新型コロナウイルス感染拡大の影響により、いま多くの飲食店が経営の危機に立たされています。
飲食店経営に関する調査を行う「飲食店リサーチ」が実施したアンケートによると、調査対象となった飲食店の8割で同年前月より売り上げが減少したことが明らかになっており、飲食店の経営問題は深刻化しています。
国や地方自治体では助成金や支援策を設けているものの、手続きが複雑で融資までに時間がかかるため、受給を待つあいだに倒産してしまうというケースも珍しくありません。
「倒産ドミノ」とも呼ばれる状況を凌ぐため、いま飲食店業界ではテイクアウトやデリバリーの販売を開始する動きが見られます。
本記事では、緊急事態宣言が飲食店の経営に与えた影響や、テイクアウトやデリバリー販売を始めるために必要な物品・許可についてご紹介します。
緊急事態宣言による制限営業や休業
新型コロナウイルスの感染拡大により発出された緊急事態宣言を受け、多くの飲食店が営業を縮小または休業するなどの措置を行っていました。5月に入り段階的に緊急事態宣言が解除され、5月25日には全国で緊急事態宣言が解除されました。
しかし、政府や各都道府県では急激な人の増加や移動に警戒を呼びかけており、飲食店の営業も段階的な規制緩和となっています。
ウイルスに対する人々の不安も拭い去れないため、ただちにコロナ前の状況に客足が回復することは困難です。
この項目では、緊急事態宣言が飲食店の経営状態にもたらした影響をご紹介します。
多くの飲食店が売り上げ減少
飲食店経営に関する調査を実施する「飲食店リサーチ」が、外食業界関係者向けの求人情報などを掲載するサイト「飲食.COM」の会員を対象に実施したアンケート調査によると、多くの飲食店で売り上げが減少していることが明らかになりました。
2020年3月の売り上げと前年同月での売り上げの変化を訊ねた項目では、「前年同月より30%減った」が第1位(20.8%)、「前年同月より20%減った」が第2位(16.5%)、「前年同月より40%減った」が第3位(13%)という結果が出ており、多くの飲食店で20%〜40%の売り上げ減少が認められます。
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緊急事態宣言による休業
これまで東京都、千葉県、神奈川県をはじめとする7都府県を対象に発令されていた緊急事態宣言は4月16日、その対象を全国規模に拡大しました。
全国に対象が拡大された緊急事態宣言は、5月14日に39県で、5月21日に関西3府県で、そして5月25日に関東と北海道の5道県で解除されました。
緊急事態宣言の対象が全国に拡大された影響で、各地に店舗を構えるファストフードや居酒屋、カフェなどのチェーン店では一部店舗を休業したり、営業時間を短縮するといった措置を講じていました。
また解除後も、しばらくは営業時間短縮の動きや感染拡大を防ぐ取り組みが続くとみられます。
人件費や家賃
飲食店経営には光熱費などの固定契約料、リース料、人件費、家賃などさまざまな固定費がかかります。
多くの飲食店に共通する固定費の項目には人件費と家賃の2つが挙げられ、これらは休業などにより売り上げのめどが立たない期間でも支払いを続けなければならない場合がほとんどです。
アルバイトに支払う人件費は変動費として数える場合もありますが、正社員を雇っている場合は毎月の人件費支出が発生します。
通常営業を再開できる見通しが立たない中、固定費の支払いは多くの飲食店にとって痛手になっていると言えるでしょう。
テイクアウト・ピックアップ開始にあたって
新型コロナウイルスの影響により、多くの飲食店では売り上げを立てづらい状況が続いており、従来の店舗運営からテイクアウトやピックアップ形式のサービス展開に切り替えるケースも見られます。
この項目では、テイクアウトやピックアップ形式のサービスを取り入れるメリットや、海外における導入事例、テイクアウトサービスをはじめるために必要な物品・許可についてご紹介します。
テイクアウト・ピックアップ
料理を店頭で注文して持ち帰る「テイクアウトサービス」や、料理を事前に注文した上で取りにいく「ピックアップサービス」では、飲食店内に人が密集しないため、新型コロナウイルスの感染リスクを抑えられるというメリットがあります。
とりわけピックアップサービスでは利用者が料理をあらかじめ注文できる仕組みのため、利用者どうしの接触や、利用者の外出時間を最小限に留めることが可能になります。
BBCの報道をもとに海外の事例を参照すると、イギリスでは多くの飲食店がテイクアウトでのサービスに営業形態を変更しているとのことです。
ただし、テイクアウトでは容器からの感染リスクも懸念されるため、テイクアウトを利用する際は食べ物を皿に取り出し、ナイフやフォークを使って食べることが専門家により推奨されています。
飲食店がテイクアウト開始する方法と課題|テイクアウトアプリ「menu(メニュー)」の活用
新型コロナウイルスの影響で、
テイクアウトの場合に追加で必要な物品
テイクアウトサービスを提供する場合、食品を持ち帰り用にするための包装資材が必要になります。通常、包装資材は卸問屋から購入しますが、ECサイトで包装資材を取り扱う店舗もあり、場合によっては翌日配達に対応しているECサイトもあります。
