Google マップに低評価口コミが投稿され、削除できないかと悩んでいる事業者の方もいるでしょう。
その悩みにつけ込んで、「低評価口コミを絶対に削除できます」などと謳う業者、通称「MEO業者」と呼ばれる存在がいます。店舗や施設の不安感をあおり、高額の報酬を得ているケースもあるようです。
本記事ではその内容の一部と、そのような業者に惑わされないための注意点について整理します。
※MEOについて、ここでは「Googleマップ上の店舗情報を整備したり口コミ投稿を促進したりすることで、店舗の来店につなげること」と定義します。
※Googleマイビジネスは、2021.11.5よりGoogle ビジネスプロフィールという名称に変更されました。
これに伴い、2022年にスマートフォン向けGoogleマイビジネスのアプリが終了します。
アプリ終了前に、これまでと同じように快適に使えるよう今から準備しておきましょう!
「口コミ対策」2年で400件を受注、医療機関をターゲットに
読売新聞の取材報道では、「口コミ対策」を医療機関に営業する組織がその手法を一部明らかにしています。
この業者は、特に口コミに敏感である町のクリニックをはじめとする医療機関を主なターゲットとしているそうです。
評価が3.5を下回ると経営にさしさわりがあるように伝え、口コミの評価を改善したいと思わせます。あるいは、都合の悪い口コミが書かれていることを指摘し、それを自社ならば取り除けることをアピールします。
業者は、複数のGoogle アカウントを用いて、偽の高評価口コミを書き込んでいるといいます。
この業者では2年前からこのような実態の口コミ対策を請け負っているといいます。既に400件の案件を受注しており、成功報酬は50万円程度、高評価口コミの投稿は1件1万数千円で提供していること、また評価の低いクリニックを営業の対象にしていることを話しています。
偽の低評価口コミを書き込み、意図的に評価を下げていると思われる事例も
関西のある耳鼻科では、この業者から口コミ欄のリセットや、虚偽の高評価口コミ投稿を提案するような電話がかかってきました。
また、別のある産婦人科では、事実無根のことが記された低評価口コミが投稿されたのち、「新たな口コミで総合評価を上げられる」旨を宣伝するダイレクトメールが業者から届いたそうです。
これは、業者が意図的に事実無根の口コミを書き込み、困っている医療機関に対してあたかも救いの手を差し伸べるかのように営業攻勢をかける「自作自演」であった可能性もあります。
<参照>
読売新聞:病院の口コミ、改ざん業者が高評価に書き換え…「評価3・5以下なら大変」と営業攻勢
悪質な業者を見抜く2つのポイント
ローカルSEO(MEO)は店舗や施設の検索をする消費者に向け、適切に情報を届けるための取り組みを意味しています。
その一環である良質な口コミの獲得には、顧客に対し満足や感動を与える体験を提供することが前提にあります。
こうした前提に立てば、店舗の評価を簡単に上げられるといった文言で営業をかけてくる業者には注意すべきであることがわかります。
1.「高評価の口コミを大量に増やせる」
Google マップのガイドライン内「禁止および制限されているコンテンツ」では、評価を操作する目的で投稿されたコンテンツや虚偽のコンテンツを明確に禁止しています。
Googleに投稿される口コミは、投稿者の実体験に基づいていなければなりません。そのため、体験に基づかない高評価口コミを書き込むことはガイドライン違反となります。
そもそも、実体験に基づかない口コミは表面的な感想しか表現できない可能性もあり、第三者が見た際に違和感を抱く可能性もあります。
このような口コミがあまりにも多いことは、店舗の印象を良くするどころか逆効果になってしまうかもしれません。
<参照>
ローカルガイド ヘルプ:禁止および制限されているコンテンツ
2.「店舗に不利な口コミを確実に非表示、削除できる」
通常、口コミはGoogleと投稿者だけが削除できます。それ以外のユーザーは削除できません。
ただし、Googleのガイドラインに違反するような口コミは問題としてGoogleに報告ができます。また誹謗中傷や嫌がらせの口コミが上記報告によっても削除されない場合は、投稿者を特定して個人情報開示請求を行うことも可能です。
