新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、多くの飲食店が休業や時短営業をせざるを得ない状況になっています。中でも特に大きな打撃を受けているのが、個人飲食店です。
そんな中、顧客の激減に伴い収益が下がってしまった飲食店を支援しようと始まったのが「おいしいは、コロナに負けない。」プロジェクトです。
今回の記事では、このプロジェクトの概要について紹介します。
※「おいしいは、コロナに負けない。」プロジェクトは4月末をもって終了しました。
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「おいしいは、コロナに負けない。」プロジェクト
「おいしいは、コロナに負けない。」とは、新型コロナウイルスの影響で客足の減っている個人飲食店をクラウドファンディングにて支援するプロジェクトです。
3月10日~3月31日に「フェーズ1」として第一弾が実施され、4月1日~4月30日にかけては「フェーズ2」として第二弾が実施されました。フェーズ1の支援者は93人、合計642,000円の支援金が集まりました。フェーズ2ではそれを上回る98人が支援し、875,750円が集まりました。
ここでは、どのようにしてこのプロジェクトが発足したのか、またプロジェクトの目指すところやその仕組みに触れます。
プロジェクト誕生のきっかけ
この「おいしいは、コロナに負けない。」プロジェクトの発起人は、横浜市でハンバーガー店を営む阿部和彦さんです。
新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するため外出自粛要請が出されている中、客足の遠のいた個人飲食店の中には、非常に厳しい経営状況に追い込まれている店舗も少なくありません。大企業に比べて経営基盤の不安定な個人飲食店では、一か月や半月の休業でも、倒産してしまう可能性があります。
その一方で、「経済を回したい」「困っている個人経営の飲食店を助けたい」という消費者の声も多く、これらのニーズをマッチさせる方法を模索した結果、今回のプロジェクトの発案に至りました。
プロジェクトの目標
このプロジェクトが目指すのは、以下の3つです。
- 「困難に立ち向かい頑張って輝く個人飲食店を応援し、お客様と個人店が支え合う」ための仕組みの構築。
- クラウドファンディングで募った出資金の加盟店への分配と、収束後の業績回復の加速。
- 支援者と一体となって取り組むことによる、独立したビジネスを行う経営者の孤独感の解消。
危機にありながらも美味しいものを提供し続けたいと考えて必死に経営をやりくりする個人飲食店も多く、そうした店舗と顧客を繋げるような仕組みが作り出されました。
プロジェクトの仕組み
プロジェクトの仕組みは、集まった支援金の20~25%を全参加飲食店に公平に分配し、その残りを新型コロナウイルスの流行収束後に参加飲食店で使用できるチケットとして支援者に還元するというものです。
まず、参加飲食店はハッシュタグ「#YummyBeatsCorona」をつけ、SNSで料理の写真を投稿します。
投稿を見てその飲食店を支援したいと思った人は、クラウドファンディングプラットフォーム「MotionGallery」上の特設サイトで寄付や出資をします。
出資方法には「シンプルに応援」「出資」の2種類があります。
「シンプルに応援」を選んだ場合は寄付と同じ扱いになり、出資金すべてが参加飲食店に分配されます。
「出資」を選んだ場合は、出資金の一部が参加飲食店に分配されたのち、残った分は飲食チケットとして支援者に還元されます。飲食チケットは、新型コロナウイルス収束後にすべての参加飲食店で使えます。
飲食店がプロジェクトに参加するには?4つのメリットや注意点も
個人飲食店を経営する人であれば誰でも参加できるこのプロジェクトですが、参加するためにはどのような手順を踏むのでしょうか。
続いては、プロジェクトへの参加方法を紹介します。
※「おいしいは、コロナに負けない。」プロジェクトは4月末をもって終了しました。新規の参加はすでに締め切られています。
参加方法
飲食店側の、このプロジェクトへの参加方法は至って簡単です。
まず「MotionGallery」上の特設サイトで参加の手続きを行ったあと、その店舗のInstagramアカウントで、店舗で提供している料理の写真を投稿します。
その際ハッシュタグ「#YummyBeatsCorona」をつけることによって、プロジェクトの公式Instagramアカウントにリポストされるとともに、このプロジェクトに関心を持っている人に投稿を見てもらえます。
