株式会社エビソルの調査によると、全国の飲食店の57.7%が「外国人観光客が増えた」と回答していることが分かりました。
10月11日に開始された、インバウンドに関する規制緩和(入国者数の上限撤廃・個人旅行の解禁)などを受け、飲食店では客足回復に向けた期待感とともに、すでに客足増加への影響も見受けられます。
飲食店の57.7%が「外国人観光客が増えた」
株式会社エビソルは、同社サービスを利用する全国の飲食店に対して、インバウンドに関するアンケートを実施しました。(調査期間:2022年11月1日~11月6日、有効回答数:71名)1.飲食店の8割近くが、外国人観光客の客足増加に「期待している」
”インバウンド規制緩和を受け、客足増加への期待はあるか”の質問には、全体の77.5%が「期待している」「どちらかといえば期待している」と回答しました。また”緩和前と比べて、すでに外国人観光客の客足に影響はあるか”の質問には、全体の57.7%が「客足が大幅に増加した」「どちらかといえば客足が増加した」と回答しました。
インバウンド規制緩和から約1ヶ月が経過し、飲食店では客足回復に向けた期待感とともに、すでに客足増加への影響も見受けられます。
2.飲食店の4分の1以上が、客単価が「上がった」と感じている
”昨今の急速な円安などを受け、外国人観光客の来店によるお店の客単価への影響はあるか”の質問には、全体の25.4%が「単価が上がったと感じている」「どちらかといえば単価が上がったと感じている」と回答しました。元来インバウンドの単価は国内客と比べて比較的高くなる傾向にありましたが、円安の影響もあり、引き続きインバウンド単価の上昇が期待できる可能性がうかがえます。
3.飲食店の6割近くが「人手不足がさらに深刻化する」ことを不安視
”インバウンド規制緩和を受け、今後、店舗における人手不足が深刻化すると感じるか”の質問には、57.1%の飲食店が「人手不足が深刻化すると思う(または深刻化している)」「どちらかといえば人手不足が深刻化すると思う(または深刻化している)」と回答しました。外国人観光客の来店による客足回復への期待感の一方で、コロナ禍以降継続して飲食店の課題となっている対応するスタッフの人手不足の観点では、経営者やオーナーにとって大きな不安が広がっていることがうかがえます。
規制緩和が進むなか、人手不足が解決できないままでは、飲食店の経営は依然として厳しい状況であることがわかります。
4.飲食店の7割以上が「外国人観光客の集客に課題」
”外国人観光客の集客について、課題感を感じているか”の質問には、70.4%が「課題を感じている」と回答しました。また、そのうち半数以上の58.0%は「課題を感じているが、解決のための施策を打てていない」と回答しました。解決のための施策を打っている飲食店に対して、現在どのような対策を行っているか聞くと、上位から
- 「英語や中国語による接客対応を準備」(23.2%)
- 「外国の方向けのメニューを開発」(17.1%)
- 「Googleビジネスプロフィール(Googleマイビジネス)の店舗情報を充実」(14.3%)
- 「店舗ホームページや予約フォームへの外国語表記」(14.3%)
がランクインしました。
来店客に対する対応が中心となる一方で、「海外の予約サイトや旅行メディアなどに店舗情報を掲載」(12.5%)、「Instagramなど店舗SNSで海外のお客様を意識した情報を発信」(7.1%)といった、訪日外国人に対して情報をリーチするための発信活動を行っている企業は多くないことがうかがえます。
インバウンド需要増に備えて効果的な集客を
本調査により、インバウンド規制緩和後、外国人観光客の客足増加が伺えました。円安の状況も併せて、引き続き飲食店にはインバウンド需要の増加が見込まれます。外国人観光客の集客は、多くの飲食店が課題と感じている一方、その対策は十分とはいえず、どのように集客の対策を打てばいいかわからないといった店舗も多く見受けられました。
客足増加後の人手不足の不安も依然として大きな課題であり、より効果的な集客戦略が求められます。
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〔参照〕株式会社エビソル:エビソル、飲食店向けインバウンドに関するアンケート調査を発表
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