緊急事態宣言が全国に広がり、乏しい補償で休業を迫られる飲食店の窮状が連日のように報道されています。しかしその一方で、飲食店の窮状を救うべく、各地でさまざまな飲食店支援の輪が広がっています。
そうした動きのひとつとして、「Gigi株式会社」(本社・福岡市)が2020年3月初旬からスタートさせたのが、スマホアプリを中心に運用している飲食店の先払いシステム「さきめし」です。そこで今回は、さきめしの仕組みや実際の利用方法について、詳しくご紹介します。
さきめしとは
さきめしは「アプリを通して・人さまに・お食事をごちそうできる」をテーマに誕生したサービス「ごちめし」の「ごちる」機能を、新型コロナウイルスの影響で苦境に陥っている飲食店救済のために活用するために開発されたサービスです。
そこでまずは、さきめし誕生の経緯について詳しく解説します。
さきめし誕生の経緯
さきめしの基本アプリであるごちめしは、Gigi株式会社の代表取締役・今井了介氏が、帯広にある「結(ゆい)」という食堂で実践されていたシステムをヒントに開発したものです。
結のシステムは、500円の食事をした場合、自分の会計に500円プラスして支払うことで、見知らぬ誰かに「おごる」ことができるというものです。そのためおごり、おごられる関係が店の中だけの循環に留まりますが、ごちめしはアプリ化することで、場所を選ばずに、身近な人や知らない誰かにごちそうできる仕組みに発展させました。
苦境の飲食店への優しさ
通常、会計の際にユーザーがクレジットカードや電子マネーを利用したり、外部のデリバリーサービスを利用した場合、店側には手数料の負担が発生します。
さきめしにおいても、システムの提供元では10%のシステム手数料を徴収していますが、システム誕生の目的が新型コロナの影響で苦境に立つ飲食店の応援にあるため、さきめしではこのシステム手数料をユーザーが代金に10%上乗せする形で負担するなど、飲食店を支える姿勢が貫かれています。
飲食店以外にもサービス展開
Gigi株式会社では、さきめしの活動を飲食店業界に限定せず、他業種の人にも自由に利用してもらうことを目指し、2020年4月より新たに「さきめし開放」サービスの提供を開始しました。
従来のさきめしでは、ユーザーは個別の店を選んで支援をする形でしたが、さきめし開放では自治体や地域、業界単位でプロジェクトを立ち上げて参加店舗を募り、ユーザーは個別店舗の利用以外にも、「プロジェクト参加店舗への全額支援」(1,000〜10,000円)も選択可能です。全額支援で集まった収益は、全額参加店舗に等分に配分されます。
行政機関も巻き込んでさきめしで支援
さきめし開放の第一弾として奈良県・生駒市が手を挙げ、2020年4月20日より「いこま応援ごはん」プロジェクトが立ち上がっています。プロジェクトに参加できる店の用件は
- 生駒市内で営業する飲食店
- テイクアウトやデリバリー等のメニューを提供している
- 店内の2方向換気、スタッフのマスク着用等の店内の3密対策をしている
と定められており、4月23日時点で30店舗がプロジェクトに参加しています。ユーザーはこれらの登録店舗に対し、個別店舗への支援と、プロジェクトへの支援のどちらか、または両方を選択できます。
利用するには
店側がこのシステムに参加するためには、加盟登録が必要です。そしてユーザーが利用する場合には、基本的には専用アプリをダウンロードします。ここではユーザー、飲食店向け別に、さきめしの利用方法を説明します。
飲食店経営者の登録の仕方
飲食店がごちめしに登録するためには、3つのステップがあります。
ステップ1. 店舗登録
- メールアドレスを入力して仮登録を行い仮パスワードの発行を受ける
- 仮パスワードで管理システムにログインしパスワードを変更して本ログイン
- 仮登録店舗検索を行い登録がある場合には必要な情報の追記、登録がない場合には新規登録に進む
- 必要な情報を入力して店舗登録を行い最後に規約に同意する
ステップ2. メニュー登録
- 管理システムの「ごちめし開店情報登録画面」から「メニュー登録」を選択
- メニュー情報を入力
ステップ3. 開店処理
- 管理システムのごちめし開店情報登録画面から「本人情報登録」を選択
- 本人確認書類を登録 ※2020年4月現在、印鑑証明書ではなく、店舗責任者の身分証明証(運転免許証・マイナンバーカード等)でも代替可能に簡素化
- 本人確認が受領されると、サービス利用開始のお知らせがメールで届く
- 銀行口座情報の登録とSMS認証を行う
登録専用サイト: https://manage.app-gochimeshi.com
顧客側の使い方
さきめしのユーザー側の利用方法はとても簡単です。基本的にはスマホに専用アプリをダウンロードして、参加店舗一覧サイトから応援したいと思う店に自分宛に「ごち」を入れるだけです。
決済もメールアドレスとクレジットカード情報を入力するだけで、面倒な会員登録などはありません。決済が完了するとクーポンが発行されるので、有効期限である6ヶ月以内に店に出向いてごち分の飲食を楽しみます。なお、PCからのアクセスも可能ですが、アプリ限定機能もあり、アプリ利用が便利です。
さきめしを利用する際の注意点
「ありそうでなかったサービス」として現在注目を集めているごちめしですが、利用する前にはリスクについても、しっかりチェックしておきましょう。
ここではさきめしを利用する際の注意点を紹介します。
支援者と飲食店双方にリスクはある
支援者であるユーザー側のリスクとして一番大きいのは、支援した店の閉店です。
さきめしでは、入金した店舗が閉店した場合、支払い済みのお金に対する保証はなく、一切返金はありません。また現在の状況が6か月先にどうなっているのか、まだまだ先が不透明な部分が多く、6か月以内に店に食べに行ける保証がないことも、現状ではユーザーにとっては大きなリスクの1つです。
一方、支援を受ける立場にある飲食店サイドにも、一定のリスクがあります。さきめしは寄付ではなく、あくまで飲食代の先払いなので、急場を凌ぐためには有効な手段ですが、運転資金を先付けでもらったつけが、近い将来重くのしかかってくる可能性も否定できないためです。
飲食店がコロナの危機を乗り越えるために、それぞれができること
飲食店に対しては、国や自治体も助成金や補助金の制度を立ち上げ、救済の手を差し伸べる努力を重ねています。
さらに民間の中でもさきめしのように、飲食店の救済とビジネスを結びつけたものが登場しています。飲食店オーナーは新しく生まれるツールや発信される様々な情報をキャッチアップし、利用できるサービスはなんでも活用するといった貪欲な姿勢が必要ではないでしょうか。
ユーザーにとっては、今すぐに「食べて応援」することが難しい環境です。そこで東京・目黒区の「学芸大学テイクアウトMAP」のように、地元有志が我が街の飲食店のためにボランティアで情報をまとめてSNSで拡散するといった活動が各地で広がっています。
一人一人ができることをできる範囲で行うことで、この未曾有の災難を乗り切ることができるでしょう。
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