連載企画「#勝手に分析」シリーズでは、Instagramのマーケティングツール提供・運用支援を行う株式会社SAKIYOMIが、Instagram上で人気のアカウントをピックアップし、独自の視点で「マネしたくなる」施策を分析。飲食店や小売店など、実店舗のInstagramマーケティングに役立つノウハウをお届けします。
第1弾の今回は、全国の飲食店を紹介するアカウント「食べスク~グルメ好きのための学校~」(https://www.instagram.com/tabesuku.zenkoku/)がどのような施策を実施しているのかについて解説いただきます。
「食べスク」がInstagramを運用する目的は?
「食べスク~グルメ好きのための学校~」は、全国の飲食店をまとめて紹介するアカウントです。
この「食べスク」がInstagramを運用する目的は、記事への流入数増加、そして食べスクがプロデュースする飲食店の広告でしょう。
趣味の食べ歩きがInstagram運用に繋がり、フォロワー数増加と共に、マネタイズの要素が増えたのだと考えられます。
「食べスク」がターゲットとして設定しているのは?
「食べスク」がターゲットとして設定しているのは、「食べることが好きな人」だといえます。
フォロワーを見ると約3割が公開アカウントを保有しており、フォロワー自身もグルメに関する情報を発信していることが特徴的です。
そのようなフォロワーはグルメに関する情報だけでなく、写真の撮り方や投稿内容など、アカウント運営という観点からも参考にしていると考えられます。
残りの約7割の非公開アカウントは投稿自体に興味があり、見ているだけで満足するようなフォロワーが多いと考えられます。
「食べスク」が競合と差別化を図っている点は?
「食べスク」が競合と差別化を図っている点は大きく2つあると考えられます。
1つ目の差別化ポイントは、投稿です。このアカウントの投稿の特徴は、1つの投稿で10軒のお店を紹介しているところ。全てに住所、最寄り駅、営業時間、おすすめポイントが記載されており、これを見ればお店の概要が分かるようになっていますが、お店が多い分、1つのお店のコメント量や写真の枚数は減ってしまいます。
その問題に対してこのアカウントではキャプションにはお店の名前のハッシュタグを載せています。投稿を見てより知りたくなった人はハッシュタグ検索に飛びやすくなる工夫をしているのです。
紹介する軒数が増えたことで生まれた弱みに対して施策を打ち、差別化を図っていると考えられます。
2つ目の差別化ポイントは、コンセプトです。従来、グルメアカウントは、通常ガイドブックのような「情報を提供する媒体」として捉えられます。
一方で、「食べスク」では「学校」というコンセプトにより、「教える」「教わる」という双方的なコミュニケーションを想起させています。これによりアカウントの先にいる「人」を感じさせ、アカウントに対して親近感を抱きやすくなるような工夫がなされているのです。
「食べスク」が実施しているマネしたい施策3選!
1. フィード投稿をリールに転用
「食べスク」では、フィード(通常の投稿)に投稿した内容をリールに転用しています。
フィード投稿に音楽をつけ、リールとして載せることで新たに映像を作成する負担を減らしつつ、フィード投稿をフォロワー外にもリーチすることができます。
2. 滞在時間が増えるまとめ投稿
滞在時間が増えると、それだけユーザーに注目されている質の高い投稿ということで、アルゴリズム的に拡散されやすくなります。
滞在時間を増やすには画像、キャプションなど全てのコンテンツを見てもらう必要があります。
その点に関してこのアカウントでは、「Zの法則」に基づいた画像の配置を行っています。※Zの法則:人間が画像などを見る際、左上→右→左下→右と「Z」の順番に視線を動かすという法則。
Instagramのユーザーはしっかり読むぞと思って投稿を見ていません。投稿の画像に全てに目を通してもらい、滞在時間を増やすには人の視線の流れにあった正しい配置を行う必要があります。
3. 親近感を持たせるプロフィールとハイライト
フォロワーとアカウントの編集部による質疑応答集をハイライトに載せることで、アカウントの先にいる「人」を想起させています。
また、プロフィール文に「フォローといいねで入学」という文言を載せることで、生徒が集まる学校というコミュニテイに入る感覚になります。このようにアカウントに対して親近感を抱きやすくなるような仕組みがなされています。
「食べスク」はどんなマネタイズの工夫をしているのか?
1. ウェブサイトの記事への流入を自然に促すハイライト
「食べスク」はハイライト(ストーリーズをプロフィール上に残しておく機能)でクイズを出題し、「正解はこちら」「上にスワイプしてウェブサイトを見る」として、ウェブサイト上の記事へ誘導しています。
ここでポイントなのがスワイプアップの目的が「記事を読む」ではなく「正解を知る」に変わっていることです。
ウェブサイト上の記事はInstagramの投稿よりも文字数が多いため、スワイプアップを断念するユーザーが多くなっています。そこでクイズの正解を知ることが目的になれば、スワイプアップをするメリットが明確になります。
また、正解を知りたいという目的ができるため、記事に誘導してからの離脱が起こりにくいと考えられます。
2. お店を疑似体験できるリール
「食べスク」では、アカウントがプロデュースするお店を、お客様視点で撮影した映像を投稿しています。待ち合わせから、購入して食べるところまでを擬似体験できるのがこのリールの特徴です。
Instagramを見て実際に行きたいと思う飲食店の要素として、メニューの見た目だけではなくお店の雰囲気など様々な要因があります。それらの要因を映像を通してアピールできるのは集客する上で大きな効果が生み出せると考えられます。
3. UGCで信頼度UP
「食べスク」は、UGC(ユーザー生成コンテンツ)も活用しています。
インフルエンサーからのタグ付により、アカウントが提供している情報の信頼度が上がります。また、インフルエンサーが抱えているフォロワーにもリーチすることができるため、幅広い認知を獲得できます。
まとめ
「#勝手に分析」シリーズ、第1弾の今回はグルメ系アカウントの「食べスク~グルメ好きのための学校~」を解説してきました。
「食べスク」は、学校というコンセプトと投稿で競合との差別化を図ってきました。差別化するということは何かに特化することを意味すると思いますが、そうすると必ず弱みが出てきます。
このアカウントの素晴らしい点はその弱みに対してしっかり施策を打ち、フォロワー獲得につなげているところです。
Instagramのフォロワーを増やすための方法に関しては、下記の記事にて体系的にまとめておりますので、ぜひ合わせて参考にしてみてください。
Instagramでフォロワーを増やす4つのロジックと14の施策を徹底解説!
Instagramはアルゴリズムとユーザーインサイトに基づいて運用をすれば必ずフォロワーの増加や売上の増加につながります。
ぜひ今回紹介したアカウントのコンセプトや施策を参考に、日々のアカウント運用を見直してみてください。
プロフィール
株式会社SAKIYOMI
Instagramの分析・課題発見ができるマーケティングツール「SAKIYOMI」、Instagram運用代行・コンサルティングを提供。
公式ブログでは、Instagramの分析手法や運用のノウハウ、トレンドなどを発信している。
▼外部リンク
株式会社SAKIYOMI 公式ブログ
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