飲食店はこのプロジェクトに参加することで、支援者からの出資金の一部を分配金として受け取れます。
出資金から分配金を差し引いた残りは、支援者に飲食チケットという形で還元されます。再び店舗が再開した際には、実店舗を訪れた支援者に、チケットと引き換えに料理を提供します。
あとでプロジェクトの事務所にチケットの使用額を報告することで、チケットと同額のお金が後に事務局から振り込まれます。
4つのメリット:運転資金の確保・新規顧客の獲得など
個人飲食店にとって、このプロジェクトに参加することのメリットは大きく分けて4つあります。
まず1つめとしては、参加するだけで平等に分配金を受け取れることが挙げられます。運転資金の足しになり、収入減、経営難に苦しんでいる店舗にとってこれは大きなメリットです。
2つめとしては、新型コロナウイルス収束後に顧客が持ってきたチケットと引き換えに飲食店が料理を提供した場合、のちにチケットと同額のお金を受け取れることが挙げられます。
3つめは、SNSを活用して料理や店舗の紹介を行うことで、情報の拡散が期待でき、新規の顧客を獲得できる可能性がある点です。
4つめとしては、経済産業省創設「おもてなし規格認証」の認証機関である一般社団法人OSTiからおもてなしスキルアップのためのリストがもらえる点が挙げられます。
これは、「おもてなしに力を入れている飲食店」ということを示す「紅認証(べににんしょう)」に登録されたリストです。このリストを活用することで、どのような点に力を入れればより顧客にとって居心地のよい店舗になるのかがわかります。
このプロジェクトは、参加飲食店にとってSNSへの投稿という簡単な作業だけでこれら多くのメリットが得られる仕組みになっています。
出資金の分配は早くても6~7月ごろ
メリットの多いこのプロジェクトですが、注意点もあります。
クラウドファンディング運営会社との兼ね合いで、出資金が参加店に分配されるまでには時間がかかるということです。フェーズ1の参加店が分配金を受け取れるのは早くても6月中、フェーズ2の参加店への分配は早くて7月中になります。
プロジェクト参加後はインスタ映えを狙う
SNSを活用したマーケティングや集客、宣伝は今の時代当たり前になっています。今回のプロジェクトでも、Instagramを活用してユーザーの目を引くことは、重要なポイントの一つです。
Instagramの特徴
Instagramは、写真や短い動画の投稿をメインとしたSNSです。
以前は「若者のもの」「女性のもの」というイメージ持たれがちだったInstagramですが、2019年6月時点での国内ユーザーは男性4割、女性6割と、男性の割合も決して少なくありません。Instagramを活用することで、性別問わず集客ができます。
Instagramでは、アカウントの投稿内容をフォロワーが見るという使い方が一般的ですが、投稿する際にシェアやハッシュタグなどを活用すれば、フォロワー以外のユーザーの検索流入も見込めます。
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「インスタ映え」する写真を撮るポイント
「インスタ映え」という言葉をよく耳にするようになって久しいですが、いまやこれは「若い女性だけのもの」ではありません。
写真を「インスタ映え」させるためには、単に「おしゃれな写真」というだけでなく、人の目に留まる、統一感がある、情報のバランスなど、様々なポイントがあります。
具体的に写真を「インスタ映え」させるには、以下の点に注意すると良いでしょう。
- 自然光の中で撮る
- 構図を工夫する
- 撮った写真をアプリで加工する
特に、飲食店という立場で集客目的で「インスタ映え」を狙うのであれば、「食べたくなる」「店舗に足を運びたくなる」など、見る人がその写真からどのような印象を受けるかを意識することが非常に重要です。
コロナに立ち向かう個人飲食店を応援するプロジェクト
新型コロナウイルスが世界経済に与える影響は甚大で、現在多くの中小企業が経営難に苦しんでいます。
一方で、そういった個人商店・個人飲食店を支援したいと考えている人も多く、それらをマッチさせたのがこの「おいしいは、コロナに負けない。」プロジェクトです。
飲食店側は気軽にプロジェクトに参加でき、新規顧客の獲得や、おもてなしスキルのアップなど、収入確保の他にも多くのメリットがあります。
これらの個人飲食店を存続させていくためにも、店舗側と支援する側の両者が一丸となってこの危機に立ち向かう本プロジェクトに、大きな期待が寄せられています。
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