リテールメディアとは?注目の理由や事例、メリットを解説

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日経クロストレンドが発表した「トレンドマップ 2023下半期」のマーケティング分野で、将来性と経済インパクトの面から「リテールメディア」が注目のキーワードに挙げられました。

今後、欠かせないマーケティングチャネルのひとつになりうるリテールメディアとは、どんな広告手法なのでしょうか。

本記事では、リテールメディアの仕組みや注目されている背景、企業での導入事例などを解説します。


リテールメディアとは

リテールメディアとは、小売企業が保有する顧客の購買データや行動データを活用して、広告を配信する仕組みのことです。身近なところでは、店頭デジタルサイネージ店舗アプリがその一例です。


従来のインターネット広告では、検索履歴や動画視聴履歴など利用者の行動傾向をもとに、検索者の属性を予測して広告配信をする手法が多く活用されていました。

一方リテールメディアは、小売店が独自に蓄積した購買データや、小売店アプリの利用ログなどの行動データを用いることで、精緻(せいち)にターゲティングできることから少しずつ広がりを見せています。

たとえば顧客の購買パターンを分析して最適なタイミングでアプリ上にクーポンを配布したり、店頭での販促活動に活用したり、それぞれの顧客の行動に沿った提案が可能です。

小売企業とメーカー、消費者の三者にメリット

顧客データの活用という面において、リテールメディアは小売企業とメーカー(広告主)、消費者の三者にメリットがあるといわれています。

まず小売企業にとっては、リテールメディアを活用することで販路拡大や売り上げ拡大が見込めるほか、広告媒体としての役割を担うことから、広告収入を得られる点がメリットです。

一方メーカー(広告主)にとっては、小売企業が独自に保有し、活用しきれていなかった顧客データを活用することで、より精度の高いマーケティング施策を打てる点が魅力といえます。

消費者にとっても、最適なタイミングで興味・関心に近い広告が表示されることで、購買につながりやすくなり、購買体験の満足度向上が期待できます。

ターゲティングから広告配信、効果測定までしっかりPDCAを回すことで、より高い効果を期待できる点がリテールメディアの特徴といえます。

リテールメディアが注目されている2つの理由

なぜリテールメディアが最近注目を集めているのでしょうか。背景には、昨今の急速なデジタル技術の進歩があります。デジタル技術を生かすことで、人手不足やそれに伴う人件費高騰、物価高など小売業界が抱える課題を解決できるとして、国からも期待が寄せられています。

リテールメディアが注目されている理由をふたつ解説します。

1. 「情報収集」や「消費」がオンライン化したから

まず注目される理由として、わたしたち消費者が商品を購入する際の情報収集や消費がオンライン化したことが挙げられます。

従来はチラシやテレビCMなどから情報を得ていましたが、インターネットが普及した現在、Webメディアやアプリなどオンラインでの情報収集に移行しています。情報収集のオンライン化に伴い、企業によるデジタル媒体を通した接客頻度も増加しています。

さらに、新型コロナウイルス感染拡大により幅広い層にオンライン消費が浸透し、企業のマーケティング活動のオンライン化が進みました。

こうした流れを受け、リテールメディアは顧客の購買行動にもとづいたマーケティングを行いつつ、オンライン上で広告やコンテンツを提供できる仕組みとして、小売業界から注目を集めているのです。

2. サードパーティクッキーの代わりになりうるから

近年、インターネット上でプライバシー保護が強化され、法整備などの対策が進められています。

これまで企業が広告配信をする際、精度の高いターゲティングを実現するために「サードパーティクッキー」が活用されていました。

サードパーティクッキーを使えばユーザーのブラウザ履歴を追跡でき、閲覧したWebサイトや閲覧履歴を取得できるため、購買の可能性が高いユーザーに広告を表示できました。

しかしGoogleは、プライバシー保護の観点からサードパーティクッキーの利用を段階的に制限し、2024年中には全廃することを発表しました。そこで注目されているのがリテールメディアです。

リテールメディアはGoogleソーシャルメディアなどのプラットフォームに依存せず、小売企業が自社で保有する顧客データを活用できる仕組みである点が強みです。たとえば小売店が発行するポイントカードは、顧客一人ひとりに付与しているIDをもとに購買データを蓄積していますが、こうした情報も有効活用できます。

インターネット技術の進化と、それに付随するさまざまな問題にも対応できる取り組みとして、リテールメディアは時流に沿ったマーケティング手法といえるでしょう。

リテールメディアの導入事例×3

リテールメディアはすでに海外の小売業界では影響力のある手法として浸透しており、グローバル市場規模は推定12兆円と見られています。

日本でも今後、重要なマーケティングチャネルのひとつになることが予想されます。最後に、リテールメディアを活用した各企業の取り組みを紹介します。

1. セブン-イレブン・ジャパン

国内でもいち早くリテールメディア事業に乗り出した企業のひとつが、セブン-イレブン・ジャパンです。

登録者数が1,900万人を超える自社アプリを通じて、顧客一人ひとりの購買履歴にもとづいた広告やクーポンを配信しています。

2022年からは店舗に設置したデジタルサイネージで広告配信の実証実験をスタート。同年9月には専門部署となる「リテールメディア推進部」を新設するなど、リテールメディアの本格活用に乗り出しています。

2. ファミリーマート

ファミリーマートは、リテールメディアを活用した広告配信のなかでも、とくにデジタルサイネージ広告に力を入れています。

全国約8,800店舗デジタルサイネージ「FamilyMartVision」を設置し(2023年12月末時点)、自社アプリやPOSの購買データと連携させることで、より細かい広告効果の測定を実現。

3つの大型スクリーンを連結したシステムで、視認性の高さからオフラインでの広告効果も期待できます。

3. Amazon

海外におけるリテールメディアの代表例がAmazonです。Amazonでは検索結果の上部に表示される枠を広告枠として販売しています。

Amazonとしては広告収益が入る一方、商品の販売事業者としては親和性の高い広告をユーザーに配信できる点がメリットです。

まとめ

リテールメディアは、日本の大手小売企業をはじめ、世界中で広がりを見せているマーケティング手法です。小売企業が自社製品やサービスを効果的、かつ最適なタイミングで顧客に伝えられる点が特徴といえます。

購買データにもとづき、顧客のニーズに沿った販売促進ができるだけではなく、サービスの改善や新しい商品開発にも役立てられるなど、デジタル化が加速する小売業界において、今後ますます存在感を増していきそうです。

<参照>

日経クロストレンド:「リテールメディア」が将来性で伸び率1位 CRMの重要度も増加
Google:プライバシー サンドボックスの今後の展開: Chrome での提供と開発者向け大規模テストのサポート
株式会社セブン-イレブン・ジャパン:2022年8月15日ニュースリリース
日本経済新聞:セブン、広告事業参入 1900万人登録アプリに掲載
株式会社ゲート・ワン:FamilyMartVision

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    この記事の筆者

    口コミラボ編集部

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