しかし、削除のプロセスは両者ともに時間がかかるほか、口コミを確実に削除できる方法は存在しません。口コミの削除や非表示を確約している業者は、そもそも本来であれば不可能な内容を提案しているといえます。
店舗が実施すべきMEO対策とは
MEOは口コミをただ増やすことがゴールではありません。店舗の評判を高め、体験を顧客の言葉でシェアしてもらい、ネット検索をする見込み顧客に彼らが必要とする情報を届けられるようにすることが目的です。
日頃から取り組める施策として特に重要なものを、以下に2つ紹介します。
1.Googleマイビジネスを利用し、情報を正確に保つ
多くの消費者は、Google 検索やGoogle マップで店舗や施設の情報を目にしています。この際表示される店舗情報を正しいものとして捉えるネットユーザーも多いため、Googleに掲載されている情報の正確さはとても重要です。
実際の住所とGoogle マップ上の住所が異なる、営業時間が間違っている、メニューが間違っているなどの事態があれば、来店客からの信用を失うことに繋がります。
これらの情報は、一般ユーザーや、Googleによる判断で書き換えられてしまうこともあります。
店舗オーナーは編集ツールであるGoogleマイビジネスを活用し、情報の編集や、誤った修正提案を却下するといったことに取り組むとよいでしょう。
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2. 口コミの投稿を促し、口コミ欄を適切に管理する
来店客に口コミの投稿を依頼し、多くの口コミを集めることも重要な施策です。
口コミはほかの消費者が店舗や施設を訪れる際の参考になるほか、事業者は口コミを元に店舗や施設の強みや弱みを把握できます。
なお、見返りを与えて高評価の口コミを投稿するよう依頼することはGoogleのガイドラインに違反するため注意が必要です。
投稿された口コミにはできる限り全て返信し、高評価の口コミであればお礼の言葉、低評価の口コミであれば謝罪と改善方針を示すことで、口コミの投稿者だけでなく閲覧者にも誠実さが示せます。
口コミ投稿がされた当時と現在で状況が異なる場合は、返信欄でその旨を伝えるとよいでしょう。
たとえば「たばこの煙が不快だった」のような過去の営業形態に対する口コミに、全席禁煙化したことを返信すれば、元の投稿を見た第三者に誤解されるのを防げます。
複数の店舗や施設を経営しており、拠点ごとの口コミへの対応が難しい場合には、口コミの投稿状況や返信を一元管理できるツールの導入を検討してもよいかもしれません。
MEOが集客につながる
ローカルSEO(MEO)業者の中には、口コミを確実に削除できる、評価を確実に上げられるなどの文言を用いて営業する組織も存在します。
Googleマップの口コミを削除したり評価を上げるための確実な方法は存在せず、したがってこのようなうたい文句で売り込む業者の手法には、Googleのガイドラインに違反するものが含まれていると考えられます。
このような業者にMEOを依頼すると、自社のGoogle マイビジネスやGoogle アカウントが停止、削除されるなどのリスクもあるでしょう。
MEOは一つひとつの手法を表面的に覚えるだけでなく、その取り組みが真に顧客のためになっているかどうかを念頭において判断し、手を動かすべきです。こうした観点を用いれば、自ずと、頼るべき組織とそうでない組織を見分けることができるでしょう。
口コミラボ 最新版MEOまとめ【24年11月版 Googleマップ・MEOまとめ】
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本記事では、主に2024年11月の情報をまとめたレポートのダイジェストをお届けします。
※ここでの「MEO」とは、Google上の店舗・施設情報の露出回数を増やしたり、来店行動につなげたりすることで、Google経由の集客を最大化させる施策を指します。
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