包装資材にかかる費用は店舗よっても異なりますが、あるECサイトの価格を参考にすると、どんぶり25枚分で220円、プラスチック弁当箱は50枚で550円程度の価格で販売されています。
テイクアウト用の容器を選ぶときの注意点として、提供する食べ物が液漏れしやすい場合は包装資材が密封できるか否かを調べておきます。
液漏れしやすい食べ物を扱う場合、適切な容器を選び、配達時もラップで容器を巻くなどの工夫も求められるでしょう。
テイクアウトに必要な許可
テイクアウトサービスを提供する場合に必要な許可は、飲食店営業許可証をすでに持っているか否かで異なります。
飲食店営業許可証をすでに持っており、既存店舗の調理場で作ったものをテイクアウトで提供する場合、新しく許可を取得する必要はありません。
上記のケースに当てはまる場合は、既存の飲食店営業許可証の適用範囲内という扱いになるためです。
ただしテイクアウト専門店や屋台では、営業地域や扱う食品によって適用される規定が異なるため、テイクアウト主体の店舗をはじめる場合は保健所と相談する必要があります。
デリバリー開始にあたって
テイクアウトサービスのほか、飲食店経営者のあいだでは食品を家庭まで配達する「デリバリーサービス」の導入にも関心が寄せられています。
この項目では、デリバリーサービスを取り入れるメリットやデメリット、デリバリーの委託方法、運営に必要な許可についてご紹介します。
飲食店がUber Eats(ウーバーイーツ)を導入する
Uber Eats(ウーバーイーツ)は、「料理をテイクアウトしてほしい店舗」と「料理を配達してほしいユーザー」と「料理を配達したいユーザー」三者をマッチングするサービスです。配達による食事の提供を行っていない飲食店でも、加盟店となることで、配達要員や輸送手段を確保せずに、デリバリーを始めることができます。Uber Eats(ウーバーイーツ)を導入する上でのメリット、デメリットを挙げた上で、導入効果と注意点を解説していきます。Uber Eats(ウーバーイーツ)導入のメリットUber Eat...
デリバリーは感染予防になる?
デリバリーサービスでは利用者が食品を取りに飲食店を訪れる必要がなくなるため、他の買い物客との接触を防げます。テイクアウトやピックアップサービスに比べ、デリバリーでは他の利用者や販売者との接触機会をさらに抑えられることがメリットと言えるでしょう。
ただし、食品は配達員の手を介して届けられるため、感染するリスクもないとは言い切れません。
BBCの報道によると、食品安全の専門家であるリサ・アッカリー博士はデリバリー利用者に対し、玄関前に「ベルを鳴らしたらドアから離れてください」というメモを置くよう勧めているとのことです。
このように、食品の手渡しを避けるなどして配達員からの感染リスクを減らす努力も必要になるでしょう。
デリバリーの委託
食品のデリバリーを導入する際、業務委託サービスを利用して配達のみ外部に委託するという方法もあります。
デリバリーの委託を申し込める場所は「Uber Eats(ウーバーイーツ)」や「出前館」、「楽天デリバリープレミアム」といったサイトです。一般的な料金体系は、委託時に初期費用として数万円を支払い、配達時にデリバリー注文者が支払う料金の一部を費用として徴収する形式です。
サービス会社の料金を比較するサイトはありますが、上記に挙げたサイトのホームページでは料金プランを公開していないため、具体的な料金を調べるためには資料請求が必要となります。
もとからデリバリー業務をしていないと登録できない会社もあるため、自身の店に最適なサービスを見つける下調べが重要です。
デリバリー開始の際に必要な許可
食品営業許可を得た飲食店がデリバリーサービスを始める場合など、すでに許可を得ている場合は新しく申請する必要はありません。
ただし、既存の飲食店を使用せず、単体でデリバリーサービスを始める場合は保健所に「食品営業許可申請」を提出しなければなりません。
食品営業許可を申請するには、申請書に加えて指定された書類を用意し、営業所の地域を管轄する保健所に提出します。提出のタイミングは、店舗が営業開始する予定日の1週間から10日前です。
その後営業所での確認検査に立ち会い、施設の基準適合が認められた後に、営業許可通知書と営業許可事項が交付されます。
感染予防を前提として営業を続ける方法も考える
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、多くの飲食店は営業縮小や休業などの措置を続けざるを得ない状況にあります。
しかし飲食店では、食品営業許可を利用してテイクアウトやデリバリーサービスの提供を始められます。こういったサービスの利用は、来店するよりも感染のリスクを避け、感染拡大を防ぐことにつながります。厳しい状況を凌ぐには、このようなサービス形式も取り入れることが重要でしょう。
サービスの導入の際には、開始するにあたって必要な許可についてきちんと調べることが必要です。
リモートワークで仕事をする人や外出を控える人が増えたいま、平日に家族が揃う家庭も珍しくないはずです。
大人数用の商品を用意するなど、利用者のニーズを掴み即座に対応することで経営状況に活路が見えるでしょう。
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