回転率をあげることは、より多くの顧客を取り込むことでもあり売上をあげることにつながります。
この記事では、回転率の概要、回転率をあげるためのポイント、飲食店において売上をあげるための施策について解説します。
回転率と稼働率そして客単価のバランスが大切
店舗の売り上げをアップさせるために回転率の向上が必要ですが、回転率だけをあげるのではなく、稼働率と客単価を含めた三位一体のバランス調整が大切です。
カウンターとボックス席の配分、ボックス席の席数、1品あたりの価格設定など、多角的な視点から売上向上のための糸口を見つけましょう。
回転率とは
回転率とは、何人の来客者が席を利用したかを示す数値です。回転率は来客数をお店の席数で割ることで算出できます。
例えば、100席のお店に1日150人の来客があった場合、150÷100=1.5回転したことになります。
回転率は業種によって様々で、ゆったり寛げるカフェなどは回転率が低く、その分客単価が高い傾向にあります。
稼働率とは
稼働率とは、店舗の全客席のうち、どの程度稼働しているかを指しており、満席時の着席率によって割り出します。つまり、稼働率をあげるために大切なことは集客ではなく、1グループあたりの客数や1人で来店する客の割合などの顧客性質です。
例えば、喫茶店ではボックス席を多く設置するのが一般的ですが、都心のオフィス街に位置しており休憩がてら利用するサラリーマンの1人客が多い場合には、ボックス席を減らし1人席を多く設置するなどの工夫ができるでしょう。
客単価とは
客単価とは、顧客が1度の来店で支払う平均額を指しており、店舗の売上を来店客数で割って求める値です。売上から割り出すことからもわかる通り、まさに売上に直結する数値であり、売上の向上を目指す上で客単価に対する意識は必要不可欠です。
また、客単価は結果論としてではなく、ビジネスモデルや売上目標を構想する段階から意識すべき重要なポイントです。客単価をあげることにより利用客数を増やさずとも売上をあげることが可能となるため、特に顧客の獲得が難しい業界においては最重要事項となることも少なくありません。
回転率をあげるには
回転率とは、来店顧客数を総席数で割り出した率を指し、効率の良い店舗運営を目指す上での指標となる値です。
回転率をあげるためにはどのようなポイントがあるのでしょうか。回転率をあげるためのポイントについて解説します。
回転数は(客席)稼働率と一緒に考える
回転数は独立して考えるのではなく、稼働率と併せて考える必要があります。
稼働率とは、満席時の人数を総席数で割ったもので、たとえば4人席に1人で来店した顧客を通してしまうと稼働率は下がることになります。
つまり、回転数があがっても稼働率が減れば結果として売上は変わりません。逆もまた然りであり、回転数と稼働率はともにあげなければならないと認識することが大切です。
ポイント1. 提供のスピードを速くする
回転数を増やすためのポイントは提供のスピードです。仕込みや下準備によって注文後の調理手順や調理工程を減らすことや、効率よく調理を進めるための環境を整えることなどがスピーディーな提供を実現するための対策となるでしょう。
また、スタッフの人員配置も提供速度に影響を与える要因の1つです。レジ、ホール、キッチンにスタッフを配置する際には適材適所を心がけましょう。
ポイント2. テーブルを小さくする
見逃されがちなポイントではありますが、回転数をあげるためにはテーブルのサイズにも着目すべきです。テーブルに空きスペースがなくなると早く食べようという心理が働きやすく、結果として回転数向上につながる可能性が高まります。
現状のテーブルのサイズが大きすぎる場合には、調味料やポップ、アンケート用紙などの小物を配置することによって調整を図ることも可能です。
しかし、テーブルが狭いことは顧客の不満につながるリスクもあるため、どの程度のスペースを確保するかは入念に検証する必要があると言えるでしょう。
ポイント3. テイクアウトの実施
テイクアウトは、店内の座席を埋めることなく顧客に店舗を利用してもらえる方法の1つです。満席時に座席が空くのを待つことなく店舗を利用できるため、顧客目線でもメリットのある対策と言えるでしょう。
一方で、容器や割り箸、使い捨てスプーンなどの備品が必要となるため、価格設定は慎重に行う必要があります。また、テイクアウトに対応することにより店内利用客に対する提供スピードが落ちてしまうと、結果として売上は変わらないため、スタッフのキャパシティについても考えなければなりません。
ポイント4. 事前にオーダーをうける
回転率をあげるための方法として事前にオーダーをうける方法もあります。満席時に列に並んでいる顧客からオーダーをとることで、着席後すぐに料理を提供することが可能となります。特に、提供までに時間がかかる店舗の場合には非常に有効な対策です。
しかし、ラーメンやパスタなどの麺類のように短い時間で著しく味や食感が落ちてしまう料理の場合には、事前オーダーが適さないこともあります。
飲食店で売上を上げるポイント
飲食店において売上をあげるための方法について、回転率の観点からポイントを解説してきましたが、回転率がすべてではありません。
効率よく売上を伸ばすためには多角的なマーケティングが必要とされるため、回転率の向上を目指すと同時に他の施策にも取り組むと良いでしょう。
以下では、飲食店における集客のポイントについて解説します。
常連客を増やす
一般的に、客商売において、新規顧客を獲得するには常連客を獲得するのに比べて5倍のコストがかかり、既存顧客の客離れを5%防ぐだけで店舗の利益率は25%改善できると言われています。
これらは1:5の法則や5:25の法則とも呼ばれるもので、飲食店をはじめとする、接客業に携わる店舗にとっての新規顧客獲得の難しさや既存顧客囲い込みの大切さを示しています。
また、常連客を獲得するための目安として、特定の顧客と3回接触すると安定して通ってもらえるようになり、10回接触すると固定客になると言われています。
常連客を増やすことは店舗の売上を伸ばすだけでなく、コスト面でもメリットがあります。
口コミを増やす
口コミを増やすことも売上をあげる上での対策となります。
口コミを増やすことに成功すれば、販促費や広告費をかけずに新規顧客を獲得できることから、特にコストパフォーマンスに優れた手法であると言えるでしょう。
また、口コミは店舗を実際に利用した顧客の感想であるため、プロモーションや広告の謳い文句よりも素直に受け入れられるという要素もあります。
口コミを増やすための具体的な方法としては口コミ手段の提供と口コミの促進です。
まず、手段の提供では口コミサイトへの登録や、飲食店であればグルメサイトへの登録などが効果的でしょう。
登録後は口コミを投稿してもらえるよう、サイトに登録している旨の掲示や声掛けをして口コミの投稿を促進します。
回転率を上げて売上アップへ
売上を向上させるために集客対策に取り組んでいる店舗は多くありますが、集客だけでなく回転率も店舗の売上を左右する要素の1つです。
特に集客対策によって思うような結果が得られていない店舗にとっては、回転率を意識することを優先すべきかもしれません。
また、回転率は、稼働率や客単価と併せて考えることにより店舗にとっての課題や改善点を見出せるようになるでしょう。
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