伝費
- 物品購入費
上記の中で物件の取得はもっとも重要であり、物件によって開業費用も大きく異なります。
例えば、都内一等地に構え、客室数も多い「ホテルニューオータニ」の開業費用は、10億円は必要ではないかと推測されます。
費用を抑えたい場合は、地価が安い地方での開業または、ホテルや旅館として利用されていた居抜き物件を活用する方法などがあります。
物件取得費は開業コスト削減の対象となりやすい一方で、顧客からの評価に直接影響するため注意が必要です。
近年はITの導入で、内線の代わりにスマートフォンやタブレットを設置するなどして、人件費の削減を行うケースもあります。
日本政策金融公庫の融資を活用しよう
株式を発行し投資を受ける場合、議決権が株主に発生し、ホテル運営も株主の総意のもと行わなければなりません。
一方で銀行からの融資は、経営方針への関与はないものの、返済義務があり、融資を受けるためには経営実績や担保が必要なためかなりハードルが高くなります。
日本政策金融公庫は政府100%出資の政策金融機関からの融資で、さまざまな種類があります。
融資期間、担保の有無などによって異なる利率が適用されるため、自社事業に最適な融資が見つかるでしょう。
ホテルにとって口コミは命!口コミ対策を忘れずに
ホテルの利用には、口コミの評価が大きな影響を与えるようになっています。
Booking.comなどのOTAにホテルの情報を掲載すれば、ホテルの情報がより多くの人の目に留まるようになり、口コミも投稿されやすくなります。
またGoogle マイビジネスに投稿された口コミはGoogle マップ上に表示されるため、Google マイビジネスの活用も有効な手段です。
ただし、ネガティブな口コミも投稿される可能性があるため、顧客に満足してもらえるサービスの提供はもちろんのこと、ネガティブな投稿があった場合の対処法を決めておく必要があります。
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ホテル開業は準備が肝心!口コミ対策を念頭に置いた開業準備をしよう
ホテル開業の流れを記にまとめました。
- 旅行業法の区別を理解する
- 開業に必要な許可と、申請フローを理解する
- 開業にかかる費用を見積もる
- 資金の集め方を決める
ホテル開業までには多くの準備が必要なため、手順や必要なことを一通り把握しておくことが大切です。
開業する管轄によって必要な書類などが異なるため、必ず担当窓口へ事前確認が必要です。
また開業準備から開業後の運営についても、ある程度イメージしておくことで継続的な営業が可能となるでしょう。
開業後の集客には、口コミによる集客などが考えられます。
口コミを投稿できるように、Booking.comなどのOTAサイトやGoogle マイビジネスへの登録を行いましょう。
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