消費者行動の変化により、消費者は商品やサービスを購入する前にレビュー(口コミ)を確認してから意思決定をする傾向が強くなっています。
店舗集客でもレビュー(口コミ)の影響力は大きく、グルメサイトなどのレビュー(口コミ)が集客に大きな影響を与えています。
それらを背景に口コミマーケティングなどの新しい用語も登場しています。
この記事では、レビュー(口コミ)が購買行動に与える影響や効果的なレビューの獲得方法まで紹介します。
レビュー(口コミ)が商品購入に与える影響力
消費者がインターネットを通じて商品を購入する際に、指標の1つとなるのがレビュー(口コミ)です。
実際にどのくらいの人がレビューを参考にしているのか、またレビューを参考にする際にどのような点に注目しているかについて紹介します。
インターネット利用者の過半数が商品購入の際にレビュー(口コミ)を参考に
総務省は2016年にインターネットショッピングサイトを対象に、買い物をする際にどの程度レビューを参考にしているかのアンケートを実施しました。
その結果、20代から60代のどの年代において「参考にする」と回答した人が6割を超え、過半数を占める人がレビューを参考に商品を購入していることがわかりました。
さらに、年代が若くなるにつれて「かなり参考にする」の割合が高いことから、若い世代に向けた商品PRにはレビューが欠かせないものとなることが示唆されます。
レビュー(口コミ)の良し悪しが購入に影響を与える
SALSIFYが2019年に米国で行った調査によると、ほぼすべての年代で商品の質の高さは高評価のレビューが示していると認識しています。
同様にほぼすべての年代でブランド名ではなくレビューを見て商品の質を判断していると回答しています。
デジタルシェルフ総研が2018年12月21日~ 2018年12月23日に行った「Amazonレビュー信用度調査」では、世帯年収が600~800万円の層では全体的にレビューを信用し、悪いレビューは見ない人が多いと報告されています。
一方で、世帯年収が1,500~2,000万円の層では、全体的にレビューを信用しておらず、悪いレビューをよく見ている人が多いと報告されています。
しかしながら、レビュー点数に関する調査では、世帯年収が低い層で高い点数に不安を感じる傾向があり、逆に世帯年収が高い層では、低い点数に不安を感じる傾向があるとされています。
これらの報告から、どのような層においてもレビューの質を求めているのは同じであることが想定されます。
レビュー(口コミ)は鮮度も重要
消費者がレビューを見る際に、その内容以外にも着目していることが最近の調査によって報告されています。株式会社サウスポーは、「口コミの影響力に関するマーケティング調査」を、2019年に全国の10代から60代の女性1,071名を対象に実施しました。
これによると、約66%の回答者、つまり、およそ3人に2人が口コミサイトを見るときに「口コミの投稿日を気にしている」ことがわかりました。
さらに、「口コミ投稿日を気にしている」と回答した709名のうち、83.8%もの人が「6か月以上前の口コミは参考にしない」と回答しています。
これらの結果から、口コミにはいわゆる「鮮度」があり、口コミが投稿された時期が6か月以上前のものである場合、消費動向に影響を与える可能性が低下することが示唆されます。
口コミマーケティングとは
近年注目されているマーケティングの手法の1つが、口コミマーケティングです。具体的な方法とその有益性や実際に使用できるプラットフォームについてもまじえて紹介します。
口コミマーケティング用語「バズマーケティング」「バイラルマーケティング」とは?口コミを活用した広告手法について解説
登壇するのは、口コミコム のアドバイザーであり、Googleのダイアモンドプロダクトエキスパートとしても活動中の永山卓也氏。Googleマップや口コミ対応などに詳しい永山氏から、最新のニュースやマーケティングノウハウについてわかりやすく解説いただきます!
口コミマーケティングとは
口コミマーケティングは、その文字通り消費者から寄せられた口コミをコンテンツとして応用したマーケティング手法を意味します。
口コミがSNSを通じて拡散されることで、低コストでありながら新規顧客の獲得や商品のPRが可能であり、近年注目されています。
口コミマーケティングが注目されるようになった背景として、SNSの普及が挙げられます。
InstagramやTwitterなど、消費者が元々利用していたツールを活用することで、レビューが消費者の目により留まりやすくなったことから、有益なコンテンツとして注目する人が増加しました。
さらに、口コミマーケティングは検索流入にも影響を与えられ、検索で上位に表示されやすくなるなどのメリットがあります。
口コミマーケティングのメリット・デメリット
レビューマーケティングをするメリットとしては、消費者の共感や親近感を得られる点が挙げられます。
レビューをするのは企業ではなく、あくまでも消費者であるため、信頼度の高さや客観性があります。
さらに、消費者ならではのアイデアも一緒に投稿されることがあり、商品やサービスの改善にもつなげられます。
また経済面からも広告費をかけずに消費者のアテンションを獲得することが期待できます。
一方デメリットとして、レビュー内容の正確性や質の問題が挙げられます。
レビューを記載する人の主観によっても内容は左右されるため、意図しない記載が含まれる場合もあります。
さらに、ネット炎上対策として「ステマ」との線引きをしっかりとしなければならない点や、著作権や肖像権などの権利侵害問題も注意が必要です。
口コミマーケティングとは?店選びで重視する情報源1位の「口コミ」を集客に使う方法
具体的には、口コミ投稿のページへ誘導するQRコードを店内に設置し、口コミを収集します。そうすることによって、その収集した内容をもとにサービスの改善につながったり、投稿した口コミは第三者にも見られるため、そのユーザーに対する宣伝機能も担うという効果がもたらされます。
店舗のレビューマーケティングに使えるプラットフォーム
レビューサイトを活用する場合、飲食系では「食べログ」「ぐるなび」「HOT PEPPER グルメ」「Retty」、美容系では「HOT PEPPER ビューティー」「楽天ビューティ」などが活用できます。
またFacebookやTwitterなどのSNSを活用する方法もあります。
写真等を投稿し、フォロワーのリアクションを通じて拡散してもらいます。
レビュー投稿をした人にポイントをプレゼントするなど、サービスを充実させることも効果的となります。
SNSマーケティングのポイントとは|UGCを促しユーザーと接点をもつコツ・事例
Facebook(フェイスブック)、
口コミ(レビュー)を集める方法
レビューを獲得する方法はさまざまです。ここでは3つの方法を紹介します。
口コミの投稿を直接依頼する
会計時などの待ち時間に「口コミの投稿をお願いします」と直接一言添えるのが最も効果的です。また、美容室や飲食店などで待ち時間が発生する場合は、その時間を利用して書いてもらうこともできます。
スマートフォンやタブレットを使い、その場で投稿方法を説明すると、顧客はイメージがわきやすいでしょう。操作ステップが多かったりわかりづらかったりした場合、投稿への意欲が下がってしまいます。
口コミを書いてもらう際は「例文を提示する」ことも効果的です。何を書けば良いか分からないユーザーもいるため、商品の使用感やメニューの感想、店舗の雰囲気など、投稿して欲しい内容を具体的に伝えると、投稿の煩わしさが軽減できます。
たとえばGoogleでは、良いレビュー(口コミ)を投稿してもらうための特典や書かなければいけないと感じさせることを禁止されています。
2024年6月には、消費者庁がインセンティブを用いてGoogleの口コミを集めた医療法人に対し、景品表示法(ステルスマーケティング告示)違反に該当するとして措置命令を行ったことがわかりました。詳しくは「【専門家解説】Google口コミの「ステマ」に措置命令 "★5投稿で割引"が景品表示法違反に、事業者やユーザーの責任は?」の記事で紹介しています。あわせてご確認ください。
口コミ(レビュー)への導線づくり
口コミを記載してもらうためには、消費者がレビューを記載しやすい環境整備も欠かせません。
このときに重要となるポイントとして、「口コミ投稿を促すお知らせをする」「初めてレビューを投稿する人でも簡単に投稿できるよう、口コミの記載方法法を掲載する」の2点が挙げられます。
口コミ投稿の推進方法として、商品の購入後にメール等を送信し、促す方法があります。
このとき、購入直後にメールを送信するのではなく、数日経てからメールを送信することで、数日使用してからの口コミを消費者に記載してもらえます。
これにより、実際の使用感が記載されるなど、口コミの質が上がることが期待できます。
書き方の面では、例文を載せるほか、価格や店員の対応といった記載してほしい項目については、質問項目をあらかじめ設けることで、記載しやすさが増します。
口コミ(レビュー)へ返信する
投稿された口コミに対して、丁寧な返信を送ることで企業への信頼度アップやそれを見た新規顧客にも好印象を与えられます。
これにより、新規顧客の獲得も期待でき、さらに顧客が増加することで口コミの件数の増加も期待できます。
口コミにリアクションを起こす際に大切なポイントとして、感謝の気持ちをしっかりと伝え、わかりやすく丁寧な返信をすることが挙げられます。
口コミの中には否定的な意見やマイナス評価のものもあるでしょう。
このような投稿はサービス改善のヒントにつながる場合があります。
マイナス評価であったとしても、謝意を伝え、改善していく姿勢を示すことで、好意的な印象を他の消費者にも与えられます。
口コミ(レビュー)が購買行動に与える影響は大きい
口コミが消費者の購買行動に与える影響は大きく、特にその内容や鮮度を消費者は重要視しています。
口コミマーケティングを採用することで、より消費者に近い視点からのマーケティングが可能となるだけでなく、広告費をかけずにアテンションを獲得することも可能となります。
口コミマーケティングに活用できるサイトやSNSは数多くあり、比較的導入しやすいと考えられます。
多くのレビューを獲得するためには、特典の付与や、投稿しやすい環境作り、口コミに対する企業側の丁寧なリアクションが求められます。
これらを基にレビューマーケティングの対策をとることで、より効果的な新規顧客の獲得につなげられることが期待できます。
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本記事では、主に2024年9月・10月の情報をまとめたレポートのダイジェストをお届けします。
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